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業務上横領罪とは|罰則や判例・発覚後の対応を解説
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業務上横領罪とは|罰則や判例・発覚後の対応を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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業務上横領罪(ぎょうむじょうおうりょう)とは、仕事上管理している他人の財物を横領した際に成立する罪のことです。

 

この記事では、業務上横領の罰則、時効、判例などをご紹介します。

 

事件発覚後の対応方法なども説明しますので、業務上横領に手を染めてしまった方は参考にしてみてください。

 

会社に横領がバレた方必読

今後予想されるトラブルとしては…

  • 被害金額の認識が一致せず会社と揉める
  • 法外な金額を請求されることもある
  • 警察沙汰になり、長期間捜査を受けることになる

 

業務上横領は被害額が大きいため、捜査が複雑化・長期化することがあります。


また、横領をした立場上、会社との交渉では弱い立場に立たざるを得ません。


会社や警察への対応でお困りの方は、お住いの地域から刑事事件が得意な弁護士を検索し、一度ご相談ください。

 

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業務上横領罪とは

業務上横領とはどのような罪なのでしょうか?ここでは、次の3点について解説します。

 

  • 業務上横領罪の罰則
  • 横領罪と背任罪の区別
  • 業務上横領の時効

 

業務上横領罪の罰則

業務上横領罪の罰則は、10年以下の懲役です。そのため、起訴された場合に執行猶予とならなければ刑務所に収監されることになります。

 

業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

引用元:刑法253条

 

被害者である会社が被害弁償について協議中、または合意済みであることを理由として、警察に被害を届けないこともあります。この場合、横領として立件されないこともあり得ます。ただ、被害額が高額であったり、社会的な影響が大きかったりするような事件では、被害届がなくとも横領罪として立件される可能性はありますので、注意しましょう。

 

詳細は『業務上横領でよくある疑問』で後述します。

 

業務上横領罪と類似する犯罪

業務上横領罪と似た犯罪に、窃盗罪と背任罪などがあります。それぞれの犯罪と業務上横領罪の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

 

業務上横領罪と窃盗罪の区別

両者の違いは、奪った財物を誰が占有(所持)していたかによって区別できます。

 

具体的な違いは次の通りです。

  • 業務上横領罪:他人から預かっているものを着服すること
  • 窃盗罪:他人が所持する財物を奪うこと

 

例えば、金庫の中にしまってあった現金を持ち去れば窃盗罪、自分が管理している商品を転売した場合は業務上横領罪が成立することが予想されます。

 

関連記事:窃盗罪とは

 

業務上横領罪と背任罪の区別

背任罪は聞き慣れない人も多いでしょう。

 

背任罪は次に当てはまる行為をした場合に成立します。

  1. 他人のためにその事務を処理する者が
  2. 自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で
  3. その任務に背く行為をし
  4. 本人に財産上の損害を加えた

参照:刑法247条

 

業務上横領罪と背任罪の違いを整理すると…

業務上横領罪

背任罪

  • 財物の取得が対象
  • 権限の範囲を超える行為を処罰
  • 財産上の利益・損害が対象
  • 業務上の権限を乱用する行為を処罰

 

イメージが湧かないかもしれないので、銀行での犯行を例に両者の違いを見てみましょう。

具体例

業務上横領罪

銀行員が顧客から預かった資産を不正に取得した

背任罪

銀行員が不正な融資をして銀行に損害を与えた

 

背任罪と横領罪の違いを詳しく知りたい方は、関連記事をご覧ください。

 

関連記事:背任罪・横領罪とは|両者の違いと実刑になった場合の罪の重さ

 

業務上横領の時効

業務上横領罪の刑事上の時効は7年間です(刑事訴訟法250条2項4号)。

 

7年間経てば刑事上の責任は追求されなくなるものの、会社が横領に気づいた場合は、民事上の損害賠償責任を問われるかもしれません。

 

業務上横領は、民事上では不法行為に当たります(民法709条)。

 

不法行為の時効は次の2つです。

  • 被害者が損害および加害者を知ったときから3年
  • 不法行為があったときから20年

 

犯行後20年は損害賠償される可能性があるので、長い期間「会社にバレるんじゃないか?」という不安を抱えたまま過ごさなければなりません。

 

 

業務上横領の判例

ここでは、業務上横領罪の判例をご紹介します。

 

①:顧客から修理のために預かったギターを質に入れた事例

判例の概要

被告人

楽器修理会社の経営者

被害額

ギター6本(時価総額177万円相当)

罰則

懲役1年6ヶ月

 

楽器修理会社を営む被告人が、運転資金を得る目的で、顧客6名から修理のために預かっているギターを質に入れました。

 

被害者の信頼を裏切る悪質な行為であること、被害弁済がされていないこと、事業を見直すことをしないまま1年弱にわたり横領を繰り返したことなどを考慮し、懲役1年6ヶ月が言い渡されました。

 

参照

裁判年月日 平成30年 6月27日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決

事件番号 平30(刑わ)563号 ・ 平30(刑わ)808号 ・ 平30(刑わ)1297号

事件名 業務上横領被告事件

文献番号 2018WLJPCA06276006

 

 

②:司法書士の立場を悪用し500万円以上を横領した事例

判例の概要

被告人

司法書士

被害額

500万円以上

罰則

懲役3年執行猶予5年

 

被告人である司法書士が、保佐人・相続財産管理人・成年後見人という立場を悪用し、被害者4名から1年8ヶ月余りの期間に500万円以上の財産を横領しました。

 

金額が大きいこと、司法書士としての信頼を裏切ったこと、後で穴埋めすればいいと考え安易に横領に手を染めたことなどを考慮すると、被告人の責任は重いといえます。

 

一方で被害額を全額弁済していることや、前歴前科がないこと、自首していること、司法書士登録を取り消されていることなどを考慮し、懲役3年執行猶予5年の判決が下されました。

 

参照

裁判年月日 平成30年 6月 4日 裁判所名 岐阜地裁 裁判区分 判決

事件番号 平30(わ)49号

事件名 業務上横領被告事件

文献番号 2018WLJPCA06046001

 

③:銀行員が顧客から預かった金を横領しホステスに貢いだ事例

判例の概要

被告人

銀行員

被害額

5,000万円

罰則

懲役4年

 

銀行員である被告人が、業務上預かっていた現金5,000万円を横領した事例です。

 

ホステスに貢ぐためという動機の悪質性、被害金の大部分が返済されていないこと、顧客の信頼を裏切り銀行業界全体の信頼を傷つけたことなどから、その刑事責任は重いといえます。

 

一方で、今後の被害弁済を誓っていること、前科前歴がないこと、被告人の姉が監督を誓っていることなどを考慮し、懲役4年の刑が下されました。

 

参照

裁判年月日 平成30年 3月 9日 裁判所名 福岡地裁 裁判区分 判決

事件番号 平29(わ)1443号

事件名 業務上横領被告事件

文献番号 2018WLJPCA03096003

 

業務上横領でよくある疑問

業務上横領に関してよくある質問をご紹介します。

 

業務上横領が発覚したら逮捕されるのか?

業務上横領が発覚したからといって、ただちに逮捕されるわけではありません。

 

事案によっては会社が被害届を出さず、事件として立件されないということもあります。

 

また、被害届が出されたとしても、逮捕するかどうかは警察の判断によります。なお、逮捕されなくとも、在宅事件として立件されることもあります。

 

一括での返済が難しい。分割での返済は可能か?

業務上横領では被害額が高額になりがちであり、分割払いで示談に応じてもらえる可能性は低くありません。

 

企業からすると、被害金を回復することが最も重要です。加害者が刑務所に入れられたところで、お金が返ってくるわけではありません。

 

したがって、すぐに満額返済できない場合でも、就職先を見つけて収入を確保することで、分割払いに応じてもらえる見込みはあります。

 

関連記事:【刑事事件】弁護士費用が払えない場合の選択肢2つを解説

 

業務上横領初犯の量刑相場はどのくらい?

犯罪の量刑は、動機、被害額、弁済の有無、同種の前科の有無などによって考慮されるため、初犯の場合にどのくらいの刑が下されるのかはケースバイケースです。

 

業務上横領罪初犯の刑期の目安|判決事例と減刑のポイント』では、業務上横領初犯の判例をご紹介しているので、ぜひ目安にしてみてください。

 

業務上横領が発覚したらやるべきこと

最後に、業務上横領が発覚した場合にやるべきことをご説明します。

 

会社と示談交渉し、被害金を弁済する

量刑をできるだけ軽くしたり、起訴を避けたりする上では、被害金を弁済していることや、示談が成立していることが特に重要です。

 

すでにお伝えしたように、会社からすれば被害金を回復することが最も重要であるため、示談の話すらできないというケースはまれです。

 

関連記事:業務上横領で示談をする方法|示談金の相場や交渉のポイント

 

刑事事件が得意な弁護士に相談する

業務上横領の示談をする上で、会社と揉めることが予想されます。

 

例えば、次に当てはまるような場合などは、弁護士に示談交渉を依頼するといいでしょう。

 

  • 被害額の認識に相違がある
  • 示談に応じてもらえない
  • 分割払いに応じてもらえない
  • 警察に被害届を出されている

 

示談交渉がまとまれば、警察に逮捕されたり、起訴されたりするリスクを低くできます。

 

 

まとめ

業務上横領罪は罰金刑のない犯罪であるため、起訴された場合、執行猶予が得られなければ刑務所に送られることになります。

 

被害額の弁済や示談交渉が成立すれば起訴されないということもあり得ますし、起訴されても執行猶予判決となる可能性も高まります。しかし、いざ交渉になると被害認識に相違があるなど、一筋縄ではいきません。

 

示談交渉がうまく進まない方は、一度弁護士に相談し、今後のことについて相談をしてみましょう。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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