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【加害者向け】職場での盗撮は犯罪!会社内での盗撮事件の特徴と今すぐ取るべき対処法

【加害者向け】職場での盗撮は犯罪!会社内での盗撮事件の特徴と今すぐ取るべき対処法

職場での盗撮は、刑事事件として重大な結果を招く行為です。

更衣室やトイレなどでの隠し撮り、スマートフォンを使った盗撮は、発覚すれば刑事罰だけでなく懲戒解雇や社会的信用の失墜といった深刻な影響は避けられません

そのため、もしも職場で盗撮をおこない不安に感じているなら、今すぐに適切な対応をする必要があります。

この記事では、職場での盗撮に該当する犯罪の種類と刑罰、職場ならではの盗撮事件の特徴、発覚時に取るべき具体的な行動、さらに弁護士への依頼で解決に至った事例までを詳しく解説します。

最後まで読めば、不安を抱えている方も今後の行動を冷静に判断できるようになるはずです。

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職場での盗撮行為によって成立する犯罪とその刑罰

職場での盗撮は、会社内という閉鎖的な環境でおこなわれるため、被害感情が強く、刑事処分も重くなる傾向があります。

具体的には、近年新設された「撮影罪」や各都道府県の「迷惑防止条例違反」が適用されるケースがほとんどです。

以下では、それぞれの内容と刑罰を見ていきましょう。

1.撮影罪|3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金

職場内での盗撮行為は、撮影罪に該当します。

2023年に施行された「撮影罪」は、従来の条例よりも広範かつ厳しい処罰規定を設けています。

(性的姿態等撮影)

第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為

イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分

ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

引用元:性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 | e-Gov 法令検索

職場の更衣室やトイレでの盗撮は撮影罪に該当する典型例で、法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金となっています。

初犯でも懲役刑や高額の罰金が科される可能性があるため、注意が必要です。

2.迷惑防止条例違反|1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

職場内での盗撮行為は、迷惑防止条例違反に該当する可能性もあります。

迷惑防止条例は、都道府県ごとに内容や刑罰が異なりますが、多くの場合、職場での盗撮も対象に含まれます

第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

(中略)

二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所

ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

引用元:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

刑罰は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で、再犯や悪質なケースでは厳しい判決が下されやすくなります。

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職場で盗撮行為をした場合の刑事事件に見られる主な特徴

職場での盗撮行為は、駅やデパートなどの公共施設での盗撮行為とは異なる特徴があります。

  • 職場の盗撮は犯人が特定されやすい
  • ほぼ間違いなく会社や同僚にバレる
  • 被害者との示談交渉が難航しやすい

これらの特徴は、加害者にとっては大きなデメリットとなるため注意が必要です。

では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

1.職場の盗撮は犯人が特定されやすい

職場での盗撮は繰り返しおこなわれるケースも多く、その結果、被害者や目撃者が増えることで発覚リスクが急速に高まります

典型的な発覚の経緯は、以下のようなケースです。

  • トイレや更衣室に設置された小型カメラが発見される
  • 被害者が異変に気付き、会社が内部調査をおこなった結果、盗撮行為が判明する
  • 社内の防犯カメラ映像を確認したところ、盗撮行為が記録されていた
  • 複数の目撃証言が集まり、警察の捜査が進展する

とくにカメラなどを設置しておこなう盗撮では、発見されたカメラに付着した指紋の分析や、記録された映像から設置者が特定される場合が多く、警察の捜査を経て後日逮捕されることも少なくありません

2.ほぼ間違いなく会社や同僚にバレる

盗撮行為が職場で発覚した場合、会社内部で情報が広まるのはほぼ避けられません

社内調査やヒアリングの過程で事実が共有され、同僚や上司に加えて人事部門にも伝わります。

さらに、懲戒処分や解雇の決定は社内周知されることが多く、結果として職場での信頼関係が完全に失われ、退職を余儀なくされるケースも少なくありません

3.被害者との示談交渉が難航しやすい

職場での盗撮事件は、被害者が同僚などの身近な人物であることから被害感情が非常に強く、示談成立が難しい傾向があります

とくに女子トイレや更衣室での盗撮では、「裏切られた」という心理的衝撃が大きく、示談自体を拒否されることも珍しくありません。

仮に交渉に応じてもらえても、示談金は相場より高額になり、50万円以上、あるいは100万円以上を求められるケースもあります

職場で盗撮行為をした場合に今すぐ取るべき3つの対処法

職場での盗撮が発覚、または発覚する可能性が高い場合は、状況を放置すると刑事処分や懲戒処分がより重くなるおそれがあります。

そのため、もしも盗撮行為をしてしまった場合は、今すぐに対処することが大切です。

ここでは、事態を少しでも軽減するために検討すべき3つの行動を解説します。

1.上司などに事実を明かす

まずは、自分から上司や人事担当に盗撮行為をしたこと伝え、謝罪の意思を示すことが大切です。

発覚前に自供することで、処分や社内対応において一定の情状が考慮される可能性があります。

そもそも盗撮は、社内調査や防犯カメラ映像の解析で特定されやすい犯罪です。

発覚を免れようとして事実を隠すと、あとに特定されたときの心証がさらに悪化します。

もちろん、解雇や懲戒は避けられない場合もありますが、隠蔽を試みるよりは被害拡大を防ぎやすくなるでしょう。

2.警察に自首や出頭をする

職場での盗撮行為が警察に把握されていない段階であれば、自首することで逮捕回避や刑の軽減につながる可能性があります。

すでに捜査が始まっている場合でも、呼び出しに応じて速やかに出頭すれば、身柄拘束を回避できることもあります。

ただし、自首や出頭の際には、事前に弁護士に相談し、必要であれば同行してもらうのが望ましいでしょう。

適切な対応方法や供述のポイントを整理でき、不利な発言を避けられます。

3.刑事事件が得意な弁護士に相談する

職場で盗撮をしてしまった場合は、すぐに弁護士へ相談しましょう

弁護士は、被害者との示談交渉や会社対応、警察・検察とのやり取りまで一貫して対応できます。

とくに職場での盗撮は被害者が複数になることや感情的な反発が強いことから、示談交渉が難航するケースが多く、専門知識と交渉経験が不可欠です。

その点、早期に相談することで、示談による不起訴や逮捕回避の可能性を高められます。

また、守秘義務があるため、相談内容が社内や第三者に漏れる心配もありません

職場での盗撮事件を弁護士に依頼してサポートを受けた事例2選

職場での盗撮は、刑事事件化すると逮捕・起訴のリスクが高く、また会社からの懲戒処分や社会的信用の喪失といった重大な影響も避けられません

そのため、早期に弁護士へ相談し、適切に対応することが大切です。

ここでは、弁護士に依頼することで早期解決に至った実例を2つ紹介します。

1.職場で盗撮をしたが早期示談の成立により身柄拘束を防げた事例

本件では、職場のロッカールームやトイレに盗撮カメラを設置していたとして、20代男性が逮捕されました。

そこで、弁護士は速やかに警察署で接見をおこない、事実関係を確認しました。

捜査機関からは10日間の勾留請求予定との情報がありましたが、検察庁や裁判所に働きかけ、勾留請求は認められず、逮捕翌日に釈放されています。

同時進行で、撮影データに映っていた被害者や会社と示談交渉をおこない、全ての示談を成立させました。

被害者・会社との示談成立、本人の強い反省、家族の再発防止への協力などが評価され、不起訴処分が下された事例です。

2.職場内で盗撮をしたが示談成立により被害届の取り下げに繋げられた事例

本件では、職場の女子更衣室で同僚女性をスマートフォンで撮影しようとしたところ、発覚して上司に通報され、被害届が提出されました。

被害者はショックからしばらく会社を休みましたが、弁護士を通じて謝罪文を渡すなど誠意を持って対応し、結果的に休業補償を含め示談金50万円で合意に至り、被害届は取り下げられました。

事件は終結しましたが、職場での盗撮は被害者との面識があるため、示談交渉が難航する傾向が強い事案です。

迅速かつ適切な弁護活動によって、最終的に円満解決に至った事例といえます。

さいごに|職場での盗撮は犯罪!もし行為に及んだ場合は弁護士に相談を

職場での盗撮は、刑事事件として立件されれば撮影罪や迷惑防止条例違反などの重大な罪に問われ、初犯であっても懲役刑や高額の罰金が科される可能性があります。

また、会社からは懲戒解雇や諭旨解雇といった厳しい処分を受けるのが一般的で、退職後も再就職や社会生活に深刻な影響が及ぶでしょう。

さらに、被害者が同僚など身近な関係である場合は、被害感情が強く示談が成立しにくいため、対応の遅れは事態を悪化させる一因となります。

そのため、発覚の有無にかかわらず、盗撮をおこなってしまった場合や疑いがかけられた場合には、速やかに刑事事件に注力する弁護士へ相談し、適切な対応策を講じることが不可欠です。

弁護士は、被害者との示談交渉や警察・検察とのやり取り、会社対応まで幅広く支援してくれます。

一人で抱え込み、判断を誤れば取り返しがつかない事態に発展しかねません。

今すぐにでも信頼できる弁護士へ相談し、最悪の事態を回避するための第一歩を踏み出してください。

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この記事の監修者
澤田 剛司 (東京弁護士会)
【盗撮・風俗店トラブル・痴漢・暴行・傷害・窃盗・援助交際など】幅広い刑事事件に対応してきた経験豊富な弁護士がスピーディーに対応。「どこよりも素早い対応で、どこよりも安心して任せられる」を心がけている。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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