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痴漢の時効は何年?刑事上の時効と民事上の時効の違いや注意点も解説

痴漢の時効は何年?刑事上の時効と民事上の時効の違いや注意点も解説

「痴漢をしてしまった。その場では発覚しなかったが、いつになれば逮捕される心配がなくなるのか」と不安に感じていませんか?

痴漢事件には「時効」という仕組みがあります。

時効が成立すれば、基本的には刑事責任や民事責任を問われることはありません

しかし、時効完成が近づいたタイミングで突然逮捕されることがあり、「ただ待てば逃れられる」と安易に考えるのは危険です。

時効の基本的なルールや注意点を理解したうえで、状況に応じた適切な対応策を進めておきましょう。

本記事では、痴漢に関わる刑事上の公訴時効と民事上の消滅時効の仕組みや期間、注意点、時効成立前にやるべき対策についてわかりやすく解説します。

自分の置かれている状況を正しく理解し、今後の対応を検討するための参考にしてください。

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痴漢の時効は大きく分けて2種類存在する

時効とは、一定の期間が経過すると、その行為に対して法的な責任を追及できなくなる制度のことです。

痴漢事件には、「刑事上の時効」と「民事上の時効」の2つの時効があり、それぞれ以下のように異なります。

時効の種類 概要
刑事上の時効(公訴時効) 検察官が加害者を起訴できる期間のこと。
公訴時効が成立すると、加害者は逮捕されたり有罪判決を受けたりしなくなります。
民事上の時効(消滅時効) 被害者が加害者に慰謝料や損害賠償を請求できる期間のこと。
消滅時効が成立すると、被害者は加害者に対して損害賠償を請求できる権利を失います。

痴漢事件における刑事上の時効は3年または12年

痴漢事件の公訴時効は、痴漢行為が「迷惑防止条例違反」または「不同意わいせつ罪」のどちらに該当するかによって異なります。

以下では、それぞれのケースごとに公訴時効の期間を見ていきましょう。

迷惑防止条例違反にあたる場合|犯罪行為が終了したときから3年

比較的軽度な痴漢行為は、各自治体が定める「迷惑防止条例違反」として処罰されます。

迷惑防止条例違反の公訴時効は、「犯罪行為が終了したときから3年」です。

どのような行為が迷惑防止条例違反に該当するかどうかは、都道府県ごとに異なる場合がありますが、東京都の場合は「公共の場所や公共の乗り物で、衣服の上から、または直接身体に触れる行為」が該当するとされています。

不同意わいせつ罪にあたる場合|犯罪行為が終了したときから12年

悪質性が高い痴漢行為は、刑法176条の「不同意わいせつ罪」に該当します。

不同意わいせつ罪の公訴時効は、「犯罪行為が終了したときから12年」です。

なお、不同意わいせつ罪の成立要件は、被害者の年齢によって変わります。

16歳以上の被害者に対する場合には、暴行・脅迫、心身障害、睡眠や酩酊など「抵抗できない状態に乗じた行為」が必要です。

殴る・蹴るといった直接的な暴力がなくても、わいせつな行為そのもので恐怖を与えれば暴行・脅迫と認められることがあります。

16歳未満の被害者に対する場合には、抵抗できない状態に乗じた行為は不要で、単にわいせつ行為をしただけで犯罪が成立します。(ただし、被害者が13歳以上16歳未満の場合は、加害者が5歳以上年上である必要があります。)

痴漢事件における民事上の時効は3年~20年

民法第724条および第724条の2では、不法行為における民事上の時効(消滅時効)の期間を以下のように定めています。

適用されるケース 時効期間 起算点
軽度な痴漢行為(迷惑防止条例違反など)があり、損害および加害者を把握できた場合 3年 損害および加害者を知ったとき
生命または身体を害する痴漢行為(不同意わいせつ罪など)があり、損害および加害者を把握できた場合 5年 損害および加害者を知ったとき
損害および加害者を特定できなかった場合 20年 痴漢行為があった日

ここでいう「損害および加害者を知ったとき」とは、加害者に対して実際に賠償請求ができる程度の情報を把握している状態を指します。

たとえば、「痴漢の被害届を出したが加害者を特定できていない」といった状況では、損害および加害者を知っているとはいえません。

痴漢の時効に関する注意点

痴漢事件に関する時効の考え方には、とくに注意しておくべきポイントが2つあります。

以下でそれぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。

被害者が未成年の場合は18歳になってから公訴時効のカウントが始まる

性被害では、被害者が幼いと性的行為の意味を理解できない・被害に気づかない・羞恥心や恐怖で長く黙ってしまう、といった事態が起こりやすいです。

こうした事情を踏まえ、2023年の法改正では、被害者が18歳未満であった性犯罪については、公訴時効のカウントを「被害者が18歳に達した日」から進行させる特例が導入されました。

たとえば、16歳の被害者が迷惑防止条例違反にあたる痴漢を受けた場合、痴漢行為がおこなわれた日から公訴時効が進行するのではなく、18歳になった日から進行します。

この場合、迷惑防止条例違反にあたる痴漢行為の公訴時効は「3年」なので、被害者が21歳の誕生日を迎えるまでは公訴時効が成立しません。

時効のカウントは停止または更新されることがある

痴漢事件に関する時効は、刑事・民事を問わず、一定の事由によって進行または更新(リセット)される場合があります。

以下では、代表的な停止事由および更新事由と、その効果についてまとめましたので、参考にしてください。

区分 停止・更新の事由 効果
公訴時効の停止(刑事) ●公訴の提起
●共犯者に対する公訴の提起
●加害者が国外にいる場合
●加害者が逃亡中で起訴状送達や略式命令ができない場合
時効の進行が停止する
消滅時効の停止(民事) ●裁判上の請求
●強制執行
●仮差押え
●協議をする旨の合意
●催告
一定期間、時効の進行が停止する
消滅時効の更新(民事) ●裁判上の請求
●強制執行
●承認
時効期間がリセットされ、再度ゼロから時効が進行する

このように、時効の成立は単純なカレンダー計算だけでは判断できないので、注意が必要です。

痴漢事件で時効の完成をただ待つのはおすすめしない

過去に痴漢行為をしてしまった場合、「時効が経過すれば安心」と考えるのは非常にリスクが高いです。

その理由について、以下で詳しく解説します。

公訴時効が成立しても逮捕・起訴される可能性は十分にある

痴漢の公訴時効は停止または更新する場合があります。

そのため、表面上は時効が完成しているように見えても実際には時効が完成しておらず、逮捕や起訴につながる可能性は十分にあるのです。

また、痴漢事件では被害者が強い処罰感情を抱くことが多く、心の整理がついたあとに被害届や告訴が提出されるケースも考えられます。

警察も、刑事上の時効が完成する前に何らかの対応を取るのが一般的です。

そのため、明らかな痴漢行為で刑事上の時効が経過することは考えにくいといえます。

現行犯で捕まらなくても後日逮捕の可能性がある

痴漢行為の直後に現場から逃げられたとしても、安全とは限りません。

近年では防犯カメラが普及し、映像解析技術も進歩しています。

犯行当日に身元が判明しなかった場合でも、防犯カメラの映像をもとに特定される可能性があるでしょう。

また、スマートフォンの普及により、被害者や目撃者が動画や写真を証拠として提出するケースも珍しくありません。

そのため、たとえ現行犯で逮捕されなかったとしても、証拠が集まり後日逮捕されるリスクは十分にあるのです。

痴漢事件で時効の完成を待つ前にやるべきこと

時効が完成するまで何もせずに待つとなると、長期間にわたって精神的な不安を抱え続けることになります。

また、いざ逮捕や起訴されたときにも、十分な準備ができていないことで刑事手続きや刑罰に不利な影響を及ぼす可能性も否定できません。

そのため、痴漢行為をおこなってしまった場合は、時効完成を待つ前に以下の2つのことに取り組みましょう。

  • 可能であれば被害者との示談を成立させる
  • 自首を検討する

ここでは、それぞれ解説します。

可能であれば被害者との示談を成立させる

痴漢事件で前科を避けたい場合、まず優先すべきは被害者との示談の成立です。

示談が成立すれば、被害者の処罰感情が和らいでいると評価されます。

その結果、警察や検察が被疑者を不起訴処分とする可能性が高まります。

場合によっては、被害届が取り下げられて事件自体が立件されないケースもあるでしょう。

ただし、当事者同士での示談交渉は、被害者の強い恐怖心や不快感によって進めにくいことがあります。

そこで、刑事事件を得意とする弁護士への相談がおすすめです。

弁護士であれば、示談交渉を円滑に進めることが可能です。

示談が成立しなかった場合でも交渉の経過を謝罪文書として警察に提出したり、再発防止の取り組みを作成したりして、不起訴処分となるよう尽力してくれます。

また、示談が成立すれば、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと評価されるので、逮捕や勾留のリスクも低くなります。

自首を検討する

痴漢行為がバレていない場合、捜査機関に自首することも有効です。

自首には以下のようなメリットがあり、今後の対応や将来への影響を軽減できます。

  • 逮捕や勾留の回避につながる
    自首することで、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断され、逮捕・勾留される可能性が下がります。
    弁護士が同行すれば、示談交渉の進行状況や反省の意思を適切に捜査官に伝えてくれるので、さらに逮捕・勾留のリスクを下げられます。
  • 不起訴処分となる可能性が高まる
    検察官は、起訴・不起訴の判断にあたっては被疑者の反省の有無を重視します。
    自首することで、反省の意思を明確に示せます。
    弁護士が同行することで、反省の意思をより効果的に伝えられるので、不起訴処分につながりやすくなります。
  • 実名報道や周囲への影響を抑えられる
    逮捕・勾留を受けなければ、実名報道される可能性は低くなります。
    また、警察が自宅や職場に直接来る事態も避けられます。

ただし、すでに被害届が提出され、捜査が開始している段階で自首をすると逆効果になるおそれもあるので注意しましょう。

自首を検討したい場合は、弁護士に相談して判断を仰ぐのがおすすめです。

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さいごに|痴漢での逮捕・起訴が不安なら、まずは弁護士に相談を!

本記事では、痴漢の時効についてわかりやすく解説しました。

時効が成立すれば逮捕や起訴の可能性はなくなります。

ただし、時効の完成が近くても、防犯カメラやスマートフォンの映像、目撃証言などにより、後日逮捕される可能性はゼロではありません。

そのため、何もしないで時効を待つのは危険です。

まず考えるべきは、自首や被害者との示談など、状況に応じた適切な対応です。

しかし、示談交渉や自首の場面では専門知識が必要となる場合も多く、ひとりで進めるのは難しいかもしれません。

そのため、弁護士のサポートを受けることを検討しましょう。

弁護士に相談すれば、自首や示談交渉の進め方を適切にアドバイスしてもらえ、逮捕・勾留のリスクを減らし、不起訴処分となる可能性を高められます。

「ベンナビ刑事事件」では、痴漢事件を得意とする弁護士を地域別に簡単に検索できます。

痴漢事件での逮捕や起訴のリスクを少しでも減らしたいなら、まずはベンナビ刑事事件を活用して、信頼できる弁護士に相談してみてください

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磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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