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公開日:2020.2.13  更新日:2020.2.12

窃盗罪で起訴されるリスク|起訴までの流れや不起訴になる可能性も解説

東京スタートアップ法律事務所
中川 浩秀 弁護士
監修記事
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罪を犯すのは、悪いことばかりを考えているような人や、乱暴な人ばかりではありません。

「つい魔が差して」、「ちょっとしたでき心で」といった言い訳に象徴されるように、人の金品を盗む、いわゆる「泥棒」とよばれる行為は、特別に悪人が犯す犯罪とは言い切れないのです。

日ごろ善良な人でも一時的に金銭に困っていた場合や、精神疾患にかかっていた場合、仕事やプライベートにおいて大きなストレスを抱えていた場合には、手を出してしまうことも皆無とは言い切れません。

しかし万引きや自転車泥棒といった比較的に軽微な泥棒行為でも、法律に照らせば「窃盗罪」というれっきとした犯罪になります。

窃盗罪で起訴されてしまうと、どのような流れで処罰を受けることになるのでしょうか?窃盗の罪を犯してしまえば、必ず起訴されてしまうのでしょうか?

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刑法第235条|窃盗罪

窃盗罪は刑法第235条に規定されています。まずは窃盗罪が成立してしまう条件を、確認してみましょう。

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法第235条 窃盗

窃取とは一般的に、「こっそりと盗み取る」ことを指しますが、現行法に置いては「所有者の同意なく奪い取ること」を指します。

こっそりと盗むことだけではなく、ひったくりといった行為でも窃盗罪が適用されるのです。また行為の程度によっては、強盗罪が適用される可能性もあります。

参考記事:強盗で逮捕されたら|罪の重さと逮捕後の流れ・対処法

窃盗罪の成立に金額・物品は関係ない

条文の規定をみると、「他人の財物を窃取した者」が処罰対象です。

万引きでは店舗にならんでいる商品を、自転車泥棒では他人の自転車を、空き巣やスリなどでは財布や金銭を盗むことで窃盗罪が成立します。つまり、盗む対象物はお金でも物品でも関係ありません。

金額の大小や物品の価値も問わないので、極端なことをいえばわずか100円、トイレットペーパーなどのお店の備品、駄菓子ひとつでも窃盗罪に問われることになります。

さらに過去の裁判をみると「管理可能なものは窃盗の対象になる」と判示されているため、電気なども窃盗罪の対象になっているのです。

窃盗で逮捕されてから起訴までの流れ

窃盗罪で逮捕されてしまった場合、どのような流れで起訴にいたるのでしょうか?

勾留までの最長で72時間

警察に逮捕されると、まず警察署の留置場で身柄を拘束されて取調べを受けます。自由な外出はもちろん、携帯電話なども使えないので外部への連絡も不能です。

取調べを終えると、逮捕から48時間以内に検察官へと身柄が引き継がれます。この手続が、ニュースなどで「送検」と呼ばれている「検察官送致」です。

身柄の送致を受けた検察官は、さらに24時間以内に被疑者を勾留請求するか、勾留請求せずに釈放するかを判断します。

「逃亡や罪証隠滅のおそれがあるので身柄を拘束する必要がある」と判断した場合、検察官は裁判官にさらなる身柄拘束を求めます。これが「勾留請求」です。

つまり、勾留までには逮捕後の48時間と勾留請求までの24時間を合計した最長72時間のタイムリミットが存在します。

起訴・不起訴判断まで最長20日間

裁判官が勾留を認めた場合、まずは原則で10日間までの身柄拘束が認められます。

検察官がこの期間を使ってもなお勾留の必要があると判断した場合は、請求によってさらに10日間までの延長が可能です。

つまり勾留から起訴・不起訴の判断までのタイムリミットは、最長で20日間となります。

不起訴なら事件が終了して釈放

検察官は、裁判官が認めた勾留期間が満了するまでに被疑者を起訴するか、または不起訴として釈放するかを決定しなくてはいけません。

もしさまざまな事情を考慮して不起訴となった場合、事件は終了となり、即日で釈放されます。

検察官が「刑事裁判で責任を問う必要がある」と判断すれば、起訴されて刑事裁判へと移行するので、窃盗罪に問われた場合は不起訴処分の獲得を目指すのが最善策でしょう。

窃盗は必ず起訴されるわけではない

「罪を犯せば処罰される」というのは当然のように思えますが、たとえ罪を犯したのが真実だとしても処罰されないことがあります。

総務省が公表している「令和元年度版 犯罪白書」をみると、刑法犯全体の起訴率は37.1%でした。刑法犯全体の認知件数をみると、窃盗罪が占める割合はほかの犯罪と比べて格段に多い71.2%となっているため、全体の起訴率に近い数字になるでしょう。

大ざっぱにみても、「60%程度は不起訴になる」といえます。

窃盗罪で逮捕されても不起訴になりえる

窃盗罪の起訴率が40%弱くらいしかないということは、残りの約60%は検察官が不起訴処分を下したか、あるいは検察官送致(送検)がされず警察限りで事件が終結する微罪処分になったと考えられるでしょう。

たとえ窃盗罪の被疑者として逮捕されても、次のような理由があれば検察官が不起訴処分を下すことがあります。

嫌疑なし

真犯人が判明した、被疑者には犯行が不可能だったと判断されたなど、犯人ではないことが明らかである場合に下される処分

嫌疑不十分

疑いは晴れないものの、犯罪を証明する証拠が不十分で、起訴しても有罪に持ち込めないと判断される場合の処分

窃盗罪が事実でも不起訴になる理由

犯人としての疑いが晴れたり、証拠が不十分であったりすれば、検察官が不起訴処分を下すのは当然でしょう。

ところが、たとえ被疑者本人が窃盗の罪を犯した事実を認めていたとしても、検察官が起訴を避けて不起訴処分とすることがあります。それが「起訴猶予」です。

起訴猶予とは、検察官が「罪に問うまでの必要はない」と判断したときに下される不起訴処分のひとつで、次のような事情がある場合に用いられます。

  • 被害が僅少で、弁済がなされている
  • 被疑者が十分に反省し、再犯のおそれがない
  • 被害者との示談が成立し、宥恕(ゆうじょ)を得ている

※宥恕…「許す」ことを意味し、刑事事件においては被害者が「処罰を求めない」という意思を示すことをいう

起訴される前に示談することを検討

令和元年度版の犯罪白書をみると、たとえ犯罪行為が事実だとしても不起訴となる「起訴猶予」になった割合は53.6%でした。

つまり窃盗事件で不起訴となった方の多くが、起訴猶予という形で不起訴処分を受けていることになります。

起訴猶予となって不起訴処分を獲得するには、「起訴されてしまう前に示談を成立させること」がポイントです。

示談交渉には弁護士の協力が不可欠

窃盗事件で示談交渉を成功させるには、弁護士の協力が不可欠です。窃盗事件に限らず、犯罪の被害者は加害者本人やその家族などの接触を嫌う傾向があります。

弁護士が代理で交渉をすることで、被害者側も警戒せずに話し合いを受けることができるでしょう。

それにいくら示談を進めていきたくても、加害者本人やその家族では被害者の連絡先や住所を知ることはできません。

弁護士であれば、捜査機関にはたらきかけて被害者とコンタクトを取ることが可能なので、スムーズな示談交渉が可能になります。

窃盗罪における示談の相場

窃盗罪における示談では、最低でも被害額相当の弁済が必要だと考えておくべきでしょう。

被害者にあたえた精神的なダメージが大きい場合は、慰謝料の支払いも必要になります。

事件の内容によって相場は異なりますので、窃盗事件の示談に精通した弁護士に交渉を一任するのが適切でしょう。

弁護士への相談は早いほど良い

窃盗事件の示談交渉は、早ければ早いほど加害者にとって有利になります。

起訴を回避するためには、検察官が起訴を確定するまでがタイムリミットですが、さらに早い段階であれば逮捕・勾留も回避できる可能性が高まるからです。

すばやく弁護士が示談交渉に移れるように、できる限り早急に相談するのがベストでしょう。

窃盗で起訴されたらどうなるか

窃盗罪で起訴されて刑事裁判になってしまい、有罪判決をうければ「十年以下の懲役または五十万円以下の罰金」の範囲で刑罰が下されてしまいます。

99%以上の確率で有罪判決を受ける

わが国の司法制度では、起訴されてしまうと99%以上の確率で有罪判決を受けるといわれています。

検察官の指揮によって警察が捜査をおこない、証拠が出そろった状態で「ほぼ確実に有罪に問える」と判断した事件を選りすぐって起訴するため、高い有罪率を誇っているのです。

この実情をふまえれば、窃盗罪に問われた場合にまず優先すべきは「起訴の回避」だといえるでしょう。

懲役刑の実刑が科されれば刑務所へ収容される

刑事裁判で懲役刑の実刑判決が下された場合、被告人は刑務所へと収監されてしまいます。

量刑が3年以下の懲役刑であれば、刑の執行が一定の期間猶予される「執行猶予」の対象になるため、起訴が避けられない場合は執行猶予の獲得を目指すことになるでしょう。

罰金刑が科されれば経済的負担になる

窃盗罪の法定刑には罰金刑も規定されています。1~50万円の範囲内で罰金を納付する必要があり、納付できない場合は最終的に「労役場留置」という処分を受けます。

労役場によって「働いて支払う」という、実質的に懲役刑と同等の刑罰を受けることになるので、大きな負担になりますが罰金を支払うほうが賢明です。

前科によるさまざまなリスク

窃盗罪で有罪判決となり懲役・罰金刑を受けてしまうと「前科がついた」状態になります。

前科がついてしまうとさまざまなリスクを負うことになるので、なんとしてでも避けたいところです。

仕事に関するリスク

前科がついてしまうと、勤務先の規定によっては懲戒処分によって解雇などの不利益な処分を受けることがあります。

基本的に前科を調べる方法はありませんが、逮捕されて実名報道を受けていれば新聞やインターネットの情報をたどって前科があることがばれてしまい、就職・転職活動が不利になることもあるでしょう。

また一定以上の前科があれば、国家・地方公務員や弁護士、医師などの職業に対して制限が課せられます。

生涯つきまとうリスク

前科がついてしまうと、海外への渡航に制限が生じることもあります。

原則として刑の執行が終わっていない場合はパスポートが発行されないため、執行猶予期間中は海外渡航ができません。

また、たとえ出国できても渡航先によっては入国審査で拒否されてしまうケースもあります。

離婚・家庭崩壊など家庭でのリスク

近年では、インターネットの普及によって事件の情報が容易に入手できるようになりました。

窃盗事件を起こして前科がついてしまうと、近隣住民などの好奇の目にさらされてしまうでしょう。事件を起こした本人が耐えられたとしても、家族までもがその苦痛に耐えられるとは限りません。

離婚や家族の離別のほか、引っ越しを余儀なくされるなど、家庭が崩壊して家族がバラバラになってしまうリスクも考えられます。

まとめ

窃盗事件を起こして起訴されれば、重たい刑罰を受けてしまうだけでなく、仕事の面や家族関係などさまざまなリスクを抱える事態になってしまうでしょう。

ただし、窃盗事件を起こしたとしても必ず起訴されてしまうわけではありません。実際に起訴されてしまう割合は40%弱なので、示談を成立させるなどの対策を講じれば起訴を回避できる可能性があります。

窃盗事件を起こして起訴を回避するには、早急に弁護士に相談するのが賢明です。

刑事事件の解決実績が豊富な弁護士に一任できれば、逮捕・勾留・起訴を回避するためのさまざまな対策が可能になります。

勾留の回避には逮捕から最大で72時間、起訴の回避には最大で23日間というタイムリミットがあるため、まずは弁護士への相談を優先しましょう。

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この記事の監修者
東京スタートアップ法律事務所
中川 浩秀 弁護士 (東京弁護士会)
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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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