刑事事件の早期解決を望んでいる方はに、弁護士に依頼することがおすすめです。
弁護士ならば、逮捕後すぐに接見できるために、取り調べの適切な受け方についてアドバイスを貰うことができます。
また被害者と示談しているかどうかも量刑の判断材料の一つです。
弁護士には示談交渉の代理を任せることができます。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)を、ニュースなどでよく耳にする機会もあるでしょう。
「情状酌量の余地あり」「情状酌量の余地なし」といった表現がよく使われていますが、情状酌量の正確な定義を理解している人は少なくかもしれません。
この記事では、情状酌量の定義のほか、裁判例で情状酌量が認められた事例を紹介したあと、情状酌量を獲得するためにはどうすればよいかなどを解説します。
刑事事件の早期解決を望んでいる方はに、弁護士に依頼することがおすすめです。
弁護士ならば、逮捕後すぐに接見できるために、取り調べの適切な受け方についてアドバイスを貰うことができます。
また被害者と示談しているかどうかも量刑の判断材料の一つです。
弁護士には示談交渉の代理を任せることができます。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 |
まずは、情状酌量の基本概要について解説します。
情状酌量とは、正式には酌量減軽といい、刑事裁判で被告人の量刑を決める際に、被告人に有利な事情を汲みとることを指します。平たく言いかえれば、「被告人に酌むべき事情がある場合、裁判所の判断で刑を軽くすることができる」という意味です。
情状酌量を行えるのは、刑法第66条に次のような規定があるからです。
(酌量減軽)
第六十六条 犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。
引用元:刑法第66条
情状酌量の判断材料は被告人に有利となる一切の事情についてであり、おおまかに分けると、犯罪に関する情状と一般的な情状に分類されます。
犯罪に関する情状としては次のようなものがあります。
一般的な情状としては次のようなものがあります。
上記のような情状に関する判断を考慮した結果、必ず情状酌量されるかといえば、そうではありません。なぜなら、刑法66条では「軽減することができる」と記載されているからです。
つまり、情状酌量されるかどうかは、裁判官の心証によって判断されています。
情状酌量での減刑は法定刑の下限を越えて行うこともできますが、どこまでも減刑されるかといえばそうではありません。
情状酌量で減刑される範囲は刑法第68条と第71条で規定されており次の通りです。
罪の内容 |
減刑の範囲 |
死刑の罪 |
無期懲役・禁錮または10年以上の懲役・禁錮 |
無期懲役・禁錮の罪 |
7年以上の懲役・禁錮 |
有期懲役・禁錮の罪 |
上限及び下限を2分の1にする |
罰金の罪 |
上限額及び下限額を2分の1にする |
拘留の罪 |
上限を2分の1にする |
科料の罪 |
上限額を2分の1にする |
情状酌量と似たものとして、忖度(そんたく)・斟酌(しんしゃく)があります。
酌量…裁判官が量刑を確定する際、犯行に至るまでの背景を酌んで減刑すること
忖度…相手の気持ちや、本当に思っていることを推察すること
斟酌…相手の気持ちについて推し量った上で、物事を処理すること
酌量・斟酌・忖度は、いずれも相手の気持ちを考えるという点で共通していますが、それぞれの意味は若干異なります。
酌量は、主に裁判で使われる言葉です。忖度・斟酌はそれ以外の場面でも使われることが多く、忖度が『相手の気持ちを考える』という意味であるのに対し、斟酌は『相手の気持ちを考えた上で、行動に起こす』という点で意味が異なります。
この項目では、実際に「情状酌量の余地あり」と判断された事例をご紹介します。
2016年4月に滋賀県の食料品店にて、被告人が商品を窃取したとして、窃盗容疑で逮捕された事件。被告人は知的障害をもっており、継続的な支援が必要な状態であることなどから、裁判所は「情状について特に酌量すべきものがある」として、懲役1年と執行猶予4年との判決を下しました。
裁判年月日 平成28年 4月21日 裁判所名 大津地裁 裁判区分 判決 事件番号 平28(わ)56号 事件名 窃盗被告事件 裁判結果 有罪 参考元:文献番号 2016WLJPCA04216005 |
2017年6月に東京都の食料品店にて、被告人が商品を窃盗したとして、窃盗容疑で逮捕された事件。被告人は高齢で健康状態が良好ではないこと、認知機能が低下していること、犯行を認めた上で反省していることなどから、裁判所は「情状に特に酌量すべきものがある」として、懲役1年6ヶ月と執行猶予3年との判決を下しました。
裁判年月日 平成30年 1月29日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平29(刑わ)1416号 事件名 窃盗被告事件 裁判結果 有罪 参考元:文献番号 2018WLJPCA01296001 |
2002年12月に兵庫県の家宅にて、被告人A・B・Cが被害者に対し、暴行を加えた事件。この事件はA・Bが主導となって行ったもので、Cは従属的に加担させられていたこと、そしてCによる暴行の程度はA・Bよりも悪質性は高くないこと、さらに反省の念を示していることなどから、裁判所は「情状に酌量すべき事情が認められる」として、懲役1年と執行猶予5年との判決を下しました。
裁判年月日 平成16年 2月19日 裁判所名 神戸地裁 裁判区分 判決 事件番号 平15(わ)73号 事件名 傷害被告事件 裁判結果 有罪 参考元:文献番号 2004WLJPCA02199002 |
情状酌量が認められたケースとしては次のようなものがあります。
まだ被疑者や犯罪そのものが発覚していない段階で、犯罪を犯した本人が警察へ申し出ると、情状酌量の1材料として判断されることもあります。
<裁判例> 1994年4月に東京都の家宅にて、被告人が被害者(息子)を殺害したとして、殺人容疑で逮捕された事件です。被告人が自首していること、親族が被告人に対して同情的であること、これまで被害者に対して誠心誠意、接していたことなどから、裁判所は「被告人のために酌むべき事情がある」として、懲役3年との判決を下しました。 参考元:平成7年東京地裁の判決|文献番号1995WLJPCA03070008 |
被告人に適格で信頼できる身元引受人がいて、今後の生活について具体的な指導・監督を約束しているようなケースでは、被告人に有利な事情として考慮され、量刑判断に影響を与える可能性が高いです。
具体的にはこのような身元引受人に刑事裁判で情状証人となってもらい、裁判所で具体的な指導・監督の計画について証言してもらうという方法です。情状証人の詳細については、以下の参考記事をご覧ください。
関連記事:情状証人とは|情状証人の役目と注意点|刑事弁護士ナビ
<裁判例> 2016年7月に長崎県の量販店内にて、被告人が商品を窃取したとして、窃盗容疑で逮捕された事件です。被告人が損害金を供託していること、被告人から反省の念が感じられること、さらに、情状証人として被告人の父親が出廷し、「今後2度と同じことが起こらないよう留意する」と述べていることなどから、裁判所は「やや長期間の執行猶予期間を設け、その刑の全部の執行を猶予するのが相当」として、懲役2年と執行猶予4年との判決を下しました。 参考元:平成29年長崎地裁の判決|文献番号2017WLJPCA09216003 |
被害者との間で示談が成立しており、被害者から『被告人の寛大な処分を求める』という旨の嘆願書が裁判所へ提出されることもあります。これも量刑判断に影響を与えます。
<裁判例> 2017年4月に埼玉県の商業施設内にて、乗用車を運転していた被告人がアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違え、被害者Aの所有する車両に衝突した上に、被害者B・C・Dに傷害を負わせた事件です(Bは死亡)。被告人から反省の念が感じられること、被害者との間で示談が成立していること、さらに被害者からは寛大な処分を求める旨の嘆願書が提出されていることなどから、裁判所は禁錮1年8ヶ月と執行猶予3年との判決を下しました。 参考元:平成30年さいたま地裁の判決|文献番号2018WLJPCA01256005 |
被告人が娘、被害者が父の事件で、被告人の生い立ちなどを考慮され、量刑の判断に影響を与えた事件です。
<裁判例> 娘が勤め先で恋人ができたことを父に報告したところ、妬みを理由に暴行されたのち、娘が父の首を絞めて殺害しました。娘は14歳のころから父に近親相姦を強要されており、父親との子供を5人出産、うち2人は死亡したものの、残り3人を育てていました。これら被告人の生い立ちを考慮し、裁判所は懲役2年6ヶ月と執行猶予3年との判決を下しました。 参考元:昭和48年最高裁判所の判決|文献番号1973WLJPCA04040004 |
犯行の動機や経緯が考慮されて、情状酌量が認められたケースです。
<裁判例> 平成7年に東海大学医学部付属病院に末期がんで入院していた患者に対し、塩化カリウムを投与して死に至らしめたとして、担当していた内科医が殺人の罪で起訴された事件です。昏睡状態が続く被害者に対して、妻と子供は治療の中止を希望しており、フォーリーカテーテルなどを中止しました。その後も長男から「早く楽にしてあげてほしい」旨を伝えられ、塩化カリウム製剤200mlを投与。被害者は急性高カリウム血症による心肺停止で死亡しました。被害者家族から治療中止などの強い希望があったことを考慮し、裁判所は懲役2年と執行猶予2年の判決を下しました。 参考元:平成7年横浜地裁の判決|文献番号1995WLJPCA03280002 |
情状酌量を得たいのであれば、早期に弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士に依頼することで、刑事手続きが適切に進み、情状酌量を獲得できる可能性が上がるからです。
刑事手続きにおいては、逮捕後警察による捜査をうけます。このとき、普段と違う状況であるというプレッシャーから、自分自身に不利な発言をしてしまうことも考えられます。弁護士であれば逮捕後に加害者と接見できることが可能なので、最適な捜査になるようアドバイスを行えます。
また、この記事でもお伝えした通り、被害者と示談しているかどうかは量刑の判断材料の1つとなります。加害者やその家族が示談を行おうとしても、被害者が感情的になりなかなか示談に応じてくれないといった事態も考えられます。弁護士であればスムーズな交渉が可能になります。
なお、刑事事件を依頼するのであれば、刑事事件に注力している弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士が取り扱う分野は多岐に渡っており、経験や知識に差があります。
ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)では、刑事事件に注力している弁護士のみを掲載しています。お近くの事務所を探していただけますので、ご家族の方が逮捕されてしまったという方はぜひ利用してください。
「情状酌量の余地あり」と判断されるためには、量刑判断に影響し得るだけの具体的な事情が必要です。
もしご自身が罪を犯して減刑獲得を望む場合は、弁護人とよく相談し、具体的な情状立証を検討してみてください。
刑事事件の早期解決を望んでいる方はに、弁護士に依頼することがおすすめです。
弁護士ならば、逮捕後すぐに接見できるために、取り調べの適切な受け方についてアドバイスを貰うことができます。
また被害者と示談しているかどうかも量刑の判断材料の一つです。
弁護士には示談交渉の代理を任せることができます。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 |
参照元一覧 |
【錦糸町駅近く】不同意わいせつ・盗撮・暴行・窃盗・万引き等で警察の取り調べを受けた方・捜査されている方へ|元検事率いる刑事弁護チームが迅速サポート!今後の人生を守るため、すぐにご連絡を【バレずに解決】
事務所詳細を見る【初回相談0円|即日対応◎|不同意性交・痴漢・盗撮/暴行・傷害など】『警察から連絡を受けている』方は当弁護士にご相談を!◆依頼者の味方となり早期解決へのサポートを【即日接見・韓国語も対応可能】≫まずは写真をクリック≪
事務所詳細を見る【新宿駅近く】不同意わいせつ・盗撮・暴行・窃盗・万引き等で警察の取り調べを受けた方・捜査されている方へ|元検事率いる刑事弁護チームが迅速サポート!今後の人生を守るため、すぐにご連絡を【バレずに解決】
事務所詳細を見る本記事では、刑務所と拘置所の違いを分かりやすく解説します。それぞれの施設の目的・収容される方・生活の様子やルールなどについて詳しく紹介するので、ぜひ...
偽計業務妨害罪は身近にある犯罪であり、実際に自身の行為が該当するのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、偽計業務妨害...
今回は、刑罰のなかでも禁錮刑について、どのような刑なのかや、自宅での受刑はあるのかなどを解説します。「禁錮刑と懲役刑の違いは?」「どちらがつらい?」...
業務をしているとき、過失によって事故を起こしてしまったら、業務上過失致死傷罪に問われます。業務上過失致死傷罪に該当するのは、どのような事故のときなの...
執行猶予が得られると有罪判決を受けても刑の執行が猶予されます。懲役や禁錮を言い渡されても通勤や通学など日常の生活が可能となり、社会内で更生するチャン...
「不起訴はいつわかるのか」という疑問を抱いている方向けに、この記事では不起訴がわかるタイミングについてくわしく解説しています。身柄事件の場合、最大で...
禁錮とは、受刑者を刑事施設に収容する刑罰で、刑務作業が義務付けられていないもののことです。この記事では懲役との違いを踏まえながら、禁錮とはどのような...
前科がつくことによるデメリットは、仕事や結婚など社会生活に影響を及ぼす点です。この記事では、前科の意味を説明した上で、前科がつくことによる具体的なデ...
仮釈放は早く社会復帰することが可能な重要な制度です。この記事では①仮釈放期間はどのように決定されるのか②受けるための条件③仮釈放を要求する方法④仮釈...
無期懲役は期限のない懲役刑の事ですが、日本では死刑に次いで重い刑罰です。無期懲役は一生刑務所から出られないという認識がされますが、最も長い刑期の1....
執行猶予が得られると有罪判決を受けても刑の執行が猶予されます。懲役や禁錮を言い渡されても通勤や通学など日常の生活が可能となり、社会内で更生するチャン...
略式起訴(りゃくしききそ)とは、通常の起訴手続きを簡略化した、略式手続きで処分を終わらせ起訴方法で、100万円以下の罰金・科料に相当する事件である場...
起訴と不起訴の違いは、有罪と無罪ほどの違いと言っても過言ではありません。この記事では不起訴処分になる条件の一例や、不起訴獲得のためにできること、弁護...
無期懲役は期限のない懲役刑の事ですが、日本では死刑に次いで重い刑罰です。無期懲役は一生刑務所から出られないという認識がされますが、最も長い刑期の1....
本記事では、勾留の概要から勾留の流れ、期間、免れるための方法を解説します。
禁錮とは、受刑者を刑事施設に収容する刑罰で、刑務作業が義務付けられていないもののことです。この記事では懲役との違いを踏まえながら、禁錮とはどのような...
微罪処分とは、軽い犯罪を起こしてしまい、逮捕されたとしても、その後、警察が微罪と判断し、身元引受人に被疑者を引き取ってもらうことで、刑事手続が終了す...
拘留(こうりゅう)とは、日本の刑罰の種類の1つで「1日以上30日未満」の間、刑事施設に収監する刑罰です。
起訴猶予とは、実際に罪は犯しているが、反省している・被疑者と和解しているなどの内容で起訴されないことです。本記事では、起訴猶予を中心とした法的知識と...
前科一犯とは、過去に犯罪を起こし、前科が1回付いた人の事を指します。“一犯”とは、前科になった回数の事で、2回、3回と増えていけば、二犯、三犯とその...
実刑(じっけい)とは、執行猶予が付かずに懲役刑や禁錮刑で刑務所に収監されるという判決を受けてしまうことです。実刑判決を受けてしまうと、その後、数カ月...
業務をしているとき、過失によって事故を起こしてしまったら、業務上過失致死傷罪に問われます。業務上過失致死傷罪に該当するのは、どのような事故のときなの...
仮釈放は早く社会復帰することが可能な重要な制度です。この記事では①仮釈放期間はどのように決定されるのか②受けるための条件③仮釈放を要求する方法④仮釈...
微罪処分とは、軽い犯罪を起こしてしまい、逮捕されたとしても、その後、警察が微罪と判断し、身元引受人に被疑者を引き取ってもらうことで、刑事手続が終了す...
本記事では、刑務所と拘置所の違いを分かりやすく解説します。それぞれの施設の目的・収容される方・生活の様子やルールなどについて詳しく紹介するので、ぜひ...
本記事では、勾留の概要から勾留の流れ、期間、免れるための方法を解説します。
今回は、刑罰のなかでも禁錮刑について、どのような刑なのかや、自宅での受刑はあるのかなどを解説します。「禁錮刑と懲役刑の違いは?」「どちらがつらい?」...
起訴と不起訴の違いは、有罪と無罪ほどの違いと言っても過言ではありません。この記事では不起訴処分になる条件の一例や、不起訴獲得のためにできること、弁護...
無期懲役は期限のない懲役刑の事ですが、日本では死刑に次いで重い刑罰です。無期懲役は一生刑務所から出られないという認識がされますが、最も長い刑期の1....
前科がつくことによるデメリットは、仕事や結婚など社会生活に影響を及ぼす点です。この記事では、前科の意味を説明した上で、前科がつくことによる具体的なデ...
処分保留とは、刑事手続きが進められていく上で、期間内に十分な証拠が揃わなかった場合、起訴・不起訴の判断を保留して釈放させることです。
拘留(こうりゅう)とは、日本の刑罰の種類の1つで「1日以上30日未満」の間、刑事施設に収監する刑罰です。