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盗撮冤罪にあいそうなときはどうする?推奨される対応とすべきでないことを解説

インテンス法律事務所
原内 直哉
監修記事
盗撮冤罪にあいそうなときはどうする?推奨される対応とすべきでないことを解説

電車内でスマートフォンを操作していたときなど、盗撮を疑われるような仕草をしたと受け取られ、戸惑った経験はありませんか。

突然疑いをかけられると、どう対応すればよいのかわからず、不安になるのも無理はありません。

たとえ盗撮をしていないと必死に説明しても、対応を誤れば、かえって状況が悪化してしまうこともあります。冤罪を防ぐためには、あらかじめ正しい対処法を知ったうえで、冷静に対応することが重要です。

本記事では、盗撮の冤罪に巻き込まれそうになったときの適切な対応や、避けるべき行動について解説します。

盗撮を疑われて対応に困っているときは、ぜひ参考にしてください。

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目次

盗撮の冤罪が起きてしまう主なパターン2つ

盗撮の冤罪が起きてしまう代表的なケースは、以下2つです。

  • 相手が「盗撮された」と勘違いをした

  • 被害者を装い示談金を請求するケースもある

ここでは、それぞれのケースについて、具体的に紹介します。

相手が「盗撮された」と勘違いをした

盗撮の冤罪が発生する原因として多く見られるのが、「勘違い」です。

現在では、ほとんどの方がカメラ機能付きスマートフォンを日常的に持ち歩いているので、ちょっとした行動がきっかけで盗撮と誤解されることがあります。

たとえば、電車内でスマートフォンを操作していた男性が、前に立っていた女性から盗撮を疑われて声をかけられたというケースや、駅のホームでしゃがんで靴ひもを結んでいただけなのに、スカートの中を盗撮したと誤解されてしまうケースもあります。

このように、悪意がなくても相手の受け取り方次第で疑いをかけられてしまうので、誰でも冤罪のリスクにさらされているのです。

被害者を装い示談金を請求するケースもある

盗撮冤罪の事例として、最初から示談金を狙った悪質なケースもあります。

たとえば、本当は被害にあっていないにもかかわらず、「盗撮された」と訴えて金銭を要求するケースです。

悪質なケースでは、通りすがりを装った第三者が突然現れ、「警察を呼ぶよりも示談にしたほうがいい」などと話をもちかけ、加害者として疑われた人に示談金の支払いを迫るという手口もあります。

このようなケースでは、相手は最初から金銭を得る目的で行動しているため、こちらがどれだけ事情を説明しても、誤解が解ける可能性は低いです。

むしろ、安易にその場で話し合おうとすると、脅されてお金を要求される事態に発展する危険があります。

そのため、自分ひとりで対応しようとせず、すぐに弁護士や警察に相談することが大切です。

盗撮の冤罪被害にあいそうな場合の対処法

盗撮の冤罪に巻き込まれそうな場合でも、落ち着いて冷静に対応することが重要です。

ここでは、主な対処法として以下4つを紹介します。

  • 盗撮していないことを一貫して主張する

  • 警察官などに名刺を渡して、逃げるつもりがないことを態度で示す

  • スマートフォンなどのデータを相手や警察官にみせる

  • 盗撮事件の対応を得意とする弁護士に相談する

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

盗撮していないことを一貫して主張する

まずは、相手や警察に対して「盗撮はしていない」と一貫して主張しましょう。取り乱さずに落ち着いて伝えることで、信頼につながります。

また、目撃者の協力を得られれば説得力が増すので、周囲に目撃者がいないか探してみましょう。

そのほか、「両手で荷物を持っていた」など、自分が撮影できる状態ではなかったことを具体的に説明するのも効果的です。

警察官などに名刺を渡して、逃げるつもりがないことを態度で示す

自分が無実であると主張するだけでなく、逃げる意思がないという態度を示すことも重要です。

そのための手段のひとつが、自分の身元を明確にすることです。

たとえば、名刺や身分証明書を駅員や警察官に提示して、名前・勤務先・連絡先などの情報を伝えれば、後日きちんと対応する意思があることを示せます。

スマートフォンなどのデータを相手や警察官にみせる

本当に盗撮をしていないなら、スマートフォンなどに問題となる写真や動画が残っているはずがありません。

そのため、警察や相手にデータを見せ、自分が無関係であることを証明するのも有効です。

ただし、データを見せたとしても、画像や動画を削除したと疑われる可能性があります。事態が落ち着くまでは、なるべく操作を控えましょう。

どうしても連絡を取る必要がある場合は、第三者の監視のもとで操作してください。

盗撮事件の対応を得意とする弁護士に相談する

どんなに説得しても、相手や警察官が納得してくれないこともあります。そんなときは、盗撮事件の対応を得意とする弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談することで、状況に応じたアドバイスをもらえます。

相手や警察官と話し合いをする際にも、事態を収めやすくなるでしょう。

なお、盗撮事件に強い弁護士を効率よく探したいなら、「ベンナビ刑事事件」の利用がおすすめです。

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【弁護士解説動画】盗撮とデータ販売の実態と対処法

弁護士解説動画31分42秒
巧妙化する盗撮の手口と、撮影データが販売・拡散される実態を弁護士が解説
ベンナビ公式チャンネル
この動画でわかること
  • 01:09盗撮が起きやすい場所と、被害の実態
  • 03:30巧妙化する盗撮の手口
  • 08:03撮影データが販売・拡散される仕組み
  • 09:14拡散されたデータを消去する方法
  • 17:51示談金の相場と、逮捕後にたどる流れ
  • 27:38盗撮に気づいたとき、その場で取るべき行動
【関連動画】出演:南村 早紀弁護士(札幌弁護士会)
※本動画の出演弁護士は、本記事の監修者とは異なります。
刑事事件を扱う南村 早紀弁護士(札幌弁護士会)が、盗撮の発生場所・手口から、撮影データの販売と拡散、示談金の相場、被害に気づいたときの対応までを解説した内容を、質問と回答の形に要約しています。
Q盗撮はどこで起きやすいですか?
A最も多いのは駅構内と商業施設で、とくに階段とエスカレーターで発生しています。近年はスポーツジムや職場でも起きており、人が密集するイベントやフェスの会場で撮影された例もあります。
Q撮影されたことに被害者は気づけますか?
A気づかない人が大半です。近づかれた違和感で振り返って発覚するほか、一緒にいた人や周囲にいた人の声かけ、駅の防犯カメラの確認をきっかけに判明することが多くなっています。
Qどのような手口が使われていますか?
A中心はスマートフォンでの動画撮影です。シャッター音が鳴らない、画面が光らない、画面を見えにくくするフィルムを貼るといった方法で、起動していても外から判別しにくくなっています。小型カメラは軽量化と長時間駆動が進み、コンビニや駅のトイレでは操作ボタンの横に開けられた小さな穴に仕込まれていた例があります。
Q撮影されたデータはその後どうなりますか?
A撮影すること自体が目的で、撮った後は見返さない加害者もいます。悪質な例では、X・Instagram・スレッズなどのSNSを通じて販売や送信が行われ、女性になりすまして販売する手口も確認されています。盗撮されたものだと知りながら購入した側も、罪に問われる可能性があります。
Q拡散された画像や動画は消せますか?
Aサイトの運営者やプロバイダに削除を依頼します。見つけたものが転載された3つ目・4つ目であれば、最初に投稿されたものを突き止めない限り拡散が続くため、気づいた時点で早く動くほど広がるリスクを抑えられます。弁護士に依頼した場合の費用は1件あたり数万円から数十万円と幅があり、海外のサイトは削除まで至らないこともあります。
Q盗撮はどんな罪になり、刑罰はどの程度ですか?
A2023年7月13日に性的姿態等撮影等処罰法が施行され、都道府県ごとの迷惑防止条例で扱われていた盗撮が全国共通の犯罪になりました。性的な部位などを撮影した場合は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。撮影したデータを不特定多数が見られる状態で提供・公開した場合は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科となり、特定の相手に渡した場合より重く定められています。提供する目的で保管していた場合は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金です。
Q示談金の相場はどのくらいですか?
A数万円から数十万円での解決が中心で、100万円を超える例は多くありません。撮影の回数や内容、加害者の年齢や支払える金額、被害者が置かれている状況によって変わります。罰金の上限が300万円以下と定められていることも、金額を話し合ううえでの目安になります。
Q男性が被害者になることはありますか?
Aあります。男性の性的な部位を撮影した場合も撮影罪は成立します。加害者が女性である事例もあり、ジムの更衣室や公衆トイレ、温泉などで発生しています。
Q家族や同居人を撮影した場合も罪になりますか?
Aなります。交際相手や家族、同居人を撮影した場合も撮影罪は成立します。売る目的や誰かに渡す目的で保管していれば、保管罪にあたる可能性もあります。
Q盗撮されたかもしれないと思ったら、その場で何をすればいいですか?
Aまず近くにいる人に被害を伝え、警察を呼んでもらう、その場を離れないよう協力してもらうといった対応を求めます。駅であれば駅員にも伝えます。被害者自身が証拠を残すのは難しいため、防犯カメラの映像や、見ていた人の証言が有効な証拠になります。
Q家族が被害に遭った、あるいは加害者になったときはどうすればいいですか?
A被害に遭った場合は、施設や学校の管理者に被害を申告したうえで、本人の心のケアを最優先にします。「短いスカートをはいていたからだ」といった服装を責める言葉は二次被害やトラウマにつながるため避けます。家族が加害者になった場合は、警察と接触しているかをまず確認し、できるだけ早く弁護人を選任します。早い段階で弁護人がつけば逮捕や勾留を避けられる可能性があり、示談が成立すれば前科がつかずに終わることもあります。
出典:本記事に掲載した動画(ベンナビ公式チャンネル「【巧妙化する手口】盗撮/データ販売の実態と対処法を弁護士が解説」2026年8月22日公開、出演:南村 早紀弁護士〔札幌弁護士会〕)の解説内容。法定刑は性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(e-Gov法令検索)による。

盗撮の冤罪で疑われても逃げるべきではない理由

盗撮を疑われると、その場から逃げ出したくなるかもしれません。しかし、逃亡にはさまざまなリスクが伴うので、控えるのが賢明です。

ここから、盗撮を疑われた際に逃亡すると生じるリスクを解説します。

逃亡や証拠隠滅の恐れがあるとして、逮捕される可能性が高まる

盗撮を疑われた際、運良くその場から逃げられたとしても、後日逮捕される可能性があります。

現代では、駅のホームや電車の中など、あちこちに防犯カメラがついているため、警察が防犯カメラの映像を確認すれば、逃げた犯人を特定できます。

被害者の証言や目撃情報などの証拠もそろえば、後日逮捕される可能性も高いでしょう。

また、警察が人を逮捕するときには、「逃亡・証拠隠滅のおそれ」があることが条件です。

盗撮を疑われて逃げてしまうと、逃亡のおそれがあると認定され、逮捕される可能性が高まってしまいます。

損害賠償を請求されたり、より重い刑罰が科せられたりするリスクが高まる

盗撮を疑われた際、現場から逃亡することで、損害賠償請求を受けたり、重い刑事罰を受けたりする可能性があります。

たとえば、逃げるために線路に飛び降りるなどして列車の運行を妨げると、電車の遅れをカバーするために鉄道会社がほかの電車やバスを手配する必要があります。

その際に発生した費用は、損害として後日請求される場合があるのです。

賠償額は、場合によっては数百万円以上にのぼる可能性もあります。

また、逃げた事実が「反省していない」「責任を逃れようとしている」という印象を与え、裁判などで不利に働いてしまう点にも注意が必要です。

万が一盗撮の冤罪で逮捕された場合に、黙秘が有効である理由と注意点

万が一逮捕された場合には、黙秘権を行使して黙秘を貫くことができます。

黙秘権とは、取調べや裁判で話したくないことを話さなくてよい権利です。自白の強要を防ぐために、憲法や刑事訴訟法で保障されています。

黙秘にはメリットもある一方で、注意点もあります。それぞれしっかりと確認して、適切に黙秘権を行使しましょう。

ほかに証拠がないのであれば、証拠不十分で無実と判断される可能性が高まる

黙秘を貫くことで、無実と判断される可能性があります。

刑事手続きでは「疑わしきは被告人の利益に」という考え方が適用されます。この考え方によると、犯罪があったか不明な場合には、無罪となるのです。

そのため、盗撮行為に関する決定的な証拠が不足しているようなケースでは、黙秘を貫くことで「証拠不十分」と判断され、不起訴になる可能性があります。

黙秘によって、誘導的な取り調べでの不用意な発言を回避できる

黙秘を貫くことで、取り調べでの不用意な発言を回避できる点もメリットです。

取り調べの際、警察や検察官が被疑者が罪を認めたという方向に誘導する場合があります。

そのため、うっかり言ってしまった言葉が「罪を認めた証拠」とされてしまうおそれがあるのです。

取り調べでは、下手に状況を説明しようとせず、むしろ黙秘を貫いたほうが不利な状況を回避できる可能性があるでしょう。

黙秘をすることで、取り調べがより厳しくなる可能性もある

黙秘を貫くことで、現実の捜査や裁判の場で不利に働く場合がある点には注意が必要です。

完全黙秘を貫くと、警察や検察は証拠集めに力を入れ、厳しく調べようとする傾向があります。

必要な取り調べが終わらないまま時間が過ぎると、身体を拘束される期間が長くなるかもしれません。

また、裁判の場でも裁判官によっては「黙っているのは、自分に都合の悪いことを隠しているからだ」と考えられてしまい、犯罪の嫌疑が強まる可能性もあります。

黙秘すべきかどうかは状況により異なるので、弁護士に相談するべき

黙秘にはメリットもある一方で注意点もあります。そのため、黙秘を貫くことが適切かどうかは状況により異なります。

正しい判断のためには、刑事事件に詳しい弁護士への相談が欠かせません。弁護士であれば、状況を正しく見極めて、被疑者にとって最善のアドバイスをしてくれます。

また、取り調べ内容を不当に感じたときは、弁護士に相談することで、捜査機関に対して正式に抗議したり、不適切な供述調書を証拠として認めないよう要求したりできます。

盗撮が冤罪の場合に、相手を名誉毀損で逆に訴えることはできる?

盗撮が冤罪であった場合、相手方を名誉毀損で訴えることはできるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

名誉棄損で訴えるのは難しい可能性が高い

結論からいうと、盗撮の冤罪が疑われた場合でも相手を名誉毀損で訴えるのは難しいケースが多いです。


名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪です。冤罪の場合でも、名誉が毀損されれば、名誉毀損罪の構成要件に該当します。

ただし、故意がないときは、犯罪は成立しません。

本当に勘違いであれば、犯罪の故意が認められない場合がほとんどです。

相手が故意に虚偽の申告をしていたのなら、虚偽告訴罪で訴えられる可能性はある

相手がわざと虚偽の申告をしていたのであれば、「虚偽告訴罪」という犯罪に問える可能性があります。

虚偽告訴罪とは、虚偽の告訴・告発をした場合に成立する犯罪です。

「告訴・告発」には、警察に出す告訴状や告発状だけでなく、被害届の提出や口頭での申し出なども含まれます。

たとえば、駆けつけた警察官に対して、「この人に盗撮されました」と虚偽の申告をすれば、虚偽告訴罪の対象となり得るのです。

さいごに | 盗撮の冤罪トラブルに巻き込まれたら弁護士に相談を!

本記事では、盗撮を疑われた際の対処法などについて詳しく解説しました。

現代では、カメラ付きスマートフォンなどの普及により、誰でも盗撮の冤罪にあってしまう可能性があります。

冤罪を証明するためには、適切かつ冷静な対応が必要です。ただし、いかに事情を説明しても、相手に理解してもらえないこともあるかもしれません。

そのため、盗撮の冤罪に巻き込まれたときは、できるだけ早く盗撮事件対応を得意とする弁護士に相談することが大切です。

弁護士は、相手や警察とのやりとりをサポートし、取り調べ時の対応方法をアドバイスしたり、不当な逮捕や起訴を防ぐために働きかけたりしてくれます。

盗撮事件に強い弁護士を探すには、「ベンナビ刑事事件」の利用がおすすめです。

逮捕・勾留の可能性を少しでも下げるためにも、弁護士には早めに相談しましょう。

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この記事の監修者
インテンス法律事務所
原内 直哉 (第二東京弁護士会)
ご相談いただきましたら、これまで様々な業種の会社を経営してきた経験や、弁護士や司法書士といった法律の専門家としての知識を活かして、ご相談者様のお悩み解決にお力添えさせていただきます。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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