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実名報道とは|匿名報道との判断基準とプライバシー侵害等の問題点
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実名報道とは|匿名報道との判断基準とプライバシー侵害等の問題点

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実名報道(じつめいほうどう)とは、マスメディアの報道において関係者の実名を明示することを言います。報道機関には表現の自由があり、国民には知る権利があるものの、報道された人のプライバシーが侵害されたり、名誉毀損に繋がったりといった問題もあります。

 

今回は、実名報道の問題点や、実名報道されてしまった際の対処法などをお伝えします。

 

 

 

 

実名報道の問題点2つ

実名報道の問題点を整理していきましょう。

 

報道された人とその家族の人権や日常が損なわれる

実名が出るため報道される人はプライバシーが関係なく損なわれてしまいます。メディア上に名前が出たが最後、大衆はその人を犯罪者として接するようになります。仕事をクビになるだけでなく、再就職先を見つけるのも困難でしょう。

 

また、困るのは本人だけではありません。実名報道された人の家族も「犯罪者の家族」という目で見られ、会社や学校で差別を受ける恐れがあります。

 

判決前にもかかわらず犯人であるかのような印象を与えてしまう

日本の報道機関は実名報道を原則としています。違法性はないのですが、裁判の結果が出る前でも報道がされるため、あたかも犯罪者であるかのような印象を大衆に与えてしまいます。

 

裁判で判決が下るまでは、報道された人の身分は犯罪者ではなく被疑者です。被疑者をいかにも犯罪者のように報道することで、本来は無実の人であってもプライバシーを侵害されてしまいます。

 

 

実名報道がされない4つのケース

ただ、中には実名報道がされない場合もあります。具体的に確認していきましょう。

 

少年事件である場合

日本の法律で未成年は守られています。少年法61条には、罪を犯した少年の個人情報を報道してはいけない、という旨の記載があります。

 

家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

引用元:少年法61条

 

ただ中には例外もあって、放火や殺人など凶悪犯罪を行った場合など必要性が高い時は実名で報道がされるようです。

 

任意捜査や書類送検の場合

任意捜査や書類送検の段階では匿名で報道されることになります。ただ、責任が重い場合や官公庁が処分を実名で公表した場合などは実名報道に切り替えられるようです。

 

罪が軽い場合

既にお伝えしたように基本は実名報道となっていますが、微罪の場合などは犯罪者への行き過ぎた制裁を避けるため、匿名で報道される場合もあります。

 

精神障害者である場合

被疑者が精神障害者で心神喪失状態であった場合は、刑事責任能力がないと判断され、匿名報道される可能性があります。ただし、麻薬を使っていた場合や犯罪が凶悪だった場合は例外です。

 

 

実名報道とプライバシー侵害・名誉毀損の関係性

被疑者のプライバシーを侵害し名誉を毀損するにもかかわらず、なぜ実名報道がされるのでしょうか。プライバシーと実名報道はどのような関係になっているのでしょうか?以下でお伝えします。

 

報道機関には表現の自由、国民には知る権利がある

容疑者にもプライバシーがあるものの、報道機関には表現の自由があり、国民には知る権利があります。プライバシーと表現の自由、どちらを優先するのかという話ですが、日本においては表現の自由が優先されているのが現状です。

 

損害賠償が一部認められた事例

ただ、実名報道後に不起訴になった場合に新聞社を訴えることで、損害賠償が支払われた例もあります。

 

自身の逮捕を報じた新聞記事で名誉を傷付けられたとして、平成22年に愛知県警に逮捕され不起訴となった男性が毎日と朝日、中日の新聞3社に損害賠償を求めた訴訟で最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は、男性の上告を退ける決定をした。実名報道によるプライバシー侵害を認めず、逮捕容疑を誤って報じた毎日にのみ110万円の支払いを命じ、朝日と中日への請求は退けた2審東京高裁判決が確定した。決定は13日付。

 

 1審東京地裁は毎日に55万円の支払いを命じた一方、朝日と中日への請求を棄却。男性が「実名報道の必要はなかった」と主張した点は「容疑者の氏名を公表する社会的意義は大きい」と退けた。2審は毎日への賠償額を110万円に増額。朝日、中日への請求は認めなかった。

引用元:産経ニュース|実名報道はプライバシー侵害に当たらず 最高裁、容疑誤報の毎日新聞は敗訴確定

 

男性は不起訴になったにもかかわらず実名報道でプライバシーが侵害されたとして、新聞社3者を訴えました。「容疑者の氏名を公表する社会的意義は大きい」としてプライバシー侵害は認められなかったものの、逮捕容疑を誤って報じた毎日新聞には、110万円の支払いが命じられました。

 

実名報道された場合の対処法

実名がメディアで報じられれば、インターネット上にも情報が残るため、再就職がしにくかったり、あらぬ差別を受けたりする恐れがあります。事実無根にも関わらず、実名報道がされた場合の対処法を確認していきましょう。

 

記事の削除依頼をする

実名報道後はインターネットで記事が公開されます。放置しているとネット上でどんどん拡散してしまいますので、今後の生活を考えるのであればサイト管理者に削除依頼をしておいた方が良いでしょう。

 

損害賠償請求をする

日本では実名報道が原則となっているものの、先程ご紹介した事例にもあるように、誤報道をされた場合などは損害賠償が認められる事もあります。

 

記事削除や損害賠償請求が認められる条件とは

もちろん記事削除依頼や損害賠償請求のすべてが認められるわけではありません。プライバシー侵害、もしくは名誉毀損のいずれかが成立している必要があります。

 

報道内容が間違っていた場合などは削除依頼や損害賠償請求が認められやすくなるものの、実際に認められるかどうかは個々のケースごとに法律の専門家である弁護士に判断してもらうのがもっとも確実です。

 

プライバシー侵害や名誉毀損に当てはまるかどうか確認したい場合は、無料相談を利用することで確認ができます。

 

 

まとめ

被疑者のプライバシーが侵害されるものの、実名報道は当分なくならないでしょう。実名が公開される不利益を避けるには、事実と異なる報道や記事に対し、削除依頼請求や損害賠償請求をしていくことになります。

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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