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詐欺罪で逮捕された際の罰則と裁判事例|家族逮捕後にやるべきこととは
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2018.12.25

詐欺罪で逮捕された際の罰則と裁判事例|家族逮捕後にやるべきこととは

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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詐欺逮捕された後はどうなるのでしょうか?

 

この記事では、詐欺罪が成立するために必要な条件や、逮捕されるまでの経緯をお伝えした上で、逮捕後の流れや罰則と裁判例などをご紹介します。

 

後半では、ご家族が詐欺罪で逮捕された場合、今やるべきことについてご説明していますので、今後の見通しを立てる上での参考にしてみてください。

 

 

詐欺罪で逮捕される場合とは?

どのような場合に、詐欺罪で逮捕となるのでしょうか?

 

ここでは、次の4点について解説します。

  • 詐欺罪が成立する要件
  • 詐欺加害者が特定される確率
  • 詐欺罪で逮捕されるまでの経緯
  • 詐欺の逮捕事例

 

詐欺罪の構成要件

構成要件とは、犯罪が成立するための要件のことです。

 

次の4つの要件を満たした場合は、詐欺罪となります。

 

構成要件

説明

欺罔(ぎもう)

騙すこと(社会的に容認される誇大広告・誇張は含まれない)

錯誤

被害者が騙されること

交付行為

被害者が財産を加害者に渡すこと

財産移転

加害者の手に財産が移ること

詳細:詐欺罪の構成要件

 

これらのうち、1つでも満たされない項目があれば詐欺既遂罪は成立しません。

 

例えば、飲食店で食事をして会計をしようと思った際に財布がなかったので、そのままこっそり逃げたという場合を考えてみましょう。

 

この場合、飲食物という財物の交付行為は起きていますが、店員に対する欺罔行為と店員の錯誤がありません(飲食物の提供があったときは何も騙す行為をしていません)。そのため、詐欺罪は成立しません。

 

なお、欺罔行為の着手さえあれば、その後の錯誤や交付行為がなくても詐欺未遂罪は成立します。

 

詐欺加害者が特定される確率

警察が認知した事件のうち、犯人が特定された割合を検挙率といいます。

 

詐欺の検挙率は、45.3%となっており、ほぼ2件に1件の割合で犯人が特定されていることがわかります。

 

ただ、この割合は警察が認知した事件のみのもので、認知されていない詐欺も含めると、犯人が特定される確率はより低くなるでしょう。

 

詐欺で逮捕されるまでの経緯

では、どのような経緯で詐欺の犯人は逮捕されるのでしょうか。

 

騙されたフリ作戦で現行犯逮捕

文字通り、騙されたふりをする作戦です。あらかじめ連絡を受けた警察が周囲に潜んでおり、現金やキャッシュカードを受け取りにきた受け子を現行犯逮捕します。

 

受け子逮捕に関しては『受け子で逮捕されたら初犯でも実刑?|対処法・重い罰則・逮捕事例』にて詳述します。

 

防犯カメラの映像をヒントに逮捕

詐欺に限らず、あらゆる犯罪捜査で防犯カメラの映像が使われています。

 

犯人がお金を受け取った現場付近に防犯カメラが仕掛けられていれば、映像が残っているかもしれません

 

公開捜査で目撃者情報を得て逮捕

捜査情報をニュースやポスターなどで公開し、一般人やほかの都道府県警の協力を仰ぐ制度を公開捜査といいます。

 

広範囲で多くの人たちから目撃情報などを得られるので、犯人の行方がわからないときには有効な方法です。

 

ニュースに見る詐欺の逮捕事例

ここで、詐欺が逮捕されたニュースを2つご紹介します。

 

現金を受け取りに現れた中学生が現行犯逮捕された事例

弁護士になりすまし、高齢者から220万円をだまし取ろうとした中学生が詐欺未遂で逮捕された事例です。

 

被害者の息子のふりをした共犯者が、「投資で220万円損をした、弁護士が取りに行くから渡して」と被害者に連絡しましたが、詐欺であると気づいた女性が警察に通報し、受け取りに現れた少年が現行犯逮捕されました。

 

参照:スーツ姿で弁護士になりすました「受け子」は中学生 詐欺未遂で14歳少年を逮捕 大阪府警

 

公開捜査中に犯人が出頭してきた事例

特殊詐欺をはたらいた男2人が逮捕された事例です。

 

警察によると、両容疑者はすでに逮捕されている別の容疑者と共謀し、「有料サイトの未納料金がある」などとメールを送信して、約30万円分の電子マネーをだまし取ったとのこと。

 

警察が公開捜査を行ったのち、自ら出頭してきた2人を逮捕しました。

参照:佐賀新聞LiVE|特殊詐欺の疑い手配の2人逮捕

 

 

詐欺罪の罰則

詐欺罪の罰則は、10年以下の懲役です。

 

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

引用元:刑法246条

 

未遂の場合でも罰せられる(同法250条)ほか、騙し取った現金や資産は没収・追徴されます(同法19条)。

 

詐欺罪には罰金刑がないので、起訴後に執行猶予がつかなければ、一定期間刑務所で身柄を拘束されることになります。

 

刑罰は、犯行の重大さや被害者の処罰感情、被告人の前科前歴の有無、反省の度合いなどを考量して科せられます。

 

詐欺罪の裁判事例

詐欺罪で有罪に問われた場合、どんな判決が下されるのでしょうか?

 

実際にあった裁判事例を3つご紹介します。

 

事例① 国債購入を騙り懲役3年

信用金庫本部に勤務していた被告人が、国債購入の代金と称し、被害者2人から現金660万円を騙し取った事例。

 

「1年で110万円までなら贈与税はかからない、孫1人あたり110万円を2年分、合計660万円の国債を買ってほしい」と語り、高齢の被害者から現金をだまし取り、そのお金を自身の生活費等にあてていたそうです。

 

飲食費などで浪費し、お金に困ったという動機や、正規の国債購入を装うために正式な書類を用意するなどの周到さが悪質と判断され、執行猶予は付きませんでした。

 

参照

裁判年月日 平成30年 7月25日 裁判所名 富山地裁 裁判区分 判決

事件番号 平30(わ)49号 ・ 平30(わ)63号

事件名 詐欺被告事件

文献番号 2018WLJPCA07256002

 

事例② 保険金と称し現金をだまし取り懲役3年4ヶ月

保険会社のライフプランナーである被告人が、保険料名目で現金をだまし取った事例。

 

ライフプランナーの立場を悪用し、「1年で5~6万円の利益がある」などの話をもちかけ、被害者4人に対して7件の詐欺を働いた。

 

  • 投資詐欺でだまし取ったお金をギャンブルで使い果たし、犯行に及んだという動機の悪質さ
  • 顧客の信用を悪用し、正式な保険契約書を用意するなど手口の巧妙さ

 

などから情状酌量の余地なしと判断され、懲役3年4ヶ月の判決となりました。

 

参照

裁判年月日 平成30年 5月11日 裁判所名 広島地裁福山支部 裁判区分 判決

事件番号 平30(わ)5号 ・ 平30(わ)28号

事件名 詐欺被告事件

文献番号 2018WLJPCA05116003

 

事例③ 投資詐欺で現金約1億8,000万円をだまし取り懲役7年

被害者12人から現金1億7,744万4,100円をだまし取った事例。

 

被告人に現金を渡せば、それを事業に投資し、元本を返還した上で高利率の配当金が得られるとの話をもちかけ、被害者らを騙したようです。

 

さらに被告人は「出資者を紹介すれば紹介料を支払う」と語り、被害総額が膨らんでいきました。

 

手口自体は巧妙ではないものの、詐欺が発覚しないようにと度々画策していることや、被害規模の大きさから、懲役7年の判決が下されています。

 

参照

裁判年月日 平成30年 4月19日 裁判所名 熊本地裁 裁判区分 判決

事件番号 平29(わ)164号 ・ 平29(わ)264号 ・ 平29(わ)353号 ・ 平29(わ)408号 ・ 平29(わ)445号 ・ 平29(わ)494号 ・ 平30(わ)8号 ・ 平30(わ)11号 ・ 平30(わ)87号

事件名 詐欺被告事件

 

 

詐欺罪で逮捕された後の流れ【家族が逮捕された人必見】

詐欺で逮捕された場合の流れは次のとおりです。

刑事事件の流れ

 

詳細:刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応

 

  • 逮捕~事件送致|48時間以内
  • 事件送致~勾留請求|24時間以内
  • 勾留|原則10日、最大20日
  • 起訴もしくは不起訴

 

逮捕後は、逃走や証拠隠滅を防ぐために被疑者の身柄が最大で23日間拘束されます。この間に起訴、もしくは不起訴の判断が下されます。

 

詐欺の起訴率は56.2%となっており、起訴されることが多くなっています。

 

起訴された場合のリスクは…

  • 実名報道される恐れがある
  • 前科がつく
  • 有罪判決になる可能性が高い(起訴後の有罪率は99.9%)

 

上記のようなリスクは避けるには、逮捕後23日以内に正しい対応をする必要があります。

 

家族が詐欺罪で逮捕されたら弁護士に依頼すべき

家族が逮捕されたら、刑事事件が得意な弁護士に刑事弁護を依頼しましょう。

 

刑事弁護をしてもらうと、依頼者側にとって有利な情状を集めてもらえるため、次のようなメリットが期待できます。

 

不起訴を目指せる

詐欺罪は懲役刑しかない重い犯罪です。

 

平成28年の検察庁処理人員総数の起訴率は33.4%ですが、詐欺罪での起訴率は56.2%と高い割合になっており、被害の規模や悪質性によっては、不起訴を得るのは難しいでしょう。

 

とはいえ43.8%が不起訴になっているのもまた事実です。弁護士により的確な弁護活動が行われた場合、不起訴となる可能性は相対的に高まるかもしれません。

 

執行猶予・減刑を目指せる

不起訴が期待できない場合は、執行猶予や減刑を目指すのが社会復帰への近道です。

 

執行猶予が得られると前科は付きますが、決められた期間内に犯罪を侵さなければ、刑の執行が免除されます。

 

起訴された場合でも弁護士の弁護活動は重要です。

 

被害者と示談交渉をしてくれる

不起訴や執行猶予を得る上で、被害者との示談交渉は避けて通れません

 

被害者との示談交渉が成立すると、加害者にとっては有利な情状となり、不起訴や執行猶予・減刑を期待しやすくなります。

 

しかし、加害者やその家族が直接示談交渉をするのは現実的ではありません。

 

理由としては…

  • 決められた時間内に被害者を全員特定するのが難しい
  • 仮に特定できても会ってもらえない可能性がある
  • 加害者側が被害者に会うこと自体が好ましくない場合がある
  • 示談を拒否される可能性がある

 

上記の理由から、弁護士に依頼することをおすすめします。

 

 

詐欺罪逮捕で弁護士に依頼した際の費用

ここまででお伝えした刑事弁護の内容を整理すると…

  • 学校や会社への応対をしてくれる
  • 勾留を回避するため検察や裁判所に働きかけてくれる。
  • 不起訴や減刑が得られるよう、被害者と示談交渉をしてくれる
  • 起訴された場合は、執行猶予や減刑が得られるよう相談者に有利な情状を集めてくれる

 

上記のような活動をお願いした場合の弁護士費用は、合計で60〜100万円前後です。

 

ただし、事件の状況や弁護士事務所の料金体系によって具体的な金額は変わってきます。

 

電話や面談で相談する際は、依頼する前にかならず料金体系を確認しましょう

 

詳細:刑事事件の私選弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法

 

まとめ

詐欺罪の罰則は10年以下の懲役となっており、罰金刑がありません。

 

起訴された場合、執行猶予にならなければ、数年を刑務所で過ごすことになります。

 

不起訴を得るには被害者との示談交渉が必要ですが、加害者側が示談を直接申し込むのは現実的ではありません。

 

家族が詐欺で逮捕された場合は、逮捕後72時間以内に弁護士に依頼しましょう。

 

当サイトでは、刑事事件が得意な弁護士のみを掲載しています。お住まいの地域から弁護士を検索し、あなたの悩みをご相談ください

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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