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公開日:2020.3.10  更新日:2020.3.10

横領をしてしまったが返済できない場合はどうすべきか

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
Arrest

他人のお金や物を着服する行為は、「横領」という犯罪行為です。業務上管理しているものを着服すれば、「業務上横領」として更に重い罪となるでしょう。

 

このような行為を行ってしまうと、刑事事件の犯人としての捜査の対象となります。

 

また一度横領行為が成立すれば、発覚後に返済をしても責任が消えるものではありません。「バレたら返せばよいだろう」という安易な考えで横領行為を行えば、取り返しのつかないことになることもあるのです。

 

この記事では、このような場合にどうすべきかを紹介していくので、参考にしてみてください。

 

必要に応じて、弁護士への相談も検討しましょう。必要かどうかわからない場合、以下の弁護士必要性診断ツールを利用してみてください。

 

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横領をしてしまった場合に取るべき行動

横領は犯罪行為であり、その責任は容易に消えるものではありません。

 

そもそも横領行為に及ばないことが第一ですが、仮に魔が差してしまい横領に及んでしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

 

発覚する前に補填する

横領行為を行っても、被害者がこれを察知する前に被害を補填すれば、横領行為そのものが発覚しない可能性があります。

 

もちろん発覚しなければ何をしても良い、という意味ではありません。

 

しかし横領行為の民事・刑事責任をできる限り回避したいのであれば、発覚する前に被害を補填し、何もなかったことにするということが無難な方法と言えそうです。

 

被害を補填しても責任が消えるわけではない

ただこのような補填行為を行っても、一度横領行為に及んだ事実が消えるわけではありません。

 

後々に被害が発覚すれば、自身の行為について責任を求められる可能性があります。

 

被害者が被害を訴え出れば、逮捕・勾留・起訴されて有罪となることも十分あり得るのです。

 

発覚後は被害弁償を前提として示談交渉を行う

横領が発覚した場合、加害者は民事・刑事の責任を負う必要があります。この場合、仮に被害者との間で示談ができれば、民事的責任は解消されるでしょう。

 

逮捕・刑事罰などの責任についても、加害者に有利な事情として斟酌される可能性があります。

 

場合によっては被害者が被害申告をせず、刑事事件とならない可能性も考えられるでしょう。

 

示談に応じてもらえるかどうかは被害者次第

このような示談が成立するかどうかは、被害者が応じてくれるかどうかです。

 

被害者は示談に応じる義務はなく、示談交渉には被害弁償をはじめとする、最大限の誠意を示す必要があります。

 

罪が完全に消えるわけではない

また示談が成立すれば、加害者の刑事責任が一定程度軽減されるかもしれませんが、消えるわけではありません。

 

そのため横領の内容が悪質だった場合、たとえ示談が成立しても逮捕・勾留・起訴される可能性があります。

 

最悪の場合は有罪となり、刑罰を受ける可能性もありますので、留意してください。

 

示談交渉は弁護士へ依頼することがベター

被害者へ直接示談交渉することが難しい場合、弁護士に示談交渉を依頼することを検討してみてください。

 

当事者間では被害感情が強すぎて、話合いに応じてもらえない可能性がありますが、弁護士が間に入ることで交渉が進む可能性があります。

 

被害弁償を行う際の留意点

横領罪において被害弁償・示談をする場合、何点か注意すべきポイントがあります。

 

たとえば「弁償・示談すれば何でも良い」という考えだったり、横領された金額の認識の違いが考えられるでしょう。

 

いずれの場合も適切な対応ができなければ、取り返しのつかない事態になり得ます。

 

被害額を返せば良いというものではない

被害者との示談が成立するかどうかは、被害者がこれに応じてくれるかどうかです。

 

被害者は金銭的被害だけではなく、信頼を裏切られたこと、犯罪の被害を被ったことについて精神的被害を受けたと考える人もいます。

 

このような場合には横領した金銭の被害弁償とは別に、一定の迷惑料・解決金の支払いをすべき場合があるでしょう。

 

もちろん必ずしも支払うべきというわけではありませんが、被害者側が示談に応じてもらうために必要となる場合もあります。

 

被害額の認識が一致しない場合もある

横領被害について話し合うとき、被害者側が思っている被害額と、加害者側が認識している被害額で一致しないこともあり得ます。

 

極論をいえば金額は、被害者側で証明するべき数字なので、被害者側が証明できない被害を加害者側が弁済する必要はありません。

 

しかし加害者側が示談に向けて被害者側と協議するのであれば、この点を強気に出ないほうが良い場合もあるでしょう。

 

この場合について、被害者側が認識している被害額を協議し、加害者側としてどこまで受け入れられるのかを慎重に検討する必要があります。

 

被害者による不当な強要があった場合

加害者は横領行為を行っている以上、立場としては弱いのは間違いありません。しかし被害者がそれをいいことに、過剰な要求をすることは許されるものではないのです。

 

犯罪行為を行った加害者に対して、被害者が何をしても良いというわけではありません。

 

たとえば被害者が「警察に言われたくなければ被害額の10倍を支払え」、「警察に言われたくなければ一生無休で働け」というような、被害申告をすることを引き合いに不当な要求をすることは、恐喝罪や強要罪が成立する余地があります。

 

そのため被害者・加害者ともに感情的にならず、冷静な対応が求められます。

 

理想としては弁護士を介することで、現実的かつ被害者が納得できる金額を導き出すことでしょう。

 

横領についてよくある疑問

そもそも横領してしまったお金とはいえ、使い込んでしまえば返済できなくなってしまいます。

 

返済できない場合の選択肢として、債務を免責とする自己破産という手続きは検討すべきでしょうか。

 

また示談が成立したとしても、逮捕されてしまう可能性はあるかを確認しておきましょう。

 

自己破産すればお金を返さないでよくなる?

結論から言えば、横領のような犯罪行為によって負った負債は、自己破産をしても消滅しない可能性が高いです。

 

自己破産はすべての債務を免責するものではなく、「非免責債権」というものがあります。

 

非免責債権は、租税公課、罰金などが挙げられますが、これ以外に「悪意の不法行為にもとづく損害賠償請求権」も非免責債権とされています。

 

横領のような犯罪行為により相手に与えた被害については、当該非免責債権に該当する可能性が高く、この場合、自己破産をしても免責されませんので、返済義務は消えません。

 

示談後に「警察に被害届を出す」と言われたら逮捕される?

加害者・被害者の間で示談が成立し、被害弁償も済んでいれば、被害者が積極的に被害届を出す可能性は低いと思われます。

 

しかし、例えば示談条件が守られなかったり、返済義務の履行が滞ったりすれば、被害者が警察に被害申告をすることも十分考えられます。

 

上記の通り、示談は当事者間でトラブルが解決していることを意味しますが、加害者の刑事責任を免責するものではありません。

 

そのため、仮に一旦示談が成立したとしても、被害者が上記のような状況の下で被害申告を行った場合、警察が刑事事件として立件し、加害者が刑事責任を問われる可能性は十分あります。

 

この場合、加害者は逮捕、勾留、起訴される可能性がありますし、起訴されて有罪となれば刑罰を受けることになります。

 

まとめ

横領行為を行った場合にどうなるのかについて、簡単に解説しました。もちろん最善の方法は、最初から横領行為など行わないことです。

 

万が一、横領行為をしてしまった場合、適切な方法で弁償を行うべきでしょう。発覚前であれば、横領分を補填することで、最低限の弁済はできていると考えられます。

 

しかし補填したとしても刑事責任が消えるわけではありませんし、必要に応じてそれ以上の損害賠償を支払うべき状況も考えられるでしょう。

 

両者とも感情的になる可能性がありますので、必要に応じて弁護士へ相談することを検討してみてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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