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「少年センター」とは?目的や活動内容、利用方法について解説

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「少年センター」とは?目的や活動内容、利用方法について解説

少年センターは、少年の非行を防止する目的に、警察や市によって運営されている組織です。

20歳以下の青少年や保護者からの相談対応や、街頭の巡回活動や補導など、さまざまな活動をおこなっています。

本記事では、少年センターとはどのような施設なのか、具体的な活動内容対象年齢利用条件などについて紹介します。

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目次

少年センターとは?警察などが運営している青少年に関する相談窓口

警察や市によって運営されている少年センターでは、青少年に関する相談窓口の設置をはじめ、街頭での巡回活動による補導や指導、環境点検や広報啓発などによって、青少年の健全な保護と育成のための活動をしています。

少年センターは、大きく分けて、都道府県警察が運営しているものと、市などが運営しているものの2種類があります。

それぞれの特徴をみてみましょう。

都道府県警察が運営している少年センター(少年サポートセンター)

少年サポートセンターは、都道府県警察の少年担当課に設置されている機関です。

東京都や千葉県など一部の地域では、少年センターという名称で運営されています。

警察本部長から任命された、少年補導職員や少年支援に必要な知識と技能を有する警察官が配置されています。

平成11年に少年育成センターとして設立され、現在では名称を変えて学校や教育委員会等の関係者と連携しながら運営されています。

構成員として、現役の学校教師が務める調査官、元校長などが務める相談員、臨床心理士や産業カウンセラーの資格を有する少年警察補導員、元警察官が務めるスクールサポーターなどが所属しています。

市などが運営している少年センター

市などが運営している少年センターは、行政機関や市の職員、学校教員などから構成されています。

公安委員会が委嘱する特別職である非常勤地方公務員が務める少年指導委員、警察署長が委嘱するボランティアの少年補導委員など、市によってさまざまな機関と提携しながら、少年たちの健全な育成や非行防止に取り組んでいます。

家族や友人とのトラブル、いじめ不登校、就学就労など、少年に関するあらゆる相談ができる窓口を設けており、訪問のみならず、電話やメールでの相談も受け付けている自治体も多くあります。

少年センターの主な活動内容|少年相談や補導活動などを実施している

少年センターでは、主に4つの活動を軸にさまざまな取り組みをおこなっています。

ここでは、少年相談や補導活動など、少年センターの主な活動を紹介します。

1.少年相談|専門職員が子どもやその親からの相談に対応してくれる

少年センターでは、子ども自身または保護者が抱える悩みについて、専門職員が相談に応じてくれます。

たとえば、次のようなことを相談することができます。

  • 学校に行きたくない
  • 友だちとうまくいっていない
  • いじめを受けている
  • 交際相手と揉めている
  • 子どもが不登校になってしまった
  • 子どもがあまり家に帰ってこない など

多くの少年センターで、面接電話メールによる相談に対応しています。

まずは、インターネットで最寄りの少年センターを検索し、利用しやすい手段で連絡してみましょう。

2.街頭巡回活動補導活動|街頭を巡回し少年への助言補導をおこなう

街頭巡回や補導も、少年センターの大きな役割です。

駅や公園などの公共の場所、多くの人が行き来する店や施設、風俗営業店をはじめ、青少年の非行がおこなわれやすい場所を巡回し、街頭補導を実施しています。

また、非行の疑いがある青少年を早急に探さければならないときは、学校やボランティアと協力をして巡回します。

少年センターの関係者が補導をおこなう際には、対象の青少年に対して少年センターの職員であること明かすなど、青少年の権利を不当に害さないように気をつけながら活動しなければならないという規則があります(少年警察活動規則第7条)。

3.広報啓発活動|青少年の健全な育成のために市民に向けた情報発信をする

少年センターでは、青少年の非行の根本的な防止を目指し、市民意識を高めるための広報啓発活動にも力を注いでいます。

少年センターで実施している活動について知らせたり、青少年の非行や犯罪被害の実態を伝えたりする情報発信を積極的におこなっています。

各地域の少年センターによって取り組みはさまざまですが、一例として次のような広報啓発活動があります。

  • 広報紙の発行
  • 非行防止を啓発するチラシやポスターの配布
  • 薬物乱用防止キャンペーンの実施
  • 万引き防止のための講習会
  • 広報車による呼びかけ
  • 少年の非行などに関するDVDやビデオテープの貸出

4.環境点検活動|青少年にとって有害な場所に立ち入り調査などをおこなう

少年センターは、青少年が犯罪や事故を防止するほか、自ら誤った道に進んでしまうことのないよう、青少年を取り巻く地域環境の実態を把握するために点検活動をおこなっています。

たとえば、成人向けの雑誌やがん具類を販売する店やレンタルビデオ店の把握と巡回、カラオケ店やまんが喫茶またはインターネットカフェの把握と巡回などを実施しています。

また、青少年が健全に成長できる環境作りをするため、関係機関や地域団体との連携もおこなっています。

具体例として、地域の店から少年補導委員の立ち寄り許可を得たり、非行グループの溜まり場にならないような工夫を促したり、非行防止キャンペーンへの協賛を募るなどの活動をおこなっています。

少年センターで少年問題について相談する方法|対面や電話で相談可能

少年センターに相談したい場合、まずは近隣の相談所に問い合わせてみましょう。

小さなことでも、一人で悩まずに相談窓口を頼ってください。

少年センターで話した秘密は必ず守られるので、安心して相談しましょう。

たとえば、東京都内には少年センターが8ヵ所あります。

各都道府県や市に設置されているので、役所に問い合わせをするか、インターネットで調べてみましょう。

多くの少年センターでは、対面相談または電話で相談を受け付けています。

また、拠点によってはメール相談も可能です。

【少年センターの少年相談の概要】

利用料

無料

対象者

20歳未満の青少年またはその家族

支援内容

専門家によるアドバイスや適切な相談先の紹介

相談内容

友だちや家族のこと、学校やいじめのこと など

子どもの非行、家庭内暴力、犯罪被害、交友関係 など

対面相談|専門家などが悩みに応じたアドバイスをしてくれる

対面相談では、心理や教育の専門家やソーシャルワーカーが、悩みに応じたアドバイスをしてくれます。

青少年の非行や問題行動、いじめ、不登校、その他の悩みなどさまざまな相談に応じています。

基本的に個室で実施されるため、人に聞かれたくない話であっても、安心して打ち明けることができるでしょう。

場合によっては、学校や関係機関と連携しながらの問題解決を支援してくれます。

相談料は無料です。

ただし、対面で相談する場合はあらかじめ電話予約が必要な少年センターが多いため、事前に確認しましょう。

電話相談|相談に乗ってくれたり、相談先を紹介してくれたりする

少年センターでは、電話での相談も可能です。

電話で話を聞いてもらったりアドバイスをもらえるケースもあれば、担当者が適切な専門家との対面相談を設定してくれるケースもあります。

また、市内や県内の相談機関を紹介してくれるケースもあります。

相談センターまで出向いて対談で相談すべきかどうか迷うという場合も、まずは電話をしてみましょう。

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少年センターと少年院の主な違い

少年院は、少年センターと違い、法務省が管轄する施設です。

少年の更生や円滑な社会復帰を支援するという点においては少年センターと共通していますが、多くの違いもあります。

対象者|少年院は家庭裁判所から送致された少年が対象となっている

少年院には、第1種から第5種まで種類があります。

いずれも家庭裁判所の審判によって保護処分などが下された青少年たちが収容されています。

第1種から第3種では、それぞれ対象年齢や犯罪傾向などが異なる、おおむね12歳から26歳までの青少年を収容しています。

第3種以外は、男女別の施設を設けています。

第4種では、14歳以上16歳未満の受刑者を収容しています。

第5種は、令和4年に新設された保護観察中に重大な違反をおこなった少年を収容する施設です。

窃盗、横領、傷害、住居侵入、薬物などの罪を犯し、少年刑務所に収容されるまでには至らない程度の少年が収容されます。

対応内容|少年院は少年に対する矯正教育や社会復帰支援などをおこなっている

各少年院では、少年が二度と犯罪や非行をくり返すことなく、健全に社会復帰できるよう、青少年たちに対して矯正教育をはじめとするさまざまな処遇をおこなっています。

個人別に矯正教育計画を立てる

少年院では、青少年一人ひとりの特性に応じた計画を立てます。

各個人の目標と、目標を達成するための方法や期間を具体的に定め、その計画をもとに矯正教育を実施します。

社会復帰を支援する

青少年たちの円滑な社会復帰を目指して、街の清掃や近隣施設の手伝いなどの社会貢献活動に参加させるほか、青少年の自立を支えるために保護者との面接をとおして出院後の準備もおこないます。

また、キャリアカウンセリングによって就労の意欲を高めるための教育や、ハローワークと連携した就労先確保にも注力しています。

自立困難な青少年に、医療福祉サービスを提供する

少年院に入る青少年のなかには、障害をもっているなど、自立が困難なケースもあります。

そこで、医療施設や依存症の回復支援施設などと連携してスムーズにサービスを利用できるような体制を整えています。

出院者からも相談を受け付ける

都道府県に設置されている地域生活定着支援センターを活用し、出院後の進路や交友関係についての悩みをはじめ、出院者や保護者からの相談を受け付けています。

少年問題について相談できるその他の窓口4選

少年センター以外にも、少年問題について相談できる窓口が多くあります。

本記事では、数ある相談機関から3つを紹介します。

1.法務少年支援センター|心理学や教育学の専門職員が相談に応じてくれる

法務少年支援センターは少年鑑別所とも呼ばれます。

子どもの非行や問題行動、犯罪に関する悩みを、本人または家族や学校の先生などから受け付けています。

子どもから高齢まで年齢にかかわらず、無料で相談可能です。

心理学や教育学の専門家が相談に応じており、アドバイスをもらうことはもちろん、継続的なカウンセリングを受けることもできます。

次のようなことに困っている場合は相談してみましょう。

  • 学校でいじめに遭っている
  • 親から虐待を受けている
  • 子どもが万引きをくり返してしまう
  • 子どもによる家庭内暴力に困っている
  • 問題行動を起こす生徒への指導方法がわからない
  • 不登校の生徒が学校に来られるようにしたい など

相談は、対面や電話、メールのほかにも、オンライン会議システム(Teams)を活用することも可能です。

まずは、以下のサイトより最寄りの法務少年支援センターもしくは法務少年支援センター相談ダイヤル問い合わせてみましょう。

2.児童相談所相談専用ダイヤル|子育てなど幅広い悩みについて相談できる

児童相談所が運営する児童相談所相談専用ダイヤルでは、育児やヤングケアラーの問題など、子どもの福祉に関するさまざまな内容を相談できます。

児童相談所は、児童福祉法に基づき都道府県や指定都市などが設置する行政機関です。

原則18歳未満の子どもに関する相談や通告を受け付けています。

子ども本人や家族はもちろん、学校教師や地域住民など、あらゆる方からの相談が可能です。

児童相談所相談専用ダイヤルへの相談は、令和3年7月から無料になりました。

少しでも不安や悩みを抱えている方は、迷わず相談しましょう。

全国共通の電話番号に電話をかければ、近隣の児童相談所につながります

固定電話のほか、携帯電話からも、通話が可能です。

  • 児童相談所相談専用ダイヤル電話番号:0120ー189ー783 

なお、虐待に関する相談や通告については、児童相談所虐待対応ダイヤルが設置されています。虐待を受けていると思われる子どもを見つけたとき、または自分が虐待を受けているかもしれないと感じたときは、すぐに電話をしてください。

  • 児童相談所虐待対応ダイヤル電話番号:1 8 9(いちはやく)

3.ベンナビ刑事事件|無料相談に応じている少年事件が得意な弁護士を探せる

非行の枠を超えて、少年事件にまで発展してしまった場合やその懸念がある場合には、弁護士に相談するのが一番です。

成人の場合は、逮捕をされても不起訴つまり裁判にかけないという判断が下されることも少なくありませんが、少年事件は逮捕内容にかかわらず、必ず家庭裁判所に事件が送致されます。

青少年の健全な育成ためには、必要な保護処分が施されなければなりません。

そのため、少年保護の専門である家庭裁判所に全件送致されるのです。

なかでも、少年鑑別所に収容する観護措置が必要だと判断された場合、原則2週間、最長では8週間ものあいだ身柄が拘束されることになります。

このような事態を避けるためにも、逮捕されてすぐの段階で弁護士に依頼をすることが望ましいでしょう。

ベンナビ刑事事件なら、少年事件の解決実績を多くもつ弁護士をスムーズに探すことができます。

ベンナビ刑事事件は、全国の刑事事件の弁護に強みをもつ弁護士が多数登録している、弁護士検索サイトです。

地域や相談内容のほか、無料相談に応じている法律事務所だけを指定して検索することもできます。

そのほか、刑事事件に関するコラムや対処法も紹介しているので、子どもが非行気味で不安があるという方もぜひ参考にしてください。

さいごに|子どもの非行などが心配ならひとりで悩まず専門家に相談を!

子どもが非行に走って心配だという方も、非行とまではいかないけれど反抗的で困っているという方も、ひとりで悩まずすぐにでも専門家に相談しましょう。

とくに青少年に関する相談窓口は無料で運営されているとことが多いので、気軽に利用することができます。

子どもの立場として親や先生、友人との関係などで悩みがあるという場合も、抱え込まずに相談窓口を積極的に活用してください。

また、子どもの非行が少年事件に発展してしまう不安がある場合や、自分が少年事件の実行役として巻き込まれそうなときは、ベンナビ刑事事件のコラムやQ&Aを活用しましょう。

万が一、実際に少年事件に発展してしまった場合には、一刻も早く弁護士を頼ってください。

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この記事の監修者
当社在籍弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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