ドラマでよく見る家宅捜索(かたくそうさく)は、警察官や検察官が予告なく行うことが多いです。裁判所が発行する捜索令状に基づき、犯罪の疑いをかけられた被疑者の住宅・会社等を調べることを指します。
調べる内容として、被疑者を逮捕・起訴するための証拠物件の捜索です。そのため物証が隠れていそうな場所や、収納を目的としていない場所を捜索することもあります。
家宅捜索が行われる条件や範囲、家宅捜索されたときにできること、家宅捜索が行われた後について見ていきましょう。
家宅捜査をされる可能性がある方へ
家宅捜査は時間帯を問わず、突然やってくることがほとんどです。
もしかしたら家宅捜索の場で現行犯逮捕されることもあり得るでしょう。
ご家族や自身が逮捕された場合には、すぐに弁護士に依頼を行うことが望ましいです。
弁護士は逮捕~勾留の間でも、いつでも自由に接見をすることができます。
早期から弁護士に依頼することで、今後の不起訴処分や執行猶予の獲得を目指す時間を確保できます。
また逮捕前から弁護士に依頼をし、自首・出頭の同行をしてもらうことも可能です。
刑事事件では早い段階での弁護活動が重要です。
当サイトでは、地域ごとに刑事事件が得意な弁護士を検索することができます。
初回無料相談が可能な弁護士事務所もありますので、ぜひお気軽にご相談ください。
家宅捜索されたらやるべきこと
家宅捜索は時間帯を問わず、突然やってくることがほとんどです。事前に家宅捜索の予告をしてしまうと、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるためとされています。
また家宅捜索されているときは、物証を隠されることを危惧して、自由に身動きをさせてくれないことがあるかもしれません。
そもそも、刑事事件の被疑者が取るべき行動とは何でしょうか?
弁護士に相談する
被疑者が取りうる最善の対応は、弁護士に相談する以外はありません。
逮捕されていなければ自分で相談に行くことも可能ですが、仮に逮捕されていれば当番弁護制度を利用したり家族に頼むなどしてできる限り早く弁護士に相談する機会を持ちましょう。
心当たりがある人は、相談できる弁護士を探しておく
もし、将来的に逮捕される可能性があるという場合、相談できる弁護士を事前に探しておくとよいです。
逮捕後でも弁護士を呼べるといえ、日頃から弁護士と連絡をとっている人はあまり多くないでしょう。
事前に相談できる弁護士を探しておけば、万が一逮捕されてしまったときに、すぐ連絡をとることが可能です。
逮捕後に相談できる弁護士の種類と特徴を知っておく
被疑者として逮捕された場合、逮捕~勾留の間は外部との接触・接見は基本的にできなくなります。しかし、弁護士はいつでも被疑者と接見する権利があります。
今後の相談や家族への伝言などを頼めるので、相談できる弁護士について知っておくとよいでしょう。
当番弁護士|逮捕後、無料で一度だけ呼べる
当番弁護士とは、逮捕された被疑者が利用可能な弁護士会から一度だけ無料で派遣される弁護士です。基本的に、被疑者が警察に対して「当番弁護を利用したい」といえば利用可能です。
【当番弁護士を呼ぶべきなのはこんな人】
- 逮捕されたものの弁護士の宛がない人
- 逮捕された直後に外部と連絡を取りたい人
私選弁護人|逮捕から事件終了までの刑事弁護を依頼できる
私選弁護人とは、個人的な契約により選任する弁護人です。私選弁護士は文字通り、自分で相談する弁護士を選ぶ必要があります。
日常的に相談している弁護士がいれば、その弁護士でも問題ありません。しかし刑事事件を得意とする弁護士であるとは限らないので、注意しておきましょう。
【私選弁護人を呼ぶべきなのはこんな人】
- 逮捕前後から迅速に弁護活動を依頼したい人
- 刑事事件を得意分野とする弁護士に依頼したい人
家宅捜索後(逮捕された場合)の流れを調べておく
家宅捜索されたときに適切な対応をするためには、家宅捜索後の流れを知っておくとよいでしょう。
家宅捜索が行われたその後に流れは、証拠となる物が出てきたかどうかによって異なります。
それぞれのパターンで確認していきましょう。
犯罪の証拠が出た場合は逮捕される恐れも
捜索の結果、犯罪の証拠が発見された場合は、その場で現行犯逮捕される可能性があります(例えば、違法薬物が発見された場合)。
何も出てこない場合は逮捕されない場合も
他方、捜索により特に犯罪の証拠がでなければ、その場で逮捕されるということは、ほとんどありません。
もしも捜索に来た捜査官が、逮捕令状も持参している場合、捜索の前に逮捕されるでしょう。
逮捕後は警察による取調べを受ける
逮捕されれば、警察署へ連行されて取調べを受けることになります。逮捕された人は外部との一切の接触を絶たれます。唯一、弁護士だけは被疑者との面会が可能です。
検察に身柄が送検される
警察は逮捕した場合48時間以内に事件と身柄を検察庁に送致しなければなりません。送致を受けた検察官は24時間以内に被疑者を勾留するべきかどうか判断し、勾留するべきとなれば裁判官に勾留を請求します。
裁判官が勾留を認めれば、被疑者はそのまま勾留されます。検察が勾留不要と判断したり、裁判官が勾留を認めなかったりした場合、在宅事件となるのです。
勾留をするかどうかの判断基準
裁判官が勾留の可否を判断する基準は基本的に「証拠隠滅の恐れがあるかどうか」、「逃亡の恐れがあるかどうか」です。
裁判所は逃亡や罪証隠滅のおそれがあれば勾留を認めます。なお、勾留された被疑者は、延長を含めると最大20日間の身柄拘束を受けます。
起訴・不起訴処分の決定
起訴とは、検察が刑事裁判を提起することです。起訴・不起訴の判断は検察官が行います。
逮捕・勾留された事案では、基本的には勾留期間満期までに起訴・不起訴の判断がされます。
家宅捜索についてのQ&A
家宅捜索をされると「会社にばれるかもしれない…」「散らかされるイメージだけど、片付けはどうするの?」など、不安になるかもしれません。
それぞれの実態を、確認しておきましょう。
★家宅捜索は会社にばれるのか? |
家宅捜索をしたことが世間に公表されることはありませんが、マスコミが事件を察知して報道すれば会社にはばれます。 |
★家宅捜索後の片付けはされるのか? |
捜査機関は家宅捜索の際に必要以上に部屋を荒らしたりはしません。後片付けをするかどうかは、ケース・バイ・ケースでしょう。 |
さいごに
予告なく行われる家宅捜索は、捜査機関が令状さえ持っていれば拒否することはできません。もし家宅捜索をされる心当たりがある場合、事前に弁護士を見つけておくとよいかもしれません。
逮捕後の流れを調べましたが、それでも刑事事件に強い専門家が味方にいれば適切な対応をとれる可能性があります。