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受け子で逮捕されたら初犯でも実刑?|対処法・重い罰則・逮捕事例
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2018.10.16

受け子で逮捕されたら初犯でも実刑?|対処法・重い罰則・逮捕事例

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
上田孝明 弁護士
監修記事
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振り込め詐欺などで、現金を引き出す役を『受け子』といいます。

 

受け子が詐欺容疑で逮捕された場合、初犯であっても実刑判決が下されるのは珍しくありません。たとえ未成年者でも、14歳以上であれば逮捕されます

 

振り込め詐欺などの特殊詐欺は、近年、厳罰化が進んでいます。その背景には、社会的な影響が大きい点や、犯罪組織の資金源となっているケースなどがあるためです。

 

受け子は逮捕後も、詐欺グループから事前に説明を受けた供述を行ったり、余罪が多数あったりすることで、さらなる窮地に陥る可能性があります。

 

したがって、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。この記事では、以下の4点について解説します。

 

  1. 受け子で逮捕された場合の対処法
  2. 受け子で逮捕された場合の罰則と弁護
  3. 受け子で逮捕された場合どうなるのか?
  4. 受け子で逮捕されるケース・逮捕事例

 

逮捕から72時間以内の対応が

運命を左右します

 

受け子で逮捕・起訴された場合、次のようなリスクがあります。

 

  1. 長期の身柄拘束で仕事・学校に影響が出る
  2. 懲役刑になる可能性がある
  3. 前科がつく可能性がある

 

逮捕後72時間の対応が、今後の流れを左右します。

お近くの弁護士を検索し、ご相談ください

受け子をして逮捕された場合の対処法

ここでは、詐欺の受け子で逮捕された場合の対処法を解説します。

弁護士を呼ぶ

受け子で逮捕された場合は、ただちに弁護士を呼ぶことをおすすめします。受け子は、たとえ初犯であっても、実刑判決が下される可能性があるからです。

 

執行猶予をつけるためにも、逮捕から起訴までの最長23日の間に、被害者との示談などできる限りの弁護活動を行う必要があります

 

また、振り込め詐欺などの特殊詐欺の場合、逮捕された際どういう供述をすべきかを、事前に組織から説明されているケースが多いです。

 

しかし、説明通りの供述を行っても、実際よりも悪いことをしたかのような供述になりがちですし、捜査機関もそれが偽りであるとすぐに見抜きます。

 

後になってから正しい供述を行っても、一貫性がないとして、さらに不利な状況に追い込まれてしまうかもしれません。

 

逮捕された場合はすぐに弁護士を呼び、取調べについての助言を受ける必要があります。

 

【関連記事】取り調べの実態と有効に進めていくための3つの方法

 

補足|どんな弁護士を選べばいいの?

結論から言えば、刑事事件や少年事件・詐欺などを扱った実績のある私選弁護人に依頼することをおすすめします。

 

特殊詐欺の受け子は、初犯でも実刑判決が下されやすいなど、厳しい処分になる可能性が高いです。取調べについての助言など、初動からの弁護活動が非常に重要となります。

 

国が費用を負担してくれる国選弁護人の場合、選任されるタイミングが勾留後となり遅くなることや、あなた自身で弁護士を選べないなどのデメリットがあります。

 

私選弁護人であれば、あなたや親族が選任することができ、逮捕直後からの接見はもちろん、責任を持って最後まで弁護してくれます。

 

関連記事では、弁護士費用の相場や、選び方などを解説していますので、併せてご覧ください。

 

【関連記事】

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刑事事件の弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法

刑事事件を得意とする弁護士の選び方と良い弁護士の特徴

 

被害者と示談する

詐欺による被害が出ている場合は、弁護士を介して被害弁済を行うことをおすすめします。

 

金額が大きかったり、件数が多かったりするかもしれませんが、可能であれば全額の弁済をしましょう。

 

被害者との示談成立は、当事者間での問題解決と判断されます。そのため、その後の刑事処分に有利に働く可能性があります。

 

例えば、起訴されない、起訴されても保釈が認められる、執行猶予がつくといったことが考えられます。また、被害者との示談は弁護士を介して行うケースが多いです。

 

被害者は詐欺グループからの報復を恐れていたり、加害者に対しての処罰感情が強かったりしますので、接触して示談を行うのが困難な場合があるからです。

 

弁護士であれば、『今後被害者に近づかない』などの誓約を明記した示談書を作成し、被害者が安心できるよう、被害者の感情に配慮した交渉を行ってくれます。

 

【こちらの記事も読まれています】

刑事事件加害者の示談|示談をする3つのメリットと注意点

 

受け子が逮捕された場合の罰則と弁護活動の内容

ここでは、受け子が詐欺で逮捕された場合の罰則と、弁護士の弁護方針や弁護活動を解説します。

 

詐欺罪は懲役刑しか定められていない

詐欺は10年以下の懲役と、懲役刑しか定められていない法定刑の重い犯罪です。

 

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

引用元:刑法 第246条

特に振り込め詐欺などの特殊詐欺は、社会的な影響が大きく、犯罪組織の資金源になっているケースもありますので、甘く見てもらえるとは考えない方がいいでしょう。

 

詐欺は未遂であっても罰せられます。未遂の場合でも、裁判官の判断で刑が軽減される程度です。

 

詐欺行為の内容によって異なる量刑

初犯で1度の詐欺の場合、被害額の大きさや、犯罪行為の悪質さなどを考慮して、法定刑の10年以下の範囲で量刑が決められます。

 

受け子のように被害者と直接やり取りをするのではなく、犯罪行為である可能性を認識していながら電話をかける場所を提供していたなど、詐欺をしやすくするにとどまるなどの事情であれば、詐欺の幇助に問われるでしょう。

 

未遂同様、裁判官の判断で刑が軽減される程度です。

 

執行猶予がつくケース

初犯の場合、言い渡される量刑が3年以下の懲役であれば、1年以上5年以下の期間執行猶予がつく可能性もあります。

 

【関連記事】

執行猶予の仕組みを分かりやすく解説|執行猶予を獲得する方法

 

再犯などの場合

複数の事件で同時に裁判を受ける場合、刑が加重されて、刑期の上限が1.5倍になります。複数の詐欺は懲役刑の上限が15年となります。

 

また以前にも懲役刑を受け、出所後5年以内に罪を犯した場合、刑期の上限がもとの罪の長期の2倍以下となります。詐欺罪では、20年以下の懲役ということになります。

 

有罪判決を受けたすべての詐欺が、一律に15年、20年以下とされるわけではありません。被害額や内容を考慮され、上記の間で決定されます。

 

未成年者の場合

14歳以上の未成年者であっても、成人同様、逮捕・勾留が行われます。

 

ただし、勾留後は家庭裁判所へ送致され、どういった処遇とするのか、鑑別所で少年についての調査が行われます。

 

その後、家庭裁判所が成人と同様に刑事裁判で処罰するとすれば、再度検察へ送られます。少年審判が妥当と判断されれば、少年審判が行われ、少年院送致などの判断が下されます。

 

未成年者だからといって、軽い処分となるわけではありません。被害者との示談や被害弁済、犯罪グループとの繋がりを断つことが重要です。

 

未成年者の処遇については、関連記事も併せてご覧ください。

 

【関連記事】少年事件での事件後の流れと解決へ向けた5つの弁護方法

 

詐欺の弁護活動

詐欺は以下のような弁護活動を行います。

 

  • 適切な供述ができるよう取調べについての助言
  • 被害者との示談・被害弁済
  • 接見(面会)禁止処分に対する不服申立・差し入れ
  • 余罪に関して証拠不十分であることを訴え、起訴件数を減らす
  • 保釈(一時的な身柄の解放)請求を行う
  • 具体的な再犯防止策の提案・犯罪組織との断絶や家族の監督など

 

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接見禁止の理由と、接見禁止でも面会をするための方法

 

受け子で逮捕されたらどうなるの?

 

 

逮捕された場合、上記のような流れで刑事事件が進行していきます。未成年者の場合、勾留から家庭裁判所へ送致されることになります。

 

少年事件は関連記事をご覧ください。ここでは、受け子で逮捕された場合どうなるのか解説します。

 

【関連記事】

少年事件での事件後の流れと解決へ向けた5つの弁護方法

刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応

 

厳しい取調べを受ける

組織的な犯罪の場合、より厳しい取調べを受けることになります。受け子は、逮捕された場合の供述まで、事前に組織から説明を受けていることがあります。

 

例えば、『黙秘しておけば数日で釈放される』『知らないと言い切れば無罪』『後で弁護士を派遣する』などです。

 

こういった説明は受け子を切り捨てるための嘘ですが、受け子本人はそれ信じて黙秘をしたり、知らないふりをしたりするでしょう。

 

明白な証拠があるにもかかわらず黙秘を続ければ、証拠隠滅の恐れなどから、接見禁止処分が解除されにくくなったり、保釈が認められにくくなったりする可能性が高まります。

 

このような言動は、捜査機関も虚偽であることを見抜いていますし、より厳しい取調べを受けることにつながります。その結果、自分をさらに窮地へ追い込むことになるでしょう。

 

特に、未成年者の場合、捜査機関の誘導に応じやすい傾向もあるため、いずれにしても弁護士に適切な助言を受けることが非常に重要です。

 

勾留や接見禁止処分が下される

勾留が決定されれば、10~20日間勾留される可能性があります。勾留決定後は、逮捕の段階から接見できなかった家族が、やっと接見可能となるタイミングです。

 

しかし、組織的な犯罪の場合、共犯者と共謀しての証拠隠滅を防止するために、家族であっても接見が許されない接見禁止処分が下される可能性が高いです。

 

受け子であっても、最長20日間勾留され、その間家族や友人と接見できず、1人で厳しい取調べを受ける辛い時期となります。接見禁止であっても、弁護士なら接見可能です。

 

弁護士にこまめな接見や差し入れをしてもらい、お子さんや恋人を励ましてあげてください。

 

また、起訴されるまでに被害者との示談、余罪については証拠不十分であることを訴え、起訴件数を減らすなど、あらゆる弁護を行う必要があります。

 

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起訴されたとき起訴後勾留される可能性がある

勾留の満期までには起訴・不起訴が判断されます。起訴された場合、起訴後さらに勾留される可能性があります。

 

起訴後の勾留は、2ヶ月とされていますが、延長可能で制限がありません。保釈金を裁判所へ納め、裁判に必ず出廷することを約束すれば、保釈が認められることもあります。

 

【こちらの記事も読まれています】

保釈の条件と申請から保釈金を納めて解放されるまでの流れ

 

逮捕された場合のその後

逮捕後、勾留されればその間は身柄拘束をされますので、職場を解雇されたり、学校を退学させられたりといったことも考えられます。

 

被害金の弁済はご家族などが用意することになりますが、被害額が高額であれば、その分負担も大きくなります。

 

示談を行ったからといって、不起訴処分になるとは限りません。起訴されてしまった場合、実刑判決が下される可能性があります。

 

しかし、示談を行うことで、執行猶予がつく可能性を少しでも高めることはできるでしょう。

受け子が逮捕されるケース

受け子が逮捕されるケースはいくつも考えられます。多いのは、被害者からお金を受け取る際、張り込んでいた警察に逮捕されるケースです。

 

また、声をかけたら逃げ出した、現金を大量に持っていた、未成年者なのにスーツを着ており、不審な動きをしていたなど、職務質問がきっかけとなり逮捕されるケースもあります。

 

それ以外にも、共謀して詐欺を行っていた被疑者の供述から捜査が行われ、訪ねてきた警察に逮捕されるということも考えられます。

 

受け子が逮捕された事例

ここでは、受け子が逮捕された事例をご紹介します。

受け子をした高校生を逮捕

男性から現金400万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで高校生が逮捕されました。

 

通報を受けた署員が張り込んでいたところ、現金を騙し取った少年が逮捕されたということです。未成年者でも、14歳以上であれば逮捕される可能性があります。

 

【参考】産経WEST|「詐欺受け子と分かっていたが、金ほしかった」 自称高校生の少年逮捕 三重県警

 

騙されたふりに騙されて逮捕

高齢者から現金を騙し取ろうとした男性が詐欺未遂で逮捕されました。男性は被害者の息子を装って電話し、現金300万円を指定の場所へ持ってくるよう指示。

 

詐欺に気づいた男性が警察に通報し、騙されたふりを続けながら、現れた男性が逮捕されたということです。

 

【参考】産経WEST|80代男性「だまされたふり」でオレオレ詐欺犯を手玉に取る 「受け子」の沖縄の男、大阪府警が逮捕

 

職務質問から逮捕

女性からキャッシュカードを盗んだ疑いで、特殊詐欺グループの受け子役の少年が逮捕されました。

 

同日に同様の詐欺電話が多発していたことを受け、警戒中の署員が駅前で、年齢に見合わないスーツ風の服装をした少年を発見。

 

不審に思い職務質問をした所、受け子を自供したとのことです。

 

【参考】産経ニュース|封筒すり替えカード盗む 容疑で受け子の少年を逮捕 警視庁

 

まとめ

特殊詐欺の受け子で逮捕された場合、組織から指示された供述をしてしまう、被害金が大きく被害弁済しきれない、余罪が多数あるなど、あらゆる面で窮地に陥る可能性があります。

 

だからこそ、早い段階で弁護士に相談する必要があります。

 

国選弁護人は、弁護士費用を国が負担してくれますが、選任されるタイミングが勾留後と遅く、弁護士を選べないなどのデメリットがあります。

 

すぐに弁護活動を行ってもらいたいのであれば、刑事事件・少年事件・特殊詐欺を扱った実績のある私選弁護人の選任をおすすめします。

 

『刑事弁護士ナビ』なら、数ある弁護士の中から刑事事件を扱った実績のある弁護士を掲載しています。通話料は無料ですので、まずはご相談ください。

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この記事の監修者
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
上田孝明 弁護士 (東京弁護士会)
依頼者を第一に考え、適切な手続と結果にする為の刑事弁護に注力。厳しい立場に置かれているクライアントの力になり、不当な取り調べや失職などの不利益から守るために、逮捕前から裁判終了まで幅広く対応している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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