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少年院の実態|入所までの流れと少年院での生活
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少年院の実態|入所までの流れと少年院での生活

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
L201109100600

少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された少年を収容するための施設を言います。未成年が犯罪を起こして逮捕されると、少年院に入れられてしまうというような認識がありますが、必ずしも少年院に入所するわけではありません。
 
今回は、どのような場合、少年院に入所し、少年院に入所したとしたらどのような生活を送っていくのかを解説していきます。

 

少年院とは|少年院に入所する場合と少年院の存在意義

少年院とは、犯罪行為をしてしまった少年を収容するための施設です。どのような処分によって少年院に入所し、どのような役割を少年院は持っているのでしょうか。
 

少年院に入所する人物の年齢

まず、少年院に入所する人物の年齢ですが、事件の内容や後述する少年院の種類にもよりますが、おおよそ12歳以上から26歳未満の人物が入所することになります。
 

少年院に入所する場合

これらの年齢の人物(特に未成年)が刑事事件を起こしたからと言って必ずしも少年院に入所するというわけではありません。未成年が逮捕されると、家庭裁判に事件の内容が送られ少年審判が行われます。
 
この少年審判で更生施設への送致の保護処分を受けると、その更生施設の1つとして少年院へ少年の身柄が送られます。少年たちは少年院の中で生活を送りながら更生をしていきます。
 

少年院が存在している意味

少年院は、少年事件における刑務所のようなイメージを持たれている方が多いでしょう。確かに、刑法での懲役・禁固刑を言い渡しを受けた少年を収容するための施設であるため、そのような罰則の意味合いもありますが、入所者が少年であるため更生させていく役割も強いとされています。
 

更生

少年院の大きな目的として、入所する少年の更生と社会復帰への支援が第一にあります。後述するような、まるで学校のような教育活動を受けますし、出所後に就職で困らないように、職業指導や就労支援も行っています。
 

罰則

後述する第四種少年院では、刑の執行を行ないます。つまり、刑罰である懲役刑や禁固刑などの罰則を与える目的もあります。
 
【関連記事】
▶「日本の懲役の実態|懲役刑が果たす3つの役割と問題点
 
●少年院への送致は前科にならない
少年院への送致では前科は付きませんが、警察や検察などに前歴として残ってしまいます。
 
【関連記事】
▶「前科と前歴の違い|知っておきたいその後の生活の影響度
 

全国にある少年院の数

全国にある少年院の数は、平成25年5月時点で52か所に所在します。全都道府県に所在してはいませんが、各地域に必ず一か所は所在していますので、入所者の住所の近くの少年院、もしくは少年審判が行われる家庭裁判に近い少年院に入所します。
 

全国少年院一覧

施設名

郵便番号

所在地

電話番号

帯広少年院

080-0846

北海道帯広市緑ヶ丘3-2

0155-24-5787

北海少年院

066-0066

北海道千歳市大和4-746-10

0123-23-3147

紫明女子学院

066-0066

北海道千歳市大和4-662-2

0123-22-5141

月形学園

061-0516

北海道樺戸郡月形町字知来乙264-1

0126-53-2736

盛岡少年院

020-0121

岩手県盛岡市月が丘2-15-1

019-647-2107

東北少年院

984-0825

宮城県仙台市若林区古城3-21-1

022-285-4270

青葉女子学園

984-0825

宮城県仙台市若林区古城3-24-1

022-286-1551

置賜学院

992-0111

山形県米沢市大字下新田445

0238-37-4040

茨城農芸学院

300-1288

茨城県牛久市久野町1722-1

029-875-1114

水府学院

311-3104

茨城県東茨城郡茨城町駒渡1084-1

029-292-0054

喜連川少年院

329-1412

栃木県さくら市喜連川3475-1

028-686-3020

赤城少年院

371-0222

群馬県前橋市上大屋町60

027-283-2020

榛名女子学園

370-3503

群馬県北群馬郡榛東村新井1027-1

0279-54-3232

市原学園

290-0204

千葉県市原市磯ケ谷157-1

0436-36-1581

八街少年院

289-1123

千葉県八街市滝台1766

043-445-3787

多摩少年院

193-0932

東京都八王子市緑町670

042-622-5219

関東医療少年院

183-0052

東京都府中市新町1-17-1

042-362-2355

愛光女子学園

201-0001

東京都狛江市西野川3-14-26

03-3480-2178

久里浜少年院

239-0826

神奈川県横須賀市長瀬3-12-1

046-841-2585

小田原少年院

250-0001

神奈川県小田原市扇町1-4-6

0465-34-8148

神奈川医療少年院

252-0205

神奈川県相模原市中央区小山4-4-5

042-772-2145

新潟少年学院

940-0828

新潟県長岡市御山町117-13

0258-35-0118

有明高原寮

399-8301

長野県安曇野市穂高有明7299

0263-83-2204

駿府学園

421-2118

静岡県静岡市葵区内牧118

054-296-1661

湖南学院

920-1146

石川県金沢市上中町ロ11-1

076-229-1077

瀬戸少年院

489-0988

愛知県瀬戸市東山町14

0561-82-3195

愛知少年院

470-0343

愛知県豊田市浄水町原山1

0565-45-0511

豊ケ岡学園

470-1153

愛知県豊明市前後町三ツ谷1293

0562-92-3106

宮川医療少年院

519-0504

三重県伊勢市小俣町宮前25

0596-22-4844

京都医療少年院

611-0002

京都府宇治市木幡平尾4

0774-31-8101

浪速少年院

567-0071

大阪府茨木市郡山1-10-17

072-643-5065

交野女子学院

576-0053

大阪府交野市郡津2-45-1

072-891-1132

和泉学園

599-0231

大阪府阪南市貝掛1096

072-476-5221

泉南学寮

599-0231

大阪府阪南市貝掛1096

072-476-5221

加古川学園

675-1201

兵庫県加古川市八幡町宗佐544

079-438-0353

播磨学園

675-1201

兵庫県加古川市八幡町宗佐544

079-438-0340

奈良少年院

631-0811

奈良県奈良市秋篠町1122

0742-45-4681

美保学園

683-0101

鳥取県米子市大篠津町4557

0859-28-7111

岡山少年院

701-0206

岡山県岡山市南区箕島2497

086-282-1128

広島少年院

739-0151

広島県東広島市八本松町原11174-31

082-429-0821

貴船原少女苑

739-0151

広島県東広島市八本松町原6088

082-429-3001

丸亀少女の家

763-0054

香川県丸亀市中津町28

0877-22-9226

四国少年院

765-0004

香川県善通寺市善通寺町2020

0877-62-1251

松山学園

791-8069

愛媛県松山市吉野町3803

089-951-1252

筑紫少女苑

811-0204

福岡県福岡市東区大字奈多1302-105

092-607-5695

福岡少年院

811-1346

福岡県福岡市南区老司4-20-1

092-565-3331

佐世保学園

857-1161

長崎県佐世保市大塔町1279

0956-31-8277

人吉農芸学院

868-0301

熊本県球磨郡錦町木上北223-1

0966-38-3102

中津少年学院

871-0152

大分県中津市加来1205

0979-32-2321

大分少年院

879-7111

大分県豊後大野市三重町赤嶺2721

0974-22-0610

沖縄少年院

904-0034

沖縄県沖縄市山内1-13-1

098-933-4486

沖縄女子学園

904-0034

沖縄県沖縄市山内1-14-1

098-933-7241

参照:「法務省-全国の矯正管区・矯正施設・強制研修所一覧

 

少年院の種類

上記でも簡単に触れましたが、少年院は現行の少年院法で4つの区分に分けられています。また、この少年院法は、2015年6月に改訂されたばかりですので、旧法によって区分されていましたので、現行法と旧法の両方をご説明します。
 

現行少年院法

2015年6月から施行されている少年院法です。旧法との違いは、性別により分離はするものの、施設自体の分離は規定されていません。
 

第一種少年院

心身に著しい障害がないおおよそ12~23歳の人物を収容します。旧法の初等少年院と中等少年院に相当します。
 

第二種少年院

心身に著しい障害のない、犯罪的傾向が進んだおおよそ16~23歳の人物を収容します。旧法での特別少年院に相当します。
 

第三種少年院

心身に著しい障害があるおおよそ12~26歳の人物を収容します。旧法での医療少年院に相当します。
 

第四種少年院

少年院で刑の執行を受ける人物を収容します。
 

旧法

旧法では、以下のように区分されます。
 

初等少年院

心身に著しい故障のない、おおよそ12~16歳の人物を収容します。
 

中等少年院

心身に著しい故障のない、おおよそ16~20歳の人物を収容します。
 

特別少年院

心身に著しい故障の無い、犯罪的傾向が進んだおおよそ16~23歳の人物を収容します。また、16歳未満の少年院収容受刑者も収容されます。
 

医療少年院

心身に著しい故障がある、おおよそ12~26歳の人物を収容します。
 

少年院以外の少年更生施設・措置

また少年事件では、少年院以外の施設に収容などされることがありますので、少年院以外の更生施設の種類と少年院との違いについてご説明していきます。
 

少年鑑別所

少年鑑別所(しょうねんかんべつしょ)は、家庭裁判所で少年審判を実施する前に、少年の性格や非行性を鑑別するための施設です。少年鑑別所では、心理テスト・面接・行動鑑札などにより少年を鑑別します。収容期間はおおむね4週間で最大8週間となっています。
 

少年院との違い

少年院との大きな違いは手続きの流れの中で、少年審判の前に入所するか(少年鑑別所)、後に入所するか(少年院)の違いです。また施設の目的も鑑別(少年鑑別所)と更生(少年院)と違います。
 

少年刑務所

少年刑務所(しょうねんけいむしょ)は、通常26歳未満の少年を刑罰目的で収容する施設ですが、20歳以上の成人が多く収容されていることが実態としてあります。未成年の受刑者と成人の受刑者が同室にならないように配慮がされています。また、少女刑務所というものはないので、少女の場合は成人と同じ刑事施設に収監されます。
 

少年院との違い

少年院との決定的な違いは存在意義の違いです。お伝えのように、少年院では入所者の更生に重きを置いているのに対し、少年刑務所では刑罰の一つとして収監されます。少年刑務所に収監される少年も、殺人や強盗などの重い罪を起こしてしまい、少年審判によって検察へ送致された人物が刑事裁判の結果、懲役や禁錮などの罰則として収監されます。
 

保護観察所

保護観察所(ほごかんさつしょ)は、少年事件によって「保護観察処分」「少年院の仮退院」「少年刑務所に仮釈放」「保護観察付執行猶予」などの処分を受けた人物に指導・支援を行う施設です。
 

少年院との違い

少年院との違いは、収容されることが無いということです。定期的に面談・指導・更生プログラムなどを受けることになります。
 

児童自立支援施設

児童自立支援施設(じどうじりつしえんしせつ)は、犯罪などの不良行為を行なってしまった児童(18歳未満)や、家庭環境などから生活指導が必要な児童が入所します。少年審判の措置として入所することもありますが、多くが児童相談所からの措置によるものとなっています。
 

少年院との違い

少年院との違いは、まず、入所者の年齢が児童(18歳未満)に限られているということです。また、少年審判を行なわなくても、児童相談所の措置として入所が決まることも多いです。
 

 

少年院での生活と問題点

最後に、少年院に入所したとしたらどのような生活を送ることになるのでしょうか。
 

少年院での一日の流れ

まず、少年院での1日の流れですが、こちらは拘置所などの成人事件での刑事施設と同じように、規則正しく決められており、入所者はそれに従いキビキビと動きます。また、基本的に私語厳禁です。
 
イメージとしては厳しい学校での寮生活に近いでしょうか。朝7時ごろに起床し、身支度をしたら朝9時ころから途中に昼食・休憩をはさみ夕方まで教育活動を受けます。夕方以降は、自己学習や面接、テレビ鑑賞などがあります。入浴は週に2~3週間と、拘置所などと変わりません。
 
【関連記事】
▶「拘置所の中での1日の流れ
 

少年院での教育活動

お伝えのように、少年院では少年の更生や教育に重きが置かれています。ですので、日中の大半を、教育活動を受けて過ごします。
 

生活指導

善良な社会人として自立していくための知識・生活態度を、集団生活などを通して習得していきます。
 

職業指導

勤労意欲の喚起や、就業上の知識・技能を習得していきます。少年院によっては資格を習得できることもあります。
 

教科指導

収容中も基礎学力が低下しないように義務教育や高校卒業程度認定試験を受験するための指導がされます。
 

体育指導

収容中に体力低下しないように体育指導も行われます。
 

特別活動指導

社会貢献活動や野外活動、音楽などの特別指導も行われます。
 

少年院への入所期間

少年院への入所期間は、少年の状態や入所後の生活態度などにもよりますが、おおよそ1年ほどです。入所後は、以下の段階を踏んで出所までを過ごします。
 

考査生

入所後10日ほどは単独寮で生活をする考査期間です。考査期間は入所の原因となった、反省や更生の決意、自分自身の内観などを考えていきます。簡単に言うと10日間続く作文です。
 

予科生

考査期間が終わると、集団寮に入り、予科生になります。予科期間は入所後約2カ月間で、行動訓練が主になります。行動訓練では、「気を付け」や「休め」などの集団行動を徹底的に指導されます。
 

中間期

予科が終わると中間期に入りますが、こちらではお伝えのように、中学生であれば基本的に教科、16歳以上であれば職業訓練が行われます。中間期の長さは入所した少年によって変わります。
 

出院準備生

中間期が終わると出院準備期間となり、集団行動の指揮を取ったり、自立した生活態度を求められます。また、映画を見たり、美術館に行ったり、教官と一緒に1日だけ社会へと外出します。
 

少年院での問題点

このような少年院ですが、少なからず問題が生じていることも否めません。
 

他の入所者や教官からのいじめ・虐待

まず、通常の学校生活でもあるように、少年院の中でもいじめが起きていることも事実です。少年院の中では、原則的に私語厳禁で、いじめが発覚すれば入所期間にも影響が出るため、教官に見つからないように陰でいじめが行われてしまいます。
 
また、稀にですが教官からの指導が行き過ぎて、虐待となってしまうこともあります。少年院法が改正されるきっかけにもなった広島少年院の虐待事件では、暴行やトイレに行かせず失禁させる、腕立て伏せ1,000回を命じるなどの虐待行為が行われていました。教官たちは特別公務員暴行陵虐罪として有罪判決を受けました。
 

社会復帰への弊害

少年院では、少年の更生・社会復帰に重きを置いていますが、それでも1年近く少年院で生活を送ってしまうと、学校や就職などの社会復帰へ影響が出てしまうことも正直なところです。
 
少年院に入所してしまうと、学校から退学処分を受けてしまったり、就職活動が困難になってしまうことも十分に考えられるでしょう。
 

社会復帰後の入所者同士のコミュニティ

また、交友関係が大事になってくる少年時代を少年院で過ごすと、その期間の交友関係ができてしまいます。中には、少年院の同窓会のようなものが仲間内で行われることもありますし、今ではインターネットやSNSを通して同じく少年院に入っていた人も探せてしまいます。
 
そのことが一概に悪いとは言えませんが、やはり出所後や成人後も再び事件を起こしてしまう人物はおり、中には少年院の出所者同士で組織を組んで犯罪行為を行なってしまうことも稀にあります。本人は更生を誓っていても、周りの交友関係に悪影響を受けてしまうことも少なからずあります。
 

まとめ

いかがでしょうか。以上が少年院に入所するまでの流れや実態ですが、まず、少年院は罰則を与える施設ではなく、少年の更生を図る施設です。とはいえ、少年院に入所してしまうと、しばらくの間社会生活から離れることになりますので、何かしらの影響が出てくることも考えられます。
 
少年が事件を起こした際の措置は少年院に送致することだけではありません。事件の状況にもよりますが、保護観察処分などによって、通常の生活を送りながら更生を図ることもあります。
 
もしも、未成年の方が逮捕されてしまったのであれば、すぐに弁護士に相談し、早い対応を心掛けるようにして下さい。
 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

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