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盗撮罪とは?適用ケース・刑罰・逮捕後の流れと弁護士相談の重要性を解説

須賀翔紀
監修記事
盗撮罪とは?適用ケース・刑罰・逮捕後の流れと弁護士相談の重要性を解説
  • 「ほんの出来心で盗撮をしてしまった」
  • 「盗撮をしたら、初犯でも懲役や罰金はある?」

軽い気持ちで盗撮をしてしまった、盗撮で家族が逮捕されてしまったという人は、今後の対応が不安になりますよね。

盗撮行為は、2023年に新設された「性的姿態撮影等処罰法」により、撮影罪=盗撮罪となり、これまで以上に厳しく罰せられる犯罪となりました

そこで本記事では、盗撮罪の概要・定義・刑罰や、盗撮罪に該当する具体的な行為を解説。さらに「初犯でも懲役はある?」「罰金刑で済む?」「示談金の相場は?」といった疑問にも回答。盗撮事件の流れについても解説します。

刑事事件は、逮捕後72時間の初期対応が何よりも重要。今すぐ弁護士に相談できる窓口も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

盗撮罪とは?定義を解説

実は日本の刑法には「盗撮罪」という明確な条文は存在しません

一般的には、「正当な理由なく相手の性的な姿態などを無断で撮影した場合」に問われる犯罪を総称して、便宜上「盗撮罪」と呼びます。

盗撮をしてしまった場合、状況に応じて「撮影罪」「迷惑防止条例違反」、住宅に侵入して盗撮した場合は「住居侵入罪」など、複数の罪名が適用されます。

盗撮に関わる法令は主に2つ

盗撮行為を取り締まるための法令はいくつか存在し、状況によって適用される法律が異なります。

その中でも、盗撮に関わる主な法令として、以下の2つが挙げられます。

  • 性的姿態撮影等処罰法(撮影罪)
  • 迷惑防止条例

性的姿態撮影等処罰法(撮影罪・2023年7月に新設)

盗撮をして逮捕された場合、「撮影罪」に問われることになります。

撮影罪は2023年7月13日に施行された新しい法律。従来盗撮を裁く法律は「迷惑防止条例」にしかありませんでしたが、厳密化するために「性的姿態撮影等処罰法」に規定されました。

撮影罪で主に禁止されるのは、「対象性的姿態等」を「撮影」すること。対象性的姿態等とは、性器・胸部・臀部といった性的な部位や着用中の下着、性行為中の姿などを指します。

罰則は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

項目 撮影罪 迷惑防止条例
適用範囲 全国一律 都道府県ごとに内容が異なる
対象となる行為

・正当な理由なく「対象性的姿態等」を撮影する行為

「不同意」「錯誤」にある状態で対象性的姿態等を撮影する行為

・上記で撮影した「性的映像記録」を第三者に提供する行為

「不同意」「錯誤」にある状態で対象性的姿態等を送信させる行為

都道府県ごとに内容が異なる

罰則 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都の場合)
法的根拠 刑法第175条の2(性的姿態の撮影) 各都道府県の迷惑防止条例

撮影罪の大きな特徴は、「全国一律で適用されること」「これまで処罰が難しかった私的空間での盗撮も対象になること」です。

たとえば、自宅や宿泊施設など私的空間での盗撮や、恋人や配偶者との性行為を同意なく撮影する行為なども、この法律によって処罰の対象となります。 

▼過去の盗撮行為は撮影罪の適用対象になる?
  • 撮影罪は2023年7月13日に施行されたため、この日以前におこなわれた盗撮行為については撮影罪は適用されません。
  • 各都道府県の迷惑防止条例など、従前の法律にもとづいて処罰されます。
  • 性的姿態撮影等処罰法

迷惑防止条例

2023年7月13日以前に盗撮をしてしまった場合は、迷惑防止条例に基づいて刑罰が決まります

迷惑防止条例は、各都道府県が独自に制定している条例です。

基本的に禁止される行為は撮影罪と同様ですが、都道府県によって違反となる行為も罰則も異なるのが特徴です。

たとえば、東京都と埼玉県の迷惑防止条例を比較すると、罰則に以下のような違いがあります。

項目 東京都 埼玉県
条例名称 東京都迷惑防止条例 埼玉県迷惑防止条例
盗撮行為の定義

対象:公共の場所又は公共の乗物・通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、衣服等で覆われている他人の身体の一部を、写真機その他の機器を用いて、その衣服等の内部を撮影する行為
※カラオケボックスやトイレなど、私的な場所も対象

対象:公共の場所又は公共の乗物において、人の身体のうち、衣服等により隠されている部分を、写真機その他の機器を用いて、衣服等の内部にカメラを向けたり設置する行為

※下着が見えなくても「撮影しようとした」と認められれば違反となる

盗撮行為に関する罰則

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

6か月以下の懲役または50万円以下の罰金

撮影罪の対象となる具体的な行為

具体的に撮影罪として処罰される可能性が高い行為は、以下が挙げられます。

なかでも、「電車や階段で女性のスカートの中をスマホで撮影する」行為や「小型カメラを仕込む」行為が代表的です。

行為 具体例
公共の場での撮影

電車内や階段で女性のスカートの中をスマホで撮影する

飲食店内で女性の胸部をカメラで撮影する

プライベート空間

会社の更衣室に小型カメラを仕込み無断で撮影する

同居人の入浴をドアの隙間や小型カメラでこっそり撮影する

人物撮影・同意

交際相手との性行為や着替えを無断で録画する

住居侵入

近隣住居の敷地やベランダに侵入し、窓越しに入浴中や着替え中の様子を撮影する

 

悪質な手段

お酒や薬物を摂取させ、意識を失わせた状態で撮影する

なお撮影罪には「撮影未遂罪」が規定されているため、未遂であってもこれらの行為をしようとしたことが発覚した場合は、罪に問われることがあります。例えば、スカートの中が映っていなくても、スカートの中をスマホで撮影しようとしたと認められる行為があった場合は、撮影未遂罪として処罰される可能性があります。

ただし、撮影罪が成立するためには、「構成要件」を満たしている必要があります。以下で詳しく解説していきます。

撮影罪はどんな場合に成立する?(構成要件)

刑法において、ある行為が犯罪として成立するためには、一定の要件を満たす必要があります。

これを「構成要件」と呼びます。撮影罪の構成要件は、以下のとおりです。

  1. 「対象性的姿態等」を撮影していること
  2.  ひそかに撮影していること
  3. 「正当な理由なく」撮影していること

詳しく解説していきます。

①「対象性的姿態等」を撮影していること

「対象性的姿態等」とは、性的な部位や性的な部位を直接・間接的に覆う衣服や性行為中の姿勢や動作を指します。

具体的には以下のような体の部位や行為のことです。スカートや衣服で覆われていたかどうかは関係なく、「対象性的姿態等」を撮影しているかどうかが焦点になります。

体の部位や行為 具体例
性的な部位 性器・肛門・性器や肛門の周辺部・臀部(お尻)・胸部
性的な部位を直接または間接的に覆っている部分 ブラジャー・ショーツ・ストッキング・キャミソール・水着など
わいせつな行為や性行為等がおこなわれている際の姿態 性行為中の姿勢や動作・わいせつなポーズをとっている状態 など

②ひそかに撮影していること

「ひそかに撮影していること」とは、撮影対象者に気づかれないように、隠れて撮影することを意味します。

たとえば、スカートの中にスマートフォンを差し入れて撮影したり、隠しカメラを使って撮影したりすることが該当します。

また、ひそかに撮影した場合でなくても、以下のような方法で撮影すると、撮影罪が成立する場合があります

禁止されている撮影方法 具体例・補足
不同意の状態を利用して撮影する ・睡眠薬や酒を飲ませ意識を失った状態で撮影する
・脅迫して「NO」と言えない状態で撮影する
・交際相手が寝ている間に無断で撮影する
誤信を利用して撮影する ・「撮影しない」と言って安心させたあとにこっそり撮影する
・「健康診断だから」「仕事のためだから」と偽り撮影する
正当な理由がないのに、16歳未満の者を撮影する ・16歳未満の子どもを性的な目的で撮影する
・13歳以上16歳未満の場合、撮影者が5歳以上年上だと違法

③「正当な理由」なく撮影していること

先ほどの「16歳未満の者を撮影する行為」に限っては、撮影をおこなう「正当な理由」がないことも要件になります。

つまり、正当な理由がある場合は撮影罪に該当しない場合があります。

16歳未満の者に対する撮影行為の「正当な理由」の例としては、以下のようなケースが考えられます。

こうした場合、撮影行為が正当な理由があると認められ、処罰の対象にはなりません。

  • 子どもの成長の記録:親が自宅の庭で上半身裸で水遊びをしている子どもの姿を、成長の記録として撮影する
  • 地域の行事:地域の行事として開催される子ども相撲の大会において、上半身裸でおこなわれる相撲の取組を撮影する

迷惑防止条例違反はどんな場合に成立する?(構成要件)

迷惑防止条例は、各都道府県が独自に制定しているため、構成要件もそれぞれ異なります。

しかし、一般的には以下の条件を満たすと、迷惑防止条例違反が成立すると考えられます。詳しい条件は、各都道府県の迷惑防止条例を確認しましょう。

迷惑防止条例の標準的な構成要件
①場所:公共の場所または公共の乗り物 駅・電車・バス・商業施設・トイレ・更衣室・浴室・学校・カラオケ個室など  
②禁止される行為:「撮影」あるいは「撮影しようとする行為」 スカートや胸元を狙って撮影する行為や、隠しカメラを設置する行為など  
③撮影する対象:通常衣服で隠されている下着や身体 下着・スカートの中・裸の状態など

盗撮行為で逮捕されるか不安な人や、家族が逮捕されてしまった人、警察から連絡が来た人は、弁護士に無料相談してみましょう。人に言いにくいことであっても、守秘義務のもと個人情報は保護されます。まずは気軽に相談してみてくださいね。

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実際に逮捕された盗撮事件の事例

これまで、盗撮の定義や関連する法令、犯罪が成立するための要件について解説してきました。

ここからは、実際に逮捕に至った盗撮事件の具体的な事例をご紹介します。

これらの事例を通じて、盗撮がどのように発覚し、どのような法的措置が取られたのかを具体的に理解できるでしょう。

①上皇さまが「玉音放送」を聞いた宿泊施設で盗撮事件

事件の概要

 

宿泊施設の従業員(44歳男性)が、盗撮目的で脱衣所に小型カメラを設置したとして、迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。

 

事件は、浴場の利用者が設置されたカメラに気づき、110番通報したことで発覚しました。施設側はこの事態を受け、新規の宿泊予約を休止することを決定しました。

 

参考:朝日新聞

この事件は、上皇さまが昭和天皇の「玉音放送」を聞いた歴史的な施設で発生したため、特に注目を集めました。

施設は国の文化財にも登録されており、その歴史的価値から多くの観光客が訪れる場所です。

従業員による盗撮行為は、施設の信頼性を大きく損なう結果となり、経営者や地域社会にとって深刻な問題となっています。

②大阪大が教授2人を盗撮で諭旨解雇

事件の概要

 

大阪大学の教授2人が、女性のスカート内を盗撮したとして逮捕・職務質問を受けたことが明らかになりました。これを受け、同大学は2人を諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表しました。

 

教授A

スマートフォンを使って女性のスカート内を撮影したとして、性的姿態撮影等処罰法違反の容疑で警視庁に現行犯逮捕されました。

大学からの調査に対し、過去にも盗撮行為を繰り返していたことを認めています。

 

教授B

女性のスカート内を撮影した疑いで、警察官から職務質問を受け、その場で盗撮を認めました。大学からの調査で過去にも複数回の盗撮を行ったことを認めました。

 

参考:朝日新聞

この事件は、国立大学の教授による盗撮事件であり、教育機関の信頼を大きく損なう事態へと発展しました

両者とも複数回の盗撮を認める証言があることから、今後の再発防止策や処罰の厳格化が求められます。

③教え子の下着ずらし児童ポルノ撮影 経営の男逮捕 スマホに動画1600点

事件の概要

 

兵庫県宝塚市の学習塾で、塾経営者の男性(31歳)が教え子の女子中学生に対して、服の中に手を突っ込み下着を引っ張りながら、スマートフォンで上半身を撮影したとして、性的姿態撮影処罰法違反などの疑いで再逮捕されました。

 

この容疑者は以前にも、別の教え子のスカート内を盗撮しようとしたとして同法違反(撮影未遂)の疑いで逮捕されていました。その際に押収されたスマートフォンからは、塾内で盗撮したとみられる約1600点の動画や画像が見つかっています。

 

参考:産経新聞

この事件は、教育現場における信頼の崩壊を象徴する深刻な事例といえます。

教育機関は、子どもたちが安全に学び成長するための場であるべきですが、教員や経営者による性的な犯罪が発覚することで、保護者や生徒の信頼が大きく損なわれてしまいます

盗撮で逮捕されるケースとは?逮捕後の流れも解説

先ほどの事例からもわかるように、盗撮は重大な犯罪行為であり、逮捕される可能性があります

ここでは、盗撮で逮捕されるケースや逮捕後の流れについて解説します。

盗撮は現行犯逮捕の場合が多い

盗撮事件は、現行犯逮捕されるケースが非常に多いのが特徴です。

被害者や周囲の人が異変に気づき、その場で警察に通報することで現行犯逮捕されます。

現行犯逮捕とは、犯罪がおこなわれている最中や直後におこなわれる逮捕のことで、逮捕状を必要としません。

犯行が明白であるため、警察はその場で被疑者を拘束できます。

また、現行犯逮捕の際には、盗撮に使用された機器(スマートフォンやカメラなど)がその場で押収されることが一般的です。

撮影データが残っているケースが多く、証拠隠滅や逃亡はほぼ不可能となります。

現行犯逮捕では逮捕状なしで直ちに身体拘束がおこなわれるため、弁護士への連絡や相談の時間が限られるのが現実です。

迅速な対応が極めて重要になります。

盗撮で後日逮捕されるケースもある

現行犯逮捕されなかった場合でも、盗撮行為が発覚すれば後日逮捕されることもあります

後日逮捕とは、犯行がおこなわれた日以降に捜査機関が犯人を特定し、逮捕状を請求して逮捕することです。

後日逮捕につながるケース

  • 現場から逃げたが、防犯カメラの映像によって身元が特定される
  • 押収されたスマートフォンやパソコンの解析で、過去の盗撮データが発覚する
  • 被害者の証言や目撃情報から捜査が進み、逮捕される

後日逮捕される場合、通常は逮捕状が発行され、数日から数ヶ月後に警察官が容疑者の自宅や職場を訪れて逮捕することになります。

近年、盗撮に対する規制が強化され、防犯カメラの普及やデジタル技術の発展により、犯罪の証拠が残りやすくなっています。

そのため、現行犯逮捕を免れた場合でも、後日逮捕されるリスクが高まっています。

万が一盗撮行為をおこなってしまった場合は、現行犯逮捕を免れたからといって安心せず、速やかに弁護士に相談することが重要です。

盗撮で逮捕されたあとの流れ

盗撮で逮捕されたあとの流れは、主に「①逮捕から検察への送致→②勾留の手続き→③起訴の判断」の3つの段階に分かれます。

①逮捕から検察への送致

盗撮で逮捕されると、まず警察署で取り調べがおこなわれます。

警察は逮捕から48時間以内に、被疑者(犯罪の疑いをかけられているがまだ起訴されていない人)を検察官に送致するかどうか決定します。

 

取り調べでは、警察官が事件について質問し、供述調書を作成します。

この調書は後の裁判で証拠として使用される可能性があるため、慎重な対応が求められます。

 

②勾留の手続き

検察官は送致された被疑者について、24時間以内に勾留(被疑者を拘束すること)が必要かどうかを判断します。

勾留が必要と判断された場合、裁判官に勾留請求をおこないます。

 

裁判官が勾留を認めると、最大で20日間勾留されることもあります。勾留中、取り調べや証拠収集が続けられます。

 

③起訴の判断

勾留期間が終了する前に、検察官は起訴するかどうかを決定します。

 

起訴されると、被疑者は裁判を受け、有罪か無罪かの判断が下されます。保釈が認められない限り、判決が確定するまで勾留が続くことになります。

 

一方で、不起訴となると裁判に進まず、前科もつきません。

この判断は、事件の内容や被疑者との示談の有無などにもとづいておこなわれます。

このように、盗撮で逮捕されたあとは、逮捕から起訴までの一連の流れがあります。

日本の刑事裁判では、起訴された場合の有罪率は99%以上といわれています。

特に盗撮のような明確な証拠が残る事件では、有罪判決が下される可能性が極めて高いため、各段階で迅速かつ適切に対応することが重要です。

盗撮で逮捕されるとどうなる?

盗撮で逮捕されると、実名報道される可能性や会社や学校への影響など、さまざまな社会的リスクが生じます

▼実名報道の可能性

盗撮事件は、特に社会的関心が高い事件の場合、実名で報道される可能性が高まります。

特に公共性の高い職業に就いている場合や、事件が注目されるものである場合、報道されやすい傾向があります。

 

報道されれば、その情報はインターネット上に残り続け、長期間にわたって社会的信用に影響を与える可能性があるでしょう。

 

▼会社や学校への影響

長期間の勾留が決定されると、無断欠勤や欠席が続くため、周囲に逮捕の事実が知られるリスクが高まります。

 

逮捕が会社に知られると、懲戒解雇などの処分を受ける可能性があります。

企業の就業規則によっては、犯罪行為が発覚すると解雇されることが規程されている場合もあります。

 

また、学生が盗撮で逮捕された場合、学校に知られると停学や退学処分を受ける可能性があります。

特に私立学校では、厳しい処分が下されることが多いです。

これらの社会的リスクを考慮すると、盗撮行為は決して軽視できない犯罪であることがわかります。

一時の感情や衝動に任せて行動することで、自分の将来や周囲の人々に大きな影響を与える可能性があることを十分に認識する必要があります。

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盗撮で逮捕されないケースとは?

盗撮行為が発覚しても、状況によっては逮捕されないケースもあります

ここでは、逮捕を回避できる可能性がある対応について説明します。

ただし、これはあくまでも可能性であり、必ず逮捕を回避できるということではありません

自首をする

盗撮をしてしまった場合、自首をすることで逮捕のリスクを軽減できる場合があります

特に、盗撮に使用したカメラやスマートフォンに保存されているデータを持参し、逃亡や証拠隠滅の意思がないことを示せば、逮捕されない可能性が高まります。

自首は、捜査機関に発覚する前におこなうことが重要です。

すでに捜査が始まっている場合、自首をしても出頭と見なされ、逮捕される可能性があるためです。

自首をすることで反省の意思を示せ、被害者との示談が成立しやすくなります。

その結果、逮捕を回避できるだけでなく、最終的に不起訴処分になる可能性も高まります。

示談交渉をおこなう

被害者と示談交渉をおこなうことも、逮捕のリスクを軽減できる有効な方法です。

示談交渉とは、加害者と被害者(またはその代理人)が事件に関する和解を目指すことです。

示談が成立すると、被害者が警察に対して被害届を提出しないことが多く、これにより警察が捜査を開始することを防げます

つまり、示談をおこなうことで、盗撮の事実が警察に知られることなく済む可能性が高まるのです。

また、すでに逮捕されている場合でも、示談が成立すれば逃亡や証拠隠滅のリスクがないと見なされ、早期の釈放が期待できます

示談が成立していることは、検察官にとっても重要な要素であり、起訴をおこなわない判断材料となることがあります。

これにより、不起訴処分を獲得できる可能性も高まります。

逮捕されなくても刑事事件として捜査の対象となる

盗撮行為が発覚した場合、逮捕されなくても、在宅事件として捜査が進められることがあるため、注意が必要です。

在宅事件とは、被疑者が逮捕されずに捜査が進められる刑事事件のことです。

在宅事件の一般的な流れは、「事情聴取→送検→起訴または不起訴」となります。

この場合、被疑者は身体拘束はされることなく、日常生活を送りながら必要に応じて警察官の取り調べを受けることになります。

強制的な身体拘束を伴う逮捕とは異なり、任意での事情聴取となるため、日程などの調整はある程度可能です。

ただし、取り調べを拒否したり、連絡を無視したりすると、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断され、逮捕される可能性が高まります。

また、在宅事件であっても刑事事件としての捜査は進むため、「逮捕されなければ刑事責任を免れる」というわけではありません。

捜査の結果、犯罪の証拠が十分に揃えば起訴される可能性があり、最終的には裁判で有罪判決を受けることもあります

そのため、盗撮をおこなった場合は、逮捕の有無に関わらず早期に弁護士に相談し、適切な対応を検討することが重要です。

盗撮罪で有罪となった場合の刑罰(罰金や懲役)は?

盗撮罪で有罪となった場合、どのような刑罰が科されるかは、適用される法令によって異なります

ここでは、それぞれの法令による刑罰について解説します。

撮影罪に該当する場合

撮影罪の法定刑は、「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」と定められています(性的姿態等撮影処罰法第2条第1項)。

従来の都道府県ごとの迷惑防止条例よりも厳格な全国一律の基準が設けられ、処罰が強化されています。

さらに、単なる「撮影行為」だけでなく、撮影した画像や動画を保存したり、第三者に提供したりする行為も処罰対象となります。

  • 特定または少数の者に提供した場合: 「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」(性的姿態等撮影処罰法3条1項)
  • 不特定または多数の者に提供した場合や公然と陳列した場合: 「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、またはその両方が科される」(性的姿態等撮影処罰法3条2項)

撮影罪は単に撮影するだけでなく、その前後の行為も含めて幅広く処罰の対象としています。

迷惑防止条例違反の場合

迷惑防止条例に違反した場合、罰則は各都道府県によって異なります

一般的には、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されることが多いです。

また、常習的な盗撮行為の場合、罰則が強化され、「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」が適用されることもあります。

この「常習性」は、過去に同様の違反行為をおこなっていたり、大量の盗撮画像が発見されたりした場合に認定される可能性が高まります。

迷惑防止条例違反は、撮影罪に比べると法定刑が若干軽い傾向にありますが、それでも懲役刑や高額な罰金が科される可能性があるため、決して軽視できるものではありません。

その他の犯罪が成立する場合

盗撮行為は、撮影罪や迷惑防止条例違反だけでなく、以下の犯罪で処罰される場合があります。

住居侵入罪

盗撮行為が住居侵入を伴う場合、住居侵入罪が成立する

「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」が科される(刑法130条)

たとえば、他人の家の窓から覗き見て盗撮するなどの行為が該当する

軽犯罪法違反

撮影をしていなくても、「のぞき行為」が確認されれば軽犯罪法に違反する

「1日以上30日未満の身柄拘束または1000円以上1万円未満の罰金」が科される(軽犯罪法1条23号)

たとえば、スマホの画面を鏡代わりにしてスカートの中をのぞくなどの行為が該当する

児童ポルノ禁止法違反

未成年者を対象とした盗撮の場合、児童ポルノ禁止法に違反する

「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科される(児童ポルノ禁止法第7条第3項および第4項)

18歳未満の未成年者の性的な姿態を撮影する行為は、特に重く罰せられる傾向にある

これらの犯罪が複合的に成立する場合、刑罰が加重されることもあり、より重い処罰を受ける可能性があります

盗撮行為は単独でも犯罪ですが、他の犯罪と併せて処罰されることで、より深刻な結果を招く可能性があることを認識する必要があります。

盗撮の時効は「刑事」と「民事」で異なる

盗撮の時効には、「刑事上の時効」と「民事上の時効」の2種類があります。

▼刑事の時効とは?

刑事の時効が成立すると、警察や検察官はその事件について加害者を逮捕したり、裁判にかけたりできなくなります。

つまり、犯罪として処罰されることがなくなるということです。

 

▼民事の時効とは?

民事の時効が成立すると、被害者は加害者に対して損害賠償を請求できなくなります。

つまり、お金を払って償う責任(賠償責任)がなくなる ということです。

この2つの時効はそれぞれ別に進行します。

そのため、たとえ刑事の時効が成立して逮捕されなくなったとしても、民事の時効が成立していなければ、被害者から損害賠償を請求される可能性があるということです。

刑事の時効

盗撮に関する刑事上の時効(公訴時効)は、適用される法律によって異なります。

具体的には以下のとおりです。

適用される法律・罪名 時効
撮影罪 迷惑防止条例違反 住居侵入罪 児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造) 3年
軽犯罪法違反(のぞき行為など) 1年

刑事の時効は、「犯罪行為が終わった時点」から計算されます

たとえば、盗撮行為が2023年1月1日におこなわれた場合、撮影罪の公訴時効は2026年1月1日までとなります。

ただし、撮影した映像を不特定多数に送信した場合などは、より重い罪に問われる可能性があり、時効が5年に延長されることもあります

民事の時効

盗撮の民事責任にもとづく時効は、以下のいずれか早いほうが適用されます。

  • 被害者が損害と加害者を知ったときから3年
  • 事件発生から20年

民事上の時効は、刑事の時効とは異なり、被害者が損害に気づいたときからカウントが始まります

たとえば、盗撮行為が2023年におこなわれ、被害者がその事実を2025年に知った場合、民事の時効は2028年までとなります。

また、事件発生から20年という長期の時効が設定されているのは、被害者救済のためです。

特に、盗撮のような隠れておこなわれる犯罪では、被害に気づくのが遅れるケースがあるため、長期間の請求が可能となっています。

重要なのは、刑事の時効が成立して処罰を免れた場合でも、民事の時効が残っていれば、損害賠償請求を受ける可能性があることです。

つまり、刑事責任(逮捕・裁判)が問われなくなっても、民事責任(お金を支払う責任)は残る場合があります。

盗撮をしてしまった場合の対処法

もし盗撮をしてしまった場合、適切な対処をおこなうことで事態の悪化を防げる可能性があります

ここでは、その対処法について解説します。

ただし、最善の方法は盗撮行為自体をおこなわないことであり、以下の対処法はあくまでも事後的な対応としてお読みください。

弁護士へ早急に相談する

盗撮行為をしてしまった場合、まずはできるだけ早く弁護士に相談することが重要です。

特に初期対応がその後の処分を大きく左右するため、迅速な対応が必要になります。

弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 今後の対応について法的なアドバイスを受けられる
  • 警察の捜査が始まる前に相談することで、逮捕や起訴を回避できる可能性が高まる
  • 被害者との示談交渉や警察の対応を弁護士が代行してくれる

弁護士のサポートを受けることで、自分だけでは難しい法的手続きや交渉をスムーズに進められます

相談時には、盗撮事件で逮捕を回避するためにできることや、万が一逮捕されてしまった場合の対処法などを相談するとよいでしょう。

被害者との示談交渉を進める

盗撮事件では、被害者との示談交渉が非常に重要です。

示談とは、加害者が被害者に謝罪し損害賠償を支払うことで、被害者が加害者を処罰しない意思を示すことです。

示談が成立すれば、刑事処分が軽減される可能性があり、逮捕や起訴を回避できる場合があります。

もし起訴されたとしても、示談が成立していれば、執行猶予などの寛大な判決を得ることが期待できます。

▼示談交渉は弁護士に依頼することが重要

 

示談を進める際には、被害者との直接のやり取りは避け、弁護士に仲介を依頼することが大切です。

 

警察はプライバシー保護の観点から加害者に被害者の連絡先を教えないため、本人同士で交渉することは難しいからです。また、被害者の心情を考えると、加害者と直接話したくないケースがほとんどでしょう。

 

弁護士は、示談金の適正な金額や支払い条件についても専門的なアドバイスを提供し、公平かつ適切な解決策をサポートしてくれます。

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盗撮に関する相談は刑事事件に強い弁護士に依頼することが重要

盗撮について相談や依頼をするときは、刑事事件に強い弁護士を選ぶことが極めて重要です。

刑事事件は民事事件とは大きく異なり、手続きや対応も専門的な知識が必要となるため、普段から刑事事件を扱っていない弁護士に依頼するのはリスクがあります。

刑事事件に強い弁護士なら、逮捕前後の対応や調査段階で適切なアドバイスをおこなってくれます

たとえば、取り調べの対応方法・自首のタイミング・弁解の仕方など、初期対応において重要なポイントをアドバイスしてくれます。

また、被害者との示談交渉を進める際にも、適切な条件や金額を提示し、成立の可能性を高められます。

刑事事件に特化した弁護士を探すなら「ベンナビ刑事事件」

ベンナビ刑事事件」は、刑事事件に特化した弁護士を簡単に検索できるポータルサイトです。

地域・相談内容・得意分野など、さまざまな条件で絞り込み検索できるため、自分に合った弁護士を手間なく見つけられます。

また、夜間・土日祝に対応可能な事務所も多く掲載されており、緊急で相談したい場合でも安心です。

さらに、初回相談無料や電話・オンライン相談可能な弁護士も多く、気軽に相談を始められます。

盗撮事件は、初期対応が非常に重要です。

そのためにも、「ベンナビ刑事事件」を活用して信頼できる弁護士を早期に見つけ、適切な対応を取ることをおすすめします。

盗撮罪に関するよくある質問(Q&A)

最後に、盗撮に関するよくある質問とその回答をまとめました。

盗撮罪に関する基本的な疑問を解消するためのものですので、参考にしてください。

盗撮罪の示談金相場は?

盗撮事件の示談金相場は、一般的に10万円から50万円程度です。

ただし、この金額は事案の内容や被害者の心情によって大きく変動します。

示談金の金額に影響を与える要因としては、以下が挙げられます。

  • 被害の程度(撮影された部位や状況)
  • 撮影回数
  • 撮影した画像の拡散状況
  • 加害者の社会的立場
  • 被害者の年齢や心理的ダメージ など

特に悪質な行為や被害者が未成年の場合、場合によっては100万円を超えることもあります。

また、示談交渉の進め方や弁護士のサポートが示談金の額に影響を与えることもあります

盗撮で後日逮捕されるには、どれくらいの時間がかかりますか?

後日逮捕は、犯行直後におこなわれる場合もあれば、長期間が経ってからおこなわれる場合もあり、事案によって大きく異なります

逮捕のタイミングは、捜査の進捗や証拠の収集状況に左右されるため、一概にはいえません。

一般的に、防犯カメラの映像解析や関係者への事情聴取には時間がかかることがあり、捜査が長引く要因となります。

また、インターネット上に流出した画像から犯人を特定する場合も、技術的な分析に時間を要することがあります。

盗撮の時効は基本的に3年のため、この期間内であれば逮捕や起訴される可能性があります。

盗撮行為は通報されることがありますか?

盗撮行為は、目撃者によって通報されることが多く、特に公共の場ではその可能性が高いです。

電車内や商業施設など人が多い場所では、周囲の人が不審な行動に気づきやすく、通報につながることがあります。

被害者や目撃者がいる場合、その場で取り押さえられることもありますが、危害をおそれて直接対応せず、警察へ通報するケースも多いです。

特に、最近ではスマートフォンの普及により、不審な行動をすぐに撮影して証拠として残すことも容易になっています。

さいごに|盗撮をしてしまった場合は早急に弁護士に相談を

本記事では、盗撮が成立する条件や実際の事例、罰則の内容、逮捕時の流れと対応策などについて解説しました。

盗撮は、2023年7月に施行された性的姿態撮影等処罰法により、全国一律で厳しく処罰されるようになりました

盗撮行為は単なる迷惑行為ではなく、被害者のプライバシーや尊厳を著しく侵害する犯罪行為であり、法律によって厳しく罰せられます。

盗撮で逮捕されると、場合によっては実名報道されたり、仕事や学校に大きな影響が及んだりなど、取り返しのつかない結果を招く可能性があります。

もし盗撮をしてしまった場合は、早急に刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。

弁護士のサポートを受けることで、逮捕や起訴を回避できる可能性が高まり、被害者との示談交渉も適切に進められます。

一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
須賀翔紀 (東京弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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