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結婚詐欺師の特徴・手口|被害に遭いやすい人・事例や見抜き方を紹介

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
結婚詐欺師の特徴・手口|被害に遭いやすい人・事例や見抜き方を紹介

結婚詐欺(けっこんさぎ)とは、結婚する気がないのに異性に近づき、結婚を匂わせながら相手のお金や財産を奪い取る詐欺のことです。

この記事ではよくある結婚詐欺の事例、結婚詐欺師の特徴、手口などについて解説していきます。

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結婚詐欺師の特徴と手口

まずは結婚詐欺師の特徴と手口について、男性と女性にわけて解説していきます。

※以下はあくまでそのような傾向があるという話で、結婚詐欺師がなんたるかを断言するものではありません。あくまでこういう話もあるよというスタンスであることをご理解ください。

男性詐欺師のケース

女性は結婚を踏まえて交際する傾向があるため、男性の結婚詐欺師は、経済的な余裕があり、包容力のある人間を演じることがあります。「将来をしっかり考えている人」になりすまし、“優しくて素敵な男性”として近づくのです。

恋人関係に発展し、女性が「この人が運命の相手」と思うようになると、『親が手術することになって』、『事業に失敗してしまって』といったことを理由にし、お金を貸してくれないかと頼んでくる手口が典型のようです。

この際、借用書も作成し、はじめのうちは貸りたお金をきちんと返すという行為を何度かくり返すのも、結婚詐欺師によくある手口です。「ちゃんとお金を返してくれる人だ」と信用させることで、女性は何度もお金を貸してしまいがちです。

そして最終的には連絡が途絶え、貸したお金を持ち逃げされるというのが、男性結婚詐欺の典型でしょう。

女性詐欺師のケース

女性詐欺師の場合は、男性詐欺師とは対照的に、お金がない女性を演じることで、男性の庇護欲をくすぐるのが上手いという話があります。男性に対し、「この人は自分がいなければダメだ」と思わせることで、男性の自尊心・虚栄心を満たし、女性側の願いを常に叶えたくなるような状況を作るようです。

自尊心の満たされた男性は、女性から

  • 難病を患っている
  • 親の入院費用が払えない
  • 貧乏な家庭で育って生活が苦しい

などの話を持ちかけられた場合、ますます「この人は自分がいないと生きていけない」などと感じ、簡単にお金を渡してしまうことも考えられます。

結婚を匂わされていたらなおさらですよね。このように、女性は男性の心をくすぐる手口で結婚詐欺をするのが典型例かもしれません。

結婚詐欺を行った者に対する罪と罰則

結婚詐欺師が捕まったら、どのような罪に問われるのでしょうか?

詐欺罪

結婚詐欺そのものを取り締まる法令はありませんが、結婚詐欺の一環として財産が詐取された場合は『詐欺罪』が成立する可能性があります。

刑法246条
1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

引用元:刑法246条

ただし、結婚詐欺の場合は『詐欺罪』の構成要件に該当する行為があったことを立証するのはとても難しいのが通常です。

例えば、結婚詐欺のやり取りは通常口頭でのみ行われます。そのため、だましたことを証明する証拠が残らないことが多いのです。詐欺行為は、財産取得に向けた『だます行為』があって初めて成立しますが、その行為があったことを立証するものがなければ詐欺罪での立件は困難というわけです。

結婚詐欺被害に遭いやすい人の特徴

結婚詐欺の被害に遭いやすいといわれる人の特徴について、男性・女性それぞれで考えてみたいと思います。

これもネット情報であり確実なものではありませんし、こういう人は詐欺被害を受けると断言するものでもありません。あくまで参考情報としてご覧いただければ幸いです。

男性被害者の場合

結婚詐欺師の目的は結婚ではなく、お金をだまし取ることです。お金に困っている女性に対し、『自分がなんとかしなくては』という意識の強い男性は、被害に遭いやすいかもしれません。

また、男性被害者は40代後半の方が多いようです。これは結婚適齢期を過ぎていることが理由として考えられます。そのくらいの年齢で、女性から結婚を持ちかけられたら貯めてきたお金を女性の援助のために使うという優しくてちょっとお人よしな男性も、結婚詐欺の被害に遭いやすいかもしれません。

女性被害者の場合

女性でお金を持っている人、ステータスが高い人は、男性の結婚詐欺師から狙われやすいかもしれません。なぜなら結婚詐欺師の目的は結婚ではなく、お金をだまし取ることだからです。

それまで仕事一筋で生きてきた女性の中には、結婚の時期が遅れていることを悩んでいる人も多いでしょう。そういった人に結婚をチラつかせて近づきお金をだまし取る、というケースは多いようです。

社会的な地位を得ていたとしても、信頼する人や異性がそばにいないことで、心の隙間を感じている女性もいるでしょう。そんな女性の不安や悩みを解消することを装い、結婚詐欺師が近づいてくることも多いようです。

【参考】

マイナビウーマン|結婚詐欺に注意! 詐欺師の手口と狙われやすい女性の特徴とは?

実際にあった結婚詐欺の事例

では最後に、実際にあった結婚詐欺の事例について、ご紹介します。

北海道警帯広署は知人男性から現金1千万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで幕別町本町、無職の女(41)と夫の自称自営業の男(39)を逮捕した。

 逮捕容疑は、同町の農業男性(55)に対し、女の父親が事業で失敗したと嘘を伝え3月、1千万円を秀信容疑者の口座に振り込ませた疑い。

 同署によると、容疑者の女が結婚をほのめかして男性に近づき、父親に成り済ました秀信容疑者が自宅を売れば借金を返済できるなどとメールを送っていた。

引用元:産経ニュース

1人ではなく、2人で役割を分担して結婚詐欺を行ったケースです。ここまで綿密に仕組まれていたら、詐欺だと見抜くのは難しいのではないでしょうか。

交際相手に結婚をにおわせ、現金約200万円を詐取したとして、兵庫県警生田署は19日、詐欺容疑で神奈川県伊勢原市、アルバイトの男(48)を逮捕した。「だまし取った金は借金返済に充てた」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は平成24年9月、当時兵庫県内に住んでいた30代女性に「将来結婚したときのために資金をためよう」と持ちかけ、金融機関の口座に約200万円を振り込ませ、だまし取ったとしている。

引用元:産経WEST

3年以上もの間、お金をだまし取られたというケースも。結婚詐欺師の巧妙なテクニックに惑わされ、なかなか気づけなかったようですね。

結婚詐欺師を見抜くポイント

結婚詐欺に遭わないように、見極めのポイントを解説していきます。男性詐欺師・女性詐欺師に共通している部分もありますので、ご覧ください(こちらもあくまで参考程度にお読みください)。

交際を申し込むタイミングの早さ

結婚詐欺師は、比較的早い段階で交際を申し込んでくることが多いようです。

恋愛をすることではなく、お金をだまし取ることが目的だからでしょうか。

相手のことをよく知り、親密になってからの交際・婚約でない場合は、結婚詐欺の可能性を疑い、慎重になりましょう。

身内に紹介されない

結婚詐欺をしようとしている人は本当の身内や知人にあなたを紹介することはありません。『両親には、自分のことをしっかりと理解してから紹介したい』などの理由をつけ、自分の存在を公にしようとしないようです。

よく考えれば、交際相手を誰にも紹介しない、というのはおかしなことだとすぐにわかりそうなものですが、すでに深い仲になっている場合や、情が湧いているケースでは、相手を信用してしまうことも大いに考えられます。

なかなか自分を紹介してくれないという場合には、最初から結婚する気がないのかもしれません。

ただ、友人や親族に紹介されたとしても、それが本当に友人や親族であるかはわかりません。なので「紹介されたから安心」とは言い切れないことも留意すべきでしょう。

不自然に個人情報を隠している

結婚詐欺師が最も恐れることは、警察に自分のことを知られることです。そのため、相手に対して自分の素性を知られることを極端に嫌う傾向があるようです。免許証や保険証など、身分証明書を一切見せてくれないという場合は、何かしら自分のことを隠しているとしか思えません。

交際してもなお、自己開示をまったくしてくれないようなケースでは、結婚詐欺を疑った方がよいかもしれませんね。

【関連】警視庁|特殊詐欺(振り込め詐欺等)

まとめ

「結婚詐欺なんて絶対遭わない」と思っている人であっても、陥りやすいのがこの詐欺被害です。結婚詐欺師は人の弱みにつけこむことを得意としているので、優しい人や心の拠り所を求めている人は、特に被害に遭ってしまう可能性が高いといえます。

結婚詐欺は身近に存在するかもしれません。もし被害にあってしまった場合、警察に相談しましょう。警察による捜査が期待できない場合は、探偵に相談しましょう。高い調査力であの人の身元を割り出してくれる可能性があります。

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出典元一覧

警視庁

裁判所

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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