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未成年が逮捕されたら|その後の流れや措置・示談や家族に出来ること

未成年が逮捕されたら|その後の流れや措置・示談や家族に出来ること

14歳以上の未成年が罪を犯すと、逮捕される可能性があります。

逮捕後、刑事手続と同様に警察による捜査がおこなわれます。

ただし、通常の刑事裁判とは異なる少年審判という手続きに進むのが原則です。

子どもから罪を告白されたり、警察からの突然の連絡で逮捕の事実を知ると、何から手を付ければよいかわからなくなるでしょう。

まずは事件の内容を正確に把握し、速やかに弁護士に相談してください。

本記事では、未成年が逮捕される基準や手続きの流れ、少年審判で下される処分の種類を解説します。

逮捕によって生じるリスクや、親が今すぐできる対応・弁護士に依頼するメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

未成年でも逮捕される?罪を犯すと何歳から捕まる?

14歳以上の未成年は、罪を犯すと、逮捕される可能性があります。

14歳未満の未成年の行為は、刑法上の犯罪とはならず、逮捕されることはありません。

14歳以上|逮捕される可能性がある

犯行時14歳以上の未成年は、逮捕される可能性があります。

14歳以上の少年には、刑事責任能力が認められているためです。

少年法では、14歳以上20歳未満の罪を犯した少年を、犯罪少年と呼んでいます。

犯罪少年は、成人と同様に捜査機関の犯罪捜査の対象となり、逮捕・勾留などの身柄拘束を受ける可能性もあります。

なお、18歳・19歳は特定少年として、少年法の適用場面で17歳以下とは異なる取り扱いを受ける点にも注意が必要です。

14歳未満|逮捕されることはない

行為時14歳未満の未成年は、逮捕されることはありません。

刑法で、14歳に満たない者の行為は罰しないと定められているためです(刑法41条)。

少年法では、14歳未満の未成年を触法少年と呼んでいます。

触法少年が発見された場合は、まず児童相談所に通告され、児童相談所を中心に手続きが進みます。

未成年が逮捕されたあとの流れ

14歳以上の未成年が逮捕されると、警察での取り調べを経て、48時間以内に検察官へ送致されます。

検察官は送致から24時間以内に勾留や勾留に代わる観護措置を判断。

事件は軽微なものも含めて全て家庭裁判所に送致され、観護措置や調査官の調査を経たうえで、少年審判によって最終的な処分が決定します。

1.警察での取り調べ|最長48時間

14歳以上の未成年が逮捕されると、警察で取り調べを受けます。

警察は逮捕した少年を、検察官へ送致するかどうかを判断します。

逮捕から送致までの時間は、最長で48時間です。

警察の取り調べが終わると、検察官または家庭裁判所に事件が送致されます。

送致先は、以下のとおりです。

区分 送致先
18歳未満の犯罪少年 法定刑が罰金以下の罪を犯した場合 家庭裁判所
拘禁刑などの比較的重い罪を犯した場合 検察庁
18歳以上の犯罪少年 検察庁

逮捕されず、在宅によって取り調べがおこなわれる場合もあります。

在宅捜査の場合は、通常の日常生活を送りながら、捜査機関からの呼び出しに応じて、取調べを受けます。

2.検察官による取り調べ|最長24時間

送致後は、引き続き検察官による取り調べがおこなわれます。

検察官は警察から送致を受けた少年について、24時間以内に身柄拘束を続けるかどうかを判断します。

少年事件では、検察官はやむを得ない場合でなければ勾留を請求できません。

やむを得ない場合とは、以下のようなケースです。

  1. 少年鑑別所の収容能力の関係から収容できない場合
  2. 勾留しなければ捜査に重大な支障を来たすと認められる場合

実際には、捜査の必要があるとして勾留が請求されるケースが少なくありません。

3.勾留・観護措置による身柄拘束|最長20日間

検察官が裁判所に勾留請求をし、裁判所が勾留の理由・やむを得ない理由を認めた場合、引き続き身柄拘束をされます。

勾留期間は最大10日間、勾留延長が認められた場合はさらに10日間です。

検察官は勾留請求に代えて、勾留に代わる観護措置を請求できます。

勾留に代わる観護措置は期間延長がなく、最長10日間少年鑑別所に収容されます。

4.家庭裁判所への送致

少年事件には起訴猶予の制度がなく、犯罪の嫌疑があると考えられる場合は、全て家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。

ただし、犯行の態様が極めて軽微な事件は、簡易送致という方式がとられる場合もあります。

簡易送致とは、被疑少年ごとに少年事件簡易送致書・捜査報告書・身上調査表などを作成し、1ヵ月ごとに一括して検察官または家庭裁判所に送致する手続きです。

簡易送致の対象となるのは、以下を満たす事件です。

  • 被疑事実が極めて軽微で、刑事処分または保護処分を必要としない
  • 犯罪の原因・動機・少年の性格・行状・家庭環境などから再犯のおそれがない
  • 検察官または家庭裁判所からあらかじめ指定されている

成人の刑事事件のような『微罪処分(警察段階で事件を終了させる処置)』は少年事件にはなく、犯罪の嫌疑があれば原則として全件が家庭裁判所に送致されます。

ただし、前述の通り極めて軽微な事件は『簡易送致』として処理されます。

5.少年審判と処分の決定

家庭裁判所は、事件の送致を受けると、審判を開始するかどうかを決定します。

審判を開始するのが相当と認めるときは審判開始決定が出され、審判期日が指定されます。

家庭裁判所は、審判をおこなうために必要があるときは、観護措置をとること可能です。

観護措置とは、家庭裁判所調査官の観護に付したり、少年鑑別所に送致したりして、処分が決まるまでの間、少年を保護する措置です。

家庭裁判所は、少年が何らかの保護を必要とする状態(要保護性)の有無などを調査します。

調査官による調査が終わると、裁判官は調査官の調査結果や意見や鑑別の結果などを総合的に考慮して、処分を決定します。

少年審判で下される処分の種類

少年審判で下される終局的な処分・決定は主に以下の5種類です(審判不開始、保護処分、都道府県知事等送致、検察官送致、不処分)。

ただし、直ちに終局的な決定を下すのが難しい場合は、『試験観察』という中間処分がとられることもあります。

  • 審判不開始
  • 保護処分
  • 都道府県知事または児童相談所への送致
  • 検察官送致(逆送)
  • 試験観察(中間処分)
  • 不処分

保護処分には、保護観察・児童自立支援施設または児童養護施設送致・少年院送致の3種類があります。

1.審判不開始

家庭裁判所は、調査の結果、審判に付することができない・審判に付するのが相当ではない場合は、審判不開始の決定をおこなわなければなりません。

審判不開始決定がなされるのは、以下のようなケースです。

審判に付することができない場合 審判に付するのが相当ではない場合
①審判開始の要件が存在しない
②少年の行為が非行行為にあたらない、非行の事実を示す証拠がない
③少年の心神喪失、長期にわたる所在不明・疾病・海外居住などにより、事実上調査・審判ができない
①家庭裁判所の調査段階による教育的・保護的措置で保護する必要性が解消し、再非行のおそれもない
②別の事件で保護処分に付されている、福祉的措置が講じられている
③非行事実が極めて軽微で、警察・家庭・学校などで適切な措置が取られ、保護の必要性や再非行のおそれがない

2.保護処分

保護処分とは、家庭裁判所が少年の更生を目的に決定する処分です。

保護観察・児童自立支援施設または児童養護施設への送致・少年院送致の3種類があります。

2-1.保護観察

保護観察とは、少年を施設に入所せずに家庭や職場などに置いたまま、指導監督・補助援護を加えて、社会の中で少年を更生させる処分です。

保護観察に付された場合は、一度は保護観察所に出頭しますが、その後は保護司や保護観察官の指導・監督が行われます。

少年は、月に数回、保護司または保護観察官と面会して近況を報告し、定められた遵守事項を守りながら生活を送ります。

2-2.少年院送致

少年院送致は、少年院に少年を収容して、生活指導・教科教育・職業指導・医療措置(矯正教育)をおこなう処分です。

少年院には、以下の5種類があります。

種類 対象
第1種少年院 心身に著しい故障のない、概ね12歳以上23歳未満の者
第4種少年院 少年院において刑の執行を受ける者(おおむね26歳未満)
第2種少年院 心身に著しい故障はないが、犯罪傾向の進んだ、概ね16歳以上23歳未満の者
第3種少年院 心身に著しい故障のある、概ね12歳以上26歳未満の者
第5種少年院 2年間の保護観察処分を受けた特定少年で、保護観察処分を取り消されたもの

収容期間は、以下のとおり、処遇の種類によって異なります。

処遇 収容期間の目安
特修短期 4ヵ月以内
一般短期 原則6ヵ月以内
比較的短期 8ヵ月程度
期間についての処遇勧告なし 概ね1年程度
比較的長期 1年を超え、概ね2年以内
相当長期 2年を超える期間

2-3.児童自立支援施設または児童養護施設への送致

児童自立支援施設または児童養護施設への送致は、生活指導などの指導および養育をおこない、自立の援助を目的とする処分です。

少年院とは異なり、開放的な施設で家庭的な雰囲気の中での「育て直し」が基本的な処遇理念です。

児童自立支援施設または児童養護施設への送致は、原則として18歳未満の少年に限られます。

中学3年生の2学期以降の受け入れは消極的な児童自立施設が多いため、同時期を過ぎると、児童自立支援施設への送致の可能性は低くなります。

3.都道府県知事または児童相談所への送致

家庭裁判所による処分よりも、児童福祉機関の措置に委ねるのが適切と認められる場合は、都道府県知事または児童相談所に送致されます。

犯罪傾向は深くないものの、家庭環境などの環境面における要保護性が強いケースなどで選択されます。

送致を受けた知事または児童相談所長は、少年を直ちに家庭に戻すのがふさわしくないと判断すれば、少年を一次保護。

児童福祉施設に措置する必要があると判断すれば、保護者の同意または裁判所の審判を得て児童福祉施設に措置します。

4.検察官送致(逆送)

家庭裁判所が、罪質・情状から保護処分ではなく刑事処分を科すべきと判断した場合には、事件が検察官に送致(逆送)されます。

検察官は、逆送された事件を再度精査し、起訴するかどうかを決定します。

ただし、犯罪の嫌疑が十分である限り、検察官は公訴を提起しなければなりません。

そのため、刑事処分相当による逆送の場合は、ほぼ確実に起訴されると考えておいたほうがよいでしょう。

起訴後は通常の刑事裁判が開かれ、有罪となれば刑罰が科されます。

もっとも、犯罪の嫌疑の有無は家庭裁判所の判断に拘束されず、検察官は独自に判断が可能です。

検察官が公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑が認められないと判断したときは、嫌疑なし又は嫌疑不十分として不起訴処分となる場合もあります。

5.試験観察(中間処分)

試験観察とは、少年に対する処分を直ちに決めるのが困難な場合に、相当の期間、少年を家庭裁判所の調査官の観察に付す制度です。

試験観察が認められるのは、以下を満たす場合です。

  • 保護処分を決定する可能性が高い
  • 直ちに保護処分を決定できない・決定するのが相当ではない事情がある
  • 調査官の観察活動が必要で、調査・観察により適切な終局決定ができる見込みがある
  • 相当の期間内に観察の目的を達成する見込みがある

試験観察は、遵守事項を定めて、少年を保護者に引き渡して帰宅させる在宅試験観察がとられるケースが多いでしょう。

在宅での試験観察が困難な場合には、適当な施設・団体・個人に生活指導を委ねる補導委託が選択される場合もあります。

試験観察の期間は3〜4ヵ月程度となるのが一般的で、後日改めて審判が開かれ、終局的な処分が決まります

6.不処分

家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができない・保護処分に付する必要がないと認めるときは、不処分の決定をしなければなりません。

不処分の決定がなされるのは、以下のようなケースです。

  • 非行事実がない
  • 調査・審判の段階で、調査官・裁判官による教育的・保護的措置が講じられ、要保護性が解消し、再非行のおそれがない
  • 試験観察の結果、保護処分に付する必要がなくなった
  • 別件による保護処分が継続していて、新たに保護処分に付する必要がない

不処分決定が出ると、事件は終結します。

未成年が逮捕された場合に生じるリスク

逮捕された未成年の年齢・通学先によっては、学校から退学処分を受ける可能性があります。

刑事裁判で有罪となれば前科がつき、就職や資格取得に影響する可能性も。

18歳以上の特定少年は、逆送されて起訴された場合に限り、実名報道のリスクも生じます。

退学処分になる可能性がある

未成年が逮捕されると、学校から退学処分を受ける可能性があります。

教育上必要があると認めるときは、学校は児童・生徒・学生に懲戒を与えられるためです(学校教育法第11条、同法施行規則第26条3項)。

校長は、教育上の必要があると認めるときは、以下の事由がある児童・生徒・学生を退学処分にできます(公立の小・中学生を除く)。

  • 性行不良で改善の見込がないと認められる者
  • 学力劣などで成業の見込がないと認められる者
  • 正当の理由がなくて出席常でない者
  • 学校の秩序を乱し、その他学生または生徒としての本分に反した者

事件の内容や事件前後の態度などによっては退学処分が選択される可能性があります。

懲戒処分による退学を免れても、自主退学を勧められたり、周囲に知られたりして、学校をやめざるを得なくなる場合もあるでしょう。

逆送された場合は前科がつく可能性がある

事件が検察官に送致(逆送)された場合は、前科がつく可能性があります。

前科とは、刑事裁判で有罪判決を受けた経歴を指します。

保護処分や都道府県知事または児童相談所への送致の決定を受けた場合は、前科はつきません。

しかし逆送された場合、検察官が起訴し、有罪判決が確定すると前科がつきます(執行猶予がついた場合も含む)。

前科がつくと、就職・転職活動において不利な状況に置かれる場合があります。

選考時に犯罪歴の有無を問われた場合、正直に申告しなければならない場面に直面するでしょう。

また、国家公務員・地方公務員・弁護士・司法書士・教員・警備員・自衛隊員・保育士などは、拘禁刑以上が欠格事由となっています。

執行猶予付き判決の場合も、猶予期間が終了するまでは上記資格の試験は受けられません。

18歳以上は実名で報道されるおそれがある

18歳以上の特定少年は、逮捕によって実名報道されるおそれがあります。

少年法は、氏名・年齢・容姿などによって、少年が特定できるような記事・写真などの報道(推知報道)を禁止しています(少年法第61条)。

実名が報道されれば、少年が社会から孤立し、更生・社会復帰が困難になるおそれがあるためです。

ただし、18歳・19歳の少年(特定少年)が、検察官に送致(逆送)されて起訴された場合に限り、推知報道禁止が解除されます。

18歳・19歳の時に犯した殺人などの一定の重大な罪で刑事裁判を受ける場合は、起訴後に実名報道される可能性があります。

実名で報道された場合、たとえ有罪判決を受けなくても(前科がつかなくても)、事件が世の中に広く知れ渡るでしょう。

未成年の逮捕を回避・処分を軽減するために親ができること

未成年の子どもが罪を犯したり、逮捕されたりした場合に、親ができる手立ては以下のとおりです。

  • 事件の内容を正確に把握する
  • 警察に発覚していない段階では自首を検討する
  • 速やかに弁護士に相談・依頼する
  • 被害者がいる場合は弁護士を通じて示談交渉を申し入れる
  • 学校・職場への対応を検討する
  • 調査官調査や少年審判に誠実に対応する

子どもの将来のためにも、弁護士のサポートを受けて、逮捕の回避・処分の軽減を目指しましょう

事件の内容を正確に把握する

まずは、子どもが起こした事件の内容を正確に把握しましょう。

警察から逮捕の連絡を受けたときは、以下の3つの事項を必ず確認してください。

  • どこの警察署で身柄が拘束されているのか
  • どのような容疑で身柄を拘束されたか
  • いつ逮捕されたのか

上記は、弁護士に依頼するために最低限必要な情報です。

警察署の留置所で身柄を拘束されている間(最長72時間)は、家族であっても原則として本人と面会できません

逮捕後の本人の様子や事件の動機などを知るには、弁護士への依頼が不可欠です。

警察に発覚していない段階では自首を検討する

捜査機関に事件が発覚する前に、子どもから罪を打ち明けられた場合は、自首を検討するのもひとつの方法です。

自ら事実を認めて捜査に協力的な姿勢を見せると、逮捕・勾留を避けられる可能性があります。

在宅事件では、呼び出しに応じて取り調べを受けるため、通学・通勤の継続も可能です。

自首した事実が反省と評価され、再非行のおそれがないと判断されれば、審判不開始決定や不処分決定を得られる可能性もあります。

ただし、自首すべきかどうかは慎重に判断すべきです。

そもそも犯罪を構成しないケース、被害者との示談によって刑事事件化を避けられるケースもあります。

自首させるべきかどうか迷っている場合は、警察へ行く前にまず少年事件に強い弁護士に相談してください。

速やかに弁護士に相談・依頼する

警察から逮捕の連絡を受けたら、一刻も早く弁護士に相談しましょう。

未成年の方は暗示にかかりやすく知識も乏しいため、捜査官の誘導よって、虚偽の自白や不利益な供述を引き出されるおそれがあります。

弁護士は逮捕後すぐに本人と面会(接見)できるため、本人の不安を取り除く手助けができ、家族にも本人の様子を伝えられます。

取り調べへの対応方法も具体的にアドバイスしてもらえるため、本人に不利な内容の供述調書が作成されるリスクも軽減できるでしょう。

身柄拘束からの早期の解放・処分の軽減を目指し、家庭裁判所や検察官に働きかけるなど、適切な弁護活動をおこなってもらえます。

被害者がいる場合は弁護士を通じて示談交渉を申し入れる

被害者がいる事件では、弁護士を通じて、早期に被害者に示談交渉を申し入れましょう

被害者と示談が成立すれば、 被害届や告訴を取り下げてもらえたり、身柄拘束から早期に解放される可能性が高まります。

また、被害者との示談成立の事実は、家庭裁判所の要保護性(少年が何らかの保護を必要とする状態かどうか)の判断に良い影響を与えます。

保護者が子どもの非行行為に責任を感じている姿勢を示せるためです。

家庭裁判所に、子どもを保護する必要性もなく再非行のおそれもないと評価してもらうには、本人の反省はもちろん親が誠意を示す努力も必要です。

検察官への送致(逆送)を避けるためにも、弁護士を通じて、被害者に早期に示談交渉を申し入れましょう。

学校・職場への対応を検討する

逮捕された本人は外部と連絡が取れないため、学校・職場への欠席・欠勤の連絡も必要です。

連絡の際、逮捕の事実を伝えるべきかどうかは、子どもが置かれている状況や今後の見通しによって異なります。

本人の意向・処分の見通し・保釈の可否や時期などを検討し、社会生活へのダメージを最小限に留められるよう配慮する必要があります。

調査官調査や少年審判で誠実に対応する

家庭裁判所への送致後に実施される調査官調査や少年審判では、誠実に対応しましょう。

家庭裁判所は、少年を保護する必要性や再非行のおそれがあるかを判断する際に、調査官の調査報告書・意見書や保護者の姿勢を重視します。

調査官面接では、子どもの性格や成育歴・家庭環境・事件に対する親の認識・今後の監督方針など、さまざまな質問を受けるでしょう。

少年の立ち直りを支える環境が整っているかを確認するためです。

保護者には、調査官が指摘する問題点を踏まえた、子どもの更生のための環境づくりや子ども自身への働きかけが求められます。

また、少年審判でも、裁判官や付添人である弁護士からも質問を受けます。

曖昧な答え方をしたり、更生に非協力的な態度を示したりせず、保護者に任せても問題ないと評価してもらえるよう丁寧に回答しましょう。

未成年が逮捕されたときに弁護士に依頼する5つのメリット

未成年の子どもが逮捕されたときに、弁護士に依頼するメリットは、以下のとおりです。

  • 逮捕直後から本人と面会できる
  • 取り調べに適切にアドバイスできる
  • 長期の身柄拘束を回避するために尽力してもらえる
  • 今後の見通しを踏まえた学校・職場への対応がとれる
  • 被害者との示談交渉による処分の軽減を図れる

子どもの将来を守るためにも、早期の弁護士への依頼をおすすめします。

1.逮捕直後から本人と面会できる

弁護士は、逮捕直後から本人と面会(接見)できます。

逮捕から最長72時間以内や接見禁止等決定が出ている間は、原則として弁護士以外の人は接見できません。

逮捕された子どもは外部との接触を断たれ、不安や恐怖の中、警察官の取り調べを受けます。

弁護士であれば、警察の立ち会いや時間・回数の制限なく、本人との接見が可能です。

頻繁に接見して本人を励ましたり、取り調べが適切におこなわれているかを確認したりして、本人の権利を守ります

弁護士を通じて本人の様子を把握でき、家族からの言葉も本人に伝えられるため、家族の不安も和らぐでしょう。

2.取り調べに適切にアドバイスできる

弁護士に依頼すれば、本人に対し、取り調べに対する適切な対応をアドバイスしてもらえます。

未成年者は、緊張や不安から警察官などに迎合したり、自暴自棄になったりして、事実と異なる供述をしてしまいがちです。

誤った内容の供述調書が事実認定の基礎となれば、家庭裁判所の調査・審判に悪影響を及ぼしかねません。

弁護士は、本人に認められた権利(黙秘権・供述調書への署名押印拒否権および訂正申立権など)をわかりやすく丁寧に説明します。

取り調べへの適切な対応を助言し、本人の意に反した供述調書の作成を防ぎます。

違法・不当な取り調べがあれば、担当の捜査官に対し抗議書を提出するなど、適切な措置を講じてもらえるので安心です。

3.長期の身柄拘束を回避するために尽力してもらえる

弁護士に依頼すれば、長期の身柄拘束を回避するために尽力してもらえます。

少年事件では、検察官はやむを得ない場合でなければ勾留を請求できません。

しかし実際には、捜査の必要があるとして勾留が請求されるケースが少なくありません。

長期間の身柄拘束は、未成年者の心身に甚大な負担を与えるだけでなく、退学・解雇につながるおそれもあるでしょう。

そのため、勾留を阻止するための弁護活動が重要です。

弁護士は、勾留請求しないように検察官に働きかけ、勾留請求後は裁判官に勾留決定しないよう働きかけます。

身元引受人や監督人を確保し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示して、勾留の必要性がない旨を粘り強く主張してもらえるでしょう。

勾留決定がなされた場合も、準抗告を申立てて、勾留決定の取消しを求めます。

4.今後の見通しを踏まえた学校・職場への対応がとれる

弁護士に依頼すれば、学校・職場への対応についても適切なアドバイスが得られるでしょう。

逮捕後、最長72時間は、家族でも原則として本人と面会できません。

逮捕された本人は外部と連絡が取れないため、学校や職場への欠勤・欠席の連絡も必要です。

しかし、逮捕の事実を伝えるべきかどうかは、本人が置かれている立場や状況によって異なります。

本人の意向や今後の見通し、保釈の可否や時期を踏まえて、慎重に検討しなければなりません

弁護士に依頼すれば、社会生活へのダメージを最小限に留められるよう、適切なアドバイス・サポートを受けられます。

5.被害者との示談交渉による処分の軽減を図れる

弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉によって、早期釈放や処分の軽減を目指しやすくなります。

被害者がいる事件では、被害者への謝罪や被害弁償などの誠実な対応が不可欠です。

しかし、被害者は、連絡先を含む個人情報を加害者や加害者の家族に教えるのに強い抵抗を示します。

そのため、加害者本人や家族が捜査機関を通して被害者に謝罪や被害弁償を申し入れても、連絡先すら開示してくれないケースがほとんどです。

弁護士であれば、加害者本人や関係者に開示しないことを前提に、被害者の連絡先を教えてもらえる可能性があります。

弁護士が適切な金額の示談金を提示して交渉を進めると、謝罪や示談を受け入れてもらえる可能性が高まるでしょう。

家庭裁判所や検察官に対し、示談成立の事実とともに、加害者の反省状況や監督環境の整備をアピールしてもらえるので、処分の軽減も期待できます。

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未成年の逮捕に関するよくある質問

本章では、未成年の逮捕に関してよく寄せられる疑問にQ&A形式で回答します。

Q.未成年が逮捕されて刑事裁判になるケースは?

刑事裁判になる可能性があるのは、事件が検察官に送致(逆送)された場合です。

原則として逆送決定がされる事件(原則逆送対象事件)は、以下のとおりです。

  • 犯行時16歳以上の少年が、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合
  • 犯行時18歳・19歳の少年が、死刑または無期若しくは短期一年以上の拘禁刑に当たる罪を犯した場合

逆送された事件に公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がある場合は、検察官は起訴しなければなりません(少年法第45条5号本文)。

上記以外でも家庭裁判所が刑事処分相当として検察官に逆送した事件は、刑事裁判になる可能性があります。

Q.未成年の逮捕歴は一般市民でも調べられる?

被疑者が未成年か成人かを問わず、逮捕歴(前歴)や刑事裁判で有罪の確定判決を受けた経歴(前科)は、一般市民では調べられません

前科・前歴に関する記録は、検察庁・警察や本籍地の市区町村などが厳格に管理しています。

一般の方は、捜査機関や市区町村が管理・保存する情報を閲覧できません。

公的機関が一般人からの照会に応じることもないため、原則として本人でも調べられません

ただし、実名報道されると、新聞やインターネット上に情報が残ります。

インターネット上の記事は削除されない限り半永久的に残るため、過去の情報が思わぬ形で明るみに出る可能性はあるでしょう。

Q.未成年の逮捕率は大学生・高校生のどちらが高い?

令和6年版犯罪白書によると、高校生の検挙率が高いです。

令和5年における犯罪少年による刑法犯の検挙人員の就学・就労状況別構成比は、以下のとおりです。

中学生 高校生 大学生 その他の学生 有職少年 無職少年
20.9 % 41.3% 5.1% 3.0% 18.6% 11.0%

Q.逮捕された未成年者の親は被害者と示談交渉できる?

被害者が知人・友人の場合などで連絡先を把握している場合は、親が未成年者の法定代理人として、被害者に示談交渉を申し入れることは可能です。

ただし、被害者は加害者本人や家族との接触を拒否する可能性が高く、申し入れに応じてもらえない場合も少なくありません

示談交渉を進めたいがために無理に接触を試みようとすると、さらに強い処罰感情を生む可能性があります。

被害者の連絡先がわからない場合は、捜査機関を通して、被害者の連絡先を教えてもらわなければなりません。

しかし、加害者や加害者の家族が被害者の連絡先を捜査機関に問い合わせても、教えてもらえない可能性が高いでしょう。

被害者との示談交渉は、弁護士に依頼するのが賢明です。

まとめ

14歳以上の未成年が罪を犯すと、逮捕される可能性があります。

逮捕されると、事件は捜査機関を経て家庭裁判所に送致され、少年審判により保護観察や少年院送致などの処分が決まります。

検察官に逆送されると、刑事事件として起訴され、有罪判決を受ける可能性も否定できません。

逮捕による不利益を避けるためには、事件を正確に把握し、手続きに誠実に対応する必要があります。

弁護士に依頼すれば、逮捕直後の面会や取り調べへの助言・被害者との示談交渉など、処分の軽減に向けた多岐にわたるサポートを受けられます。

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神奈川
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兵庫
弁護士 藤田 昭平(服部明人法律事務所)

家族の逮捕や警察の呼出に即応暴行性犯罪薬物詐欺など、勾留阻止の実績が豊富です。経験に裏打ちされた交渉力で、会社や学校に知られる前の「早期釈放」と「前科をつけない解決」に全力を尽くします。

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この記事の監修者
吉田 要介 (千葉県弁護士会)
地域密着型の事務所として30年以上の歴史があります。町の弁護士として、常に地域の人々を支えられるような弁護士で在り続けるとともに、ご依頼への対応を通じて地域へ貢献してまいりたいと考えております。
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編集部

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