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公開日:2018.6.12  更新日:2020.9.18

併合罪とは|観念的競合・牽連犯との違いや量刑の計算方法などを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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併合罪(へいごうざい)とは、同一人物が2つ以上の罪を犯したが、確定裁判を経ていないものを指します。あるいは過去に禁錮以上の刑に処する確定裁判があったとき、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪のことをいいます。(刑法第45条)

よく併合罪と勘違いされやすいものとして、観念的競合牽連犯が挙げられます。観念的競合は1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合(刑法第54条)に適用されます。

一方、牽連犯は犯罪の手段または結果である行為が他の罪名に触れる場合(刑法第54条)に適用されます。

この記事では、併合罪・観念的競合・牽連犯それぞれの違いや、併合罪の量刑の計算方法などについて解説します。

併合罪とは

併合罪は同一人物が2つ以上の罪を犯し、かつ確定裁判を経ていない場合に当てはまり、刑法にて以下のように定義されています。例としては、強盗殺人を犯した後に隠ぺいのため放火した場合などが当てはまります。(強盗殺人罪&放火罪)

第四十五条 確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

引用元:刑法第45条

観念的競合との違い

併合罪と似たものとしては、まず観念的競合が挙げられます。観念的競合は刑法第54条にて1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合と定義されており、例としては警官に暴行を加えた場合などが当てはまります。

(暴行罪&公務執行妨害)

牽連犯との違い

併合罪と似たものとして、牽連犯も挙げられます。牽連犯は刑法第54条にて犯罪の手段または結果である行為が他の罪名に触れる場合と定義されており、例としては家屋に忍び込み金庫のお金を盗んだ場合などが当てはまります。

(住居侵入罪&窃盗罪)

法条競合

中には、1度に複数の罪を犯しても併合罪とならず、法条競合が適用されるケースも存在します。

法条競合とは、複数の罪を犯しているように見えても、刑罰法規上1つだけしか適用されないことを指します。

法条競合は、競合する罰条が特別関係、補充関係、択一関係、吸収関係いずれかに当てはまる場合に適用されます。

特別関係

特別関係とは、犯した罪が一般法と特別法の関係にある場合を指します。

一般法は適用される範囲が広い法律のことで、例として横領罪が挙げられます。一方、特別法は適用される範囲が狭い法律のことで、例として業務上横領罪が挙げられます。

補充関係

補充関係とは、犯した罪が基本法と補充法の関係にある場合を指します。

基本法は国の制度に関する基本的な方針が定められている法律のことで、例として現住建造物等放火罪が挙げられます。一方、補充法は基本法を補う法律のことで、例として非現住建造物等放火罪が挙げられます。

択一関係

択一関係とは、犯した罪が排他的関係にあり、どちらかのみが適用される場合を指します。

例として、未成年者誘拐罪と営利誘拐罪などが挙げられます。

吸収関係

吸収関係とは、犯した罪のうち、一方が他方を吸収する関係にある場合を指します。

例として、強盗罪と暴行罪などが挙げられます。

併合罪の法定刑の計算方法

併合罪の法定刑は刑の長期を罪が重い方の刑期×1.5とすると定められています。(刑法第47条)

例えば、刑の長期が懲役20年の罪と懲役15年の罪を1度に犯した場合、併合後の長期は【20×1.5=30年】です。ちなみに、併合罪により長期が伸びる場合は30年が上限であり、併合対象となる罪の法定刑が死刑・無期懲役は特に法定刑の修正はありません。

ちなみに、この場合の長期とは「長い期間」という辞書的な意味ではありません。『懲役〇〇年以上●●年以下』という場合の●●年の方を、長期といいます。

併合罪の判例

2017年12月広島地裁の判決

2016年9月に広島県にて、被告人が被害者を鈍器で殴打して殺害。さらに被害者の所持していた現金を奪った事件です。裁判所は「被告人は殺意だけでなく、強盗の犯意も持っていた」として、被告人に対して無期懲役との判決を下しました。

参考元:裁判所:下級裁裁判例

2018年2月名古屋地裁の判決

2016年7月に愛知県にて、被告人A・Bが拳銃で被害者を殺害。さらに乗用車を焼損させたり、覚せい剤を使用したりするなど、複数の罪を犯した事件です。裁判所は「刑事責任は非常に重い」として、被告人両名に対して懲役30年との判決を下しました。

参考元:裁判所:下級裁裁判例

刑事事件の被疑者・被告人となった場合に取り得る手段

もしご自身が罪を犯してしまった場合は、以下のような防御活動があり得ます。

被害者との示談

被害者と直接交渉を進めることで、早期釈放・減刑が獲得できる可能性は高まります。

弁護士によるサポート

弁護士に依頼することでも早期釈放・減刑を望むことができます。

弁護士に依頼するメリット

  • 刑事事件の流れや手続きについてアドバイスがもらえる
  • 接見禁止期間中でも面会が可能
  • 冤罪事件の弁護も依頼できる

呼べる弁護士

刑事弁護で登場する弁護士には私選弁護士、当番弁護士、国選弁護士がいます。

弁護士費用

弁護士費用はところによって様々ですが、一般的な相場は下のとおりです。ただし、当番弁護士、国選弁護人は費用はかかりません。

  • 相談料…1時間あたり1万円
  • 接見費用…約2~5万円
  • 着手金…約30~50万円
  • 報酬金…約30~50万円

関連記事:刑事事件の弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法

まとめ

併合罪の中には、一見しただけでは観念的競合・牽連犯と判別が難しいケースが存在します。さらには法条競合に当てはまるケースなども存在しますので、判断に困ることでしょう。

もし1度に複数の罪を犯してしまった場合には、まず併合罪が適用されるのか確認する必要があります。

もちろん犯した罪について反省したうえで、ご自身が犯した罪は併合罪に当てはまるか、また量刑はどれほどになるか、不安な方は弁護士に相談を依頼してもよいでしょう。

参照元一覧

刑法

裁判所

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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