客引き行為でも逮捕される可能性はあります。
あまりにも悪質であれば、懲役刑もあり得ますので、決して軽い犯罪ではありません。
ご家族や身内の方が逮捕された方は、弁護士に依頼することをおすすめします。
刑事事件では逮捕後72時間以内の対応が重要です。
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夜に繁華街を歩いていると、よく客引きの方を見ますよね。実際にアルバイトで客引き行為をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
その客引き行為ですが、違法な客引き行為じゃありませんか?
法律で違反とされている客引き行為や、条例で客引き行為自体が禁止されている場合もあり、客引き行為をしているのが見つかって逮捕ということになりかねません。
どういう客引きの仕方が違法なのか、また、客引きで逮捕された場合どうなるのか、お伝えしたいと思います。
ご家族や自身が客引き行為で逮捕された方へ
客引き行為でも逮捕される可能性はあります。
あまりにも悪質であれば、懲役刑もあり得ますので、決して軽い犯罪ではありません。
ご家族や身内の方が逮捕された方は、弁護士に依頼することをおすすめします。
刑事事件では逮捕後72時間以内の対応が重要です。
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※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 |
客引きは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」いわゆる風営法や、各都道府県の迷惑防止条例で定義され規制されています。
第22条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該営業に関し客引きをすること。
二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
風営法の条文を踏まえ、客引き行為を説明すると、客引き行為とは「特定の相手方に対し、公共の場所で、立ちふさがったり、つきまとったりして、お店に来るように誘う行為」です。
このような行為を風営法や迷惑防止条例では違法行為としています。
客引き行為に該当しない呼び込み行為やティッシュ配りなどは違法ではありません。
呼び込み行為とは不特定多数の人に対して「いらっしゃい、いらっしゃい」などどいって呼び込む行為です。
風営法では客引き行為しか禁止されていませんが、各都道府県の迷惑防止条例で客引きに関連した行為も禁止されています。
客引き行為をする目的で、公共の場所で相手方となる人を待つ行為です。
特定の相手方に対してのスカウト行為も禁止されています。また、客待ち行為同様に勧誘目的で待つ行為も禁止されています。キャバクラや性風俗関連のスカウト行為だけではなく、芸能スカウトなども執拗に付きまとったりすれば規制されます。
例えば、東京都の迷惑防止条例ではこのように規制されています。
第7条 何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
二 売春類似行為をするため、公衆の目に触れるような方法で、客引きをし、又は客待ちをすること
五 次のいずれかに該当する役務に従事するように勧誘すること。
イ 人の性的好奇心に応じて人に接する役務(性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな役務を含む。以下同じ。)
ロ 専ら異性に対する接待をして酒類を伴う飲食をさせる役務(イに該当するものを除く。)
六 性交若しくは性交類似行為又は自己若しくは他人の性器等(性器、肛こう門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは他人に自己の性器等を触らせる行為に係る人の姿態であつて性欲を興奮させ、又は刺激するものをビデオカメラその他の機器を用いて撮影するための被写体となるように勧誘すること
七 前二号に掲げるもののほか、人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取りあげ、進路に立ちふさがり、身辺につきまとう等執ように役務に従事するように勧誘すること。
3 何人も、不当な客引行為等の状況を勘案してこの項の規定により第一項第一号に掲げる行為(客引きに限る。)、同項第三号に掲げる行為(性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな接待に係る客引きに限る。)又は同項第五号若しくは第六号に掲げる行為(以下この項において「客引き等」という。)の相手方となるべき者を待つ行為の規制を行う必要性が高いと認められるものとして東京都公安委員会が指定する東京都の区域内の公共の場所において、客引き等を行う目的で、公衆の目に触れるような方法で客引き等の相手方となるべき者を待つてはならない。
これらの行為をすると、50万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処されます。
客引きを規制する法律は風営法と各都道府県の迷惑防止条例の2種類です。
風営法の第22条で客引きに関して規制がされており、同法の第52条に罰則が定められています。
違反した場合は、懲役6か月もしくは100万円以下の罰金に処せられます。(併科あり)
第52条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二十二条第一項第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、第二十八条第十二項第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十一条の三第二項の規定により適用する場合を含む。)又は第三十一条の十三第二項第一号若しくは第二号の規定に違反した者
迷惑防止条例は都道府県ごとに罰則が異なります。例えば、東京都の迷惑防止条例では第7条で客引き行為を規制しており、これらの行為をすると50万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処されます。
第七条 何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 わいせつな見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること。
二 売春類似行為をするため、公衆の目に触れるような方法で、客引きをし、又は客待ちをすること。
三 異性による接待(風適法第二条第三項に規定する接待をいう。以下同じ。)をして酒類を伴う飲食をさせる行為又はこれを仮装したものの提供について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること(客の誘引にあつては、当該誘引に係る異性による接待が性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな接待である場合に限る。)。
四 前三号に掲げるもののほか、人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取りあげ、進路に立ちふさがり、身辺につきまとう等執ように客引きをすること。
風営法と聞くと、性風俗店を思い浮かべる方も多いと思いますが、風営法に言う風俗営業には居酒屋や飲食店も含まれます。
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
二 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
三 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
四 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
五 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
居酒屋など客引き行為も風営法違反になりますが、迷惑防止条例が適用される事例が多いです。ですが、実際にケバブ屋を経営するトルコ人が、執拗な客引きを行い風営法違反で逮捕された事例もあります。
参考:六本木「赤ケバブ」店で執拗な客引き 風営法違反容疑 33歳トルコ人経営者を書類送検 「青ケバブ」店と競争激化| 産経ニュース
実際に、執拗な客引き行為で逮捕された事例や警察による一斉摘発などで逮捕された事例があります。
京都府で、警戒中の私服警官に不当な客引きを行ったとして、京都府迷惑行為防止条例違反容疑で現行犯逮捕された事例
横浜市で男女10人が、しつこい客引きを繰り返し行い、神奈川県迷惑行為防止条例の疑いで逮捕された事例
東京都中野区で、しつこい客引きをくりかえした男性3人を、東京都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した事例
参考:しつこい客引き、全国で初の逮捕 東京都迷惑防止条例違反の疑い| サンスポ
以上のように、客引き行為で実際に逮捕されています。客引きを行った当人はもちろん、店舗にも罰則の適用があります。
また、客引きの取り締まりを強化する自治体も増えてきています。客引きはリスクの高い行為と言えるでしょう。
客引きは逮捕される可能性があることは理解していただけたかと思います。では、客引きで逮捕されたらどうなるのでしょうか?ご説明したいと思います。
客引きも含め、刑事事件では逮捕されてから裁判まで同じ流れで進んでいきます。
上の図は刑事裁判の流れを簡単に表したものです。
まず、逮捕されてから最大で48時間、警察による取調べが行われます。この48時間のあいだで、警察は検察に送致するか、微罪処分とするか判断されます。
検察に送致された場合、検察による最大24時間の取調べが行われ、勾留(長期の身体拘束)するかどうかを判断します。検察は最終的に事件を起訴するかしないかを判断します。なお、軽微な犯罪では略式起訴になる場合があります。
略式起訴とは、正式な裁判を開かず、書面審理で行う簡略化された手続きを請求するものです。
略式起訴するにはいくつかの要件を満たす必要があります。
以上の要件を満たした場合に行うことができます。
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原則として、逮捕後48時間以内の取調べと、検察送致後24時間以内の取調べで勾留を請求すべきかどうかが判断されます。
検察が勾留が必要と判断した場合、裁判所に勾留を請求し、裁判所がこれを認めれば、被疑者は10日間身体拘束を受けます。勾留機関の満期に検察においてさらなる身体拘束が必要と判断した場合は勾留の延長が請求され、裁判所がこれを認めれば最大10日間勾留が延長されます。
最初の3日間と延長の20日間あわせ、逮捕から起訴まで最大23日の身体拘束を受ける可能性があります。身柄事件(被疑者の身体拘束を伴う事件)の場合はこの23日間で起訴されるかどうかが判断されます。
関連記事:勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法
日本の刑事事件では起訴された場合、99.9%の確率で有罪となります。
有罪判決になれば前科が付くことになります。前科があると、多少なりとも社会生活に影響があるでしょう。
反対に、不起訴処分となれば前科はつきません。
なので、身柄事件で不起訴処分を得るためには、起訴までの23日間が重要です。
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逮捕されてしまったときに、弁護士によるサポートを受けることができれば、心強いですよね。弁護士のサポートを受けるメリットをお伝えします。
逮捕から72時間以内は家族でも基本的には接見することはできません。しかし、弁護士なら接見することができます。
逮捕直後に弁護士と接見できれば、取調べの対応の仕方や今後どのような流れで進んでいくかなど、様々な相談をすることができます。
弁護士に相談したいけど、知り合いに弁護士がいないのでどうしようという方は、「当番弁護士制度」をご利用ください。
当番弁護士制度は、無料で1度だけ弁護士を呼べる制度です。
蘭連記事:無料で簡単に呼べる当番弁護士は逮捕で困った被疑者の味方
弁護士に依頼すれば、勾留の取り消し申請や不当な勾留に対する抗告をしてもらえます。勾留期間が長引けば、家族や会社に逮捕されたことが知られる可能性が高まります。
また、正式裁判で起訴された場合は勾留はそのまま続きますが、弁護士に保釈請求を依頼することができます。起訴されてから第1審まで、約1か月かかります。保釈請求が認められれば、保釈金を支払うことで釈放されます。
弁護士のサポートがなければ、逮捕から裁判までのあいだ身柄拘束される可能性が高いです。その間、一人で警察・検察の取調べを受けなくてはならないですし、きちんとした対策なしに裁判になれば有罪判決になってしまうでしょう。
そのような状況で味方となってくれる弁護士はとても心強いはずです。
実際に、客引きで逮捕されたが無罪判決となった事例があります。
さいたま市の大学生がしつような客引き行為で埼玉県迷惑行為防止条例違反に問われた事件で、さいたま簡易裁判所が無罪判決を言い渡しました。
客になりすました警察官に対して、26.5メートルにわたってしつような客引き行為をした疑いで現行犯逮捕されました。
しかし、実際は半分の距離ほどでしか客引き行為をしていないほか、警察官のほうから積極的な応対をしたということで、無罪判決になりました。
起訴された内容が事実と違うことを証明できれば、無罪判決の可能性が高まります。
一般の刑事事件の弁護士費用は60万円~100万円くらいとなっています。
ですが、弁護士事務所によって金額は異なりますし、自白事件か否認事件かどうかでも金額が変わります。
現在では、初回相談料無料の弁護士事務所もあります。まずは、無料相談を利用して、相場を調べてみることをおすすめします。
金額が高いから良い弁護士というわけではなく、依頼者との相性もありますので、注意しましょう。
客引き行為もれっきとした違法行為です。
周りもやっているから大丈夫などと考えていると痛い目を見るかもしれません。あまりにも悪質であれば、懲役刑もあり得ますので、決して軽い犯罪ではありません。
もし、家族や友人が逮捕されてしまうようなことになった場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
関連記事:刑事事件の弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法
ご家族や自身が客引き行為で逮捕された方へ
客引き行為でも逮捕される可能性はあります。
あまりにも悪質であれば、懲役刑もあり得ますので、決して軽い犯罪ではありません。
ご家族や身内の方が逮捕された方は、弁護士に依頼することをおすすめします。
刑事事件では逮捕後72時間以内の対応が重要です。
刑事事件に注力している弁護士は、取調べの対応や示談交渉などを始めとする、豊富なノウハウを有しています。
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