保釈金の返金はいつ?還付の流れや条件・没収されないための注意点
裁判が終わると返金される保釈金ですが、どのような手順であなたの手元に返金されるかご存知でしょうか。
ここでは保釈金の還付についての説明をしていきたいと思います。
保釈金の還付を受ける際の流れ

保釈金を納める際に返還に必要な口座を届け出るため、裁判終了時に具体的な手続きをする必要はありません。
裁判が終了し判決が下されると、有罪・無罪にかかわらず保釈金は返還されます。その際に必要とされるのが『保管金受領証書』です。
保管金受領証書は保釈金を納めた際に交付され、指定の口座へと納めた保釈金が返金されることになっています。
保釈金が戻ってくる口座は?
保釈金が戻ってくる際、どこに返還されるのでしょうか。
指定の口座に振り込まれる
裁判が終わった後に振り込まれるといっても、直接現金で返還されるわけではありません。
保管金受領証書へ記載した口座に振り込まれます。指定された口座が弁護人の場合は、弁護人からあなたの手元へ戻ってくることになります。
保釈金は弁護士費用が差し引かれて戻ってくるのが一般的
返還された保釈金は、弁護士費用を差し引いた金額が手元に戻ってきます。弁護人が保釈金を納めることが多いからです。
弁護人は保釈金が返還されたときに、弁護士費用を差し引いた金額を親族やお金を支出した人へ返すのが一般的といえます(保釈金を保釈保証協会から借り入れている場合は別です)。
保釈金の返金に要する時間

保釈金の返還にかかる日数は、さまざまな手続きをしてからになるため数日~1週間ほどの時間がかかります。
保釈金還付の条件

保釈中の条件は刑事訴訟法第906条に記載されています。
規約に違反しないことが前提
定められた規約を守らないと保釈金の没収どころか、保釈の決定も取り消されてしまいます。
規約とは、具体的に以下のようになります。
1、正当な理由なく裁判に出廷しない
保釈された場合、必ず裁判には出廷する必要があります。保釈決定されたといっても、まだ勾留(身柄を拘束されること)の効果が続いていると考えてください。理由なく裁判への出廷を拒んだ場合には、勾留取り消しなどの処分が下されることもあります。
2、逃走・逃亡するであろうという理由があるとき
保釈された被告人が逃走することは刑事訴訟法で禁じられています。
保釈中でも通勤や通学は可能ですが、旅行や出張で長期の日程を要する場合は逃亡するとみなされるため、裁判所に許可を取る必要があります。
3、証拠隠滅の恐れがあるとき
事件の証拠隠滅や、共犯者がいた場合などは連絡を取り合って口裏合わせをすることも禁止されています。
4、保釈された被告人が、事件の関係者に危害を加える可能性がある場合
被告人が事件の関係者などに接触し暴力などを加えることは刑事訴訟法に違反します。また共犯者などの人物に危害を加えることも保釈時の規制条件の1つです。
没収の可能性もある
保釈金は裁判所が提示した条件に違反しなければ返還されます。そのため規約を守り無事裁判を終了することが大切です。
規約を破った場合は保釈金の没収や保釈の取り消しなどの罰則が下されます。
まとめ
保釈金の納付から還付まで弁護士に依頼する方が多いようです。納金から還付までを問題なくすすめるためにも弁護士に相談しましょう。
|
参照元一覧 |
【迅速対応】不同意わいせつ/性犯罪/痴漢/盗撮・のぞき/レイプ・強姦/児童ポルノ・児童買春「家族が逮捕された/不起訴にしてほしい」警察とのやり取りはお任せを!弁護士にしかできないサポートがあります◎
事務所詳細を見る
【刑事事件に自信あり】ご面談は有料(33,000円:60分)ですが、ご家族やあなたの早期釈放・逮捕回避に向けて全力でサポートいたします。今のあなたの行動が今後の人生を左右するため、「ご家族が逮捕された/警察から連絡がきた方」は当事務所にお任せください。
事務所詳細を見る
【迅速な身柄解放・示談成立を目指します】「家族が逮捕されたと連絡を受けた」「警察から捜査を受けている」方はお早めにご相談を!痴漢・わいせつ/万引き・窃盗/少年事件など幅広い事案に豊富な実績◆被害者弁護にも対応
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
刑事事件の基礎知識に関する新着コラム
-
本記事では、警察からの呼び出しを受けた人に向けて、警察の呼び出しを受けた場合に考えられる理由、被疑者として呼び出された場合に逮捕されるかどうか、警察...
-
罰金は原則として一括払いが求められますが、事情がある場合には例外的に分割払いが認められる可能性もあります。分割が認められる条件や検察庁での相談方法、...
-
未遂罪は犯罪を完遂していなくても処罰される可能性があります。万引きや詐欺など、未遂であったとしても実行着手があった時点で未遂罪が成立する場合も。本記...
-
不法侵入の時効は本当に3年で終わるのか。住居侵入罪における刑事・民事の時効期間、カウントの起点や停止要件、ほかの犯罪と併せて成立するケースでの違いな...
-
本記事では、前科があることで就職にどういった影響が出るのか、企業側の見方や採用の実情、そして前科があっても働くために知っておくべきポイントをわかりや...
-
本記事は不法侵入してしまった場合に警察がどのように対応するのか、またそれに対してどのように 対応すれば良いのか解説します。
-
この記事では、痴漢で解雇されるシチュエーションや、解雇するかどうかを判断するときに考慮されるポイント、弁護士に早期相談・依頼するメリットなどについて...
-
ニュースでよく聞く「検挙」という言葉の正確な意味を理解している人は、実はそこまで多くはありません。検挙という言葉がよく使われるシーンや、似た用語との...
-
本記事では告発とは何かや、告発が必ずしも受理されるとは限らない理由、告発と告訴・被害届や内部告発との違い、告発された場合に起こることを解説します。
-
盗撮の冤罪にあいそうなときでも、対応を間違えると逆に状況が悪化する可能性があります。万が一のときに冷静に対応できるよう、正しい対処法と注意点をおさえ...
刑事事件の基礎知識に関する人気コラム
-
逮捕されて有罪になると前科が付きますが、前歴というものもあり、こちらは逮捕されただけで付きます。前科は間逃れても前歴が残ると今後の生活にどう支障がで...
-
本記事では私人逮捕の条件や私人逮捕によるトラブルの対処法を解説します。
-
【弁護士監修】書類送検を徹底解説!書類送検とは被疑者を逮捕せず、書類のみ(証拠を含む)を検察官に送る手続きです。この記事では、そもそも送検とはどうい...
-
犯罪事件捜査の対象になった場合、刑事手続きはスピーディに進行します。早期に刑事手続きから解放されるためには、初動の段階から迅速な対応をとることが肝心...
-
少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された少年を収容するための施設を言います。
-
鑑別所とは、正式には「少年鑑別所」と呼ばれる施設で、家庭裁判所の少年審判をおこなうにあたって、犯罪を犯した未成年の少年を一時的に収容する場所です。本...
-
観念的競合とは、1つの行動で2つ以上の犯罪を起こすことです。刑罰の考え方としては、2つ以上の犯罪の中で最も重い犯罪の刑罰が対象となります。
-
刑事裁判と言っても、事件内容によって方法が少し異なります。この記事では刑事裁判の種類や流れの他に、民事裁判との違いやよくある質問(裁判員制度について...
-
この記事では親告罪と何か、親告罪に該当する罪を解説したあと、告訴されたときの対処法について紹介しています。親告罪を犯してしまって告訴される可能性があ...
-
在宅起訴とは、刑事事件を起こした被疑者の身柄を拘束しないまま検察官が起訴することをいいます。逮捕を受けないまま起訴されるため日常生活に与える影響は少...
刑事事件の基礎知識の関連コラム
-
出頭命令とは、裁判所が被告人を指定の場所まで呼び出すために出す命令です。一方、警察からの呼び出しも出頭命令と呼ばれることがありますが、出頭要請または...
-
この記事では、被告人に関する基礎知識や注意点、被告人が裁判中にもつ人権保障について解説します。
-
単純逃走罪と加重逃走罪は、いずれも対象が勾留された被疑者や受刑者などとなり、一見して違いがわからないかもしれません。本記事では両者の概要や違い、共通...
-
刑事裁判と言っても、事件内容によって方法が少し異なります。この記事では刑事裁判の種類や流れの他に、民事裁判との違いやよくある質問(裁判員制度について...
-
受刑者は、どのように1日を過ごすのでしょうか。なぜ、刑務所での生活は辛いといわれるのでしょうか。本記事では、刑務所生活が辛いといわれる理由を紹介し、...
-
2018年6月1日、刑事裁判手続きに日本版司法取引制度が導入されました。この制度の導入により、捜査に協力すればあなたの罪も軽くなるかもしれません。こ...
-
出頭に関する知識として、自首との違いや正しい使い方、出頭するメリットデメリットについてご紹介します。
-
刑事事件における時効とは、犯罪から一定期間経過すると加害者が起訴されなくなる制度です。罪を逃れられる制度がなぜ存在しているのか、疑問に感じている人も...
-
本記事では、未成年飲酒における警察の対応や未成年飲酒で問われる犯罪、学校や会社に生じる悪影響などについてわかりやすく解説します。
-
犯罪をしてしまったときはもちろん、罪を犯していなくても指紋が警察のデータベースに登録されるケースがあります。 本記事では、警察に採取・登録された指...
-
名誉毀損の可能性がある行為をしてしまったら、刑法第230条を理解することが非常に重要です。 本記事では、刑法第230条について、どのようなときに名...
-
事件を起こし警察に検挙・逮捕された場合は、不起訴処分の獲得を目指すのが一般的です。本記事では、不起訴処分とは何かや無罪との違い、不起訴処分を獲得する...
刑事事件の基礎知識コラム一覧へ戻る


