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器物損壊は防犯カメラが証拠での逮捕は有り得る?罪に問われるケースについて解説

器物損壊は防犯カメラが証拠での逮捕は有り得る?罪に問われるケースについて解説

器物損壊をしてしまったら、そのときは逃げられても、後日逮捕されてしまう可能性は高いといえます。

なぜなら、日本には多くの防犯カメラが設置されているからです。

そのため、器物損壊罪に該当する行為をしてしまった場合は、迅速に弁護士に相談し、逮捕・起訴されないための対策を講じるようにしましょう。

本記事では、防犯カメラの映像が器物損壊の証拠となって逮捕される可能性について詳しく解説します。

器物損壊事件が処理される一般的な流れなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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器物損壊を映した防犯カメラの証拠映像で逮捕される可能性がある

器物損壊は、防犯カメラの映像が証拠となって逮捕に至るケースが非常に多い犯罪です。

つまり、その場で逃げられたとしても、あとから刑事事件になり、逮捕される可能性は十分あります。

防犯カメラによる器物損壊の証拠映像があれば、警察が動く可能性が高まる

防犯カメラによる器物損壊の証拠映像があれば、警察が動く可能性は高まります。

その結果、後日事件になり逮捕に至るケースも少なくありません。

周囲に誰もいないからといって夜中に他人の家の壁を傷つけたり、お店舗のガラス戸を割ったりすると、被害者から相談を受けた警察が捜査に乗り出すことがあります。

とくに、防犯カメラの映像が見つかれば警察が動く可能性は高く、器物損壊においては強力な証拠として加害者特定に用いられます。

防犯カメラは、都市部を中心として至るところに設置されています。

コンビニエンスストアやレストランなどはもちろん、自治体が設置した街頭カメラや家庭用のカメラの映像も証拠になります。

つまり、器物損壊が誰にも見つかっていないと思っていても、気づかないうちに犯行事実や特定される証拠を残している可能性が高いのです。

犯行現場が映っていなくても、防犯カメラが逮捕のきっかけになることもある

たとえ、犯行そのものが映っていなかったとしても、防犯カメラの映像が逮捕のきっかけになることはあります。

被害が発生した時間に現場の近くを通っている人物が、被疑者として特定されるケースがあるためです。

警察は街のなかにある防犯カメラの映像などを繋いでいき、被疑者の足取りを追います。

犯行後、どこかの店でカードを利用して買い物をしたり、自家用車やタクシーに乗って自宅に帰ったりしていれば、比較的容易に個人を特定できます。

万が一、器物損壊の罪を犯してしまった場合は、警察の捜査によって犯行事実が特定される前に、警察に出頭するべきです。

自ら出頭すれば、自首扱いになる可能性がありますし、逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして、在宅事件となる可能性は高まります。

ただし、出頭する際に何をどのように伝えるかが、逮捕されるどうかに大きく関わります。

そのため、出頭を考えているなら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

器物損壊とはどんな犯罪なのか

器物損壊罪は、具体的にどのような犯罪なのでしょうか。

器物損壊罪の成立要件や法定刑などを解説します。

器物損壊罪|他人の物をわざと損壊した場合の罪

器物損壊は、わざと他人のものを壊したり傷つけたりする罪です。

判例では、他人の所有する物の効用を害する一切の行為が、器物損壊罪にあたるとされています。

つまり、物理的に破壊したという行為に限らないということです。

たとえば、選挙ポスターに落書きをする行為や物を隠す行為も、本来の効用を害しているといえ、器物損壊罪が成立する可能性があります。

また、他人が飼っている動物を傷つけるような行為も、器物損壊罪に当てはまります。

器物損壊罪の法定刑

器物損壊罪の法定刑は、「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」と定められています。

科料とは、1,000円以上1万円未満の金銭を支払わなければならない刑罰です。

比較的軽い刑罰ですが、実際に科料が科されるケースはめったになく、基本的には3年以下の懲役または30万円以下の罰金になると考えてよいでしょう。

器物損壊罪に問われるケース

器物損壊罪にあたるのは、物理的に何かを破壊した行為に限りません。

物を本来の目的で使えなくし、価値や効用を失わせる行為も含まれます。

具体的には、次のような行為が器物損壊罪に問われます。

対象を物理的に壊した

器物損壊罪に問われる代表的な事例としては、以下のように対象を物理的に壊す行為が挙げられます。

  • 窓ガラスを割る
  • 選挙ポスターを破る
  • 店の看板を破壊する
  • 車や自転車のタイヤをパンクさせる
  • 他人のペットにケガをさせる
  • 他人が管理する植物の枝を折る

対象を本来の目的で使えない状態にした

対象を物理的に壊していなくても、以下のように本来の目的で使えない状態にした場合には、器物損壊罪に問われる可能性があります。

  • 他人のものを隠す
  • 他人の衣服を汚す
  • 公共の壁などに張り紙や落書きをする
  • 図書館の本を塗り潰す
  • 他人のペットを逃がす
  • 飲食店の食器に放尿する

器物損壊罪に問われないケース

ものを壊したり、傷つけたりしてしまったら、必ずしも器物損壊罪に問われるというわけではありません。

ここからは、罪に問われないケースについて紹介します。

過失だった

器物損壊罪は、わざとおこなった損壊や傷害について問われる罪です。

そのため、故意がなく、意図せずにやってしまった行為、つまり、過失によって発生した損壊や傷害である場合は罪に問われません。

ただし、不注意やミスで他人のものを壊してしまった場合であっても、民事上の損害賠償責任はあります。

壊してしまったものは、弁償しなければなりません。

心神喪失の状態だった

心神喪失の状態だったと認められる場合には、器物損壊罪に問われることはありません。

刑法では、心神喪失者の行為を罰しないことを規定しているためです。

心神喪失者とは、精神の障害などによって、自分の行為に対する善悪を判断する能力がない者や、判断能力はあってもそれにしたがって行動する能力がない者のことを指します。

たとえば、精神疾患を患っている場合、飲酒で酩酊している場合などに該当する可能性があります。

ただし、飲酒による心神喪失が認められるのは、非常にまれなケースです。

万が一、他人のものを壊してしまったときに、酔っていて覚えていないと主張しても、基本的に心身喪失が認められることはないと心得ましょう。

行為者が14歳未満だった

器物破損の行為者が14歳未満だった場合も、罪に問われることはありません。

日本の刑法では、14歳に満たない者に刑事責任能力を認めていないためです。

しかし、14歳未満であっても逮捕の代わりに保護される可能性はあります。

場合によっては児童養護施設・児童自立支援施設・少年院へ入所することになるため、必ずしも日常生活を送り続けられるわけではありません。

また、14歳未満であっても、調査という名目で警察から取り調べされたり、家庭裁判所の審判を受けたりすることはあります。

この際、14歳以上の者が14歳未満の者に指示をして器物損壊行為をさせていたことが発覚すれば、指示者は間接正犯や教唆犯に問われる可能性が高いでしょう。

未遂で終わった

器物損壊罪には、未遂罪はありません。

そのため、未遂であれば罪に問われません。

他人のものを壊そうとしても、実際には壊れなかったというときは、器物損壊罪にはならないのです。

たとえば、人目につかない場所で他人の自転車のタイヤに穴を開けようとしたところ、人が通りかかったため慌てて逃げ、結局何もしないまま終わった場合などが該当します。

器物損壊事件の一般的な流れ

ここでは、器物損壊事件の一般的な流れを解説します。

おおまかな流れだけでも理解していれば、不安や焦りの気持ちも軽減されるので参考にしてみてください。

捜査・逮捕

まさに器物損壊をしているところを取り押さえられた場合は、現行犯としてその場で逮捕されます。

一方で、周囲に気づかれず、その場を離れられるケースもありますが、捜査がなされれば後日逮捕される可能性もあります。

防犯カメラは至るところに設置されているため、一時的に逃げることができても、あとから被疑者が特定されるのは珍しいことではありません。

逮捕されると、基本的には留置所で身柄が拘束され、基本的には弁護士以外との面会はできなくなります。

しかし、被疑者として特定されたとしても、必ず逮捕されるというわけではありません。

逃亡のおそれ、及び罪証隠滅のおそれがないなどの条件に当てはまれば、在宅事件として、自宅に帰ることができるケースもあります。

その場合も、警察官などからの呼び出しがあれば、出頭して取り調べに応じなければなりません。

送検・勾留

逮捕後に釈放されない場合は、逮捕から48時間以内に検察官へ身柄が送致されます。

そのあと検察官は、留置の必要があると判断するときは、被疑者の身柄を受け取った時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求することになります。

検察官が裁判所に勾留請求をし、裁判官の勾留質問を経て勾留決定がされると、原則、検察官が勾留請求をした日から10日間勾留されることになります。

勾留延長がおこなわれると、最長で逮捕から23日間にわたって身体拘束を受ける可能性もあります。

証拠隠滅・逃亡のおそれがある場合や、黙秘・否認を続けていて取り調べがスムーズに進まない場合などには勾留が長引くと考えてよいでしょう。

検察官は勾留期間中、捜査に基づいて、被疑者を起訴するか不起訴とするかを決定します。

不起訴処分になれば釈放され、その時点で罪に問われることはなくなります。

公判手続き

検察官が公訴を提起(起訴)すれば、1ヵ月~2ヵ月後に第1回公判期日が設定されます。

公判手続きでは、まず原告・被告が証拠を提出しながら主張をおこない、争点を明らかにしていきます。

その後、適当と考えられる刑罰などについての議論がおこなわれ、裁判官から最終的な審判が下されます。

なお、起訴されたあとも勾留は継続しますが、保釈請求が通れば、保釈金を納付することにより釈放されます。

判決・上訴

起訴された事件は公開法廷で審理されますが、日本における有罪率は9割を超えます。

つまり、ほぼ確実に有罪になると考えてよいでしょう。

裁判所は、公判手続き最終日に判決を下します。

器物破損罪の場合、法定刑は3年以下の懲役・30万円以下の罰金・科料のいずれかです。

そのなかで被告人に判決が言い渡されます。

場合によっては執行猶予がつき、定められた期間、問題なく過ごせば、刑の執行を受けなくてもよいということもあります。

判決に不服があれば、判決を受けてから14日以内に控訴の申立てをすることができます。

刑の執行

控訴や上告が期間内におこなわれなかったとき、または上告審の判決から原則10日間が経過したときに判決は確定します。

判決が確定すれば、次は刑の執行です。

器物損壊罪の場合は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料となります。

懲役刑の実刑が言い渡された場合、一般的には刑務所に収容されます。

罰金や科料であった場合は、検察庁から送付されてくる納付書を用いて期限内に納付します。

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器物損壊事件を起こした場合に弁護士に依頼する3つのメリット

器物損壊罪に該当するような事件を起こしてしまったら、弁護士に相談するのがおすすめです。

ここからは、弁護士に依頼するメリットを3つ紹介します。

器物損壊事件で重要な示談交渉を任せることができる

弁護士に相談するメリットのひとつは、重要な示談交渉を任せられる点です。

器物損壊は親告罪なので、基本的に被害者やその家族などが告訴をしなければ、罪に問われる心配はありません。

そのため、示談交渉によって、告訴をしないよう約束してもらえれば、その時点で刑事罰を免れることができるのです。

そうはいっても、自分自身で適切な示談を成立させるのは容易なことではありません。

まず、加害者本人が直接交渉をしても、相手にしてもらえる可能性は低いでしょう。

また、話し合いの場がもてたとしても感情的になって余計にこじれてしまったり、不当な賠償を求められたりすることもあり得ます。

その点、弁護士は交渉のプロフェッショナルです。

できる限り不利益が生じないように、適切に示談をまとめてくれるでしょう。

器物損壊事件を起こした際には、事態が大きくなってしまわないよう、早期に弁護士に対応を任せることをおすすめします。

逮捕・勾留を回避できる可能性が高まる

弁護士に依頼すれば、逮捕・勾留を回避できる可能性が高くなります。

基本的に逮捕・勾留は、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に実行されるものです。

しかし、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを、被疑者本人が主張しても説得力がありません。

そこで、弁護士から捜査機関に対して、第三者的な立場で働きかけてもらうことが、逮捕・勾留を回避するためのポイントとなるのです。

逮捕・勾留をされると、警察署内の留置場で身体拘束を受けるため、仕事や日常生活に大きな影響が出てしまいます。

反対に逮捕・勾留を回避できれば、職場や家族にバレることなく済ませられる可能性が高いので、できる限り弁護士を頼りましょう。

不起訴処分を勝ち取り前科を回避できる可能性が高まる

実際に器物損壊事件を起こした場合でも、弁護士に相談・依頼すれば不起訴処分を勝ち取り、前科を回避できる可能性が高まります。

弁護士は被害者との示談を成立させたり、捜査機関に働きかけをおこなったりとさまざまなサポートを通じて、不起訴となるように働きかけてくれます。

起訴される可能性のある事件でも、弁護士が粘り強く弁護活動をおこなったことで、不起訴処分で済んだというケースは多くあります。

不起訴処分になれば、そこで事件は終了です。

裁判に出る必要もなく、前科もつきません。

社会生活への影響を最小限に抑えることができるのです。

起訴された場合も減刑や執行猶予の可能性が高まる

逮捕・勾留を経て、検察官に起訴されてしまった場合は、さらに弁護士への依頼が不可欠だといえます。

なぜなら、裁判でどのような立証や主張をおこなうかが、最終的な量刑に大きく関わるからです。

起訴されてしまったら、それ以上できることはないと諦める方もいるようですが、そんなことはありません。

示談を成立させたり、謝罪文の作成によって反省している態度を示したりすれば、情状酌量の余地があると判断され、減刑や執行猶予につながる可能性は十分あります。

弁護士に依頼すれば、最小限の刑罰で済むように尽力してくれるはずです。

さいごに|器物損壊事件を起こしてしまったらすぐに弁護士に相談しよう

器物損壊事件を起こしてしまったら、すぐに弁護士に相談しましょう。

現時点では大丈夫だと思っていても、後日逮捕されてしまうケースはあります。

また、すでに現場から立ち去っている分、逮捕や勾留をされやすい状況にあると考えられるでしょう。

そのため、罪を少しでも軽くするためには、まず弁護士に相談することが重要です。

弁護士に相談・依頼すれば、被害者との示談交渉や捜査機関への働きかけを迅速に進めてくれます。

結果的に、逮捕や起訴を回避できる可能性は格段に高まります。

経験豊富な弁護士であれば、器物損壊事件を起こしたからといって責め立ててくるようなこともありません。

初回相談であれば無料で対応している弁護士も多いので、できるだけ早く相談するようにしてください。

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この記事の監修者
澤田 剛司 (東京弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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