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盗撮で裁判になる可能性はある?裁判を回避するためのポイントも解説

盗撮で裁判になる可能性はある?裁判を回避するためのポイントも解説

盗撮行為で検挙された場合、そのあとに裁判となる可能性について不安や疑問を抱く方は少なくありません。

盗撮は撮影罪や迷惑防止条例違反などに該当する行為であるほか、被害者に対する損害賠償責任が生じる行為でもあるため、状況によっては刑事裁判・民事裁判に発展することもあります

本記事では、盗撮事件が刑事裁判や民事裁判になるケースとその流れについて解説します。

裁判を回避するためのポイントもまとめているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

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盗撮をすると、刑事裁判・民事裁判になることはある?

盗撮で検挙された場合は、刑事裁判と民事裁判に発展する可能性があります

刑事裁判は国が犯罪者を罰するためにおこなわれるもので、有罪判決が下されると懲役や罰金刑などの刑罰に処されることになります。

一方、民事裁判は被害者が加害者に対して、慰謝料などの損害賠償を請求するために起こすものです。

ただし、盗撮が発覚したからといって、必ずしも裁判に発展するわけではありません

刑事裁判・民事裁判に発展する可能性については、次項以降で詳しく解説します。

盗撮で刑事裁判になる可能性について

盗撮行為が発覚すると、刑事事件として立件され、検察官による起訴判断を経て裁判に至る可能性があります。

盗撮行為は軽微な犯罪と思われがちですが、実際には刑事裁判に発展するケースが多いことを理解しておかなければなりません

盗撮はどのような罪で刑事裁判になる可能性がある?

盗撮がどの罪に問われるかは、撮影場所や対象などによって異なります

盗撮に対して適用される罪の種類は以下のとおりです。

盗撮で科される可能性がある刑罰の主な種類

刑罰の種類

概要

撮影罪

同意なく人の性的姿態等を撮影する行為に適用される。

2023年7月に新設され、現在では盗撮行為の多くが撮影罪の処罰対象となっている。

法定刑は3年以下の懲役または300万円以下の罰金。

迷惑防止条例違反

各都道府県の条例で規定。

主に公共の場所や公共の乗り物での盗撮行為に適用される。

東京都の場合、法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で常習犯はさらに重くなる。

住居侵入罪

(建造物侵入罪)

他人の住居や建物に正当な理由なく侵入する行為に適用される。

盗撮目的でトイレに立ち入った場合などが該当する。

法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金。

軽犯罪法違反

公衆浴場や更衣室など「人が通常衣服をつけないでいる場所」をのぞき見る行為に適用される。

法定刑は拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)または科料(1,000円以上1万円未満の支払い)。

児童ポルノ禁止法違反

18歳未満の児童の性的姿態を撮影する行為に適用される。

児童ポルノの製造にあたる場合、法定刑は3年以下の懲役または300万円以下の罰金。

盗撮で起訴され起訴されることは少なくない

検察庁の統計によると、撮影罪の被疑者として検察庁で処理された人の起訴・不起訴の状況は以下のとおりです。

起訴

533人(約59.6%)

不起訴(起訴猶予)

246人(約27.5%)

不起訴(起訴猶予以外)

18人(約2.0%)

家裁送致

98人(約11.0%)

合計

895人

撮影罪の被疑者となった場合、約6割が起訴(略式起訴含む)されています。

盗撮で検挙されると、刑事裁判に発展する可能性は決して低くないということです。

盗撮で起訴されても、略式裁判となり罰金刑が科されるケースは多い

盗撮事件の場合は、略式裁判となり罰金刑が科されるケースも多くみられます。

略式裁判とは、公開の法廷で審理をおこなわず、書面審査だけで刑を言い渡す簡易な裁判手続きです。

100万円以下の罰金または科料に相当する事件に適用されます。

盗撮事件では、以下のようなケースで略式裁判になりやすい傾向があります。

  • 初犯である場合
  • 被害が比較的軽微な場合
  • 被告人が罪を認めている場合
  • 示談が成立している場合

実際、多くの盗撮事件は略式裁判で処理され、20万円~50万円程度の罰金刑が科されるケースが一般的です。

ただし、略式裁判でも前科がつくことには変わりありません。

盗撮の罪で起訴され、正式裁判になる可能性が高いケースとは?

盗撮の罪に問われた場合は、略式裁判で済まされず、正式裁判になる可能性も十分あります。

正式裁判とは、公開の法廷で審理を進める手続きのことです。

検察官と弁護人が証拠を出し合ったり、互いの意見を主張し合ったりしながら審理が進められ、最終的に裁判官が判決を下します。

以下のようなケースでは、正式裁判とするために検察官が公判請求をおこなう傾向があります。

  • 常習性が認められる場合
  • 撮影した画像・動画が多数ある場合
  • 撮影した画像・動画をインターネット上に公開した場合
  • 前科がある場合
  • 被害者が複数いる場合
  • 被告人が罪を否認している場合
  • 悪質な手口(仕掛けカメラの設置など)が使われた場合

正式裁判では懲役刑が下されることもあり、たとえ初犯であっても実刑になり得る点に注意が必要です。

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盗撮で民事裁判を起こされる可能性について

次に、盗撮で民事裁判を起こされる可能性について詳しく解説します。

盗撮で民事裁判を起こされ慰謝料が認められる可能性はある

盗撮行為は民事上の不法行為にあたるため、民事裁判で慰謝料の支払いが認められる可能性は十分にあります。

盗撮における慰謝料の相場は、30万円程度が目安とされていますが、実際の金額は事案によって大きく異なります。

慰謝料額が高額になりやすいのは、以下のようなケースです。

  • 盗撮画像・動画が拡散している
  • 同じ被害者を繰り返し盗撮している
  • 隠しカメラを設置するなど悪質な方法で盗撮している
  • 被害者が精神疾患を発症している
  • 被害者が仕事をできない状況になっている

被害者が精神的苦痛を強く訴えている場合や盗撮行為が悪質な場合は、慰謝料が相場よりも高額になる可能性があります

盗撮で民事裁判を起こされることはありえるが、実際には可能性が低い

法的には可能であるものの、盗撮事件で実際に民事裁判にまで発展する可能性は低いといえます。

まず、盗撮事件では示談の成立によって、民事上の問題が早期に解決するケースがほとんどです。

また、裁判を起こすとなると手間も費用もかかるため、被害者が断念することも珍しくありません。

ただし、民事裁判を起こすかどうかは被害者の意向次第なので、少しでも円滑な解決を望むのであれば、弁護士とも相談しながら慎重に対処していくことが重要です。

盗撮による罪で裁判になるのを回避するためのポイント

盗撮事件では、適切な対応を早期におこなうことで、刑事裁判への発展を回避できる可能性があります。

ここでは、裁判を回避するためのポイントを詳しくみていきましょう。

手遅れになる前に、早急に対応を開始する

盗撮事件においては、迅速かつ的確な初動対応が事態の行方を大きく左右します

初期段階での対応が適切であれば、その後の法的手続きにおいて有利な展開を期待できますが、逆に対応が遅れれば遅れるほど、選択肢は狭まっていきます。

とくに逮捕前の段階で弁護士に相談することが重要です。

弁護士による適切な助言を得ることで、身柄拘束という最悪の事態を回避できる可能性が高まります。

一見すると「任意」と思われる取り調べであっても、法的知識なく臨めば、意図せず不利な供述をしてしまうリスクがあります。

警察からの接触があった時点で弁護士への相談を最優先し、冷静かつ戦略的な対応方針を固めるようにしましょう。

また、証拠収集や示談交渉などの重要プロセスは、時間の経過とともに困難さを増していきます。

盗撮事件に直面したときに「様子を見る」という消極的な選択は、往々にして状況悪化させる要因になりかねません

手遅れになる前に、しかるべき場所へ相談しましょう。

盗撮事件の対応を得意とする弁護士に相談・依頼する

盗撮事件を起こした際は、この分野に精通した弁護士の存在が事態打開の鍵を握ります。

経験豊富な弁護士であれば、個々のケースに合わせた最適な対応策を提案・実行することが可能です。

弁護士から取り調べ対応のアドバイスを受けたり、捜査機関に働きかけてもらったりすれば、逮捕回避・不起訴獲得に大きく近づきます。

示談交渉においても、弁護士の介在は極めて有効です。

感情的にもつれがちな当事者間の交渉を、法的見地から冷静に進行させることで、双方にとって最適な着地点を見出せる可能性が高まります。

なお、弁護士選定にあたっては、単に刑事事件全般ではなく、特に盗撮事案における解決実績を持つ弁護士を選ぶことが肝心です。

初回相談の際には得意分野や実績について質問し、自身が直面する事案に適した弁護士であるかを見極めるよう心掛けましょう。

盗撮をしていないなら、否認や黙秘を貫く

冤罪を疑われている場合は、一貫して否認を続けるようにしましょう。

日本の刑事司法システムにおいて、一度おこなった自白をあとで撤回することは極めて困難です。

取調べの場では、憲法で保障された黙秘権を行使することも選択肢のひとつとなります。

取調官に誘導尋問される可能性も否定できないので、弁護士の助言を得られるまでは不用意な発言を控えるようにしましょう。

また、取り調べでは供述調書が作成されますが、安易にサインしないことも重要です。

供述調書は裁判で重要な証拠として扱われます。

事実と異なる点があれば修正を求め、最終的には弁護士にも相談したうえでサインするようにしてください。

盗撮をしてしまったのなら、しっかり反省をする

盗撮行為を実際におこなってしまった場合は、しっかりと反省の態度を示すことも重要です。

事実を歪めたり言い訳したりしていると、警察や検察の心証を悪くし、より厳しい処分につながる可能性があります。

ただし、単に言葉で反省していることを伝えるだけでは不十分です。

再犯防止計画の提示や、専門家によるカウンセリングの受診など、具体的な行動で反省していることを示すようにしてください。

とくに初犯で悪質性が低いケースでは、本人の更生意欲が不起訴処分の獲得に直結することがあります

被害者との示談をなるべく早く成立させる

刑事事件における示談の成立は、裁判回避への重要な一歩になります

示談は当事者間で和解していることの証明になるものです。

被害者から許しを得ていることがわかれば、捜査機関も逮捕や起訴を見送りやすくなります

仮に起訴されてしまった場合でも、示談を理由に量刑を軽くしてもらえることがあります。

とはいえ、加害者が被害者と直接連絡を取れるケースはほとんどありません。

仮に交渉に至ったとしても、足元をみられて高額な示談金を要求されるリスクがあります。

そのため、被害者との示談交渉は弁護士に任せるのが賢明な判断といえるでしょう。

さいごに | 盗撮で裁判にならないためには、早い段階で弁護士に相談を!

盗撮事件は一見軽微な犯罪と思われがちですが、約6割が起訴されています。

起訴を回避するためには、事件発覚直後の初動対応が重要です。

とくに法律の知識を持つ弁護士に相談しているかどうかで、その後の展開は大きく変わってきます。

ひとりで悩み、時間を無駄にすることは状況を悪化させるだけです。

盗撮事件に直面したら、迷わず弁護士に相談し、法の専門家の助言のもとで行動することが、起訴回避への最短の道となるでしょう

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この記事の監修者
幾野 翔太 (大阪弁護士会)
当事務所ではこれまでに多くのご相談・ご依頼をお受けしてきた経験から得られた知識やノウハウを駆使して、ご依頼者様の権利を守るための弁護活動をお約束いたします。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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