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勾留延長の連絡は家族にこない?被疑者が勾留延長されたか知るための3つの方法

藤垣 圭介
監修記事
勾留延長の連絡は家族にこない?被疑者が勾留延長されたか知るための3つの方法
  • 「息子が逮捕されたがいつまで身柄拘束されるか不安」
  • 「勾留期間が満了したはずなのに連絡がない。勾留延長されたか確認したい」

家族が被疑者として逮捕されてしまった場合、このような悩みを抱える家族の方も多いはずです。

結論からお伝えすると、勾留延長されても家族に直接連絡がくることはありません

そのため、当初の勾留期間が終了したら家族側から確認する必要があるのです。

本記事では、勾留延長の連絡に関する実務の状況、勾留延長されたかどうかを確認する方法を解説します。

また、勾留延長の阻止に向けて弁護士がやってくれることなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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家族に勾留延長の連絡はない!本人は警察から教えられる

まずは、勾留及び勾留延長のルールと、勾留延長されたときの連絡がどのようにおこなわれるのかについて解説します。

勾留及び勾留延長とは

勾留とは、被疑者に対する強制的な身柄拘束処分のことです。

被疑者が警察に逮捕された場合、通常は警察と検察で合計72時間以内の取り調べを受けたあと、検察官が公訴提起するか否かを判断します。

しかし、事件が複雑だったり被疑者が黙秘・否認をしていたりすると、72時間以内の取り調べだけでは公訴提起判断に必要な証拠を収集できない場合があります。

その場合、検察官は勾留請求をおこなうことが認められています。

そして、裁判所が検察官の勾留請求に正当な理由があると認めるときには、10日間被疑者の身柄拘束期間が延長されるのです。

ただし、捜査活動の進捗状況次第では、勾留期間10日間を使ったとしても、公訴提起判断に必要な証拠が不足するケースも少なくありません。

このようなケースでは、検察官による勾留延長請求が認められており、最長10日間の範囲内で、被疑者の身柄拘束期間をさらに延長することが可能です。

つまり、逮捕されたときからカウントすると、被疑者の身柄拘束期間は最長で23日間に及ぶ可能性があるといえます。

なお、検察官が起訴処分を下したあとも、起訴後勾留によって身柄拘束が継続する場合があります。

早期の身柄釈放を希望するなら、速やかに保釈請求をおこなって保釈金を支払わなければいけません

勾留及び勾留延長期間中の被疑者の状況

勾留及び勾留延長は強制処分です。

そのため、逮捕段階と同じように、勾留期間及び勾留延長期間中は、被疑者の身体・行動の自由は大幅に制限されます。

たとえば、被疑者の所持品は全て取り上げられるので、スマートフォンを使って会社や家族、知人に電話連絡を入れることはできません。

また、取り調べが実施される時間以外は警察署内の留置所・拘置所に身柄が留められて、外出するのも不可能です。

逮捕段階よりは接見禁止処分が下される可能性は低いものの、接見禁止処分が下されると弁護士以外とは一切面会できません。

これらを踏まえると、勾留及び勾留延長期間中は、被疑者は肉体的・精神的だけではなく社会的にも過酷な状況に置かれるといえるでしょう。

被疑者側の防御の観点からすると、勾留や勾留延長はできるだけ避ける必要がありますし、勾留や勾留延長が認められたとしても、可能な限り身柄拘束期間の短縮化を目指すべきだと考えられます。

勾留延長に関する連絡の実務

勾留延長を認める裁判所の決定が出たとしても、裁判所や検察官から被疑者家族や弁護士にその旨の連絡がいくことはありません

そのため、弁護士が裁判所や検察官に連絡をしたり、勾留延長決定の裁判の記載がある勾留状の謄本の交付請求をしたりして、勾留延長されたかどうか、何日間勾留延長されるのかについて確認する必要があるのです。

なお、最初の勾留決定が出たときには、被疑者が指定した連絡先に、裁判所から連絡がいきます。

家族が勾留延長されたかどうかを知るための3つのポイント

勾留延長されたかどうかの連絡が家族にくることはありません

ただ、被疑者の家族としては、被疑者の処分がどうなったかと同じくらい身柄が釈放されたかどうかが気になるのは当然です。

ここでは、被疑者が勾留延長されたかどうかを家族が確認するための方法を3つ紹介します。

1.本人からの連絡の有無で判断する

検察官による勾留延長が認められなかったのなら、被疑者の身柄を強制的に拘束する根拠がなくなるので、被疑者の身柄は釈放されます。

被疑者の身柄が釈放されたタイミングでスマートフォンなどの所持品は全て返却されることが多いので、被疑者本人から家族に連絡がくるはずです。

つまり、被疑者本人から電話やLINEなどで連絡があれば勾留延長されなかった、被疑者本人から連絡がなければ勾留延長が認められてしまったと判断できるでしょう。

ただし、身柄拘束期間中にスマートフォンの充電がゼロになっていると家族にすぐ連絡できない可能性があります。

また、逮捕されたときの状況次第では被疑者が一切所持金を持ち合わせておらず、家族に連絡する手段がないというケースもあり得るでしょう。

そのほか、被疑者本人が逮捕・勾留されて家族に迷惑をかけたことを申し訳なく思っており、自分から家族に連絡できないというパターンも考えられます。

2.担当弁護士に確認し教えてもらう

被疑者に弁護人が就いているのなら、裁判所や検察官への問い合わせによって被疑者の状況をリアルタイムで把握しているはずです。

弁護人の弁護士に連絡すれば被疑者の置かれた状況を把握できるでしょう。

3.勾留先の警察署に面会を申し入れる

被疑者に弁護人が就任していないのなら、被疑者家族が勾留延長されたかどうかを確認しなければいけません。

その手段として有効なのが、勾留先の警察署に面会を申し込むことです。

接見禁止されておらず、かつ、被疑者がその警察署で勾留されている状況なら、面会の申し込みが受理されるでしょう。

一方、被疑者が勾留されているはずの警察署に面会を申し入れたときに、「該当者がいない」などの返事をもらったときには、勾留延長が認められずに被疑者が釈放されたか、勾留場所が変更されたかのどちらかであることがわかります。

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刑事事件で勾留延長をされる際の大まかな流れ|3ステップ

ここからは、刑事事件で勾留延長されるときの手続きの流れを解説します。

1.検察官が勾留延長請求書を作成する

検察官が勾留延長の必要があると判断したときには、担当検察官が勾留延長請求書を作成します。

検察官は独任制が採用されるので、各検察官の判断だけで勾留延長請求するかどうかを決めることができるはずですが、実務上は上司の決裁を得るのが一般的です。

2.裁判所に対して請求書が提出される

被疑者の勾留期限が到来する当日、検察官が裁判所に対して事件記録と勾留延長請求書を提出します。

勾留満了日が土曜日・日曜日・祝日に当たる場合は裁判所が稼働していないため、その直前の平日に勾留延長請求がおこなわれるのが一般的です。

3.裁判官が勾留延長の請求を許可する

検察官から勾留延長請求を受けた裁判官は、勾留延長を許可するかどうかを判断します。

刑事訴訟法第208条第2項では、やむを得ない事由があると認められるときに勾留延長請求が許可されると定めています。

やむを得ない事由の具体例は以下のとおりです。

  • 被疑者が黙秘を続けているのが原因で認否が一切わからない
  • 事件の関係者が多く、参考人聴取に時間を要している
  • 事件が複雑で客観的証拠の精査に相当の時間・労力を要する
  • 10日間という勾留期間だけでは公訴提起判断に必要な証拠を収集できない
  • 勾留延長によって公訴提起判断に必要な証拠を収集できる見込みがある など

勾留延長期間は裁判官の裁量で決まります。

たとえば、検察官が10日間の勾留延長を請求したとしても、5日間しか勾留延長決定が下りないケースも少なくありません

裁判官が勾留延長を許可すると、検察官に対して勾留状が発付されます。

そして、検察官が警察に勾留状を交付し、被疑者に提示されます。

勾留延長されそうなときに弁護士に相談するメリット

被疑者が逮捕されたときには、速やかに刑事事件を得意とする私選弁護人に相談・依頼するのがおすすめです。

ここでは、勾留延長などのリスクを抱えた被疑者側が刑事事件に強い弁護士に相談するメリットを解説します。

勾留延長阻止活動に力を入れてくれる

なんらかの刑事事件を起こすと、逮捕・勾留という強制的な身柄拘束処分を下されるリスクに晒されます。

そのため、刑事訴追されたときには、身柄拘束期間の回避・短縮化を目指すことが大切です。

なぜなら、仮に不起訴処分を獲得して有罪や前科を回避できたとしても、一定期間身柄拘束されるだけで以下のデメリットが生じるからです。

  • 厳しい拘置所生活で心身が疲弊する
  • 厳しい取り調べの連続で、捜査機関に有利な供述や自白をするリスクが高まる
  • 家族や恋人に連絡できず、心配をかける
  • 自分で会社に電話連絡を入れることができず刑事事件を起こしたことがバレる可能性が高まる、数週間に及ぶ欠勤でキャリアに傷がつきかねない など

刑事事件に強い弁護士に依頼すれば、勾留延長の判断に対して準抗告などの手続きをおこない、法的に対抗してくれます。

不起訴処分獲得に向けた対策にも力を入れてくれる

逮捕・勾留された被疑者にとって重要なのは、不起訴処分(起訴猶予処分)を獲得することです。

なぜなら、日本の刑事裁判の有罪率は極めて高く、起訴処分が下された時点で、実質的に有罪や前科が確定してしまうからです。

その点、刑事事件を得意とする弁護士に依頼すれば、以下のような防御活動によって不起訴処分獲得の可能性を高めてくれるでしょう

  • 早期に被害者との間で示談をとりまとめて、裁判所や検察官に「被害者の処罰感情がないこと」を示してくれる
  • 事件の詳細や捜査活動の進捗状況を総合的に考慮して、取り調べでの供述方針や態度を明確化してくれる
  • 被疑者ノートを差し入れて、捜査機関の違法捜査に対抗してくれる
  • 供述調書にサインするときの注意事項を事前に教えてくれる
  • 被疑者側に有利な証拠や証人を用意してくれる

起訴されても刑事裁判に対応してくれる

勾留延長された結果、起訴処分が下されたときには、刑事裁判で有利な判決を獲得するための防御活動に専念する必要があります。

とくに、重い犯罪類型で刑事訴追されたケースでは、初犯でも実刑判決が下されかねません

実刑判決が確定すると、刑期を満了するまで刑務所に収容されるので、出所後の社会復帰が極めて困難になってしまいます。

その点、刑事事件を得意とする弁護士は、検察官の公訴事実を否定する証拠・証人を用意したり、酌量減軽に資する事情を揃えたりすることで、罰金刑や執行猶予付き判決などの有利な判決獲得に向けて尽力してくれるでしょう

さいごに|刑事事件のことは弁護士に相談するのがおすすめ

被疑者が勾留延長されても家族には連絡がきません。

被疑者の動向を家族が把握するには、着任している弁護士に連絡をとるのがもっともスムーズです。

ここで注意すべきなのは、被疑者に私選弁護人が就いているかどうか、という点です。

当番弁護士や国選弁護人でも被疑者のために適切な防御活動を展開してくれますが、刑事事件のノウハウ豊富な私選弁護人に相談・依頼したほうが、勾留延長阻止活動や不起訴処分獲得に向けて尽力してくれるでしょう。

ベンナビ刑事事件では、捜査段階の弁護活動などを得意とする弁護士を多数紹介中です。

法律事務所の所在地、具体的な相談内容、初回相談無料などのサービス面から24時間無料で検索できます。

被疑者の身柄拘束期間について不安があるなら速やかに信頼できる弁護士までお問い合わせください。

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この記事の監修者
藤垣 圭介 (埼玉弁護士会)
これまで500件以上の刑事事件に携わり、特に痴漢/盗撮/暴行/傷害に関する事件の解決を得意とする。レスポンスの早さにこだわりをもって対応し、豊富な経験をもとに即日接見を用いて、早期釈放を目指している。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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