冤罪で逮捕され、実際に長期間の身柄拘束を受けるケースがあります。
冤罪で逮捕された場合、次のリスクが考えられます。
- 長期間、身柄拘束されるおそれ
- 仕事や学校に影響が出るおそれ
- 起訴される可能性がある
精神的な疲弊でやってもいない罪を自白してしまうおそれもあります。
まずは弁護士に面会してもらい、取調べについての適切なアドバイスをしてもらってください。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはご相談ください。
冤罪(えんざい)とは、罪を犯していないにもかかわらず、犯罪者として扱われてしまう場合を指します。
本記事では、日本で起きた有名な冤罪事件やその補償金、痴漢冤罪に巻き込まれた際の対処法について解説します。
冤罪で逮捕され、実際に長期間の身柄拘束を受けるケースがあります。
冤罪で逮捕された場合、次のリスクが考えられます。
精神的な疲弊でやってもいない罪を自白してしまうおそれもあります。
まずは弁護士に面会してもらい、取調べについての適切なアドバイスをしてもらってください。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはご相談ください。
現在の日本の司法制度はしっかりと整備され、犯罪の検挙率や、有罪率も高い水準を保っています。
一方で、無実の人が罪に問われる冤罪事件も発生しています。
仮に無実と判断されても、インターネット上などで社会的なバッシングにさらされ続けるおそれがあります。
冤罪は法律上の用語ではないため定義も曖昧です。
本記事では下記の意味を採用します。
冤罪(えんざい)…無実の罪、無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと
日本での起訴後の有罪率は99.9%といわれています。
そのため、冤罪であるとして無罪を獲得するケースは稀です。
ただ、冤罪であることが再審で判明した事件もあります。
事件名 | 東電OL殺人事件 |
---|---|
発生年 | 1997年 |
原判決 | 無期懲役 |
無罪確定年 | 2012年 |
詳細 | ネパール人のゴビンダ・マイナリ氏が一審無罪のあと逆転有罪が確定し、15年を経てDNA鑑定で再審無罪となりました。 |
事件名 | 布川事件 |
---|---|
発生年 | 1967年 |
原判決 | 無期懲役 |
無罪確定年 | 2011年 |
詳細 | 2人の青年が強盗殺人で逮捕され、嘘の自白で有罪が確定。検察が隠していた目撃証言などで再審無罪となりました。 |
事件名 | 足利事件 |
---|---|
発生年 | 1990年 |
原判決 | 無期懲役 |
無罪確定年 | 2010年 |
詳細 | 幼女殺害事件で、無関係の菅家さんに自白を強要して有罪が確定。再審のDNA鑑定で、犯人は別人と判明しました。 |
参考元:えん罪は、 元から絶たなきゃダメ - 日本弁護士連合会
日本には死刑制度の廃止を求める声もあり、その中には冤罪を理由とするものもあります。
死刑制度の廃止を求める代表的な団体としては、日本弁護士連合会(日弁連)が挙げられます。
日本弁護士連合会とは、1949年に設立された全国の弁護士を構成員とする法人団体で、「基本的人権の擁護」や「社会正義の実現」を使命として活動しています。
参考元:日弁連とは|日本弁護士連合会
日本弁護士連合会は死刑制度について、現代の刑事裁判では冤罪の発生を完全に防ぐことはできていないということを理由に廃止を求めています。
冤罪は、客観的証拠が集め切れず、被害者や目撃者の供述に頼らなければならないような場合、特に起こりやすいといえるでしょう。
最も冤罪が起きやすいケースとして、痴漢事件が挙げられます。
特に痴漢事件については客観的な証拠を集めることが難しいため、被害者側(女性)の供述のみが重視されてしまうこともあります。
万引きに関する冤罪事件も発生しています。
2004年に三重県で発生した四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件では、万引き犯として逮捕された男性が取り押さえられたのち、死亡しています。
刑事事件に限らないことですが、「夫から暴力を振るわれた」と妻が虚偽の申告をする、冤罪DVによる被害も発生しています。
なかには、DVの証拠写真を偽造したケースや、「娘もDVの被害に遭った」と二重DVを申告したケースなども存在します。
これまで日本で起こった冤罪事件について、有名な冤罪事件としては以下の4つが挙げられます。
また、冤罪が発覚した場合には、補償金が支払われます。
支払い額は、刑事補償法にて1日1,000~12,500円と定められていますが、中には裁判費用の返済でほとんど消費してしまうケースもあるようです。
第四条 抑留又は拘禁による補償においては、前条及び次条第二項に規定する場合を除いては、その日数に応じて、一日千円以上一万二千五百円以下の割合による額の補償金を交付する。懲役、禁錮若しくは拘留の執行又は拘置による補償においても、同様である。
引用元:刑事補償法 第4条
東住吉事件は、女性が容疑者として逮捕されたものの、死刑判決から一転無罪が確定した戦後初めての冤罪事件です。
青木さんは、無罪判決が確定するまで21年間も収監されており、釈放後には「20年前の世界からタイムスリップしてきたみたい」と語っています。
参考元:時間が止まった私 冤罪が奪った7352日|Yahoo!ニュース
袴田事件は、日本最大の冤罪事件として語られる有名な事件です。
再審決定が出され、死刑と拘置の執行停止が出されるまで47年も要し、袴田さんは「世界で最も長く収監された死刑囚」としてギネス認定されるなど、世界的にも有名です。
しかし、東京高裁は2018年6月11日に、静岡地裁の再審決定を取り消し、再審請求を棄却しました。
ただし、死刑と拘置の執行停止は取り消しませんでした。
今後は、最高裁への特別抗告の結果次第となります。
名張毒ぶどう酒事件は、日本弁護士連合会が支援している事件のひとつとして有名な冤罪事件です。
足利事件は1990年に起きた事件で、真犯人は検挙されていません。
足利事件では、菅家利和さんに対して7,993万7,500円の補償金が支払われました。
有名な冤罪事件はほかにもあり、免田事件、財田川事件、島田事件、松山事件については、四大死刑冤罪事件とまとめて呼ばれることもあります。
免田事件は、日本で初めて再審無罪が言い渡された事件です。
無罪判決が確定した際には、警察によって自白の強要や証拠のねつ造などがおこなわれていたことが明らかになり、警察内部の異常性について問題視する声もあがりました。
免田事件では、免田栄さんに対して9,071万2,800円の補償金が支払われました。
財田川事件も有名な冤罪事件のひとつです。
再審棄却時に、越智伝判事が「財田川(香川県三豊市にある川)よ、心あらば真実を教えてほしい」と発言したことがきっかけとなって、「財田川事件」と呼ばれるようになりました。
島田事件は、冤罪の被害者が軽度の知能障害を持っていたケースです。
1974年より、「全国「精神病」者集団」による熱心な支援活動などもおこなわれました。
全国「精神病」者集団とは、全国の精神病者個人、団体の連合体で、1974年5月に結成されました。
精神病者が社会で十分活動できるよう、人権回復のために様々な活動を行っている団体です。
ちなみに、2018年5月1日より「精神障害者権利主張センター・絆」と、「旧全国「精神病」者集団運営委員会」を中心とした組織の2つに独立して活動しています。
松山事件は、警察が自白自供を手に入れるために留置所にスパイを送り込んだことが発覚し、大きな問題となった冤罪事件です。
松山事件では、斎藤幸夫さんに対して7,516万8,000円の補償金が支払われました。
痴漢冤罪は、日常生活の中で最も起こりやすい冤罪事件です。
もし自身が痴漢冤罪に巻き込まれた時のために、対処法について知っておくとよいでしょう。
痴漢冤罪については、客観的証拠を用意することが非常に困難です。
そのため、自分が無罪であることを主張してくれる、現場の目撃者の存在は非常に重要です。
DNA鑑定を依頼することも効果的です。
実際に痴漢行為を行った場合、多くのケースで加害者の手のひらや被害者の着衣などに互いのDNAが付着しています。
必ずしも「DNAが検出されなければ冤罪と証明できる」というわけではありませんが、無罪を主張する際のひとつの武器になります。
手のひらや着衣のDNAは捜査機関にとっても重要な証拠となるため、断られることは少ないでしょう。
上記の対処法について事前に知っておいても、いざ痴漢冤罪に巻き込まれるとパニックになってしまうという方も多いでしょう。
そのような方は、事件発生時にすぐに弁護士に相談することで、「自分が今何をするべきか」について適切なアドバイスをもらうことができるでしょう。
日本での起訴後の有罪率は99.9%と非常に高く、冤罪を証明することは困難です。
特に、痴漢のような誰もが冤罪の被害となり得るケースについては、どのように対応するべきか事前知識をつけておく必要があるでしょう。
また、もし痴漢冤罪に巻き込まれた場合は、速やかに弁護士に相談することが効果的です。
【年間相談件数1000件以上】【24時間・365日予約対応可能】刑事事件の実績豊富な弁護士がサポート◆性犯罪(盗撮・不同意わいせつなど)で逮捕されたらすぐにお問い合わせを!【即日接見・オンライン対応可】
事務所詳細を見る【初回相談無料】性犯罪/薬物事件/少年事件などに注力!刑事事件はスピード勝負です。逮捕直後および警察から連絡が来た時点からご相談ください。依頼者様がご納得できるよう、丁寧かつわかりやすい説明を心がけています。
事務所詳細を見る【六本木一丁目駅近】不同意わいせつ・盗撮・暴行・窃盗・万引き等で警察の取り調べを受けた方・捜査されている方へ|元検事率いる刑事弁護チームが迅速サポート!今後の人生を守るため、すぐにご連絡を【バレずに解決】
事務所詳細を見る受刑者は、どのように1日を過ごすのでしょうか。なぜ、刑務所での生活は辛いといわれるのでしょうか。本記事では、刑務所生活が辛いといわれる理由を紹介し、...
罪を犯してしまったものの、証拠がないから大丈夫だろうと安心している方もいるかもしれません。本記事では、警察がどのような状況で動くのか、証拠の種類や重...
本記事では、刑務所と拘置所の違いを分かりやすく解説します。それぞれの施設の目的・収容される方・生活の様子やルールなどについて詳しく紹介するので、ぜひ...
名誉毀損の可能性がある行為をしてしまったら、刑法第230条を理解することが非常に重要です。 本記事では、刑法第230条について、どのようなときに名...
犯罪をしてしまったときはもちろん、罪を犯していなくても指紋が警察のデータベースに登録されるケースがあります。 本記事では、警察に採取・登録された指...
ニュースやドラマでよく聞く「検察」について、警察との違いを知りたいけれどよくわからないという方は少なくありません。 本記事では、逮捕前後の流れを含...
どのような行為が強制執行妨害罪に該当するのか、もしも強制執行妨害罪にあたりそうな行為をしてしまったらどんな刑罰が科せられるのかなど、強制執行妨害罪に...
痴漢・万引き・盗撮・横領など、やってもいないのに犯人だと疑われてしまうケースは少なからず存在します。 どうすれば疑いを晴らせるのか悩んでいる方もい...
もしも自分や家族が刑事告訴され、警察から連絡があったら、逮捕後の流れや、各段階でやるべきことを確認しておく必要があります。本記事を参考に、早めに弁護...
本記事では、どのようなときに緊急逮捕されるのか、緊急逮捕をされるとどうなるのかなどについて、通常逮捕や現行犯逮捕との比較を交えながら解説していきます...
逮捕されて有罪になると前科が付きますが、前歴というものもあり、こちらは逮捕されただけで付きます。前科は間逃れても前歴が残ると今後の生活にどう支障がで...
犯罪事件捜査の対象になった場合、刑事手続きはスピーディに進行します。早期に刑事手続きから解放されるためには、初動の段階から迅速な対応をとることが肝心...
本記事では私人逮捕の条件や私人逮捕によるトラブルの対処法を解説します。
【弁護士監修】書類送検を徹底解説!書類送検とは被疑者を逮捕せず、書類のみ(証拠を含む)を検察官に送る手続きです。この記事では、そもそも送検とはどうい...
少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された少年を収容するための施設を言います。
鑑別所(かんべつしょ)とは、正式名称は少年鑑別所と呼ばれ、家庭裁判所の少年審判を開くために犯罪を犯した未成年の少年を収容し、少年審判で処分を決めるた...
観念的競合とは、1つの行動で2つ以上の犯罪を起こすことです。刑罰の考え方としては、2つ以上の犯罪の中で最も重い犯罪の刑罰が対象となります。
この記事では親告罪と何か、親告罪に該当する罪を解説したあと、告訴されたときの対処法について紹介しています。親告罪を犯してしまって告訴される可能性があ...
刑事裁判と言っても、事件内容によって方法が少し異なります。この記事では刑事裁判の種類や流れの他に、民事裁判との違いやよくある質問(裁判員制度について...
在宅起訴とは、刑事事件を起こした被疑者の身柄を拘束しないまま検察官が起訴することをいいます。逮捕を受けないまま起訴されるため日常生活に与える影響は少...
どのような行為が強制執行妨害罪に該当するのか、もしも強制執行妨害罪にあたりそうな行為をしてしまったらどんな刑罰が科せられるのかなど、強制執行妨害罪に...
犯罪をしてしまったときはもちろん、罪を犯していなくても指紋が警察のデータベースに登録されるケースがあります。 本記事では、警察に採取・登録された指...
少年院(しょうねんいん)とは、家庭裁判所から保護処分として送致された少年を収容するための施設を言います。
逮捕されて有罪になると前科が付きますが、前歴というものもあり、こちらは逮捕されただけで付きます。前科は間逃れても前歴が残ると今後の生活にどう支障がで...
【弁護士監修】書類送検を徹底解説!書類送検とは被疑者を逮捕せず、書類のみ(証拠を含む)を検察官に送る手続きです。この記事では、そもそも送検とはどうい...
手頃な費用でいざというとき頼れる弁護士費用保険ですが、実は犯罪に巻き込まれてしまった(刑事事件の被害者となってしまった)場合も役立ちます。弁護士費用...
略式命令は簡易な刑事裁判手続です。100万円以下の罰金刑である犯罪で、被疑者の同意がある場合に選択されます。この記事では略式命令の概要や、略式命令に...
出頭に関する知識として、自首との違いや正しい使い方、出頭するメリットデメリットについてご紹介します。
刑事事件での身元引受人(みもとひきうけにん)とは、逮捕によって身柄を拘束された被疑者(被告人)の監督を行なう人の事を言います。
自首(じしゅ)とは、犯罪が起きた事や犯人が分かっていない段階で、犯人自らが捜査機関(おもに警察官)に犯罪事実を申告し、処分を求めることを言います。
刑法の多くの罪に罰金刑が定められており、犯罪を起こして刑事罰を受けることになると有罪判決のうち約80%以上が罰金刑です。判決を受ける可能性が高い刑事...
任意同行(にんいどうこう)とは、犯罪容疑のある人物が警察などの捜査期間から任意的に捜査に同行してもらうことです。