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金の密輸は何罪?逮捕されたときの罰則と対処法
先日、芸能人が金の密輸で逮捕されたことが話題となりました。
参考:exciteニュース│カリスマDJ・森田昌典容疑者が“セコすぎ犯罪”金塊密輸に手を染めた裏事情
しかし、いったいなぜ金の密輸が違法となるのでしょうか?日本でも金を購入することができるので、覚せい剤などと違い、金を持ち込んだだけでは違法にはならないですよね。
この記事では、金の密輸がなぜ違法なのか、何罪によって逮捕されてしまうのかに併せて、逮捕後の流れと対処法を解説します。気づかないうちに金の密輸の手伝いをされていたということもあり得るため、しっかり確認しておきましょう。
金の密輸は何罪で逮捕される?
金の密輸は以下の罪に問われる可能性があります。
・消費税法違反
・地方税法違反
・関税法違反
金の密輸の罰則は刑法にはありません。というのも、金を日本に持ち込むこと自体は問題ではないからです。
なぜ金の密輸が消費税法違反なのか?
日本では、金の密輸は脱税行為として消費税法違反で取り締まられています。
香港やマカオなど、海外の中には購入時に消費税がかからない、または日本より低い国があります。そうした国で金を買った場合、日本に持ち込むときに消費税の支払いが必要となります。
しかし、日本に密輸し消費税込みの金額で売ることで、消費税分のもうけを得ることができるのです。もうけた資金でまた金を購入し、日本で売ることを繰り返し、という流れで簡単に稼ぐことができます。
逮捕されたときの罰則
金の密輸による罰則は、消費税法・地方税法・関税法によって定められています。
消費税法・地方税法違反の場合、10年以下の懲役および1,000万円以下の罰金(脱税額が1,000万円を超える場合には脱税額まで)です。
第六十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の行為により、消費税を免れ、又は保税地域から引き取られる課税貨物に対する消費税を免れようとした者3 前二項の犯罪に係る課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れ若しくは保税地域から引き取られる課税貨物に対する消費税に相当する金額又は還付金に相当する金額が千万円を超える場合には、情状により、これらの規定の罰金は、千万円を超え当該消費税に相当する金額又は還付金に相当する金額以下とすることができる。
引用元:消費税法 第64条
関税法違反の場合、第111条の無許可輸出入等の罪にあたり、5年以下の懲役および500万円以下の罰金となります。
第百十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第六十七条(輸出又は輸入の許可)(第七十五条において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻しを含む。次号及び次項において同じ。)し、又は輸入した者
引用元:関税法 第111条
逮捕されてからの流れと対処の仕方
税関で金の密輸が発覚すると、通常は税関職員から警察に通報され、場合によっては駆けつけた警察(空港警察等)に逮捕されます。また、その場で逮捕されなくても、捜査の結果、後日逮捕されることもあります。
この項目では、逮捕されてからの流れと対処の仕方を説明します。
逮捕後の身柄拘束は最大23日間
逮捕されてから48時間以内に、警察は事件を検察に送致します。送致を受けた検察は24時間以内に被疑者の身柄拘束が必要か否かを判断します。
検察が身柄拘束の必要があると判断した場合、勾留請求を裁判所に行います。勾留期間は当初は10日ですが、仮に延長された場合最大で20日間です。
この逮捕から勾留期間を含めた最大23日間で、起訴か不起訴かの判断が行われます。
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起訴後の有罪率は99.9%
検察に起訴された場合の有罪率は統計上99.9%と言われています。しかし、この数値はあくまで起訴後の有罪率であり、起訴前を含めた有罪率はかなり低くなり、刑法犯全体では以下の画像のような数値になります。
引用元:令和2年度犯罪白書
被疑事実が間違いない場合、起訴後の裁判によって無罪判決を勝ち取るより、起訴されないように対策を取ることが大切です。
弁護士への依頼が有効
効果的な弁護活動を行うのであれば、依頼した方がよいでしょう。警察・検察による取調べに対して、どう対応すべきかといった法的なアドバイスをもらえますし、身柄拘束中は自身で無罪の証拠を集めることができなくても、弁護士が代わりに行ってくれます。
また、検察官に反省していることを単純に伝えるだけでは不十分で、釈放後に再度罪を犯すことがないように、身柄を引き受け監督してくれる方を指定することも重要です。
金の密輸に対する罰則強化の動きがある
近年、金の密輸の摘発件数・押収量が平成26年から急激に増加し始め、平成29年ピークを記録しました。そのため政府は、平成29年11月に「ストップ金密輸」 緊急対策を始め、金の密輸等に対する罰則強化に乗り出しました。
上の図を見ると分かるように、金の密輸の摘発件数は平成30年、令和元年と大幅に減少しており、対策の効果が出ている模様です。
まとめ
金の密輸は消費税法や関税法違反にあたり、 最大で10年以下の懲役および1,000万円以下の罰金に処される可能性があります。
もし、ご自身や周りの方が逮捕されてしまったというような場合には、弁護士に相談してみることをおすすめします。弁護士による弁護活動で不起訴処分となることもあり得るからです。
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