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路上痴漢とは?問われる罪や刑罰、逮捕の可能性について解説

路上痴漢とは?問われる罪や刑罰、逮捕の可能性について解説

路上痴漢をしてしまい、その場から逃げ帰った方の中には、自分の行為が犯罪であると気付き、後悔している方もいるでしょう。

「このまま何事もなく過ぎてくれれば」と思う一方で、「後日逮捕されるのではないか」「どんな罪に問われるのか」といった不安を抱えているかもしれません。

この記事では、路上痴漢で問われる罪や刑罰、逮捕の可能性について詳しく解説します。

さらに、今後の対応方法についても具体的に紹介するので、冷静に現状を把握し、今後取るべき行動を明確にするための参考にしてください。

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路上痴漢とは?

路上痴漢とは、その名のとおり路上でおこなわれる痴漢行為のことです。

痴漢と聞くと、電車内でおこなわれるものをイメージしがちですが、以下のように路上でおこなわれるケースも多く存在します。

路上痴漢の具体例
  • 自転車ですれ違いざまに尻を触る
  • 後ろから突然抱きつく
  • 並行して歩いている際に胸をつかむ
  • 後ろからスカートをめくる
  • 押し倒して覆いかぶさる

軽い気持ちでおこなった行為であっても、痴漢は被害者に大きな精神的・身体的苦痛を与える重大な犯罪行為です。

路上痴漢で適用される罪の種類と刑罰

路上痴漢では、行為の内容や程度に応じて「不同意わいせつ罪」または「迷惑防止条例違反」のいずれかが適用されます。

どちらの罪に問われるかは、触った部位、接触時間、被害者の年齢、行為の悪質性などを総合的に判断して決められます。

以下では、それぞれの罪について、刑罰や適用されるケースを見ていきましょう。

迷惑防止条例違反|6ヵ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金など

迷惑防止条例違反とは、公の場で他人の身体にみだりに触れるなど、周囲に迷惑を及ぼす行為を禁止・処罰する条例違反のことです。

具体的には、以下のような比較的軽微な路上痴漢行為が該当します。

迷惑防止条例違反の例
  • すれ違いざまに尻や脚に軽く触れる
  • 触った瞬間にすぐ逃げる

都道府県ごとに規定や刑罰は異なりますが、東京都迷惑防止条例の場合は「6ヵ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科されます。

なお、触った場所が胸ではなくお尻や脚などの周辺部で、接触時間が短いほど軽微と評価される傾向があります。

不同意わいせつ罪|6ヵ月以上10年以下の拘禁刑

不同意わいせつ罪とは、相手の同意を得ずにわいせつな行為をおこなった場合に適用される、重大な犯罪です。

具体的には、以下のように暴行・脅迫などによって被害者の意思に反してわいせつな行為がおこなわれたケースが該当します。

不同意わいせつ罪の例
  • 胸を触る・揉む・つかむ
  • 無理やりキスをする
  • 押し倒して覆いかぶさる
  • 後ろから抱きつく

刑罰は「6ヵ月以上10年以下の拘禁刑」と、迷惑防止条例違反よりもはるかに重い規定が置かれています。

また、不同意わいせつ罪には罰金刑がないため、起訴された場合は公開法廷での裁判となる点にも注意が必要です。

路上痴漢ではより刑罰の重い不同意わいせつ罪が適用されやすい

路上痴漢は、その性質上、不同意わいせつ罪が適用されやすい特徴があります。

理由として、路上での痴漢行為は突然おこなわれることが多く、被害者が抵抗しにくい状況になりやすい点から、暴行や脅迫があったと認定されやすいからです。

電車内での痴漢と異なり、路上痴漢では「衣服の上から触れたから軽い」という基準は適用されません。

深夜や人通りの少ない場所でおこなわれることが多く、被害者が抵抗しにくい状況であることも、処罰を重くする要因となります。

被害者が16歳未満の場合は不同意わいせつ罪が適用されやすい

被害者が16歳未満の場合、尻や脚を短時間触るような軽微な痴漢行為でも、不同意わいせつ罪が成立しやすくなります。

不同意わいせつ罪の成立要件は複雑で、被害者の年齢や具体的状況によって判断が変わりますが、一般に年少者に対する行為はより厳格に評価される傾向があるのです。

路上痴漢は後日逮捕される?

路上痴漢は現行犯逮捕が多いといわれていますが、その場から逃げたとしても後日逮捕される可能性はゼロではありません。

「現行犯でなければ逮捕されない」という考えは法的に誤解であり、痴漢を含めどのような犯罪でも裁判官の審査を経た逮捕状による通常逮捕(後日逮捕)が可能です。

後日逮捕される確率は個別の事案によって大きく異なり、一概に「何%の確率で逮捕される」とは言い切れません。

証拠の種類や量、捜査の進展状況などが影響するためです。

ただし、現在は街中に多数の防犯カメラが設置されており、「まったく証拠を残さない犯罪はほぼ不可能」というのが実情です。

路上痴漢で逮捕されたあとの流れ

路上痴漢で逮捕された場合、逮捕から最大23日間の身柄拘束を経て、起訴・不起訴が決定されます。

以下では、路上痴漢で逮捕されたあとの流れについて、詳しく見ていきましょう。

1.取り調べを受ける

路上痴漢で逮捕されると、警察の留置施設で身柄を拘束され、警察官による取り調べが実施されます。

取り調べでは、犯行の状況や動機などについて詳しく聞かれることになります。

取り調べでの発言は、後の裁判でも証拠として扱われることになるため、適切な受け答えをしなければなりません。

被疑者には当番弁護士や私選弁護人と接見する権利が認められているため、弁護士に相談しながら適切に対応することが重要です。

2.【逮捕後48時間以内】検察に身柄が送致される

警察での取り調べが実施されると、逮捕から48時間以内に検察官へ身柄が送致されます。

送致とは、事件の資料とともに被疑者の身柄を検察に引き継ぐ手続きです。

なお、犯罪行為が軽微である場合、微罪処分として警察段階で事件が終了することもありますが、痴漢事件において微罪処分となるケースは多くないといわれています。

3.【逮捕後72時間以内】検察が身柄拘束(勾留)の請求をする

検察官は送致を受けてから24時間以内に、勾留の必要性を判断します。

勾留請求には「逃亡または証拠隠滅のおそれ」や住所不定などの要件が必要です。

検察官がこの要件を満たすと判断した場合、裁判所に対して勾留請求をおこないます。

勾留請求は逮捕から72時間以内におこなわれ、請求がなされない場合は釈放となります。

4.【最大20日間】裁判所の決定にて身柄が拘束(勾留)される

検察官の勾留請求を受けた裁判官は、被疑者と面接する勾留質問を実施します。

裁判官は「逃亡または証拠隠滅のおそれ」があるかを判断し、要件を満たすと認めた場合に勾留を決定します。

勾留期間は原則10日間ですが、検察官が延長を請求し裁判官が「やむを得ない事由」があると認めた場合、最大10日間延長されることになります。

つまり、最大20日間にわたって身柄を拘束されることになるのです。

5.【逮捕後最大23日後】検察が起訴・不起訴の判断をする

勾留期間の満了までに、検察官は起訴するかどうかの最終判断をおこないます。

起訴とは刑事裁判にかけることで、不起訴の場合は釈放され事件が終結します。

6.【起訴の約1ヵ月後】刑事裁判に移行する

起訴された場合は、約1ヵ月後に刑事裁判が開始されます。

日本では起訴されると99%以上の確率で有罪になるとされているため、痴漢で逮捕された場合は不起訴処分の獲得を目指すことが何よりも重要だといえるでしょう。

なお、有罪の場合でも執行猶予が付く可能性があり、執行猶予付き判決であれば釈放され、問題を起こさない限り通常の社会生活を送ることが可能です。

路上痴漢での逮捕・起訴を回避するためにやるべきこと

路上痴漢をしてしまった場合、迅速で適切な対応によって逮捕や起訴を回避できる可能性があります。

重要なのは早期に行動することです。

具体的には、以下の対応を検討しましょう。

  • 被害者と示談交渉をする
  • 自首を検討する
  • 刑事事件が得意な弁護士に相談する

被害者と示談交渉をする

被害者との示談成立は、逮捕回避の最も有効な方法の一つです。

示談とは、加害者が被害者に謝罪して示談金を支払い、被害者から宥恕(許し)を受けることです。

示談が成立すると、逮捕を回避できたり、逮捕されていても不起訴となって早期に釈放されたりする可能性が高くなります。

ただし、路上痴漢では被害者との直接的な接触は避けたほうがが得策といえるでしょう。

被害者が「また遭遇するのでは」「復讐されそうで怖い」と不安や恐怖を感じると、示談交渉が困難になるためです。

そのため、被害者との示談成立を望む場合は、弁護士へ依頼し、代理人として交渉を進めてもらう必要があります。

自首を検討する

自首することで路上痴漢による逮捕を回避できる可能性があります。

自首をした人は逃亡や証拠隠滅のおそれが低く、「明らかに逮捕の必要がないと認めるとき」に該当する可能性があるためです。

また、犯人が発覚する前の自首は刑罰の軽減にもつながるため、適切なタイミングで自首することで、その後の社会生活への影響も最低限に抑えられるでしょう。

ただし、自首すべきかどうかは事件の状況によっても異なります。

一人で判断するのは難しいので、弁護士へ相談したうえで判断を仰ぎましょう。

刑事事件が得意な弁護士に相談する

路上痴漢で逮捕される可能性がある場合は、刑事事件が得意な弁護士へ相談することが大切です。

弁護士への相談により、逮捕を回避できる可能性があります。

弁護士は捜査機関に対して、依頼者に逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを客観的に説明し、逮捕の必要性がないことを主張できます。

また、被害者との示談交渉においても弁護士の役割は重要です。

捜査機関は通常、加害者本人に被害者の連絡先を教えることはありません。

しかし、弁護士が仲介者として入り、加害者には連絡先を開示しないことを条件に、被害者との連絡を取ることが可能です。

刑事事件では迅速な対応が求められるため、路上痴漢事件を起こしてしまった場合は、早期に弁護士へ相談しましょう。

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路上痴漢についてよくある質問

最後に、路上痴漢に関するよくある質問とその回答を紹介します。

似たような疑問をお持ちの方は、ぜひここで解消してください。

路上痴漢は初犯でも有罪になる?初犯で罪が重くなるのはどんなとき?

路上痴漢の初犯で迷惑防止条例違反や不同意わいせつ罪に問われた場合は、不起訴や罰金刑のみで済む可能性があります

有罪になったり、罪が重くなったりする場合は、以下の点を総合的に判断して考慮されます。

  • 犯行態様の悪質性
  • 被害の程度
  • 前科前歴の有無
  • 反省の有無
  • 示談成立の有無

犯行態様がそれほど悪質ではなく、被害の程度も比較的軽微であれば不起訴になりやすく、反省の態度を示し被害者との示談が成立していれば有利な情状となるでしょう。

迷惑防止条例違反であれば略式手続きで罰金刑のみで済む可能性もあります。

ただし、不同意わいせつ罪に該当する場合は法定刑に罰金刑がないため、不起訴を得られなければ正式な刑事裁判に発展します。

路上痴漢はどういうきっかけで後日逮捕される可能性がある?

後日逮捕のきっかけとして主に以下の3つのケースがあります。

  • 被害者による被害届の提出
    被害者が捜査機関に犯罪被害を申告する書類で、警察が捜査を開始するきっかけとなります。
  • 防犯カメラの映像
    犯行の様子が映っていたり、被疑者の特徴と似た人物が映っていたりすれば、警察が映像を解析して被疑者を特定する可能性があります。
  • 警察の張り込み
    防犯カメラに映っていなくても、警察が犯行現場周辺を張り込み、被害者の供述と似た人物を見つけて被疑者を特定することがあります。

思わぬところから事件が発覚するケースもあるので、「その場で逃げたから大丈夫」と考えるのは危険です。

もしも路上痴漢をしてしまった場合は、早めに弁護士へ相談して対応を検討しましょう。

路上痴漢で後日逮捕されるまでの期間はどのくらい?

犯行から後日逮捕されるまでの期間は一概に言えません

警察が後日逮捕するには逮捕状が必要で、これは被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると裁判所が認めて初めて発付されます。

警察は被疑者が映った防犯カメラ映像などを用意して逮捕状請求の根拠を示さなければなりません。

こうした資料を用意する時間はケースバイケースで、犯行から数日で逮捕されることもあれば、数年かかることもあります。

路上痴漢をしたとき抵抗した相手を殴ってけがをさせたら罪はどうなる?

路上痴漢で相手にけがを負わせた場合、不同意わいせつ致傷罪が成立する可能性があります。

不同意わいせつ致死罪とは、不同意わいせつ罪をおこなった際またはおこなおうとした際に、暴行により被害者にけがを負わせた場合に成立します。

  • 具体例:わいせつ行為に及んだ際に被害者から抵抗されたため、腕をつかんで押し倒し擦り傷を負わせた場合など
  • 刑罰: 無期または3年以上の拘禁刑(極めて重い刑罰)
  • 公訴時効:傷害を与えた場合は20年

路上痴漢の時効はどのくらい?

路上痴漢の公訴時効は、以下のとおりです。

罪名 公訴時効期間
迷惑防止条例違反 3年
不同意わいせつ罪 12年

また、被害者が未成年の場合は、その者が18歳になるまでの年数が時効期間に加算されるため、より長期化することになります。

たとえば、被害者が当時15歳だった場合、被害者が18歳になるまでの3年間が上記の時効期間に加算されるということです。

なお、不同意わいせつ罪の時効期間は、性犯罪の特性を考慮して近年大幅に延長されました。

行為者が軽微な違反だと考えていても、捜査当局が重大な性犯罪として扱う場合、想定よりもはるかに長期間処罰の対象となる可能性があるため、早めに弁護士へ相談することが大切です。

さいごに|路上痴漢をしてしまったときは一刻も早く弁護士に相談を!

路上痴漢は重大な犯罪行為であり、迷惑防止条例違反や不同意わいせつ罪など、さまざまな刑事罰の対象となります。

事件が発覚すれば逮捕や起訴、さらには実刑判決を受ける可能性があり、その後の人生への影響は計り知れません。

しかし、適切な対応を取ることで、逮捕の回避や不起訴処分の獲得、刑罰の軽減を図ることは可能です。

被害者との示談交渉や自首の検討など、専門的な判断が必要な場面では、刑事事件に精通した弁護士のサポートが不可欠となります。

一人で悩みを抱え込まず、事件発生後できるだけ早期に弁護士に相談することで、より良い解決策を見つけることができるでしょう

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この記事の監修者
磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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