盗撮で逮捕されたらどうなる?バレるきっかけや逮捕後の流れ・やるべき対策を解説
盗撮で逮捕され、「会社や家族に知られてしまうのではないか」「一度の過ちで人生が終わるのではないか」と、強い不安を抱えている方も多いはずです。
盗撮で逮捕されても、早い段階で適切な弁護活動を始めれば、前科を避けたり早期に釈放されたりする可能性は十分にあります。
刑事事件は、逮捕後72時間の初動が非常に重要なため、早めに弁護士へ相談することが不利益を最小限に抑える近道になります。
本記事では、逮捕から釈放・起訴までの流れ、撮影罪などの最新の罰則、後日逮捕のリスク、そして示談を中心とした対処法までをわかりやすく解説します。
盗撮は、他の性犯罪と同様に重大な犯罪として逮捕される可能性が高い
盗撮は他の性犯罪と同じく重大な犯罪であり、現行犯逮捕だけでなく後日逮捕されるリスクも高いのが現実です。盗撮行為は、現場での目撃に加え、いまは防犯カメラやデジタルデータといった客観的な証拠が残ります。
証拠から犯人を特定しやすくなっているため、その場を離れても安心はできません。実際の逮捕には、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つ目は、被害者や目撃者にその場で見つかり現行犯逮捕され、数日間の拘束によって学校や会社に知られるパターンです。続いて2つ目が、駅の防犯カメラや改札の通行履歴から特定され、数週間から半年、場合によってはそれ以上 経ってから突然警察が自宅を訪れて後日逮捕されるパターンです。
明らかな証拠があるのに否認した場合や同種の前科・前歴がある場合、押収したスマホからデータが見つかった場合は、逮捕の可能性がさらに高まります。盗撮をしても、その場で逃げ切れば終わりとはいかないので注意が必要です。
スマホ内のデータや街中の監視網によって、後日警察の手が及ぶ可能性を常に考えておく必要があります。
盗撮で逮捕された場合、検察官による勾留の手続きに移行する
検察官は、被疑者に証拠隠滅や逃亡のリスクがあると判断した場合、引き続き捜査を行うために裁判官に勾留(または勾留延長)を請求し、許可を得て身体拘束を継続します(最長20日間)。
具体的には、まずは勾留請求によって逮捕直後の拘束を含めて原則10日間の拘束が求められます。事件が複雑な場合は、勾留延長としてさらに最大10日間延長される場合もあります。
特に注意したいのは、拘束期間の長さと最終的な刑罰が必ずしも比例しない点です。長く拘束されても不起訴になるケースもあれば、身柄拘束なしで公判請求(裁判)になるケースもあります。
身体拘束の手続きと刑事処分は別物として進むため、それぞれの段階に応じた法的対応を早い段階から組み立てることが欠かせません。
盗撮で逮捕されたら?行為がバレる主な4つのきっかけ
盗撮が発覚するきっかけは、決してその場の現行犯だけではありません。現場での発見、防犯カメラ、ネットへの投稿、別件捜査という4つのルートが代表的です。
ここからは、それぞれの発覚パターンを具体的に見ていきます。
①被害者・周囲の人に気づかれてしまった
盗撮が発覚する最も多いパターンは、被害者本人や周囲の目撃者による直接の発見です。撮影しようとする瞬間は、どうしても不自然な動作や挙動が目立ってしまうためです。
気づかれる主なきっかけは、スマートフォンの不自然な角度やシャッター音、特定の人物への執拗な接近などです。被害者がスマホの存在に気づいて声をかけ、その場で問い詰められる例も少なくありません。
近年は防犯意識の高まりから、周囲の人が私人逮捕や通報に踏み切るケースも増えました。隠れてやっているつもりでも、第三者から見れば違和感は明確です。
挙動を怪しんだ誰か一人が声を上げれば、現行犯逮捕に直結するリスクが一気に高まります。
②犯行現場が防犯カメラに記録されていた
現場で誰にも気づかれなかったとしても、防犯カメラの映像から後日特定されるケースは多々あります。公共交通機関や商業施設は死角が少なく、犯行の一部始終が克明に記録されているためです。
カメラは犯行の瞬間だけでなく、ターゲットを物色する前後の不審な動きまで捉えています。駅のホームやエスカレーター、エレベーター内の映像が、捜査の有力な証拠となります。
複数のカメラをつなぎ合わせて逃走ルートを解析され、自宅や勤務先を特定されるのも主な原因のひとつです。監視カメラが張り巡らされた現代では、その場を逃げ切れても安心はできません。
時間が経ってから、デジタルの証拠をもとに追い詰められるリスクは避けられないので注意が必要です。
③盗撮した画像・動画をネット上に投稿した
SNSや掲示板への画像投稿は、自ら証拠を拡散する行為であり、発覚の大きな引き金になります。主に、警察のサイバーパトロールや市民からの通報などが捜査の発端となります。
具体的には、画像の解析によって撮影日時や場所が割り出されて撮影者が一人ずつ絞り込まれていきます。防犯カメラ映像との照合や通信ログの解析によって投稿者本人を特定できるため、匿名アカウントを使っていても安心はできません。
過去の投稿履歴やわずかな背景情報が、身元の手がかりになる可能性もあるため注意が必要です。一度投稿してしまえば、削除しても拡散は止まらないため、発覚するリスクを半永久的に負い続けることになります。
④別件の捜査中に盗撮画像・動画が見つかった
別の事件での家宅捜索や職務質問をきっかけに、保存データから余罪が判明する場合があります。具体的には、警察がスマートフォンやパソコンを差し押さえて中身を精査する過程で過去の画像が見つかります。
交通違反や別のトラブルで職務質問を受けた際、任意でスマホを確認されるケースが代表例です。保存されていた動画から過去の犯行が次々と裏づけられ、押収された端末からは削除したデータが復元される場合もあります。
一件の犯行を隠し通せているつもりでも、別のきっかけでデータが表に出れば逃れられません。余罪が芋づる式に発覚し、想定より重い処分につながる例もあるため注意が必要です。
盗撮がバレた場合に想定される5つのリスク
盗撮の発覚がもたらす影響は、刑事罰だけにとどまりません。刑罰・前科・家族との関係・実名報道・職や学業の喪失という、人生を左右する5つのリスクがあります。
具体的にどのような形で表れるのか、順に確認していきましょう。
①刑罰に処される
盗撮行為は撮影罪や各地の迷惑防止条例に基づき、厳しい刑事罰の対象となります。2023年7月13日に施行された撮影罪によって、全国一律の厳罰化が進んでいます。
施行日以降における盗撮の罰則は、撮影罪により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。施行日より前の行為は、各都道府県の条例で処罰されます。
東京都の場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が上限です。初犯では略式起訴による罰金刑になるケースが多いものの、悪質なケースでは初犯でも実刑となり得ます。
過去に同種の前科があれば、示談が成立しても起訴される可能性が高まります。たかが盗撮という認識は通用せず、一度の過ちが重い刑事責任に直結すると頭に入れておきましょう。
②前科がつく
有罪判決が確定すると前科として記録され、その後の社会生活に長く影響します。前科は公的な記録として残り、再犯時の量刑判断や資格制限の基準となるためです。
就職活動では、履歴書の賞罰欄への記載が問題となり、再就職が難しくなる場面があります。海外渡航でもビザ申請時に制限を受ける場合があり、特にアメリカなどの審査の厳しい国で影響が出やすくなります。
ふたたび罪を犯した場合は、より重い処罰を受ける対象となるため注意が必要です。罰金を納めれば手続きは終わりますが、前科の記録そのものが消えるわけではありません。
前科は目に見えない足かせとして、将来の選択肢を大きく狭めてしまう重いリスクです。
③家族の信頼を損なう
盗撮の発覚は、家族やパートナーとの関係を回復不能なまでに壊しかねません。身近な人が他人を性的な対象として撮影していたという事実が、深い裏切りや嫌悪を植えつけるためです。
夫婦であれば、離婚や別居の直接的な原因になりますし、子どもがいる場合は親権や養育環境をめぐる争いに発展する場合もあります。実家の両親や親戚にとっても精神的な負担となり、地域での評判悪化につながりかねません。
一度失った信頼を取り戻すには、長い時間と多大な労力を要します。盗撮は本人だけの問題にとどまらず、周囲の大切な人々の人生まで巻き込んでしまう行為です。
④実名で報道される
事件の性質や本人の属性によっては実名で報道され、その記録がネット上に残り続けるおそれがあります。社会的地位の高い職業や悪質な手口は公共性が高いと判断され、ニュースやSNSで拡散されやすいためです。
一度広まった情報はデジタルタトゥーとして、半永久的に検索結果に残ります。氏名で検索した際に事件内容がヒットし続け、転職や婚活、転居の場面でトラブルになる場合があります。
SNS上で身元や住所が特定・拡散される二次被害も起こり得るため注意が必要です。罰金を払って事件そのものが解決しても、ネット上の情報は決して簡単には消えません。
一度でもネットに情報が載ったら、長期間にわたり社会的な制裁を受け続けることになります。
⑤解雇・退学処分される
盗撮の発覚は、いまの職や学業の立場を失う致命的な原因になります。組織の名誉を傷つける行為や公序良俗に反する行為として、就業規則や校則の重大な違反とみなされるためです。
公務員や教職員、医療職などは社会的信用が重視され、免職や資格剝奪に至る可能性が高くなります。逮捕による長期の身体拘束だけでも、無断欠勤を理由に職を失うケースは少なくありません。
学生であれば、退学処分により最終学歴に傷がつき、その後の人生設計が覆りかねないため注意が必要です。もし一度でも処分が下れば、同じ立場へ戻ることは容易ではありません。
積み上げてきたキャリアや学歴が一瞬で崩れる、取り返しのつかないリスクといえます。
盗撮に罰金刑はある?適用される罪の種類と刑罰
盗撮には罰金刑があり、初犯では罰金で済むケースも少なくありません。ただし、撮影の内容や場所によって適用される罪は異なります。
まずは主な罪名と刑罰を一覧で確認しておきましょう。
- 撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)|3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
- 各都道府県の迷惑防止条例|最大2年の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 軽犯罪法|拘留または科料
- 児童ポルノ規制法|3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
- 住居(建造物)侵入罪|3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
これらの法律がどのように適用されるのか、ひとつずつ具体的に見ていきましょう。
性的姿態等撮影罪|3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
撮影罪に該当する場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されます。2023年7月13日から施行された性的姿態撮影等処罰法によって、盗撮行為の多くは撮影罪として処罰されることになりました。
撮影罪とは、正当な理由なくひそかに人の性的な部位や下着などを撮影する行為を罰する法律です。以前は各都道府県の迷惑防止条例で対応していましたが、盗撮行為をより厳しく罰するため、全国一律の法律として撮影罪が制定されました。
エスカレーターでのスカート内盗撮や、性交中の姿態を無断で撮影する行為が該当します。また、撮影だけでなく盗撮写真・動画の保管および提供も処罰の対象です。
従来の条例より罰則が強化されており、前科がつくリスクも極めて高い重大な犯罪です。
都道府県の迷惑防止条例違反|1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金など
撮影罪に当たらないケースでも、各自治体の条例により1年以下(常習の場合は2年以下)の拘禁刑または100万円以下の罰金となる可能性があります。この条例による刑罰は自治体によって異なりますが、拘禁刑は最大で1年から2年、罰金刑は最大100万円程度が一般的です。
たとえば、東京都の迷惑防止条例では盗撮行為に対して1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。さらに、盗撮を繰り返すなど常習性が認められる場合には、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と、より重い罰則が適用される可能性があります。
撮影が未遂であっても、条例違反として身柄を拘束されたり罰金刑を科されたりするリスクは避けられません。
軽犯罪法違反|30日未満の拘留または1万円未満の科料
トイレや更衣室などをのぞき見る行為は、30日未満の拘留または1万円未満の科料の対象となります。軽犯罪法第1条23号では、公共の平穏を乱す軽微な秩序違反として、実際に撮影をしていなくてものぞき見そのものを禁じています。
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
具体的には、銭湯や女子トイレをのぞき見る行為や誰もいない更衣室にカメラを仕掛けて見る行為などが該当します。画像として保存していなくても、のぞき見という行為自体が法に触れる点に注意が必要です。
児童ポルノ禁止法違反|3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
盗撮の対象となった被害者が18歳未満の児童であった場合、児童ポルノ禁止法が適用される可能性があります。適用された場合の刑罰は、 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。
主に、児童の裸体や性的な部位を強調した画像を撮影・所持する行為が該当します。対象が児童である場合は社会的な非難も極めて大きく、厳罰を免れることは非常に困難です。
また、第三者への提供を目的として盗撮した場合は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられ、さらに重い処罰が科せられます。
さらに、児童ポルノの画像や動画を所持する行為も1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となるため、撮影後の取り扱いにも注意が必要です。
住居侵入罪・建造物侵入罪|3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
盗撮行為そのものだけでなく、盗撮をおこなうための手段も犯罪として罰せられます。盗撮目的で他人の敷地や施設に入ると、住居侵入罪もしくは建造物侵入罪が成立する可能性があります。
成立した場合の刑罰は、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。盗撮という不法な目的を持って立ち入ることは、管理者の意思に反する正当な理由のない侵入とみなされます。
具体的には、女子トイレや更衣室、個人宅の敷地内に盗撮目的で入る行為が住居侵入罪・建造物侵入罪にあたります。盗撮行為と住居侵入罪の両方が成立する場合、科される刑罰もより重くなる可能性があることを理解しておいてください。
盗撮には3年の時効があるが、逃げ切りが難しい理由
盗撮の3年の時効があっても逃げ切りが難しい理由は、盗撮の証拠は長く残り、刑事の時効が完成しても別のリスクが続くからです。撮影罪において検察官が起訴できる期間が3年に区切られていますが、防犯カメラ映像やスマホ内のデータは何年も残り続けます。
3年の間に別件で捜査を受けた結果、過去の犯行が芋づる式に発覚する例も少なくありません。さらに見落としがちなのが、刑事事件と民事事件では時効が別だという点です。
刑事事件の時効は犯行が終わった時から進みますが、被害者が慰謝料を請求できる民事の時効は、被害と加害者を知った時から3年です。もし、過去の犯行が今になって被害者に知られれば、刑事の時効が完成していても民事の3年はそこから新たに始まります。
刑事の時効が完成しても、被害者から慰謝料を請求されるリスクは長く残るため注意が必要です。データが残っているなら、早めに弁護士を通じて削除や示談を進めるほうがはるかに安全な解決策です。
盗撮で逮捕された後の具体的な流れ
逮捕されると、捜査から処分の決定まで法律で定められた手順に沿って進みます。ここでは、盗撮で逮捕された後の具体的な流れを解説します。
全体像を掴めば、いま何をすべきかが見えてくるでしょう。
逮捕から送致・勾留請求まで|最初の72時間
逮捕直後の72時間は、その後の身体拘束を大きく左右する重要な分かれ目です。警察が48時間以内、検察が24時間以内に引き続き身柄を拘束して捜査するかを判断します。
この期間は、家族であっても面会は原則認められません。いつでも本人と面会できるのは、弁護士だけです。
だからこそ最初の72時間は、その後の長期勾留を防ぐための重要な局面となります。
勾留期間|原則10日間・最大20日間
勾留が決まると、原則10日間、延長されれば最大20日間の身体拘束が続きます。証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断され、捜査に必要な期間として裁判官が許可するためです。
逮捕からの日数を合わせると、最大で23日間も社会から隔離されるため、会社や学校への影響は避けられません。長期拘束を防ぐには、証拠隠滅のおそれがないこと等を裁判官へ論理的に主張する弁護活動が欠かせません。
起訴・不起訴|勾留の満期日までに判断される
勾留の満期日までに、検察官が起訴して刑事裁判にかけるか、不起訴として釈放するかを決定します。日本では検察官のみが起訴権限を持ち、捜査結果にもとづいて起訴・不起訴を最終判断することが可能です。
反省や示談の成立が認められれば、前科がつかない不起訴となる可能性があります。一方、起訴されると略式裁判か正式裁判へ進みます。
最終的には不起訴を勝ち取ることが、前科を避けて社会復帰するためのゴールとなります。
起訴・裁判事件|略式裁判または正式裁判へ移行する
起訴されると刑事裁判が始まり、事案の軽重や認否に応じて略式裁判か正式裁判が選ばれます。
すべての事件を公開法廷で審理すると裁判所の負担が大きいため、軽微で本人が認めている事件には簡略化された手続きが用意されています。
| 項目 | 略式裁判 | 正式裁判 |
| 審理の方法 | 書面のみ | 公開の法廷 |
| 出廷 | 不要 | 必要 |
| 科される刑 | 100万円以下の罰金 | 罰金のほか拘禁刑(実刑・執行猶予) |
| 適用される場面 | 本人が認めている軽微な事件 | 否認・重大・余罪が多いケースなど |
どちらの形式でも、有罪となれば前科がつくことに変わりはありません。
盗撮の略式裁判とは
略式裁判とは、本人が同意した場合に限り、書面審理だけで罰金刑を言い渡す簡易な手続きです。事実を認めて罰金を受け入れる意向があるとき、法廷に出向く負担を抑えて早期に解決するためにおこなわれます。
検察官が略式起訴をおこない、簡易裁判所の裁判官が書類を確認して略式命令(罰金)を出します。法廷に立たずに短期間で終わる手軽さがある一方、書面だけで有罪が確定するため、注意が必要です。
罰金を納めても前科は残るため、同意するかどうかは弁護士と相談して慎重に判断しましょう。
盗撮の正式裁判とは
正式裁判とは、公開の法廷で裁判官が審理し、判決を下すもっとも正式な刑事手続きです。多くの場合、罰金で処理できる軽い事件は書面だけで完結する略式手続で終わります。
一方、罰金では済まない事件や事実に争いがある事件は、法廷での慎重な審理が必要です。具体的には、盗撮を否認している・余罪が多数ある・住居侵入をともなうといった悪質なケースでは、正式裁判になる可能性が高くなります。
法廷では検察官と弁護人の双方が主張を尽くし、裁判官が最終的な判決を下します。
有罪になった場合、刑事罰を受ける
有罪判決を受けると、裁判の形式に応じて罰金刑または拘禁刑の刑事罰が科されます。法改正で性的姿態等撮影罪が新設され、再犯防止や被害者保護の観点から、盗撮への処分が厳格になりました。
略式裁判における罰金刑の相場は、おおよそ30万円〜50万円程度です。正式裁判の場合は、実刑または執行猶予が見込まれます。
判決が確定すれば刑事罰の履行が義務づけられ、社会的な不利益をともなう前科が残ります。
盗撮で前科や拘禁刑を回避するためにすべき3つのアクション
拘禁刑を避け、前科のつかない解決を目指すなら、早い段階での行動が欠かせません。具体的には、被害者との示談・再犯防止の取り組み・専門弁護士への相談という3つが軸になります。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
被害者との示談を成立させる
被害者との示談成立は、刑事罰を回避し、前科のつかない不起訴処分を得るうえで特に有効な手段です。示談によって当事者間の問題が解決したとみなされ、被害者が許す意思を示せば、検察官が刑事罰を下す必要性は低いと判断されやすいです。
加害者本人が接触すると被害者の負担が大きいため、必ず弁護士を介して謝罪と示談金の交渉(相場はおおよそ30〜50万円程度ですが、悪質なケースや被害者の処罰感情が強い場合は100万円近くになることもあります )をおこないます。なお、撮影罪は親告罪ではないため、示談が成立しても起訴される可能性はゼロではない点には注意が必要です。
それでも、盗撮で拘禁刑を回避するために最優先にすべきアクションであることは変わりません。
再犯防止への具体的な取り組みを示す
口先だけの反省ではなく、再犯防止に向けた客観的・具体的な行動を形にして示すことが、処分の軽減につながります。検察や裁判所は再び罪を犯すリスクを厳しくチェックしており、医療機関の受診などの明確な証拠があれば、更生の意欲が本物だと評価されます。
たとえば、性依存症を専門とするクリニックで治療やカウンセリングを開始したり、家族の協力によって再犯を防ぐ体制を整えたりする方法が有効です。具体的な対応策を診断書や報告書として当局へ提出すれば、説得力が高まります。
盗撮で拘禁刑を回避するには、再犯防止にむけた積極的な姿勢を示すのが不可欠です。社会復帰への道筋を具体的に示せば、裁判官や検察官に重い刑罰は不要と判断させる重要な根拠になります。
盗撮事件に強い弁護士に相談・依頼する
逮捕直後や発覚後は、刑事事件に強い弁護士へ速やかに相談・依頼しましょう。弁護士への早期相談は、盗撮で拘禁刑を避けるために欠かせない対応のひとつです。
弁護士による被害者情報の入手・示談交渉・取り調べへの助言・身柄解放の活動などは、法律のプロである弁護士にしか対応できない手続きです。特に逮捕直後は、勾留を避けるための弁護活動が事件の行方を左右します。
弁護士が介入すれば、不適切な供述による不利な調書の作成を防ぐことが可能です。感情的になりやすい交渉や複雑な刑事手続きも、法律のプロが代わりに進めてくれるのは大きなメリットです。
弁護士の力を借りれば、検察官や裁判官へ更生の取り組みを客観的に伝え、不起訴や執行猶予を目指せます。早い段階で被害者との示談が成立すれば、処分の軽減につながるでしょう。
盗撮で逮捕された場合に弁護士へ相談するメリット
弁護士は、加害者に代わって被害者と接触し、示談を成立させる唯一の窓口となります。盗撮の被害者は加害者に強い恐怖や嫌悪を抱いているため、警察や検察が加害者本人に被害者の連絡先を教えることはありません。
弁護士が間に入れば、冷静な謝罪と適切な示談金の支払いが可能です。「刑事処罰を望まない」「許す(宥恕)」といった文言を含む示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性が大きく高まります。
また、身柄解放の活動も弁護士の重要な役割です。弁護士は、勾留を防ぐ意見書の提出や勾留決定への不服申し立てを通じて早期の社会復帰を後押ししてくれます。
また、取り調べにおける助言を受けられる点も重要なポイントです。弁護士は、あなたが不用意な発言で不利な調書が作られるのを防ぎ、適切な対応へと導いてくれます。
示談は刑事処分の軽減において重要な要素であり、弁護士なしでは着手すら難しい手続きです。逮捕や発覚に気づいたら、できるだけ早く弁護士に相談するのがおすすめです。
盗撮事件に強い弁護士におすすめなのはベンナビ刑事事件
盗撮事件で「どの弁護士に相談すればいいかわからない」という方におすすめなのが、刑事事件に特化したポータルサイト「ベンナビ刑事事件」です。ベンナビ刑事事件には、盗撮や性犯罪など刑事事件に注力する弁護士が多数掲載されています。
あなたが抱えている悩みのジャンルや地域などの細かい条件を絞り込んで、自分に合った法律事務所を探せます。刑事事件に強い弁護士が多数掲載されているので、逮捕直後の急ぎの場面でも相談先を素早く見つけられます。
初回無料相談に対応する事務所も多いので、まずは相談するところから始めてみてください。
盗撮事件を弁護士に依頼して無事解決となった3つの事例
弁護士へ早めに依頼すれば、深刻な事態を避けられた事例は数多くあります。ここでは、自首・示談・迅速な謝罪という3つのアプローチで解決に至った代表的なケースを紹介します。
盗撮の後日逮捕を避けるために自首をしたケース
防犯カメラに映った可能性に気づき、後日逮捕への不安から弁護士に相談し、自首を選んだケースです。自首によって反省の意思が明確になり、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断されれば、身柄拘束を避けられる可能性が高まります。
弁護士が事前に事実関係を整理し、本人に付き添って警察へ出頭。被害者への謝罪と示談の意向も同時に伝えました。結果として、在宅のまま捜査が進み、社会生活への影響を最小限に抑えられました。
後日逮捕におびえる前に動いたことが、良い方向につながった事例です。
盗撮で示談を成立させて不起訴処分となったケース
駅構内での盗撮で逮捕されたものの、弁護士を通じた示談によって不起訴処分を得たケースです。被害者が許す(宥恕)意思を示す示談が成立すれば、検察官が起訴の必要性は低いと判断しやすくなります。
加害者本人は被害者と直接接触せず、弁護士が謝罪文の作成から示談金の交渉までを担当しました。早い段階で誠実な対応を尽くした結果、前科のつかない不起訴処分となり、勤務先に知られることなく解決できました。
盗撮行為を迅速に謝罪して不起訴処分となったケース
現行犯で発覚した直後に弁護士へ依頼し、すばやい謝罪と被害弁償によって不起訴となったケースです。逮捕からの初動が早いほど、勾留を防ぎ、検察官の処分判断にも良い影響を与えやすいです。
弁護士は逮捕の当日から動き、被害者への謝罪と示談交渉を最優先で進めました。同時に、再犯防止に向けた通院の準備も整えました。
迅速な対応が評価され、身柄拘束を最小限に抑えたうえで不起訴処分を獲得。日常生活への影響をほとんど受けずに済みました。
盗撮の逮捕でよくある質問
盗撮の逮捕をめぐっては、未遂や釈放、報道に関する疑問が多く寄せられます。ここでは、特に不安につながりやすい4つの質問にわかりやすくお答えします。
Q1.盗撮は未遂でも逮捕される?
実際に撮影が完了していなくても、未遂罪として逮捕される可能性は十分にあります。撮影罪には未遂の規定が含まれており、カメラを向けた時点で犯罪の実行に着手したとみなされるためです。
スカートの中にスマホを差し向けたものの、周囲に気づかれてシャッターを切る前に取り押さえられたケースなどが該当します。保存されたデータがないから証拠不足で捕まらないという考えは通用しません。
Q2.盗撮は逮捕されてもすぐ釈放される?
初犯で容疑を認め、定職や身元引受人がいる場合は、2〜3日で釈放され在宅捜査に切り替わるケースが増えています。逃亡や証拠隠滅の恐れが低いと判断されれば、長期間の身柄拘束(勾留)は必要ないと裁判官に判断されやすいです。
ただし、釈放は無罪という意味ではないので、自宅から警察へ通う形で捜査は続き、何もしなければ後に起訴され前科がつくリスクがあります。早期釈放には、身元の確かさと容疑を認めることが重要です。
釈放後も決して油断せずに、弁護士を通じた対応を続けることが大切です。
Q3.軽犯罪法違反の盗撮なら逮捕されない?
軽犯罪法違反は逮捕の要件が非常に限定されているため、他の罪名より逮捕されるリスクは低いといえます。
拘留や科料といった軽い刑罰については、住居不定や出頭拒否など「逃亡の恐れ」が顕著な場合にのみ逮捕が認められる、という法的制約があるためです。
現場で住所・氏名を明かさない場合や、警察の呼び出しを無視し続けた場合は、軽犯罪法であっても逮捕されることがあります。
逮捕リスクは低いものの、捜査の結果「条例違反」や「住居侵入」へ罪名が格上げされ、結果として逮捕に至るケースには注意が必要です。
Q4.盗撮逮捕の実名報道は避けられない?
報道されるかどうかはケースバイケースですが、社会的地位が高い場合や公務員などは実名報道されやすい傾向にあります。報道機関は公共性や社会への警鐘を基準に判断するため、信頼が重視される職種や悪質な手口はニュース価値が高いとみなされるためです。
弁護士を通じて早期に示談を成立させたり、逮捕自体を回避する活動をおこなったりすれば、報道のリスクを下げられる可能性があります。一度ネットに載った実名は、完全に消去するのは非常に困難なので、初期段階で迅速に弁護活動を進めるのをおすすめします。
まとめ|盗撮によって逮捕されたら速やかに弁護士の力を借りよう
盗撮で逮捕されても、早い段階で適切な弁護活動を始めれば、前科の回避や早期釈放を目指せます。撮影罪は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金という重い刑罰の対象です。
しかし、被害者との示談や再犯防止の取り組みによって、不起訴処分を得られる可能性は十分にあります。特に重要なのが、逮捕後72時間の初動と、弁護士を介した示談交渉です。
被害者の連絡先は本人には伝えられないため、示談は弁護士なしでは着手すら難しいのが実情です。会社や家族にバレたくない・一度の過ちで人生を終わらせたくないなら、できるだけ早く刑事事件に強い弁護士へ相談してください。
ベンナビ刑事事件なら、無料相談に対応する事務所を地域や分野から探せます。不安を抱えたまま時間を過ごす前に、まずは一歩を踏み出すことをおすすめします。
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会社での盗撮行為には、撮影罪などが成立します。盗撮が発覚して逮捕されると、前科がつく、懲戒解雇を受ける、実名報道されるといったリスクが生じます。弁護...
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この記事では、家庭内盗撮がどのような行為を指すのか、どんな場合に犯罪となるのかをわかりやすく解説します。
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盗撮がバレた場合のリスクと適切な対処法 について解説します。刑罰・前科・解雇などの深刻な影響から、示談交渉・自首・弁護士相談まで具体的な対策を紹介。...
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盗撮事件で余罪がある場合、再逮捕や再勾留、本件の処分重化など不利益が生じる可能性があります。本記事では、余罪の意味や捜査の特徴、立件されにくい理由、...
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未成年の子どもが盗撮事件を起こした場合、逮捕や退学処分などのリスクがあります。なるべく不利な状況を回避するためには、弁護士のサポートが必要です。本記...
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一般的に、盗撮であれば30万円程度の罰金刑が科されるケースが多いです。ただし悪質性が高いなどの事情があれば、高額の罰金や懲役刑が科される可能性があり...
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職場での盗撮は、撮影罪や迷惑防止条例違反などに該当し、懲役刑や罰金が科される可能性があります。会社から懲戒解雇などの処分を受け、社会的信用の喪失は避...
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