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公開日:2019.6.13  更新日:2020.9.30

酒気帯び運転で逮捕される基準や刑罰|事故を起こした場合の罪も解説

当社在籍弁護士
監修記事
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令和元年版の犯罪白書によると、平成30年中に飲酒運転で検察庁に送致された件数は2万6,602件でした。

厳罰化された現在でも「ちょっと飲んだくらいなら大丈夫」「すぐそこまでだからバレない」と誘惑に負けて飲酒運転をしてしまう人はあとを絶ちません。

法律では、飲酒運転を「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つに区別しており、適用される基準や刑罰が異なります。

いずれにしても厳しい罰則が用意されており、違反点数による行政処分だけでなく刑事事件として刑罰が科せられることになるため、どのような展開が待っているのかを知っておくべきでしょう。

この記事では、飲酒運転のひとつである「酒気帯び運転」に注目して、適用される条件や行政処分・刑罰、逮捕された場合の流れなどを詳しく解説します。

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酒気帯び運転での逮捕と酒酔い運転の違い

道路交通法は「飲酒運転」を禁止しています。

【道路交通法第65条1項 酒気帯び運転等の禁止】

何人(なんぴと)も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

 

この規定が「飲酒運転」を禁止する根拠です。

「酒気を帯びた状態」での一切の運転を禁止しているので、ビールや日本酒などの酒類を口にした状態での運転はもちろん、アルコールを含んだ食べ物や菓子類を食べた状態でも、飲酒運転の規制対象になり得ます。

飲酒運転は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つに区別されており、体内に保有するアルコールの量や酔いの程度などによって判断されます。

酒気帯び運転の基準と刑罰

飲酒運転のうち、軽度の違反となるのが「酒気帯び運転」です。

呼気1リットルあたり0.15ミリグラムもしくは血液1ミリリットルあたり0.3ミリグラムのアルコールを体内に保有した状態で車両を運転すると成立します。

罰則は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

酒酔い運転の基準と刑罰

飲酒運転のなかでも重い刑罰が科されるのが「酒酔い運転」です。

体内のアルコール保有量に関係なく、アルコールの影響によって車両を正常に運転できない状態で車両を運転すると成立します。

罰則は酒気帯び運転よりも重たい「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」が規定されています。

どちらが適用されるかは飲んだ量と体質によって異なる

警察官による検問や職務質問、交通違反や交通事故などで飲酒運転が疑われた場合、まず警察官は呼気検査を実施します。

ここで体内に基準値を超えたアルコールを保有すれば最低でも酒気帯び運転となりますが、さらに「酔いの程度」が重いと酒酔い運転とみなされるのです。

警察官による飲酒検知では、呼気検査のほかにも質問への応答や歩行などによって総合的に酔いの程度が観察されます。

質問に整然と答えられない、応答はするがろれつが回っていない、直線に沿ってまっすぐ歩くことができないなどの状況があれば、酒酔い運転とみなされるでしょう。

酒気帯び運転と酒酔い運転のどちらが適用されるのかは、飲酒の量と体質によって変わります。

アルコールの保有量が基準値を大きく上回っていても、酔いの程度が弱ければ酒気帯び運転と判断されるでしょう。

反対に、たとえアルコールの保有量が基準値以下でも、お酒に弱く酔いの程度が強ければ酒酔い運転となる可能性があります。

飲酒の量、体質のほか、その日の体調や精神状態なども密接に関係するでしょう。

飲酒検知を拒否した場合も罪になる

飲酒運転の発覚をおそれた違反者のなかには「検査は受けない」と拒む者もいます。

警察官による飲酒検知を拒否すると「飲酒検知拒否罪」が成立してしまい、逃亡や証拠隠滅のおそれと相まって現行犯逮捕される可能性があります。

【道路交通法第118条の2 飲酒検知拒否】

第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み、または妨げた者は、3か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

ここでいう「検査を拒み、または妨げた」とは、呼気検査を「したくない」と拒否するだけでなく、呼気検査中に風船を割る、検知管を毀損する、検知器から出力された結果用紙を破るなども含まれます。

逮捕後はさらに飲酒検知を勧められますが、これに応じないと裁判所から令状の発付を受けて強制採血される場合もあるため、飲酒運転の発覚は免れないでしょう。

酒気帯び運転での行政処分

飲酒運転には、刑罰が科せられるだけでなく「行政処分」も科せられます。

行政処分とは、違反点数による運転免許証の停止・取り消しなどの処分を指し、アルコール保有量に応じて点数・行政処分が変化します。

違反の種類

点数

酒酔い運転

35点

酒気帯び運転

(0.25㎎以上)

25点

酒気帯び運転

(0.15㎎以上0.25㎎未満)

13点

運転免許の点数は「減点」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、正確には違反によって点数が加算される方式です。

呼気1リットルあたり0.15mg以上0.25mg未満の酒気帯び運転の場合の違反点数は13点です。これは、前歴・累積の点数が無い方の場合は、90日間の免許停止となります。

また、0.25mg以上の酒気帯び運転の場合の違反点数は25点です。これは、前歴・累積の点数が無い方であっても、免許取消しの対象となり、欠格期間(免許を取得できない期間)も2年間と、重い処分となります。

酒酔い運転の場合は、違反点数が35点であり、前歴、累積点数がない方であっても、免許取消し・欠格期間3年となります。

同乗者も同様の行政処分を受けることになる

飲酒運転だと知りながら同じ車両に乗っていた同乗者は「飲酒運転同乗罪」として処罰されます。

刑罰は運転手よりも若干軽いものとなりますが、行政処分は運転手と等しく科せられるため、運転免許の停止・取り消しを受ける可能性はあります。

酒気帯び運転以外に適応され得る罪

酒気帯び運転が警察に発覚する経緯のひとつとして挙げられるのが「交通事故」です。

交通事故を起こすと警察官が現場に来るため、酒臭や言動などから飲酒運転を疑われて飲酒検知を受けることになります。

交通事故で他人を死傷させてしまうと、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われることになり、酒気帯び運転による事故であれば非常に厳しい処罰が科せられるでしょう。

事故を起こした場合の刑事罰

不注意によって人を死傷させてしまった場合は過失運転致死傷罪に、アルコールの影響による危険運転で人を死傷させてしまった場合は危険運転致死傷罪に問われて、それぞれ刑罰を受けます。

過失運転致死傷

【自動車運転処罰法第5条 過失運転致死傷】

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

不注意によって人を死傷させる事故を起こした場合は、過失運転致死傷罪が成立します。

7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金という重い刑罰が規定されていますが、ケガの程度が軽い場合は刑罰が免除される場合もあります。

飲酒運転であっても、アルコール保有量が酒気帯び運転の基準値以下で、酔いの程度がごく軽度であれば、過失運転致死傷罪が適用される可能性が高いでしょう。

危険運転致死傷罪

【自動車運転処罰法第2条1項 危険運転致死傷罪】

次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。

1 アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

【同法第3条 危険運転致死傷罪】

アルコールまたは薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

 

飲酒運転の末に人を死傷させる事故を起こした場合は「危険運転致死傷罪」に問われます。

自動車運転処罰法では、第2条1項と第3条がともにアルコールの影響による危険運転致死傷罪として規定されているので、どちらが適用されるのか難しいところです。

第2条1項は、旧来の刑法に定められていた危険運転致死傷罪にあたるもので、人にケガを負わせた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役が科せられる重罪です。

第3条は、いわゆる「新たな危険運転致死傷罪」と呼ばれるもので、第2条1項の「正常な運転が困難な状態」という条件を引き下げて「正常な運転に死傷が生じるおそれがある状態」としています。

人にケガをさせると12年以下の懲役、死亡させると15年以下の懲役です。

どちらが適用されるのかは、アルコール保有量や酔いの程度によって決まります。

酩酊状態であれば第2条1項が、酔いの程度が比較的に軽い場合は第3条が適用されるでしょう。

酒気帯び運転で逮捕された場合にすべきこと

酒気帯び運転で警察に逮捕されてしまった場合は、ただちに弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

刑事事件として扱われることになるため、身柄拘束などの流れについても理解しておく必要があります。

弁護士への相談

弁護士に相談すれば、次のようなサポートが期待できます。

  • 取調べにあたっての助言を受けられる
  • 被害者がいる場合は示談交渉が可能

酒気帯び運転では、発覚の前にどのような状況で飲酒したのか、運転中にアルコールの影響を受けていると感じた場面はあったのかなどが詳しく取調べられます。

不用意な発言によって罪が重くなるおそれがあるので、取調べにあたってのアドバイスや助言を得るべきです。

また、酒気帯び運転によって事故が発生した場合は、被害者との示談が成立することによって刑罰の軽減や早期の身柄釈放が期待できます。

事故の被害者は加害者との直接の接触を嫌う傾向があるため、弁護士を介して交渉することで示談成立の可能性が高まるでしょう。

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刑事事件の流れを把握しておく

酒気帯び運転は、違反切符のみで処理されるものではありません。

犯罪として扱われるため、刑事事件の流れを把握しておくことが大切です。

逮捕された場合は最長23日間の身体拘束

刑事事件の被疑者として逮捕された場合、逮捕から起訴までの間に最長で23日間の身柄拘束を受けるおそれがあります。

長期の身柄拘束を受けてしまえば、仕事や学校、日常生活にも大きな影響を与えてしまうでしょう。

逮捕されずに在宅事件になる場合もある

酒気帯び運転が発覚しても、逮捕されず在宅事件として扱われる可能性があります。

事故は発生していない場合や、事故が発生したが相手側の過失が著しくアルコールの影響による事故とはいえない場合などでは、逮捕されないケースもあるでしょう。

また、逮捕されたとしても、悪質性が高いケースや人が死亡するなど重大な結果が生じた場合でなければ、48時間以内に釈放されることもめずらしくありません。

刑事事件の被疑者として逮捕された場合の手続きの流れについては、別の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

【関連記事】逮捕後の流れと種類|親族が逮捕された後に今すぐ家族がすべきこと

まとめ

酒気帯び運転が発覚すれば、刑事罰・行政処分のいずれの面でも厳しいペナルティが科せられます。

交通事故に発展すれば危険運転とみなされてさらに厳しい処罰が科せられてしまうので、逮捕されてしまったら直ちに弁護士に相談してサポートを受けましょう。

弁護士のサポートを得ることで、取調べに際してのアドバイスや被害者との示談成立が期待できます。

酒気帯び運転は犯罪です。「たかが交通違反」と考えずに、弁護士に相談して万全の体制で対処しましょう。

【関連記事】酒気帯び運転とは?酒酔い運転との違いや逮捕された後の流れや罰則

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この記事の監修者
当社在籍弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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