窃盗罪初犯で逮捕されたらどうなる?よくある疑問や今後の対応を解説

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窃盗罪初犯で逮捕されたらどうなる?よくある疑問や今後の対応を解説
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刑事事件コラム
2018.3.16
傷害罪 暴行罪 弁護士監修記事

窃盗罪初犯で逮捕されたらどうなる?よくある疑問や今後の対応を解説

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窃盗罪で有罪判決が下された場合の刑罰は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっていますが、被害者との示談や前科の有無によって量刑判断は変わります。特に被害者との示談が成立しているかどうかが重要です。

 

事件の内容によっては示談交渉に応じてもらえないこともあるでしょう。万一ご家族が逮捕されてしまった場合は、逮捕後すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

 

この記事では自分や家族、知人が窃盗行為を働いてしまった人に向けて、主に次の3点をお伝えします。

 

  1. 窃盗罪初犯で逮捕された場合によくある疑問
  2. 窃盗罪で逮捕された後の流れ
  3. 処分を軽減するためにできること

窃盗罪初犯の場合によくある疑問

窃盗を犯してしまった場合、その後どうなるのかが気になることでしょう。

 

実刑判決が下されることはあるのか?

初犯であっても犯行が悪質、そして被害の結果が甚大な場合は実刑判決が下されることもあります。しかし、逮捕後適切な対応をすることで不起訴となることも。万一起訴されても減刑されることもあります。

 

釈放するためにはどうすればよいのか?

釈放されるためには、在宅事件扱いにしてもらったり勾留請求に対して準抗告を行ったりとさまざまな方法があります。ただ、手続きには法的知識が必要なため、状況に合った対処法を確認することも踏まえ、弁護士への相談をおすすめします。

 

釈放を目指すためにできることは『窃盗事件で弁護士へ相談する3つのメリット』にてお伝えします。

 

不起訴になる?

初犯だからといって必ず不起訴になるとは限りません。しかし、被害者との示談が完了している場合は不起訴となる可能性もあります。ただ、逮捕されてから起訴されるまでは23日間しかありません(勾留が延長されなければ13日)。

 

早急に示談交渉を進めるのが好ましいですが、被害者感情次第では交渉に応じてもらえない場合もあります。

 

刑罰が軽減される?

初犯だからといって一概に刑罰が軽減されるとは限りません。刑罰は犯行の悪質さや結果の重大さも鑑みて判断されるからです。ただ、初犯であることを考慮して判決が下される場合もあります。

 

次の裁判例は横領罪のものではありますが、2人の被告人のうち、窃盗罪の前科がある被告人Y1よりも、初犯の被告人Y2の方が軽い刑罰を下されていることがわかります。

 

被後見人の立場を利用した預金着服

【刑罰】

  • 被告人Y1:懲役3年
  • 被告人Y2:懲役1年
  • 未決勾留日数中、被告人Y1に対しては20日を、被告人Y2に対しては30日を、それぞれその刑に算入する。

【概要】

  • 被告人Y1は被告人Y2の妻
  • 被告人Y2は実母の後見人
  • 両者は共謀のうえ、被後見人名義の定期預金を保管中に自己の用途に消費する目的で現金307万9,645円を着服
  • 別の機会において79回にわたり、自己の用途に消費する目的で現金合計2,135万5,000円を着服
  • 被告人Y1は窃盗罪による前科があること、被告人Y2は初犯であることを考慮

<参考>

事件番号 平28(わ)1289号

事件名 業務上横領被告事件

文献番号 2016WLJPCA10136003

 

執行猶予になる?

執行猶予についても不起訴や刑罰の軽減と同様、犯行の悪質さや結果の重大さ、示談交渉の成否などを鑑みて執行猶予付与が判断されます。ただ、再犯の場合と比べれば、執行猶予を得られる可能性はあるでしょう。

 

次の裁判例では、窃盗未遂で逮捕された被告人に、2年6ヶ月の懲役と、裁判確定の日から3年間の執行猶予の判決が下されています。

 

売上金の窃盗未遂

【刑罰】

  • 懲役2年6ヶ月
  • 判決確定の日から3年間を刑の執行猶予期間とする

【概要】

  • 売上金の保管者に睡眠薬を服用させて昏睡状態にし、窃盗しようとしたが失敗
  • 被告人が不遇であり、若年かつ初犯であることを考慮

<参考>

事件番号 昭35(う)244号

事件名 昏酔強盗未遂・窃盗被告事件

文献番号 1960WLJPCA10250006

 

仮釈放を受けやすい?

仮釈放は刑務所内での反省・更生の様子によって判断されるものです。そのため、初犯・再犯はあまり関係なく、刑務所内で真面目に服役をしたかどうかによって仮釈放を受けられるかが決まりそうです。

 

示談金額は安くなる?

初犯であっても再犯であっても示談金額は同程度でしょう。その理由として、被害者にとっては加害者が初犯でも再犯でもそこまで重要ではないことがあげられます。

 

以下の表が示談金相場です。

窃盗罪規模

示談金額相場

少額

被害金額~被害金額+20万円程度

高額

被害金額~被害金額+40万円程度

 

 

窃盗罪の概要

ここでは、窃盗罪とはどのような罪なのか簡単にお伝えします。

 

窃盗罪の構成要件

窃盗罪の構成要件は以下の4つです。

  • 窃取行為
  • 財物の占有移転
  • ①と②の因果関係
  • 故意と不法領得の意思

この4つすべてを満たした場合に窃盗既遂罪が成立します(既遂とはある犯罪が完成した状態をさします)。

 

窃取行為

窃取とは他人の意思に反して財物の占有を移転させようとする行為です。

 

財物の占有移転

窃盗が既遂となるのは財物の占有が他人から自分に移転した時点です。例えばひったくりの場合、被害者のバックがひったくり犯の手に渡った段階で財物の占有が転移したことになります。

 

因果関係

犯罪が既遂となるには実行行為と結果の間に因果関係がなくてはいけません。窃盗行為の場合、窃取行為と財物移転の因果関係が否定されることはまずありません。

 

故意と不法領得の意思

窃盗罪の主観的構成要件は故意と不法領得の意思です。

  • 故意とは他人の占有を侵害する行為について認識・容認していること
  • 不法領得の意思とは窃取物について所有者として振る舞う意思、および、経済的効用を得ようとする意思をいいます。たとえば、『人から傘を盗む、そしてその傘を使用しようとする意思』が該当します。

 

窃盗罪の刑罰と時効

窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

(窃盗)

第二三五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する

引用元:刑法235条

 

また、窃盗罪の公訴時効は犯罪行為が終了した時点から数えて7年です。7年を超えてしまうと検察は犯人を起訴できなくなります。

 

未成年が窃盗行為をはたらいた場合

未成年が窃盗行為をはたらいた場合にはどうなるのかお伝えします。

 

犯行後の流れ

14歳以上の場合|成人と同様の流れをたどる

14歳以上の場合は成人と同様に刑事責任能力があると見なされます。そのため、窃盗行為をはたらいた場合は逮捕されて取調べを受けることになります。

 

その後の詳細については『窃盗罪で逮捕された後の流れ』をご覧ください。

 

14歳未満の場合|逮捕されず、検察か児童相談所へ

14歳未満の場合は刑法第41条によって刑事責任能力を持たないとされるため罰されることはありません

 

(責任年齢)

第四一条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

(刑法第41条|刑法)

 

そのため、初めから児童相談所に預けられるか、検察からの取調べ後に家庭裁判所へと身柄が送致されます。その後保護観察がついたり少年院に送致されたりします。詳しくは、鑑別所と少年院の違い|鑑別所の役割と観護措置を回避する方法をご覧ください。

 

学校への連絡|家庭裁判所から伝達される可能性

警察から学校へ連絡がいくことはないでしょう。ただ、窃盗した少年の普段の素行を聞くために家庭裁判所が学校に連絡することがあります。その際に窃盗の事実が学校側に伝わる可能性はあります。

 

処分の軽減措置|『若年』の考慮が多少あり

執行猶予になる?』の裁判例で見たように、『若年を考慮して』というケースもあるようです。しかし、すべての場合に適用されるとは言い切れません。

 

窃盗罪で逮捕されるまでの経緯

窃盗行為をはたらいてから逮捕されるまでの流れをお伝えします。

 

現行犯逮捕の場合

窃盗罪における現行犯逮捕は窃盗行為の直後に逮捕されることが特徴です。たとえば、コンビニで万引きをしたところを店員が目撃して身柄を押さえた場合、この時点で現行犯逮捕が成立します。

 

通常逮捕の場合

窃盗罪における通常逮捕は、後日逮捕状を持った警察官に逮捕されることが特徴です。たとえば、コンビニの防犯カメラに万引きの瞬間が収められており、それをもってコンビニ店員が警察に被害届を出して、後日警察に逮捕されるケースなどが考えられます。

 

逮捕されない場合

逮捕の必要性がない場合は逮捕されません。逮捕の必要性は逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合のことを指します。

 

もっとも、逮捕の必要性はよほどのことがない限り否定されませんので、身元を明かしたり、自首をすれば必ず逮捕されないというものでもありません。

 

窃盗罪で逮捕された後の流れ

窃盗罪で逮捕された後の流れは以下の通りです。

不起訴に持っていきたいのであれば、検察の起訴・不起訴が決定される前(逮捕後23日以内に判断される)に必要な弁護活動を完了しなければなりません。また、不起訴ではなく執行猶予付き判決を得たいという場合も同様に早く行動するのが好ましいでしょう。起訴後~刑事裁判にかけられるまでの期間は、1ヶ月程度しかありません。

 

  • 「逮捕後はどのような流れになるのか?」
  • 「どうしたら釈放されるのか?」

など、逮捕後に気になることや逮捕後の流れなどについて刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応にてお伝えしていますので、こちらご覧ください

 

窃盗事件で弁護士へ相談するメリット

窃盗事件で自分や家族、知人が逮捕されたときに弁護士に依頼するメリットをお伝えします。

 

家族が逮捕され、今後どうなるのかわからない場合のメリット

ここまででお伝えしてきたように、同じ窃盗罪初犯であっても、犯行の程度によって今後の流れや適切な対応が変わってきます。今後の流れに関してより具体的なことを理解するには、弁護士に相談するのがベターです。

 

当サイトから、お住まいの地域で刑事弁護をしている弁護士を探すことも可能です。相談無料の事務所もありますので、ぜひ確認してみてください。

 

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早期釈放のための弁護活動

在宅事件への切り替え要請や勾留請求却下のための準抗告をしてくれる

逮捕された場合、早期釈放を求めるのは自然でしょう。身体拘束が続いたままでは心身への負担は大きいですし、日常生活から隔絶されたことで会社から解雇されたり、居宅の賃貸借契約を解除されたりという不利益を被る可能性もあります。

 

早期釈放に向けた弁護活動として、勾留に対する準抗告などの手段がありますが、手続きは複雑で難解なものばかりです。家族が代理で手続きを行ったとしても、作業に時間がかかってしまい提出が遅れる・適切かつ効果的な対応ができないことが想定されます。

 

弁護士に依頼すれば、次のような弁護活動を期待できます。

期間

弁護活動の例

取調べ・捜査期間

違法不当な取調べがないかチェック→あればやめるよう強く抗議

警察からの取調べ中

釈放の要請

検察からの捜査中

在宅事件への切り替えを要請

勾留請求されたとき

裁判官に対して勾留請求の却下を招請

裁判官が勾留を決定したとき

準抗告の申し立て

勾留中

勾留理由の開示請求

→裁判官へ再検討の要請

勾留延長請求が提出されたとき

裁判官に対して勾留延長請求却下の要請

裁判官が勾留延長を決定したとき

準抗告の申し立て

 

不起訴のための弁護活動

示談交渉をサポートしてくれる

示談交渉は、検察が起訴・不起訴を判断する上で、重要な検討材料になります。

 

不起訴判断をもらうためにも示談交渉に動くことは望ましいですが、早期釈放されていたとしても直接被害者に会うことは望ましくありません。被害者が加害者(およびその家族)と直接会うと、事件時の記憶や印象を思い出し、混乱や怒りにつながって結果的に状態を悪化させる可能性があるからです。そもそも会ってすらもらえない場合もあるでしょう。

 

示談交渉で失敗しないためには、弁護士に代理で交渉をしてもらった方がよいでしょう。

 

反省を示す際のサポートをしてくれる

刑罰の目的は犯罪者の反省と更生を促すことです。そのため、検察官や裁判所に反省の念を理解してもらうことはそれなりに重要です。反省を伝えるための手段として反省文や謝罪文を用いることがありますが、弁護士に依頼すればサポートしてもらえます。

 

減刑のための弁護活動

示談交渉や反省文作成のサポートをしてくれる

上記示談交渉や反省文等は起訴された後にも有効な弁護活動といえます。

 

裁判で不利にならないように弁護してくれる

裁判では被告人や証人から直接話を聞きます。

法律・交渉のプロである弁護士に依頼すれば裁判で適切に弁護をしてくれます。

 

まとめ

この記事では窃盗罪における以下の事項などについてお伝えしました。

  • 窃盗罪初犯での疑問
  • 窃盗罪の概要
  • 事件解決に向けて弁護士に相談するメリット

窃盗罪は日本における犯罪のうち最も多く、その件数は年間20万件以上です。窃盗などの犯罪とは無縁と思っていてもいつの間にか窃盗罪に巻き込まれる可能性もあるでしょう。

 

万が一、自分や家族、知人が窃盗罪で逮捕された場合には、今後の人生をやり直すためにも適切な対応を心がけたいものです。

 

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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