子供が大麻所持で捕まってしまった方は、薬物事件に注力している弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士であれば、次のような活動を効果的に行えます。
- 取り調べに対する受け答えのサポート・早期釈放を目指せる
- 学校や職場への影響を最小限に収める
- 少年更生や社会復帰に向け本人と保護者へのサポート など
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大麻は違法薬物に手を染めてしまう入り口であることから、「ゲートウェイドラッグ」とも呼ばれています。海外では合法な国もあることから、未成年であっても比較的安易に手を伸ばしてしまうケースも少なくありません。
また、最近ではSNSを通して入手したり売人とつながるなどのケースも多発しております。
もし、大麻で息子や娘が逮捕されてしまったら、ショックを受けると思いますが、子供の将来のためにも迅速な対応が必要です。
この記事では、大麻の所持などによって未成年がどういった処分を受ける可能性があるのか、また、あなたの子供が逮捕された場合にどういった行動をとるべきかについて解説します。
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近年では、未成年の若者が大麻所持によって逮捕されている件数が増加してきました。まずは、大麻とは何か、未成年の大麻における実態など、基礎的なことを確認しておきましょう。
大麻とは、マリファナとも呼ばれる薬物で、大麻草から作られます。THC(テトラヒドロカンナビール)と呼ばれる物質が含まれており、脳の受容体と結合して多幸感を得られるという作用がある一方、感情が不安定になる、思考がまとまらなくなるという副作用があることが知られています。
他の違法薬物との違いは次のような点が挙げられるでしょう。
薬物名 |
作用 |
副作用 |
大麻 |
多幸感を得られる |
視覚・聴覚・味覚などが過敏になり、思考や感情が不安定になる |
覚醒剤 |
興奮させる作用がある |
強い依存性がある。大量に摂取すると死に至る可能性も |
あへん |
鎮痛・陶酔など |
昏睡や呼吸抑制 |
コカイン |
気分の高揚・眠気・疲労感の減衰 |
幻覚や呼吸困難 |
ヘロイン |
強い陶酔感など |
悪寒・嘔吐・失神など |
モルヒネ |
鎮痛作用 |
血圧低下・眠気・悪心嘔吐 |
大麻所持などによる検挙の推移は次のようになっています。
区分 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
検挙者数 |
1,813件 |
2,167件 |
2,722件 |
3,218件 |
3,762件 |
うち未成年者数 |
80人 |
144人 |
211人 |
301人 |
434人 |
2014年から徐々に増加し2018年には434人にまで増えたのが現状です。
近年では、沖縄県で未成年者が父から譲り受けた大麻を転売した(※1)、京都で14歳の男子中学生が自宅で大麻を隠し持っていた(※2)といったことがニュースなどで取り上げられています。
未成年で大麻の所有が増加している背景にはさまざまなことが考えられますが、「周囲の人に流される」「副作用への理解が薄い」などが挙げられるでしょう。
(※1)参考:沖縄タイムス
(※2)参考:NHK NEWS WEB
大麻取締法では、大麻の所持、栽培、譲渡・譲受、輸出入の4つの行為に対して規制をしています。大麻取締法における罰則は、非営利目的(自己使用等)か、営利目的かによって異なり次の通りです。
非営利目的のケース |
内容 |
刑事罰 |
所持 |
5年以下の懲役 |
|
栽培 |
7年以下の懲役 |
|
譲渡・譲受 |
5年以下の懲役 |
|
輸出入 |
7年以下の懲役 |
|
営利目的のケース |
所持 |
7年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金の併科 |
栽培 |
10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金の併科 |
|
譲渡・譲受 |
7年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金の併科 |
|
輸出入 |
10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金の併科 |
参考:大麻取締法
個人で使用する「非営利目的」に対し「営利目的」の方が、刑罰が重くされています。これには、大麻を一般社会に流通する行為が、公共の福祉を害するものであると判断されているからでしょう。
なお、大麻取締法においては、大麻の使用に関しては罰則を設けていません。これは、大麻草の茎や種子が生活の中で広く使われていることが理由として挙げられます。
大麻取締法では、大麻の「花」と「葉」を禁止対象としていますが、茎や種子は規制の対象となっていません。しかし、茎や種子にも微量ながら有害物質が含まれていることがあり、尿検査で陽性反応がでることが否定できないのです。
そのため、処罰の範囲を明確にするために、大麻の使用に関しては罰則を設けていません。
もっとも、大麻を使用した場合には原則として所持や譲り受けによって罰則をうけます。使用しても罪に問われないということはありませんので、注意しておきましょう。
上記で大麻取締法の罰則を紹介しましたが、これらは成人の場合に適用されるものです。一方、未成年が罪を犯した場合には、少年法によって、更生を目的とするために大人とは違った処分を受けることになります。
ここでは、未成年が大麻の所持や販売などでどういった処分を受けることになるのかについて説明します。
未成年が大麻所持をしてそれが初犯だった場合には、保護観察処分となるケースが多いようです。
保護観察処分では、保護司と月に数回程度面接を行い、生活する上での助言や手助けなどを受けながら更生を目指します。
保護観察の期間は、原則として20歳になるまで(20歳になるまでの期間が2年未満の場合は2年間)、もしくは保護観察が解除されるまでです。
大麻所持などによって保護観察処分となった場合には、前科はつきませんが前歴がつきます。
前歴とは、どのような罪を犯してどういった処分を受けたかという情報のことで、捜査機関のデータベースで管理されているものです。
今後、罪を犯してしまった場合には前歴をもとに過去に犯罪を行った事実を捜査機関が知ることになります。捜査を行ったり処罰が判断されたりする際に、前歴があることが考慮され、より重い罰を受ける可能性が高まります。
本人は所持しておらず、友人などにそそのかされて大麻を吸引したなどの場合もあるでしょう。大麻取締法では使用に関しては規制をしていませんから、「使用だけでは罰則を受けないのではないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、所持や譲受などと密接にかかわっていることから、大麻を使用しただけであっても「所持・譲受」によって逮捕されてしまう場合があります。逮捕後には家庭裁判所に送致後、審判で処分が決定されます。
大麻を常習的に使用したり、営利目的で販売したりした場合は、少年院に送致される可能性があるので注意が必要です。
少年院では懲役とは異なり刑罰などは行われず、社会復帰後に生活していけるよう、小中学校で習う内容の学習教育や、農作業・木工・金工などの職業訓練などが行われます。本人が望めば、高等学校や大学に沿った内容を教えるケースもあります。
少年院に収容される期間は、原則として概ね1年程度ですが、問題性が大きくない場合には、一般短期処遇として原則として6ヶ月以内、もしくは特修短期処遇として原則4ヶ月以内となるケースもあるでしょう。一方、問題が大きいと判断されると2年を超えて収容させるケースもあるので注意が必要です。
未成年が大麻所持などによって逮捕された場合には、その後どういった流れになるのかは気になるポイントの1つのはずです。逮捕されたとしてもご家族ができることはありますから、まずは落ち着いてどういった手続きになるのか確認しましょう。
【関連記事】未成年が逮捕されたら|その後の流れや措置・示談や家族に出来ること
警察官からの職務質問などによって大麻所持などが発覚した場合には、「現行犯逮捕」を、後日の捜査で大麻所有などがわかり逮捕状が発布された場合には「通常逮捕」を受けます。
逮捕後には留置場に拘束され警察による捜査を受けます。拘束される期間は48時間で、その後、検察へと送致され再度捜査をうけます。検察での捜査は送致から24時間以内です。
なお、逮捕から検察からの捜査の間は、弁護士以外が未成年本人と面会することは基本的にできません。ご家族本人がサポートすることはできませんので、逮捕された場合には直ちに弁護士に相談することをおすすめします。
勾留とは、検察への送致後にも引き続いて身体を拘束したまま捜査を行う行為のことです。検察が勾留を必要とした場合には裁判所に勾留請求を行い、認められれば原則として10日間、最大で20日間勾留を受けます。勾留中の身体拘束場所は拘置所、留置場、少年鑑別所などです。
また、ケースによっては「勾留に代わる観護措置」を受ける場合もあります。「勾留に代わる観護措置」となった場合には、捜査機関の捜査を受けるのは勾留と同じですが、少年本人は少年鑑別所へ移され、拘束される期間が10日になるという違いがあります。
なお、勾留を受けている間は家族の面会は可能です。ただし、時間制限や係員などの立会いなどたくさんの制限が課されます。
検察での捜査が終わったのち、原則としてすべての事件は家庭裁判所に送致されます。家庭裁判所に送致された後、少年本人が少年鑑別所に収容されることがあり、これを観護措置といいます。観護措置の期間は原則2週間ですが、通常は2週間の延長が認められ4週間となります。
観護措置を取ることには、少年の内面の環境などを調査するほかに、家庭裁判所での調査などに出頭しない可能性がある場合の身体確保や、再度犯罪に手を染めてしまうのを防ぐ、劣悪な家庭環境に戻らせないようにするなどの機能があります。
家庭裁判所に送致され観護措置となっている間は、精神科医による診断のほか行動観察や心理テストなどを行います。加えて、観護措置がとられていようがいまいが、家庭裁判所調査官によって未成年本人の反省の状況や現在の心情、家庭環境、学校や仕事での状況などを調査します。
また、同時に保護者には家庭裁判所からの呼び出しがあり、未成年と並行して調査官の調査を受けることもあるでしょう。
調査の結果、審判を行う必要があると判断された場合には、大人の刑事手続で刑事裁判に該当する「少年審判」が行われます。少年審判は非公開で行われ、原則として検察官が出席することはありません。
一方で、未成年が犯罪を行っていなかったときや、更生・教育的な視点から必要がないと判断された場合は、少年審判は開始されず、少年は釈放されます。
少年審判では、裁判官から、犯行の動機や反省の有無、今後の生活などについて質問がされた後、保護者、教師、雇い主なども質問を受けます。
その後、最終意見陳述などののちに、裁判官によって処分が決定されます。処分の内容は次の通りです。
処分の種類 |
内容 |
不処分 |
処分の必要がなく、釈放される。 |
試験観察 |
処分の一時保留。処分を直ちに決めるのが困難な場合に、釈放したうえで家庭裁判所調査官が観察を行う。観察の結果裁判官が最終的な処分を決定する。 |
保護観察 |
施設に収容することなく、保護司などの指導のもと、更生を図る。 |
少年院送致 |
少年院で更生のための教育を受ける。 |
児童自立支援施設等送致 |
比較的低年齢で開放的な施設での更生が適切と判断された場合の処分。児童自立支援施設では必要な指導などを行う。 |
知事又は児童相談所長送致 |
児童福祉機関に委ねるのが相当と認められた場合の処分。児童養護施設、児童自立支援施設などに入所し更生を図る。 |
検察官送致 |
刑事裁判による処罰が妥当であると判断された場合の処分。大人と同様、起訴後に刑事裁判を受ける。 |
未成年が大麻所持で逮捕されてしまった場合には、直ちに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談することで早期釈放など様々なメリットがあるからです。
ここでは、未成年者が大麻所持などで逮捕されたときに弁護士に依頼するメリットを確認しておきましょう。
取調べでは普段と違う環境におり、さまざまなプレッシャーから意図せず自身に不利な供述をする可能性があります。そこで弁護士は警察に逮捕されている未成年と接見し、取調べに対してアドバイスを与えます。これによって取り調べが適切に行われ、未成年が自身に不利な内容を供述することを防げる可能性が高まるのです。
加えて、取り調べでは高圧的な態度や自白強要などによって人権が侵害されるといったこともあり得ます。弁護士は取調べの意見書を提出したり同席を求めたりすることで、未成年の人権が侵害されることを防ぐという弁護活動も行うのです。
また、勾留決定や観護措置といった身体を拘束する手続きを食い止め、早期釈放を目指すための活動も行います。勾留決定をさせないよう検察官に働きかけ、勾留が決定されても準抗告などで釈放を目指すのです。観護措置に関しては取消しや異議申立てといった手続きを行います。
少年審判で未成年の処分が決定されますが、このとき弁護士は最適な処分となるようにサポートを行います。
審判の処分は裁判官が決定しますが、このとき家庭裁判所調査官が調査した結果である「社会記録」も考慮されるのが通常です。弁護士は審判前に家庭裁判所調査官と面接し、本人がしっかりと反省していることを伝えるほか、釈放後も環境が整っていることを伝えて社会の中で更生が可能であることを伝えます。
さらに、少年審判では付添人となって出廷し、家庭裁判所調査官との面接同様に更生していることなどを伝え、処分が軽減されるような活動を行ないます。
未成年が罪を犯した場合には、家庭や職場など普段の環境を警察や家庭裁判所の調査で調べます。このときに罪を犯した事実が学校や職場に知られることになり、結果的に退学や退職といったことになる可能性もあるでしょう。
その際、弁護士は学校や職場に対して退学や退職にならないよう活動を行ないます。加えて、警察に学校や職場に連絡しないように交渉し、学校・職場に事件を知られないようにするといった弁護活動も可能です。
弁護士は取調べや審判に対する活動だけでなく、本人や保護者のサポートまで行うこともあります。未成年が罪を犯した場合にはいかに更生できるかが最も重要なポイントです。
少年が更生できるような環境を整えられるよう保護者と協議をすることもあれば、学校や職場などを調査して必要な社会的パックアップを行ったり、少年本人とコミュニケーションを取るといったことを行います。
大麻は副作用がほとんどない、1回だけなら大丈夫、などネットの誤った情報を真に受け、大麻に手を染めてしまう未成年も多くいます。未成年が大麻所持で逮捕されてしまうと、警察や検察の捜査、観護措置などによって身体を拘束されてしまうため、学校や職場に行けず最悪の場合は退学や退職になってしまう可能性もあるでしょう。
そうなってしまえば、更生できずさらに非行に走ってしまうリスクがあります。前向きに社会復帰させるためにも、できるだけ早い段階で弁護士へ相談しましょう。
弁護士に依頼することで適切な取り調べが行われますし、少年審判でも付添人となって活動を行なってもらえます。適切な処分を獲得するためには、弁護士への依頼は必須といえます。未成年者が直ちに更生するためにも、大麻所持などによって逮捕された場合には、すぐに弁護士に依頼するようにしてください。
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※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 |
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