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酒気帯び運転(初犯)の罰金はいくら?相場と免許停止を回避・軽減するためにすべき事

坪内 清久
監修記事
酒気帯び運転(初犯)の罰金はいくら?相場と免許停止を回避・軽減するためにすべき事
  • 「酒気帯び運転で検挙されてしまった。罰金はいくらになるのだろう…」
  • 「もしかして、免許取り消しになってしまうのだろうか…」

酒気帯び運転で検挙された場合、初版でも今後の生活に大きな影響を与える可能性があります。

しかし、適切な知識と対処法を知っていれば、不必要に事態を悪化させることなく、最善の道を選ぶことができます。

本記事では、酒気帯び運転(初犯)で科される罰金の相場や免許停止・取り消しといった行政処分の内容、検挙されてからの具体的な流れ、そして何よりも重要な「処分を軽減するためにすべきこと」について、弁護士が詳しく解説します。

二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、ぜひこの記事を参考に、今後の対応を検討してみてください。

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目次

【結論】罰金相場は20~30万円|酒気帯び運転(初犯)で科される2つの重い処分

初めて酒気帯び運転で検挙されてしまった場合、あなたには「行政処分」と「刑事罰」という性質の異なる2つの重い処分が科されます。

刑事罰である罰金の相場は、事故などを起こしていない初犯のケースで20万円から30万円です。

これら2つの処分は、それぞれ別の法律に基づいて、別々の手続きで進められます。

  • 行政処分:運転免許の停止や取消し
    道路交通法の違反点数制度に基づき、公安委員会によっておこなわれます。
  • 刑事罰:罰金や懲役といった刑罰
    道路交通法第117条の2の2に定められた「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という規定に基づき、検察官や裁判官によって判断されます。

飲酒運転の前科・前歴がある場合は処分が重くなる

今回の検挙が初めてではなく、過去に飲酒運転による罰金刑などの前科や、免許停止などの行政処分歴(前歴)がある場合、たとえ今回のアルコール濃度が低かったとしても「初犯」とは扱われず、処分は格段に重くなります

略式裁判による罰金刑では済まなくなり、公開の法廷で裁かれる正式な裁判で懲役刑が科される可能性が非常に高まります。

刑事罰を決める検察官や裁判官は、同種の犯罪を繰り返すこと、つまり「常習性」を非常に重く見ます

前科があるにもかかわらず再び飲酒運転をしたという事実は、反省が見られない悪質なケースと判断され、罰金刑ではなく、より重い懲役刑(執行猶予が付く場合と実刑になる場合がある)を求めるために、正式な裁判(公判請求)に踏み切る可能性が高くなります。

行政処分においても同様です。

道路交通法施行令では、過去3年以内の免許停止・取消処分の回数(前歴)に応じて、より少ない違反点数で免許取消しになったり、免許を取得できない「欠格期間」が通常より長く設定されたりする規定があります。

酒酔い運転との違い

酒気帯び運転よりもさらに罪が重いのが「酒酔い運転」です。

2つの最大の違いは、判断基準にあります。

酒酔い運転は、呼気中のアルコール濃度という数値に関わらず、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」かどうかで判断され、酒気帯び運転とは比較にならないほど重い処分が科されます

免許停止90日または免許取消し|呼気アルコール濃度で決まる行政処分

酒気帯び運転の行政処分は、呼気中のアルコール濃度という客観的な数値のみで機械的に決まります

初犯であっても、情状酌量の余地はなく、濃度が低ければ「免許停止90日」、高ければ「免許取消し」という厳しい処分を免れることはできません。

これは道路交通法で定められた基準であり、全国どこで検挙されても同じ基準で処分が下されます

過去に交通違反や免許停止などの行政処分歴(前歴)がない場合でも、この基準は容赦なく適用されます。

それぞれの基準を確認しておきましょう。

呼気1リットル中0.15mg以上0.25mg未満:違反点数13点=免許停止90日

初犯であっても、0.15mg以上0.25mg未満の濃度が検出されると、90日間もの間、運転が一切できなくなる「免許停止」処分が科されます

道路交通法施行令で定められた行政処分基準により、呼気アルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満の場合の違反点数は13点と定められています。

過去に行政処分歴(前歴)が一度もない人でも、13点の違反点数が付されると「免許停止90日」に該当します。

この0.15mg/lという数値は、個人差はありますが、例えば体重約60kgの人がビール中瓶1本(500ml)を飲んでから1~2時間後に運転した場合などに検知されうるものです。

ほんの少しの飲酒のつもりが、3ヵ月間もの長きにわたり、通勤や買い物、家族の送迎など、車を使ったあらゆる日常行動が不可能になるという重い現実を突きつけられることになるのです。

呼気1リットル中0.25mg以上:違反点数25点=免許取消し(欠格期間2年)

高いアルコール濃度が検出された場合は「一発アウト」です。

たとえ初めての違反であっても、弁明の余地なく免許は取り消され、最低でも2年間は免許を再取得することすらできません。

呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上の場合、違反点数は25点となります。

過去に行政処分歴がない人であっても、この点数が付されると「免許取消し」に該当し、さらに「欠格期間2年」が科されます。

この欠格期間とは、運転免許の試験を受けることすらできない期間を指します。

具体的には、体重約60kgの人がビール中瓶2本(1L)や日本酒2合程度を飲んでから1~2時間後に運転した場合に検知されうる数値です。

この処分を受けると、あなたの運転免許は2年間、法的に存在しない状態となります。

その後、再び車を運転するためには、高額な費用と時間をかけて教習所に通い、ゼロから運転免許を取り直さなければなりません。

酒酔い運転との違い

酒気帯び運転よりもさらに罪が重いのが「酒酔い運転」です。

2つの最大の違いは、判断基準にあります。

酒酔い運転は、呼気中のアルコール濃度という数値に関わらず、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」かどうかで判断されます

違反点数は一挙に35点が付加されます。

これは、過去に違反歴や処分歴が一切ない場合でも、弁明の余地なく一発で免許取消しとなる点数で、欠格期間3年が科されます。

飲酒運転の罰金はいくら?検挙された状況で変わる4つのパターン

酒気帯び運転(初犯)の罰金は20万円から30万円が基本的な相場ですが、これはあくまで事故や逃走がない最もシンプルなケースの話です。

実際には、検挙された時の状況によって罰金の額は大きく変動します。

もし物損事故や人身事故を起こしていたり、検問から逃走したりといった悪質な状況が加わると、罰金額は増額されるだけでなく、「懲役刑」というさらに重い刑事罰が科されるリスクが格段に高まります。

これから説明する4つのパターンを参考に、ご自身の状況がどれに当てはまるか、そしてどれほどのリスクを負っているのかを確認しましょう。

①検問やパトロールで検挙された場合(事故・逃走なし)

物損事故や人身事故、逃走といった悪質な事情が一切ない、最も基本的なケースでは、初犯の場合、20万円から30万円の罰金刑となる可能性が最も高いです。

この場合、多くは「略式裁判」という書面上の手続きで刑が確定します。

初犯で他に悪質な事情がない単純な酒気帯び運転の場合、検察官は正式な裁判を請求せず、書面審理のみで済む略式起訴を選択することが多いです。

最終的な罰金額は、呼気中のアルコール濃度や運転距離、本人の反省の度合いなどを考慮して、裁判官が決定します。

②物損事故を起こし逃げた場合(当て逃げ)

酒気帯び運転で駐車場や路上で他人の車や物にぶつかる物損事故を起こし、その場から逃げてしまった場合、単なる酒気帯び運転よりも重い処分が科される可能性が非常に高くなります

罰金額が高くなるだけでなく、正式な裁判が開かれるリスクも生じます。

酒気帯び運転の罪(道路交通法違反)に加えて、事故現場から立ち去った行為について「危険防止措置義務違反」と「報告義務違反」という別の罪が成立します。

検察官はこれらの複数の罪で起訴するため、単純な酒気帯び運転の事案よりも悪質と判断され、罰金額も高くなる傾向があるのです。

今後の手続きの見通しが立てにくく、被害者の方との示談交渉も必要となります。

個人で対応するには限界があるため、一日も早く弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを受けることを強くおすすめします。

③人身事故を起こした場合

酒気帯び運転中に人を死傷させる人身事故を起こしてしまった場合、その代償は計り知れません。

もはや罰金刑で済む問題ではなくなり、懲役刑(執行猶予が付く場合と、刑務所に収監される実刑の場合がある)という極めて重い刑事罰が科される可能性が非常に高くなります

単なる道路交通法違反にとどまらず、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷処罰法)」が適用されることになります。

相手の怪我が軽い場合でも「過失運転致死傷罪」が、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態であったと判断されれば、より重い「危険運転致死傷罪」が適用される可能性があります。

特に危険運転致死傷罪と判断されれば、たとえ初犯であっても実刑判決を受けるリスクが格段に高まります。

逮捕・勾留される可能性が非常に高く、その後の人生を大きく左右する事態となります。

被害者の方への謝罪と賠償(示談)は、処分の重さを決める上で極めて重要です。

直ちに刑事事件に強い弁護士に相談し、今後の対応を依頼してください。

過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪については以下の記事を参考にしてください。

④検問などを突破して逃走した場合

飲酒検問などを発見し、「捕まりたくない」という一心で警察の停止命令を無視して逃走した場合、その行為は事態を著しく悪化させます。

逃走行為は反省の態度がない悪質なものと見なされ、罰金額が増額される可能性が高いだけでなく、その場で現行犯逮捕されるリスクが非常に高まります

刑事手続きにおいて、被疑者の反省の態度は処分の重さを決める上で重要な要素です。

逃走という行為は、法を軽視し、反省していないことの明白な証拠と評価されてしまいます。

そのため、検察官や裁判官は、単純な酒気帯び運転の事案よりも重い罰を科すべきだと判断する傾向にあります。

さらに、逃走中にパトカーに接触したり、警察官の進路を妨害したりすれば「公務執行妨害罪」という全く別の罪に問われる可能性も出てきます。

検挙から罰金支払いまでの流れ

酒気帯び運転で検挙されてしまうと、その後の手続きは法律に則って進められます

多くの方が不安に感じるのは、この先どうなるのか、見通しが立たないことでしょう。

手続きは大きく分けて①警察の捜査、②検察官による起訴・不起訴の判断、③裁判所による罰金の決定という3つのステップで進みます。

この一連の刑事手続きの流れをあらかじめ理解しておくことで、自分が今どの段階にいて、次に何をすべきかを冷静に判断する助けになります。

STEP1:警察による検挙と取調べ

検挙後、刑事手続きの第一歩は警察による捜査から始まります

警察官に違反の事実を告げられ(いわゆる赤切符の交付)、警察署で詳しい取り調べを受け、あなたの話した内容をまとめた「供述調書」が作成されます。

検問やパトカーに停止を求められ、呼気検査で基準値以上のアルコールが検出されると、その場で酒気帯び運転の違反が確定します。

警察官は違反日時、場所、アルコール濃度などを記載した告知票(赤切符)を作成し、あなたに署名・押印を求めます。

多くの場合、その日は一旦帰宅を許されますが、後日、改めて警察署への出頭を要請されます。

指定された日時に警察署へ行くと、担当の警察官から、当日の飲酒の状況(いつ、どこで、誰と、何を、どれくらい飲んだか)、運転に至った経緯、そして反省しているかどうかなどについて、詳細な聞き取り調査がおこなわれます。

この取り調べで話した内容は「供述調書」という正式な書類にまとめられ、後の検察官や裁判官が処分を判断するための重要な証拠となります。

内容に間違いがないか確認を求められますので、よく読んでから署名・押印をしてください

STEP2:検察庁への送致

警察での取り調べや実況見分といった捜査が一通り完了すると、次のステージに進みます。

警察が作成した供述調書や捜査書類、証拠品などが、すべて検察庁に引き継がれます

この手続きをで「送致(そうち)」と呼びます。

送致されると、事件の担当は警察から検察官に移ります

この段階からあなたの処分を最終的にどうするかを判断する権限が、検察官に委ねられることになります。

送致は、警察が「この事件は刑事罰を科すべきである」と判断したことを意味します。

多くの場合、送致は書類上でおこなわれるため、本人が警察から検察へ連れて行かれるわけではありません。

警察での捜査が終わってから数週間後、今度は検察庁から「取り調べのために出頭してください」という呼び出しの連絡が来ることになります。

この連絡が来たら、いよいよ最終的な処分が決まる段階に入ったと理解してください。

STEP3:検察官による取調べと起訴・不起訴の判断

事件を引き継いだ検察官は、あなたを裁判にかけるべきかどうかを判断します。

検察官自らもあなたを取り調べ、警察の捜査記録と合わせて、裁判にかける「起訴」か、今回は裁判にかけずに事件を終了させる「不起訴」かを最終的に決定します。

検察庁に出頭すると、検察官から警察での取り調べとほぼ同じ内容について再度質問されます。

これは、警察が作成した供述調書の内容に間違いがないか、被疑者の言い分に矛盾がないかなどを確認するためです。

検察官は、アルコール濃度、事故の有無、前科前歴、そして本人の反省の度合いなどを総合的に考慮して、処分を決定します。

初犯の酒気帯び運転で、事故や逃走などの悪質な事情がなければ、多くの場合「略式起訴」という形で起訴されるのが一般的です。

不起訴となる可能性は極めて低いのが実情です。

検察官から「略式裁判で進めてもよいか」という確認があり、これに同意すると、公開の法廷に立つことなく、罰金刑が科される手続きに進みます。

STEP4:略式裁判による罰金額の確定

検察官が起訴を決定した後、事件は裁判所に送られます

ここで、あなたの罰金額が最終的に決まることになります。

初犯の単純な酒気帯び運転では、多くの場合、公開の法廷で審理される正式裁判ではなく、書面のみで審理がおこなわれる「略式裁判」となり、裁判所から罰金額が記載された「略式命令」が発せられます

略式裁判は、検察官から提出された証拠書類を裁判官が審査し、非公開の場で罰金の額を決定する手続きです。

そのため、あなたが裁判所に出廷する必要はありません。

検察官の取り調べの際に略式裁判に同意していれば、あとは裁判所からの通知を待つことになります。

通常、検察庁での手続きから数週間から1ヵ月程度で、簡易裁判所から「略式命令」という書面が特別送達郵便で自宅に届きます。

この書面には、適用された罪名と、あなたが支払うべき罰金の具体的な金額が明記されています。

この命令を受け取った時点で、刑事罰の重さが法的に確定したことになります。

STEP5:罰金の納付

裁判所から略式命令が届いたら、刑事手続きはいよいよ最終段階です。

裁判所から送られてくる納付書を使い、指定された期日までに金融機関の窓口などで罰金を一括で支払うことで、刑事手続きはすべて完了します。

略式命令と一緒に、罰金を納付するための専用の納付書が同封されています。

この納付書を持って、銀行や郵便局などの金融機関の窓口へ行き、記載された金額を現金で一括納付するのが原則です。

コンビニエンスストアでの支払いや、クレジットカード払い、分割払いは原則として認められていません。

納付期限は通常、略式命令を受け取ってから1~2週間程度と、長くありません。

期限までに納付しないと、検察庁から督促の連絡が来ます。

もし督促を無視し続けると、財産を差し押さえられたり、後述する「労役場留置」という事態に発展したりする可能性もあるため、必ず期限内に納付するようにしてください

これをもって、酒気帯び運転に関する「刑事処分」は終了となります。

運転者だけじゃない!同乗者・酒類提供者・車両提供者に科される3つの罰則

飲酒運転の責任は、ハンドルを握っていた運転者本人だけの問題ではありません。

道路交通法では、飲酒運転を助長した周囲の人々にも厳しい罰則を定めています

運転者がお酒を飲んでいると知りながら車を貸した人、お酒を提供した人、そしてその車に同乗した人にも、運転者と同様に重い刑事罰が科される可能性があり、「知らなかった」では済まされないのです。

車両の同乗者:2年以下の懲役または20万円以下の罰金

運転者がお酒を飲んでいる、あるいは飲んだ直後であることを知りながら、「家まで乗せていってほしい」と依頼したり、運転を止めずにその車に同乗したりした場合、同乗者も処罰の対象となります。

具体的には、運転者が酒気帯び運転だった場合、同乗者には「2年以下の懲役または20万円以下の罰金」が科されます。

もし運転者が、より悪質な酒酔い運転だった場合は、さらに重い「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。

酒類の提供者:2年以下の懲役または20万円以下の罰金

車を運転して帰る予定であることを知っている人に対して、お酒を提供したり、飲むように勧めたりした場合、その提供者も罰せられます

これには、飲食店の店主だけでなく、ホームパーティーの主催者や飲み会の幹事、さらには同席して飲酒を勧めた友人なども含まれます。

運転者が酒気帯び運転だった場合、酒類を提供した人には「2年以下の懲役または20万円以下の罰金」が科せられます。

運転者が酒酔い運転だった場合は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と、より重い罰則が適用されます。

車両の提供者:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

運転者がお酒を飲んでいることを知りながら、その人に自分の車を貸した場合、提供者には運転者本人と同等の、極めて重い罰則が科されます

これは、飲酒運転という危険な行為を可能にする「手段」を提供したと見なされるためです。

運転者が酒気帯び運転だった場合、車を貸した人には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。

これは、酒気帯び運転をした本人と同じ法定刑です。

もし運転者が酒酔い運転だった場合は、提供者も同様に「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」という、さらに重い罪に問われます。

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逮捕された場合に優先すべき3つの行動

万が一、人身事故や物損事故、悪質な逃走などによって現行犯逮捕されてしまった場合、それはあなたのその後の人生を左右する極めて重大な局面です。

突然の出来事にパニックになるのは当然ですが、冷静さを失ってはいけません

このような緊急事態において不利益を最小限に抑えるためには、まず「①弁護士を呼ぶ」こと、そして「②被害者への対応」「③会社など社会生活への対応」を、迅速かつ慎重に進めることが絶対に必要な行動です。

逮捕されると、外部との連絡は著しく制限され、孤独な中で厳しい取り調べに直面することになります。

この初期段階での対応が、その後の勾留期間の長さや最終的な処分の重さに大きく影響します。

感情的な言動や安易な供述は避け、これから説明する3つの行動を最優先で実行に移してください。

①すぐに弁護士に相談する

何よりもまず、真っ先にすべきことは弁護士を呼ぶことです。

逮捕直後の72時間は、たとえ家族であっても面会が許されないことが多いですが、弁護士だけはいつでも、誰にも立ち会われることなく面会することが可能です。

弁護士に依頼すれば、すぐに警察署へ駆けつけ、あなたから直接話を聞いてくれます。

そして、今後の刑事手続きがどのように進んでいくのか、今どのような状況に置かれているのかを法的な観点から分かりやすく説明してくれます。

さらに、警察の取り調べに対してどのように対応すればよいのか、黙秘権をはじめとするあなたの権利を守るための具体的なアドバイスを受けることができます

一人で不安とプレッシャーに耐えながら厳しい取り調べに臨むのと、法的な知識と経験を持つ専門家を味方につけて臨むのとでは、精神的な負担も、その後の結果も大きく異なります。

まずはためらわずに当番弁護士制度を利用するか、家族に依頼して私選弁護人を探してもらうなどして、一刻も早く弁護士にアクセスすることが重要です。

②被害者がいる場合は示談交渉を速やかに検討する

物損事故や人身事故を起こしてしまい、相手(被害者)がいる場合には、その対応が処分の重さを決める上で極めて重要な意味を持ちます

弁護士を通じて、誠心誠意の謝罪と損害賠償(示談)をおこなうことが、あなたにとって有利な事情として考慮され、最終的な処分を軽くする上で不可欠です。

逮捕されている本人が直接被害者と交渉することは不可能です。

また、加害者の家族が直接連絡を取ろうとしても、被害者の感情を逆なでしてしまい、交渉が難航するケースが少なくありません。

そこで、専門家である弁護士の出番となります。

弁護士は、あなたの代理人として冷静かつ丁寧な形で被害者側と接触し、謝罪の意を伝えるとともに、治療費や慰謝料などを含む示談金の交渉を進めてくれます。

被害者の許し(宥恕)を得た示談が成立すれば、その事実は検察官や裁判官に「当事者間で事件は解決に向かっている」「加害者も深く反省している」という良い印象を与え、不起訴処分や執行猶予付き判決、罰金額の減額といった有利な結果につながる可能性が高まるのです。

ただ、任意保険に加入している場合は、事故の際、直ちに加入している保険会社に連絡をし、弁護士と連携をとってもらいましょう

示談については、保険会社のスタンスもありますので、保険会社と協議しつつ進めることが大事です。

謝罪の気持ちから早めに動くことは必要ですが、あくまで最終的な支払は先になることが多いです。

相手の損害がある程度確定するまで、保険会社、弁護士と共同で対応することが必須です。

③会社や学校への対応を考える

逮捕されて身柄を拘束されると、当然ながら会社や学校に行くことはできなくなります

無断での欠勤・欠席は、社会人としての信用を失い、状況をさらに悪化させる可能性があります。

弁護士と相談の上、ご自身の会社の就業規則などを確認し、誰に、いつ、どのような内容を報告すべきかを慎重に判断する必要があります。

まず確認すべきは、勤務先の就業規則に、従業員が逮捕された場合の報告義務や懲戒処分に関する規定があるかどうかです。

弁護士に依頼すれば、家族を通じて就業規則を入手してもらい、内容を法的に検討した上で、最適な対応策をアドバイスしてくれます。

その上で、直属の上司など、報告すべき相手を決め、正直に状況を説明することが基本となります。

ただし、捜査の詳細や今後の見通しが立たない段階で、不正確な情報を伝えて混乱を招くのは避けるべきです。

弁護士に今後の見通しを確認し、「現在、弁護士に依頼して対応中です」といった客観的な事実を中心に、誠実な態度で報告することが重要です。

隠し通そうとすると、後で発覚した場合に、より厳しい立場に置かれることを肝に銘じてください。

弁護士相談が有効な3つの理由

酒気帯び運転で検挙されたという事実は変えようがなく、処分を完全にゼロにすることは、残念ながら不可能に近いです。

しかし、だからといって何もせずに諦めてしまうのは早計です。

早い段階で弁護士に依頼することで、法的にあなたにとって有利な主張を尽くし、最終的な刑事処分(罰金)や行政処分(免許停止・免許取消し)を、可能な限り軽くできる可能性があります。

特に、罰金の減額を目指す場合や、免許取消しに該当するケースで免許停止への軽減を求める場合など、専門家である弁護士のサポートは非常に有効な手段となり得ます。

捜査段階から裁判、そして免許に関する意見の聴取まで、一貫してあなたを法的に防御してくれる唯一の存在が弁護士なのです。

具体的に、弁護士に依頼することでどのようなメリットがあるのか、3つの理由に分けて解説します。

不利な供述を防げる

警察や検察の捜査段階で作成される「供述調書」は、後の刑事処分や行政処分を左右する極めて重要な証拠となります。

一度署名・押印してしまうと、後からその内容を覆すのは非常に困難です。

弁護士のアドバイスがあれば、捜査官の誘導に乗ってしまったり、自分にとって不利な内容が記載されたりするのを防ぐことができます

逮捕された直後や、初めて警察署で取り調べを受ける際は、誰もが動揺し、冷静な判断ができない状態にあります。

捜査官から厳しい口調で問い詰められたり、早く認めて楽になるよう促されたりすると、言われるがままに不利な供述をしてしまうことがあります。

弁護士は、取り調べが始まる前にあなたと接見し、どのようなことを聞かれる可能性があるか、そしてどのように答えるべきか、黙秘権をどのように使うべきかなどを具体的にアドバイスしてくれます

これにより、冷静さを保って取り調べに臨むことができ、意図せずして自分を追い詰めてしまうような事態を回避できるのです。

行政処分の軽減を目指せる

違反点数が25点に達し、免許取消しの対象となってしまった場合でも、処分が確定する前に一度だけ、あなたの言い分を主張する機会が与えられます

これは「意見の聴取」と呼ばれる手続きです。

この「意見の聴取」の場で、弁護士に代理人として出席してもらい、酌むべき事情を法的に説得力のある形で主張することで、免許取消し処分が90日や180日の免許停止処分に軽減される可能性が生まれます。

「酌むべき事情」とは、例えば、運転しなければ家族の介護ができない、仕事が続けられず生活が困窮するなど、免許を失うことが本人や家族に与える影響が極めて大きいといった事情です。

しかし、単に「仕事で車を使うから困る」と感情的に訴えるだけでは、処分が軽減されることはほとんどありません。

弁護士は、これらの事情を客観的な証拠(診断書、勤務先の証明書、家族からの嘆願書など)と共に、論理的かつ説得力のある形で意見書にまとめ、聴聞官に主張してくれます

もちろん必ず軽減される保証はありませんが、専門家である弁護士に依頼することで、その可能性を最大限に高めることができるのです。

刑罰金の減額を求められる

酒気帯び運転の罰金は、法律で「50万円以下」と幅を持たせて定められています。

最終的な金額は、検察官の求刑や裁判官の判断に委ねられます。

弁護士は、あなたが深く反省していることを客観的な証拠と共に示すことで、検察官や裁判官に対して罰金額をできるだけ低くするよう求める弁護活動をおこなうことができます

具体的には、本人が作成した反省文のほか、家族や職場の上司からの「嘆願書」などを集めて証拠として提出します。

また、二度と飲酒運転をしないための具体的な再発防止策(例えば、車にアルコール検知器を設置する、家族が車の鍵を管理するなど)を示し、更生の意欲が高いことをアピールします。

さらに、被害者がいる事故であれば、示談が成立していることは非常に大きな有利な事情となります。

弁護士を通じて早期に示談を成立させることで、罰金額が減額されたり、より重い懲役刑ではなく罰金刑で済んだりする可能性が高まります。

このような活動は、個人でおこなうには限界があり、法律の専門家である弁護士だからこそ効果的に進めることができるのです。

罰金が払えない場合の選択肢と、何もしなかった場合の結末

裁判所から罰金の納付命令が出た場合、原則として定められた期限までに、指定された金額を現金で一括納付しなければなりません。

クレジットカード払いやローン、公式な分割払いの制度は存在しません。

もし、どうしても一括で支払うことが経済的に困難な場合は、放置せずに検察庁に相談するという道が残されています

しかし、それも認められず、最終的に罰金を支払わずに放置すれば、「労役場留置」といって、刑務所内の施設で強制的に働いて支払うという、最も過酷な結末を迎えることになります。

罰金は刑罰の一種であり、単なる借金とは全く性質が異なります。

支払えないからといって自己破産などで免れることはできません。

経済的な事情は誰にでもあるかもしれませんが、安易に放置することだけは絶対に避けるべきです。

検察庁に納付期限の延長や分割納付を相談する

法律上の権利として認められているわけではありませんが、経済的にどうしても一括での納付が困難な事情がある場合には、罰金の徴収を担当している検察庁の窓口に正直に事情を説明して相談することで、分割での納付や納付期限の延長に、担当者の裁量で応じてもらえる可能性があります。

相談に行く際は、なぜ一括で支払えないのかを具体的に説明できる資料(給与明細、預金通帳、家計の収支状況がわかるものなど)を持参すると、話がスムーズに進みやすいでしょう。

そして、「毎月◯万円ずつであれば、必ず支払います」といった、現実的で誠実な返済計画を自ら提示することが重要です。

ただし、これはあくまで例外的な措置であり、必ず認められるとは限りません。

相談もせずに無断で滞納すれば、すぐに次の厳しいステップに進んでしまいます。

支払いが困難だと感じたら、まずは勇気を出して検察庁に電話し、徴収担当者にアポイントを取って相談することが不可欠です。

労役場留置で働く(1日5,000円換算が目安)

罰金の納付期限を過ぎても支払わず、検察庁からの督促も無視し続けると、最終的には検察庁から出頭命令が出され、身柄を拘束されて「労役場」に留置されることになります。

労役場では、罰金の総額に達するまでの間、刑務作業と同様の強制的な労働に従事させられます。

この場合の日当は、裁判所によって定められますが、多くの場合1日あたり5,000円に換算されます。

例えば、20万円の罰金を支払えなかった場合、「20万円÷5,000円/日=40日間」となり、1か月以上にわたって労役場で作業をしなければなりません。

労役場は刑務所や拘置所に併設されており、そこでの生活は刑務所の受刑者とほぼ同じです。

外部との連絡も制限され、当然、仕事に行くこともできません。

罰金を支払えないという経済的な問題が、最終的には身柄の自由を失うという、最も深刻な事態につながってしまうのです。

免許停止90日を最大45日短縮する唯一の方法|免許停止処分者講習(短期講習)

呼気アルコール濃度が0.15mg以上0.25mg未満で、90日間の免許停止処分を受けた場合、何もしなければ90日間全く運転ができません

しかし、この停止期間を大幅に短縮できる唯一の公式な制度があります。

公安委員会が実施する「免許停止処分者講習」を受講し、講習の最後におこなわれるテストで良い成績を収めることで、停止期間を最大で半分の45日間に短縮することが可能です。

この講習は受講が義務付けられているわけではなく、あくまで任意です。

しかし、受講しなければ停止期間は1日も短縮されないため、仕事や生活で車が不可欠な人のほとんどが受講するのが実情です。

講習は運転免許センターなどで2日間にわたっておこなわれ、受講するためには数万円の費用がかかります

それでも、1ヵ月半も早く運転を再開できるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

講習後のテストの成績が「優」だった場合に最大の45日間、「良」で40日間、「可」で35日間というように、成績に応じて短縮される日数が決まります。

講習では、交通法規の再確認や安全運転に関する講義、シミュレーターを使った運転適性検査などがおこなわれます。

真摯な態度で講習に臨み、テストで高得点を取ることが、一日でも早い社会復帰につながるのです。

免許停止中の生活と仕事

免許停止期間中は、これまで当たり前だった「車のある生活」が法的に完全に禁じられます

その影響は、想像以上に大きく、日常生活や仕事に深刻な支障をきたす可能性があります。

この不便な期間を乗り切るためには、公共交通機関の徹底的な下調べや、家族・職場への協力依頼など、生活や仕事への影響を最小限に抑えるための具体的な計画と事前の準備が不可欠です。

「少しの距離だから」「見つからなければ大丈夫」といった安易な考えで無免許運転をすれば、さらに重い免許取消し処分や刑事罰が科され、取り返しのつかない事態に陥ります。

免許停止という現実を真摯に受け止め、車に頼らない生活スタイルを再構築することが求められます。

代替交通手段の確保(公共交通機関、シェアサイクルなど)

免許停止期間中の通勤や日常の移動に支障をきたさないよう、事前に代替となる交通手段を確保しておくことが最も重要です。

これまで車で移動していた全てのルートについて、電車やバスの路線図、時刻表、料金を入念に調べ、具体的な移動計画を立てておくことが不可欠です。

例えば、毎日の通勤では、最寄り駅やバス停までの徒歩時間、乗り換えに必要な時間、始発や終電の時間などを正確に把握しておく必要があります。

スマートフォンの乗り換え案内アプリなどを活用し、複数のルートをシミュレーションしておくと安心です。

また、駅やバス停から目的地まで距離がある場合は、タクシーの利用や、最近増えているシェアサイクル、電動キックボードなどの活用も検討しましょう。

食料品や日用品の買い物には、ネットスーパーや宅配サービスを利用するのも有効な手段です。

これらの準備を事前におこなうことで、免許停止期間中の精神的、時間的な負担を大幅に軽減することができます。

仕事への影響と会社への報告

特に、営業職や配送業、建設業など、運転免許が業務の遂行に必須となる職種の場合、免許停止は死活問題に直結します。

このような場合は隠し通すことは不可能であり、正直に上司に事実を報告し、業務内容の一時的な変更などを誠実に相談する必要があります。

無断で隠していて、後から会社に発覚した場合、信頼関係を著しく損ない、解雇などのより深刻な懲戒処分につながりかねません

報告する際は、まず就業規則を確認し、免許停止に関する規定(報告義務や懲戒事由など)があるかを確認しましょう。

その上で、直属の上司に、違反の事実、免許停止の期間、そしてその間の業務にどう対応したいか(例えば、内勤業務への一時的な変更、公共交通機関を利用しての営業活動の許可など)を具体的に相談します。

自分の過ちを真摯に反省し、業務への影響を最小限に抑えようと努力する姿勢を示すことが、会社の理解を得る上で重要です。

生活のシミュレーションと準備のポイント

日々の生活の中で、どれだけ車に依存していたかを再認識させられるのが免許停止期間です。

お子様の保育園や習い事の送迎、スーパーでのまとめ買い、通院など、これまで無意識に車でこなしていた日常のタスクを一つひとつ洗い出し、具体的な代替策を事前にシミュレーションしておくことが、パニックに陥らないために重要です。

まずは、家族の協力が不可欠です。

配偶者や両親に事情を正直に話し、送迎などを分担してもらえるよう、誠意をもってお願いしましょう。

家族だけで対応が難しい場合は、地域のファミリーサポートやベビーシッターサービス、買い物代行サービスなどの利用も検討します。

また、この期間を乗り切るための「やることリスト」を作成し、公共交通機関の定期券の購入、ネットスーパーへの会員登録、タクシー会社の電話番号の登録などを済ませておくと、いざという時に慌てずに済みます。

不便な生活を強いられることは間違いありませんが、事前の準備とシミュレーションが、その不便さを最小限に抑える鍵となります。

必ず任意保険に入る

自賠責保険のみでは、特に人身事故を起こした場合、補償額が損害額に充たないことが多いです。

そのため、多くの交通事故では任意保険による賠償をすることとなっています。

この任意保険での賠償ができるかどうか、という点は、特に飲酒運転においては実刑なのか、執行猶予なのか、という点が分かれ目になります。

飲酒運転はしてはいけませんが、交通事故というのは飲酒のみならず意図せず起きてしまう物です。

そういった場合に備えて、必ず任意保険には加入をしましょう

二度と繰り返さないために、必ずすべき3つのこと

免許停止や罰金といった法的な処分を受けることは、犯した過ちに対する一つの区切りです。

しかし、それ以上に重要なのは、この経験を心に刻み、二度と同じ過ちを繰り返さないことです。

そのためには単なる精神論ではなく、「飲んだら乗らない」を徹底するための具体的なルール作り、周囲の協力を得て自分を律する環境の構築、そして必要であれば専門家の助けを借りるという、具体的な行動が不可欠です。

自分の未来、そして他人の未来を奪うことのないよう、ここで紹介する3つのことを必ず実行してください。

飲酒の機会がある日は、絶対に車を使わない

最も確実で、最も重要な再発防止策は、飲酒の可能性と運転の可能性を物理的に完全に切り離すことです。

「飲み会には電車やバスで行く」「車で出かけた先で飲むことになったら、車は置いて帰り、翌日以降に取りに行くか、必ず運転代行を頼む」など、飲酒と運転が両立しない状況を自ら作り出し、そのルールを家族にも宣言して徹底することが何よりも重要です。

「少ししか飲んでいないから大丈夫」「少し休んだからアルコールは抜けたはず」といった自己判断が、最も危険です。

アルコールの分解能力には個人差があり、体調によっても大きく変動します。

自分の感覚を過信せず、「少しでも飲んだら、絶対に運転しない」という鉄のルールを自分自身に課してください。

これを徹底することこそが、あなたと社会に対する最大の責任です。

家族や信頼できる友人に過ちを打ち明け、再発防止への協力を誓う

今回の過ちを一人で抱え込み、誰にも知られずに済ませようとすることは、反省を深める妨げになりかねません。

信頼できる家族や親しい友人に、勇気を出して自分の過ちを正直に打ち明けることで、自らの罪と真摯に向き合うきっかけとなり、同時に周囲からの「監視の目」が再犯への強力な抑止力になります。

自分の弱さを認め、正直に話すことは、辛い作業かもしれません。

しかし、それによってあなたは一人ではないことを実感し、精神的な支えを得ることができます。

そして、「もう二度と心配させない」という誓いを立てることで、再発防止への決意をより強固なものにできるはずです。

例えば、「今度飲み会に行くときは、必ず帰りの手段を事前に報告します」と家族に約束するなど、具体的な協力を求めることも有効です。

周囲のサポートを得ながら、二度とハンドルを握らない環境を自ら構築していくことが大切です。

アルコール依存の傾向を感じる場合は、専門機関に相談する

もし、今回の飲酒運転が初めてではなく、以前にも同じようなことがあったり、「お酒を飲み始めると、自分の意思で量をコントロールできない」と感じたりすることがあるならば、それは単に意志が弱いという問題ではなく、「アルコール依存症」という病気の可能性があります。

一人で悩まず、地域の保健所や精神保健福祉センター、アルコール依存症の専門医療機関、あるいは同じ悩みを持つ仲間が集う自助グループ(AAなど)に、勇気を持って相談してください。

アルコール依存症は、専門的な治療や支援によって回復が可能な病気です。

専門機関では、医師やカウンセラーがあなたの状況を親身に聞き、適切なアドバイスや治療プログラムを提供してくれます。

また、自助グループでは、同じ経験を持つ仲間と体験を分かち合うことで、断酒を続けるための力やヒントを得ることができます。

過ちを認めて助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません

未来の自分と大切な人を守るための、最も誠実な一歩です。

まとめ

酒気帯び運転(初犯)は、「少しだけなら」という軽い気持ちが、免許の停止や取消し、そして数十万円という高額な罰金という形で、あなたの社会生活に深刻なダメージを与えます

さらに、事故を起こせば、他人の人生を狂わせ、自分自身も懲役刑という重い十字架を背負うことになりかねません。

失うのは免許やお金だけではありません。

仕事や家族、友人からの信頼といった、お金では決して取り戻せない多くのものを、たった一度の過ちで失いかねない極めてリスクの高い行為なのです。

この記事で解説した罰則や手続きの流れを参考に、まずはご自身の状況を冷静に把握してください。

そして、少しでも不安があれば、できるだけ早く弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

法的な手続きを適切に進めると同時に、二度と同じ過ちを繰り返さないと固く心に誓い、具体的な行動に移すこと。

それが、あなたの未来のために今すべき最も重要なことです。

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この記事の監修者
坪内 清久 (千葉県弁護士会)
弁護士 坪内は、刑事事件の弁護においてご依頼者様が悩んだり心配したりする時間を、なるべく肩代わりしたいと考えております。少しでも悩まれているなら、一度ご連絡ください。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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