弁護士との無料相談の活用ガイド|初めて利用する方向けにおすすめ窓口を紹介
弁護士と無料相談ができる窓口には、法テラス、弁護士会、市区町村などいくつかあります。
しかし、選択肢が多いために、どこに相談すればよいのかわからないという人もいるでしょう。
そこで本記事では、法律トラブルに巻き込まれた方に向けて、以下の内容について説明します。
- 弁護士と無料相談ができる主な窓口
- 弁護士と無料相談ができる窓口を選ぶ際のポイント
- 弁護士との無料相談を上手に活用するためのコツ
- 弁護士との無料相談を利用する際の注意点 など
本記事を参考に、弁護士との無料相談に関する基礎知識を身につけましょう。
弁護士と無料相談ができる窓口4選
弁護士と無料相談ができる主な窓口には以下の4つがあります。
- 法テラス
- 弁護士会
- 市区町村
- ベンナビ
ここでは、弁護士と無料相談ができる窓口のそれぞれの特徴や条件などについて説明します。
1.法テラス|条件を満たせば最大3回まで無料で相が談できる
法テラスでは、資力基準を満たした方を対象に、最大3回まで弁護士との無料相談に応じています。
資力基準は地域によって異なり、たとえば、東京都特別区や大阪市などの場合は以下のようになっています。
家族人数 |
収入基準 |
資産基準 |
1人 |
20万200円 |
180万円以下 |
2人 |
27万6,100円 |
250万円以下 |
3人 |
29万9,200円 |
270万円以下 |
4人 |
32万8,900円 |
300万円以下 |
法テラスの無料相談を利用できるかどうかは、法テラスの窓口に問い合わせることで確認できます。
以下のページから、最寄りの法テラスの窓口を探して相談してみましょう。
2.弁護士会|基本は有料だが、内容によっては無料で相談ができる
弁護士会の法律相談センターでは、原則として有料での法律相談を受け付けています。
しかし、中には東京都の法律相談センターのように無料相談に応じているケースもあります。
- 借金相談
- 労働相談(労働者側の相談)
弁護士会では、地域によって異なりますが、電話やネットから相談の予約をすることができます。
まずは以下のページから最寄りの法律相談センターを探し、無料相談の有無や予約方法などを確認してみましょう。
3.市区町村|月に数回程度、住民向けの無料相談会を開催している
市区町村によっては、住民向けに法律相談会がおこなわれています。
たとえば、東京都港区では区内在住・在勤・在学者向けに25分程度の法律相談会を開催しています。
基本的に相談内容に制限はありませんが、相談だけに限られ、担当弁護士にトラブル解決の依頼はできません。
法律相談会の有無や開催日時、相談方法、予約方法などについては、各自治体のWebサイトで確認しましょう。
4.ベンナビ|悩み別に無料相談を実施している法律事務所を探せる
ベンナビは、刑事事件、離婚、遺産相続など、相談内容ごとに弁護士を掲載しているポータルサイトです。
ベンナビを使えば、「初回無料相談」に応じている弁護士(法律事務所)を効率よく探すことができます。
媒体とそれぞれの相談内容を以下にまとめておくので、自分の法律トラブルに合わせて弁護士を探してみましょう。
ベンナビ |
相談できる内容 |
ベンナビ刑事事件 |
性犯罪、痴漢・わいせつ、売春・援助交際、盗撮・のぞき、暴行罪・傷害罪、殺人罪、恐喝罪・脅迫罪、器物破損、窃盗罪、万引き、横領罪、背任罪、詐欺罪、薬物・大麻、ひき逃げ・当て逃げ、少年事件、その他の事件、被害者用の相談 |
ベンナビ離婚 |
離婚調停、不倫慰謝料、財産分与、国際離婚、離婚前相談、離婚協議、親権、養育費、DV、モラハラ、男女問題、離婚手続き、別居、熟年離婚、婚姻費用、面会交流、離婚裁判 |
ベンナビ相続 |
相続トラブル、遺産・財産の使い込み、遺産分割、遺留分、相続放棄、遺言書、代襲相続、成年後見、不動産の相続、相続人調査、相続財産調査、相続登記、家族信託、事業承継 |
ベンナビ労働問題 |
セクハラやパワハラなどのハラスメント、退職代行、給与未払い、退職金未払い、残業代請求、不当解雇、解雇予告、内定取消、雇い止め、労働災害、労働審判 |
ベンナビ交通事故 |
損害賠償・慰謝料請求、示談交渉、過失割合、後遺障害、むちうち、休業損害、自動車事故、自転車事故、バイク事故、死亡事故 |
ベンナビIT |
掲示板・SNS削除、口コミ・レビュー削除、発信者情報開示請求、ネット誹謗中傷、名誉毀損、指摘情報・画像流出、リベンジポルノ、著作権・商標権侵害、IT・ネット法務、逮捕、犯罪歴記事の削除、会社設立 |
ベンナビ債務整理 |
過払い金請求、任意整理、個人再生、時効援用、自己破産、闇金問題、法人(会社)破産、住宅ローン、カードローン・クレジット会社、借金返済相談・交渉、消費者金融・サラ金、相談料無料、分割・後払い可能 |
ベンナビ債権回収 |
売掛金、業務請負・委託代金、家賃・地代、給料・賃金、残業代、借金・貸金・出資、養育費・慰謝料、立替金、投資詐欺、遅延損害金、債権額100万円未満、その他の債権 |
弁護士と無料相談ができる窓口を選ぶ際の4つのポイント
弁護士との無料相談を利用する際のポイントは、以下のとおりです。
- 利用条件を満たしているかどうか
- 自分の悩みの解決実績は豊富かどうか
- 弁護士に依頼する必要性はあるかどうか
- 自分の希望する相談方法があるかどうか
ここでは、弁護士と無料相談ができる窓口を選ぶ際のポイントについて説明します。
1.利用条件を満たしているか
相談窓口によって利用条件が異なります。
たとえば、法テラスの資力基準、自治体の法律相談会の対象住民かどうかなどです。
法テラスや自治体の無料相談会を利用する場合は、利用条件を満たしているか確認しましょう。
なお、弁護士会や法律事務所の場合は利用条件がほとんどないため、誰でも相談することができます。
2.自分の悩みの解決実績は豊富か
相談窓口を選ぶ際は、自分の法律トラブルを得意としている弁護士を選ぶことが重要です。
しかし、法テラスや弁護士会、自治体の法律相談会では、基本的には弁護士を選べません。
悩みが明確で相談したい内容が決まっている場合は、ベンナビを使って弁護士を探すほうがよいでしょう。
3.弁護士に依頼する必要性はあるか
弁護士への依頼を検討している場合は、法テラス、弁護士会、法律事務所を選ぶほうがよいでしょう。
自治体の法律相談会の場合、弁護士から相談者に対する助言に限られ、依頼をすることはできません。
この場合は改めて弁護士を探す必要があるため、最初から依頼が可能な相談窓口を選ぶほうが効率的といえます。
4.自分の希望する相談方法があるか
弁護士との相談方法には、対面相談、電話相談、メール相談、オンライン相談などの種類があります。
それぞれのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
手段 |
メリット |
デメリット |
対面 |
✔弁護士の人柄や相性を知れる ✔リアルタイムで回答がわかる ✔証拠などを直接確認してもらえる |
✔相談窓口に行くという負担がある ✔弁護士に会うということに勇気がいる |
電話 |
✔どこからでも相談ができる ✔リアルタイムで回答がわかる |
✔ニュアンスが伝わりにくいことがある ✔証拠などを確認してもらうことはできない |
メール |
✔どこからでも相談ができる ✔24時間いつでも相談ができる |
✔メールの文章を作成する手間がある ✔回答までに時間がかかることがある |
オンライン |
✔弁護士の人柄や相性を知れる ✔リアルタイムで回答がわかる ✔家や会社などから相談ができる |
✔通院環境やアプリの設定が必要になる ✔誤作動を起こしてしまう可能性がある |
相談窓口によって相談方法は異なるため、自身の希望に合う方法で相談できる窓口を選びましょう。
弁護士との無料相談を上手に活用するための5つのコツ
弁護士との無料相談を有効活用するためのコツは、以下のとおりです。
- 最終的な希望を考えておく
- トラブルの経緯を整理しておく
- 関係する資料や証拠を持参する
- 弁護士には嘘を付かず正直に話す
- 必要に応じてアドバイスのメモをとる
ここでは、弁護士との無料相談を上手に活用するためのコツを説明します。
1.最終的な希望を考えておく
相談をスムーズに進めるためにも、希望や条件を明確にしておきましょう。
たとえば、刑事事件であれば早期釈放を目指したい、被害者の方に謝罪し示談をまとめたいなどがあります。
また、弁護士との相談時間は限られているため、希望や条件をあらかじめメモにまとめておくとよいでしょう。
2.トラブルの経緯を整理しておく
弁護士に相談する際は、トラブルの経緯や関係者などを伝える必要があります。
そこで、トラブルについてまとめた時系列表や、関係者をまとめた一覧表を作成しとくことをおすすめします。
時系列表は「いつ、どこで、誰が、誰に対して、何をしたのか」をまとめていくことで作成することができます。
3.関係する資料や証拠を持参する
法律トラブルに関係する資料や証拠があれば全て持参しましょう。
資料や証拠があれば、弁護士に不法行為の有無を判断してもらえたり、損賠賠償額を算出してもらえたりします。
また、資料や証拠を持参することで、ほかに必要な証拠などに関するアドバイスも受けられるようになるでしょう。
4.弁護士には嘘を付かず正直に話す
無料相談では、弁護士に対して嘘を付いたり、情報を隠したりしないことが重要です。
依頼者が嘘を付いてしまうと、解決方針などを間違えて期待通りの結果にならない可能性があります。
弁護士は依頼者の味方ですし、守秘義務があり周りに知られる心配はないため(弁護士法第23条)、正直に話すようにしましょう。
5.必要に応じてアドバイスのメモをとる
無料相談の際には、弁護士からのアドバイスをメモに取るようにしましょう。
あとで解決策を見返したり、ほかの法律事務所と比べたりする際に役に立ちます。
なお、基本的には録音や録画は禁止されているため、無断でおこなわないようにしてください。
弁護士との無料相談を利用する方が知っておくべき注意点
弁護士との無料相談を利用する際の注意点は、以下のとおりです。
- 基本的に予約が必要になる
- 時間制限が設けられている
- 書類作成や代理交渉はしてくれない
- 原則として本人以外は相談できない
ここでは、弁護士との無料相談を利用する方が知っておくべき注意点について説明します。
1.基本的に予約が必要になる
ほとんどの相談窓口では、事前の予約が必要になります。
簡易な電話相談は予約なしの場合もありますが、対面相談は予約が必須になっている場合が多いでしょう。
相談窓口によっては予約が取りにくい場合もありますので、なるべく早く問い合わせることをおすすめします。
2.時間制限が設けられている
弁護士との無料相談は、通常30分~1時間程度と時間制限が設けられています。
時間を超えると相談が途中で終了となったり、有料相談になったりするので注意が必要です。
また「初回相談無料」「3回まで無料」「何度でも無料」など、相談回数の上限にも注意をしましょう。
3.書類作成や代理交渉はしてくれない
無料相談では、相談者の質問や疑問に対する助言のみおこなわれます。
無料相談の中では、書類の作成や、相手方との交渉はしてもらえないので注意が必要です。
書類作成や代理交渉などを依頼した場合は、弁護士と委任契約を交わすようにしましょう。
4.原則として本人以外は相談できない
弁護士との無料相談は、原則として本人が出席する必要があります。
刑事事件の場合は家族なども相談できますが、基本的には本人が相談する必要があると理解しておきましょう。
なお、関係者の同席を希望する場合には、事前に同席可能かを窓口に確認しておくことをおすすめします。
弁護士との無料相談に関するよくある質問
最後に、弁護士との無料相談に関するよくある質問に回答します。
Q.無料相談を利用したら依頼を強要されませんか?
無料相談を利用したからといって、弁護士から依頼を強要されることはありません。
弁護士が無料相談を実施している理由は、できる限り相談するハードルを下げようと考えているからです。
なお、「強要された」と感じた場合は、相性が悪い可能性もあるためほかの弁護士と相談するのがおすすめです。
Q.無料相談を利用したことを周りに知られませんか?
弁護士との無料相談を利用したことが、周りに知られるリスクは限りなく低いでしょう。
そもそも弁護士には守秘義務があり、他人に相談内容が漏れるリスクはありません。
知り合いに法律事務所に出入りしているところを見られない限りは、心配する必要はないと考えられます。
Q.複数の法律事務所の無料相談を利用しても大丈夫でしょうか?
複数の法律事務所の無料相談を利用しても、まったく問題はありません。
むしろ複数の弁護士と相談をすることで、解決方針や相性、依頼費用などを比較できるようになります。
さいごに|初めて弁護士に無料相談をするならベンナビで探そう!
弁護士との無料相談ができる窓口には、法テラスや弁護士会などいくつか種類があります。
このうち自分の悩みに合った弁護士と相談したいならベンナビを利用することをおすすめします。
ベンナビであれば、刑事事件、離婚、相続、交通事故、労働問題など、悩み別に弁護士を探すことが可能です。
しかも無料相談に対応している弁護士も探せるので、初めて弁護士に相談するという人におすすめとなっています。
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