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刑事事件弁護士ナビ > 刑事事件コラム > 逮捕された場合の対処法 > 被疑者ノートとは?被疑者の権利を守るツールの入手方法、活用方法を解説
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公開日:2019.4.15  更新日:2020.2.26

被疑者ノートとは?被疑者の権利を守るツールの入手方法、活用方法を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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被疑者ノート(ひぎしゃのーと)とは、被疑者本人が自分で取り調べの状況や内容を記録するためのノートです。

被疑者ノートを使って取り調べについて記録しておくと、後に刑事裁判になったときに「不当な取り調べがあった事実」を立証できるケースがあります。

すると不利な供述調書の証拠価値が失われるなど、被疑者にとっていろいろなメリットがあります。

以下では被疑者ノートの入手方法や活用方法について、詳しく説明します。

被疑者ノートを差し入れましょう

ご家族が逮捕されたら、被疑者ノートを差し入れましょう。

被疑者ノートに記入するようにすれば、冤罪や不当・違法な取り調べを防ぎやすくなります。

たった一人で取り調べを受けるのは、精神的に苦しいものです。

刑事事件が得意な弁護士に、被疑者ノートを差し入れや、接見を依頼しましょう。

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被疑者ノートを作成するメリット

まずは被疑者ノートを作成するメリットをご紹介します。

違法な取り調べの証拠を残せる

取り調べでは、ときに捜査官から暴行を受けたり脅迫されたりなど嫌がらせや違法行為をされるケースがあります。

そのようなとき、捜査官による仕打ちを被疑者ノートに詳細に残しておけば、後に違法取り調べの事実を証明できて供述調書の証拠能力を失わせられる可能性があります。

被疑者の言い分を記録として残せる

取り調べが行われるとき、被疑者がどんなに自分の主張をしても取調官が聞き入れてくれないケースがあるものです。

そんなときには被疑者ノートに自分の主張内容を細かく記しておけば、後に「取り調べ当時から被疑者はこういった認識を持っていた」事実を証明できて、公判供述の信用性を高められます。

弁護人が状況を把握しやすくなる

一般的に弁護人が被疑者の言い分を把握するためには、留置場で直接被疑者と話をして口頭で伝え聞く必要があります。

しかし留置場での接見の限られた時間では、十分に言いたいことを伝えられないケースもあるものです。

そのようなとき、被疑者ノートに自分の主張内容や取り調べの状況を詳しく書いて弁護士に宅下げすれば、弁護士がノートを読んで被疑者の言い分を詳細に把握できます。

接見時間の短縮につながりますし誤解発生の防止にも役立つので、被疑者ノートは被疑者と弁護人とのコミュニケーションツールとしても使えます。

冤罪を防ぎやすくなる

冤罪で逮捕されると、どうしても取り調べは厳しくなりがちです。

朝から晩までぶっ通しで取り調べが行われたり、取調官による脅迫や署名指印の半強要が行われたりするケースもあります。

そのようなときには、被疑者ノートに克明に取り調べ状況を記載するとともに自分の言い分(本当はやっていないなど)を書いておくと、後に裁判になったときに冤罪の証拠として利用できます。

冤罪事件の場合、被疑者ノートの活用は特に重要です。

被疑者ノートの記入方法

被疑者の権利を守るために重要な被疑者ノートですが、どのようなルートで入手し記入すればよいのでしょうか?

被疑者ノートの入手方法

被疑者ノートは「日本弁護士連合会」が発行している冊子です。誰でも無料で日弁連のサイトからダウンロードして利用できます。

被疑者ノート(第6版)|日本弁護士連合会

ただし被疑者本人は逮捕・勾留されているため、自分で被疑者ノートを入手することは通常不可能です。

外にいる家族がサイトからダウンロードしたり弁護士会からもらってきたりして差し入れるか、弁護士が被疑者ノートを差し入れる必要があります。

実際には多くのケースで弁護士が初回接見時に被疑者にノートを差し入れ、書き方の説明などをして被疑者が記録をとりはじめます。

被疑者ノートに記入する内容

被疑者ノートには、以下のような事項を記入します。

  • 取り調べが行われた場所
  • 取り調べの日時
  • 取り調べ開始時間、終了時間
  • 取調官の氏名
  • 取り調べで聞かれた内容
  • 取り調べの状況(黙秘権の告知の有無、暴行、脅迫を受けなかったか、録画の有無など)
  • 調書の読み聞かせの有無
  • 取り調べや読み聞かせで理解できない内容はなかったか
  • 調書の訂正を求めたか
  • 取調官は調書の訂正に応じてくれたか
  • 調書に署名指印したか
  • 取調べ官の態度
  • 供述した内容
  • そのときの健康状態
  • 弁護人と接見したかどうか
  • その他被疑者として取り調べについて残しておきたいことは何でも
  • 弁護人以外に面会した人(いれば)
  • 差し入れの有無や差し入れられた物

被疑者ノートの効果的な記入方法

ノートを書くクセをつける

留置場で弁護士から被疑者ノートを渡されたら、その後取り調べ状況をノートに書くクセをつけましょう。

せっかくノートをもらっても、面倒で書かなかったら役に立ちません。文字を書き慣れていない方もおられますが、「取り調べが終わったらとにかく書く」ことが大切です。

繰り返して習慣になれば、ノートを作成することがさほど苦では無くなるものです。

取り調べが終わったらなるべくすぐにノートを書く

また、取り調べが終わったら「すぐに」ノートに記載することも大切です。時間が経つと、どのような取り調べ内容だったか忘れてしまいます。

後でまとめて書こうと思っていると、まず書かないものです。記憶が新しいうちに書いてしまうのがコツです。

完璧でなくてもかまわない

また「完璧に書こう」と思う必要はありません。たとえば開始時刻と終了時刻を分単位まで正確に書く必要はなく、だいたいの時間でもかまいません。

取り調べで聞かれた内容、自分の答えた内容なども、いろいろな話をしたときなどにはすべて思い出せないケースもあるものです。

完璧を目指すと書けなくなってしまうので、それよりは、だいたいでも良いので記録を残しておく姿勢が大切です。

被疑者ノートを記入する際の注意点

被疑者ノートを記入するとき、以下のような点に注意しましょう。

嘘を書かない

当然のことではありますが、ノートに嘘を書いてはいけません。

自分に有利な証拠をねつ造するために、ありもしない脅迫があったと書いたり、取り調べが行われていない時間に行われたと書いたりすることです。

嘘を書くと被疑者ノート全体の信用性がなくなって、真実の部分まで信用してもらえなくなってしまいます。

また嘘を書く被疑者が現れると他の正直な被疑者にも迷惑がかかります。記憶が曖昧な場合にわかる範囲で書くのはかまいませんが、ありもしないことを創作するのはやめましょう。

わからないことは弁護士に聞く

被疑者ノートを書いていると、書き方がわからないことがありますし「このようなことも書いて良いのだろうか?」と疑問に思うこともあるでしょう。

自分で判断がつかない場合、弁護人に接見に来てもらって途中まで書いた被疑者ノートを示して疑問点を聞き、適切なアドバイスを受けましょう。

自分一人で悩んでいても解決できないので、遠慮無く弁護士を頼ると良いです。

なくなったら次のノートを持ってきてもらう

勾留期間が長くなって何度も取り調べが行われたときや、さまざまな事項を書き込んでいると、被疑者ノートがいっぱいになってしまうケースもあります。

そのようなときには、弁護人に依頼して次の被疑者ノートを差し入れてもらいましょう。被疑者ノートは無償で弁護士会から配布されているので、遠慮する必要はありません。

気づいたことはどんどんノートに書き入れていきましょう。

被疑者ノートの差し入れを弁護士に依頼するメリット

被疑者が被疑者ノートを入手する際には、ほとんどのケースで弁護人から差し入れてもらっています。

弁護人に被疑者ノートの差し入れをお願いすると、単にノートを受け取れる以外にもメリットがあります。

取り調べへの対応に関して、直接助言をしてもらえる

被疑者ノートを差し入れてもらう際には、通常接見も行います。

すると、その場で弁護人から取り調べに対する適切な対処方法についてのアドバイスをもらえます。

日頃から不安や疑問に思っていることがあれば質問をして疑問を解消し、安心できます。

接見禁止でも差し入れ・面会できる

事案によっては被疑者に「接見禁止命令」がついていることがあります。これは、弁護人以外の人による接見や手紙のやり取りなどを禁ずる命令です。

接見禁止がついていると家族であっても被疑者と面談できず、被疑者ノートの差し入れも制限されるケースがあります。

弁護人であれば接見禁止がついていても接見可能ですし、手紙のやり取りも被疑者ノートの差し入れ書き方の説明も自由にできます。

刑事弁護を依頼すれば、釈放や前科回避を期待できる

弁護士に被疑者ノートの差し入れを依頼すると、来てもらった弁護士にそのまま刑事弁護を依頼できます。

すると弁護人が直ちに被害者との示談交渉を始めとした弁護活動を開始してくれるので、早期に身柄を解放してもらえたり不起訴処分を獲得できたりする可能性が高まります。不起訴になったら前科がつく心配もありません。

このように弁護人に依頼できるきっかけができるのも、弁護士に被疑者ノートをもってきてもらうメリットの1つです。

まとめ

刑事事件で逮捕されたとき、なるべく不利益を小さくするには弁護士によるサポートが必要不可欠です。

被疑者ノートの差し入れと共に弁護士に早急に接見に来てもらい、弁護人として選任して刑事弁護を開始してもらいましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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