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出し子は窃盗罪で逮捕される!?逮捕後の流れと罰則・対処法を解説

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出し子は窃盗罪で逮捕される!?逮捕後の流れと罰則・対処法を解説

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出し子(だしこ)とは、一般的に、振り込め詐欺やオレオレ詐欺などの被害者によって振り込まれたお金を、ATMから引き出す役のことを言います。

詐欺事件の犯罪グループの一員として逮捕されるわけですから、詐欺罪で逮捕されると思う方も多いでしょうが、出し子は窃盗罪で逮捕されることが多いです。

振り込め詐欺やオレオレ詐欺のような特殊詐欺については、被害金の一部が暴力団や犯罪組織の資金源として流用されるなど、社会にもたらす影響は大きく、厳罰化の傾向があります

状況によっては、初犯であっても実刑判決となる可能性もあるため、出し子で逮捕された場合は早いうちに弁護士に相談した方が賢明でしょう。

この記事では、出し子が逮捕されるリスクや問われる罪、逮捕後の流れなどについてくわしくご紹介します。

ご家族や自身が出し子の役割を担ってしまった方へ

出し子は窃盗罪で逮捕される可能性が高いです。

 

ATMに設置されている監視カメラから姿が目撃されているため、出し子は逮捕されるリスクが非常に高いといえます。

特殊詐欺は社会的な影響が大きく、犯罪組織の資金源になっているケースもあるため、厳しい対応になることが予想されます。

 

少しでも状況の改善を目指している方は、弁護士への依頼がおすすめです。

弁護士は下記のようなサポートをすることができます。

 

  • 取調べについての助言
  • 被害者との示談・被害の弁済
  • 保釈の請求
  • 具体的な再犯防止策の提案
  • 犯罪組織との関係断絶 など

 

刑事事件は早い段階での弁護活動が重要になります。

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。

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※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条

この記事に記載の情報は2023年12月08日時点のものです

出し子は逮捕されるリスクが高い

冒頭でもお伝えしたとおり、出し子は振り込め詐欺などの詐欺組織の末端として被害者が振り込むなどしたお金を回収する係で、たとえ出し子本人に犯罪の自覚がなかったとしても、見つかれば逮捕を免れることは難しいです。

知らぬ間に出し子として犯罪に関わっていたとしても「知らなかった」で逮捕されない訳でははない

出し子役はSNS等で『稼げる仕事』『闇バイト』などとして募集されていることが多く、10代20代の金銭的余裕がない方が割のいい仕事と思って応募し、無自覚で犯罪に加担してしまいます

本人としては「犯罪とは思わなかった」という思いがあるかもしれませんが、たとえ深い事情を知らなくても、出し子として逮捕されることは十分にあり得ます。

詐欺事件で捜査された時に出し子が真っ先に逮捕されることが多い

出し子は被害者の口座やクレジットカードなどからお金を引き出す役割ですが、被害者と直接接点を持つことがあるため、詐欺事件として捜査された時に一番目を付けられやすいです。

言い方は悪いですが、犯行の中心人物よりも真っ先に逮捕されやすい、捨て駒のような役割です。

事実、ATMから出し子が現金を引き出している監視カメラの映像をもとに捜査がされ、そのまま逮捕されるケースが多くあります。

出し子をして逮捕された場合の罪と罰則

ここでは、出し子をして逮捕された場合の罰則について解説します。出し子は詐欺組織の末端として活動しますので、詐欺罪で逮捕されると思っている方も多いでしょうが、実は窃盗罪で逮捕されることが多いです。

出し子は窃盗罪で逮捕されることが多い

繰り返しますが、出し子として他人の金銭を引き出した場合は窃盗罪が成立し、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

(窃盗)

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法第235

出し子が詐欺罪にならない理由|受け子との違い

詐欺罪が成立するためには、「人を欺いて財産をだまし取る」ことが要件としてありますが、出し子の多くが被害者の口座等から不正に金銭を引き出しているに過ぎないので、詐欺罪には該当しません。

一方、出し子と似た役割に『受け子』があります。受け子は詐欺事件において被害者から直接的に金銭を受け取る係となります。

ただ、見ず知らずの人間が大金を受け取りに来ても被害者の方も簡単には受け渡さないでしょうから、受け子は警察や弁護士などの権威ある人物を装って被害者と接触することが多いです。

この立場を偽る行為が人を欺く行為になり得ますので、受け子は詐欺罪として逮捕される可能性が高くなります。

逮捕された場合の量刑の判断基準

罰則の重さである量刑は、被害額がどれほどか被害者との間で示談が成立しているか詐欺グループとどのような関係にあるかなど、さまざまな要素から判断されます。

初犯であることが考慮されることも考えられますが、必ずしもそれだけで刑が軽くなるとは限りません。

初犯で被害額も小さく、詐欺グループ内での関わりが薄い場合などは、執行猶予付き判決や罰金刑となる可能性も考えられます。

ただし、初犯であっても被害額が大きく、詐欺グループ内での関わりが深い場合などは、実刑判決となる可能性もゼロではありません

《量刑を判断する要素》

被害額・報酬

被害額が大きいほど罰則も重くなりやすいです。また、出し子は被害額の一部から報酬を得ることが大半で、報酬が大きいほど厳しく罰せられる可能性があります。

回数・活動期間

出し子として犯行を重ねた数だけ厳しい罰が与えられやすいです。初めてであれば、不起訴や執行猶予などが獲得できる可能性も高くなりますが、他の要素も加味されるので、絶対ではありません。

示談・弁済

被害者と示談が済んでいる場合やすでに弁済できている場合は、量刑が軽くなりやすいです。

本人の反省

本人に罪の意識がなく反省も薄いようであれば、厳しく罰せられる可能性が高くなります。

前科・前歴

逮捕されれば、本人の犯罪歴・逮捕歴は簡単に調べられます。同種の前科・前歴があった場合、前回の罪から反省していないとして、厳しい罰を受ける可能性が高くなります。

未成年者の場合

お伝えしたように、出し子は、「稼げるバイト」として求人募集されることが多いため、未成年が犯罪に関与してくることも少なくありません。

被疑者が未成年者であっても、14歳以上であれば成人の場合と同じく逮捕され勾留手続きが進められますが、逮捕・勾留後は家庭裁判所にて鑑別所に収容するのか在宅観護とするのかなどについて決められる点が異なります。

裁判官によって今後の処遇が下されると、少年鑑別所への収容などを経て、少年審判にかけられます。少年審判では、保護処分(保護観察・少年院送致)とするのか、または不処分とするのかなど最終的な処分が下されます。

出し子をして逮捕された後の流れと傾向

出し子で逮捕された場合、以下の流れで手続きが進められます。

出し子で逮捕された後の流れ

以下のとおり手続きごとに期限が定められているという点がポイントです。

  • 警察による取調べ|48時間以内
  • 検察による勾留判断|24時間以内
  • 勾留|10日間以内
  • 勾留延長|10日間以内

振り込め詐欺のように複数人が関わっている事件の場合は、全容を調べ切るまでに時間がかかることが多くあります。

そのため勾留延長となるケースも多く、被疑者は起訴・不起訴判断が下されるまで最大23日間身柄が拘束される可能性があります

また、起訴されると勾留期間はさらに延長され、原則2ヶ月間勾留されます。ただし勾留期間は1ヶ月ごとに更新可能であるため、裁判が長引けば長引くほど勾留されることになります。

組織犯罪は身柄拘束が長引くことが多い

特殊詐欺などの組織犯罪では、逮捕者の身柄拘束が長引くことが十分に考えられます。

お伝えしたように、組織的な詐欺事件では出し子など比較的発見しやすい人物を逮捕して、そこから事件に関わっている人物をあぶり出していく捜査がされることも多いです。

逮捕した人物が組織の仲間に逃亡や証拠隠滅の指示を出さないために、簡単には身柄拘束が解かれません。

学校や仕事など、普通に社会生活を送っている人が1~2週間も身柄拘束されてしまえば、どれだけ社会生活に悪影響を及ぼすかは容易に想像ができるでしょう。

逮捕された場合の適切な対応

たとえ詐欺グループの末端である出し子であっても、逮捕されて厳しく罰せられる可能性は十分にあります。

しかし早急に対応することで、社会的影響を少しでも減らすことが可能になります。ここでは、出し子で逮捕された場合の対応について解説します。

弁護士に相談する

逮捕された場合、何よりもまず、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談することで、取調べ時に適切な供述を行うためのアドバイスをしてもらえたり、詐欺グループと縁を切るための援護をしてもらえたりと、法的視点からのサポートが受けられます

また、振り込め詐欺のような組織的犯罪の場合、被疑者には『弁護士以外とは接見できない』という接見禁止処分がつけられることがありますが、弁護士であれば、裁判所に対し、弁護士以外(家族など)とも接見できるよう、接見禁止の全部または一部の解除を申し立てることができます。

なお、中には詐欺グループによって被疑者に弁護士がつけられることもあるようですが、注意が必要です。

このような場合、十分な弁護がされず、社会復帰後も詐欺グループとの関係が続く可能性も十分に考えられます。そうならないためにも、いち早くご家族の方が弁護士を選任してあげましょう。

また、どの弁護士を選択するかを最終的に決定するのは被疑者本人ですが、家族の方でも、信頼のおける弁護士にサポートを依頼するなどの対応を取るべきでしょう。

なお、刑事事件を担当する弁護士は当番弁護士私選弁護人国選弁護人などがありますが、依頼費用や依頼できるタイミングなど、それぞれ特徴が異なります。

弁護士の種類

弁護士の種類や良い弁護士の選び方、依頼費用などについては以下の記事をご覧ください。

被害者と示談交渉する

被害者との間で示談が成立している場合、当事者の間では問題が解決していると判断され、執行猶予がつけられたり保釈が認められたりと、被疑者にとって有利に働く可能性があります。

ただし、一般的には「加害者とは顔を合わせたくない」と考える被害者がほとんどです。被害者と直接示談交渉を行おうとしてもスムーズに成功することは少ないため、示談交渉を行う際は、間に弁護士を挟むことをおすすめします

弁護士を交えることで、互いの連絡先を知られずに示談交渉が進められるだけでなく、弁護士監督のもと『今後被害者とは接触しない』という旨を示談書に明記することなどもできるため、より示談が成立する可能性が高まるでしょう。

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出し子が逮捕された事例

出し子の男および出し子役を募る男を逮捕

医療費還付をかたり、高齢の男性から約40万円を振り込ませたとして出し子の男と出し子募集をしていた男が逮捕された事件です。

出し子を募っていた男の逮捕は、先に逮捕されていた出し子の男のスマホ解析が決定打になりました。

お金に困って出し子をした少年を逮捕

新型コロナウイルスの影響でアルバイトのシフトが減り、出し子を行ったとして19歳の少年が逮捕された事件です。

『単発で稼げる仕事』『闇バイト』などの認識で加担しても、れっきとした犯罪行為です。ちょっとした認識の甘さで、逮捕されて今後の人生を大きく狂わされることも十分に起こり得ます。

出し子を行った一家を逮捕

高齢者から現金約1,000万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで一家3名が逮捕されました。

捜査によると、証券会社社員と偽って被害者宅に電話をかけ、「社債購入トラブルを解決するためにお金が必要」と持ちかけ、現金を振り込むよう指示。夫がATMから現金を引き出し、妻と娘が協力してコインロッカーに移動させていたとのこと。

一家は、容疑について一部否認しているとのことですが、警察は「3名とも詐欺グループに属しており、組織内では出し子を担当していた」とみて、さらなる調査を進めています。

まとめ

振り込め詐欺のような特殊詐欺については、1人が逮捕されれば芋づる式で仲間や末端の出し子が逮捕されることも十分にあり得ます。

反社会的勢力との繋がりがみられるケースが多いため、量刑判断時には厳しく罰せられる傾向にあり、執行猶予付き判決・罰金刑となる可能性もありますが、ケースによっては実刑判決となることもあります

逮捕後は、警察による取調べや検察による勾留判断など、期限に則って手続きが進められていくため、迅速に対応する必要があります。

特にこれまで刑事手続きを受けた経験がない方などは、知識・経験のある弁護士に相談することで、現状の整理や今後の方針策定、各手続きについてスムーズに済ませることができるでしょう。

ご家族や自身が出し子の役割を担ってしまった方へ

出し子は窃盗罪で逮捕される可能性が高いです。

ATMに設置されている監視カメラから姿が目撃されているため、出し子は逮捕されるリスクが非常に高いといえます。

特殊詐欺は社会的な影響が大きく、犯罪組織の資金源になっているケースもあるため、厳しい対応になることが予想されます。

 

少しでも状況の改善を目指している方は、弁護士への依頼がおすすめです。

弁護士は下記のようなサポートをすることができます。

 

  • 取調べについての助言
  • 被害者との示談・被害の弁済
  • 保釈の請求
  • 具体的な再犯防止策の提案
  • 犯罪組織との関係断絶 など

 

刑事事件は早い段階での弁護活動が重要になります。

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
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弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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