後日逮捕は犯行から3ヵ月経過しても起こり得る?後日逮捕の要件や回避方法を解説
「事件を起こしてからもう3ヵ月経ったけど、警察から何の連絡もない。もしかして、このまま逃げ切れるのでは…?」
そんな淡い期待を抱いている方も多いかもしれません。
事件直後に何も起こらなければ、「もう安心かもしれない」と感じる気持ちは理解できます。
しかし、後日逮捕は犯行から数ヵ月経ってから突然おこなわれるケースもあるので、安心と言い切るのは危険です。
本記事では、後日逮捕が3ヵ月を経過したあとでもおこなわれる理由や可能性、どんな場合に逮捕されやすいのか、逮捕を避けるためにできる対処法をわかりやすく解説します。
「不安から解放されたい」「逮捕を回避したい」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。
後日逮捕は犯行から3ヵ月経過しても起こり得る
犯罪行為をおこなった場合、たとえ犯行から3ヵ月以上が経過していたとしても、後日逮捕される可能性は十分にあります。
まず押さえておきたいのが「公訴時効」の存在です。
公訴時効とは、犯行から一定の期間が経過すると、加害者を起訴・処罰できなくなるという制度のことで、時効の期間は犯罪の種類によって異なります。
ただし、逮捕されるタイミングについては決まったルールはないので、公訴時効を経過しない限りはいつ逮捕されてもおかしくありません。
被害届の提出が早く、証拠がそろいやすい場合には数日で逮捕されることもありますが、被害届の提出が遅れたり、捜査に時間がかかったりするケースでは、数ヵ月~数年後に突然逮捕されることもあります。
そのため、ある程度期間が経過したからといって、後日逮捕されるリスクが完全に消えるわけではないのです。
後日逮捕の要件|3ヵ月後に逮捕されるのはどんなとき?
そもそも、通常逮捕の要件を満たしていなければ後日逮捕されることはありません。
通常逮捕の要件は、以下の2つです。
- 犯罪の嫌疑があること
- 逃亡・証拠隠滅のおそれがあること
以下、それぞれの要件について詳しく解説します。
犯罪の嫌疑があること
通常逮捕の1つ目の要件は、「犯罪の嫌疑があること」です。
これは、警察が証拠にもとづいて「この人が犯人だ」と判断できる程度に疑いが強まった状態を指します。
たとえば、防犯カメラの映像や目撃証言などの証拠から犯行内容や被疑者が特定できる場合には、犯罪の嫌疑があるといえます。
一方で、証拠が不十分で被疑者を特定できない場合は、犯罪の嫌疑があるとは認められません。
逃亡・証拠隠滅のおそれがあること
通常逮捕の2つ目の要件は、「逃亡・証拠隠滅のおそれがあること」です。
たとえば、被害者に取り押さえられそうになり逃げたような場合には、「逃亡のおそれがある」と判断されやすくなります。
また、同様の犯罪を繰り返していたケースでは、「証拠隠滅のおそれ」があると疑われることもあるでしょう。
一方で、定職があり、家族と安定した生活を送っているといった事情がある場合には、逃亡や証拠隠滅の可能性が低いと判断されやすくなります。
後日逮捕をされなくても在宅事件として捜査が続く場合もある
逮捕の要件を満たさない場合でも、警察や検察は在宅事件として捜査を継続することがあります。
在宅事件とは、逮捕や勾留などで身柄を拘束されず、通常の生活を送りながら捜査を受ける事件のことです。
在宅事件となるのは、軽い犯罪を犯した場合に限られません。
窃盗罪のような刑罰が重い犯罪でも、被疑者が罪を認めている・示談が成立している・身元引受人がいるなどの事情があれば、在宅事件として扱われることもあります。
在宅事件になれば日常生活はある程度維持できますが、突然の呼び出しや事情聴取に応じる必要があり、精神的な負担が続くことに変わりはありません。
また、在宅事件のまま起訴されてしまう可能性もあるため、油断は禁物です。
犯行から3ヵ月経っても後日逮捕されないのはなぜ?
犯罪行為をおこなった場合、犯行から3ヵ月以上が経過しても逮捕されないことがあります。
しかし、それは必ずしも「事件が終結した」ということではなく、さまざまな理由から、後日逮捕に至っていないだけかもしれません。
犯行から3ヵ月がたっても逮捕されない理由として、考えられるのは主に以下の3つです。
- 警察が事件を認知していない
- 捜査が後回しにされている
- 事件化する必要がないと判断されている
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
警察が事件を認知していない
そもそも警察が事件の存在を知らなければ、捜査や逮捕に進むことはありません。
警察が事件を知るのは、通常、被害届の提出や通報、告訴・告発などがきっかけです。
被害者が被害届を出さないなどの事情があれば、事件が警察に知られないまま終わる場合もあります。
また、別の事件の捜査中に偶然発覚することもあります。
たとえば、ある被疑者の供述から、過去に共犯関係にあった人物の犯行が発覚するケースもあるでしょう。
捜査が後回しにされている
被害届が出されていたとしても、警察がすぐに動けないケースも少なくありません。
たとえば、同時期に重大事件の対応をしていた場合、比較的軽い事件は後回しにされることがあります。
また、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、示談が成立しているなどの場合は、逮捕せずに「在宅事件」として処理されることもあるでしょう。
事件化する必要がないと判断されている
警察が「現時点では事件として取り扱う必要がない」と判断して、積極的に捜査を進めていないケースもあります。
このような判断に至るのは、被害の程度が軽微である場合や、証拠が不十分で立件が困難な場合などです。
しかし、あくまでも一時的な判断にすぎません。
同様の行為が繰り返されたり、あとになって新たな証拠が発覚したりすれば、捜査を再開し、逮捕に踏み切る可能性もあります。
後日逮捕の基本的な流れ
ここでは、後日逮捕がどのようにおこなわれるのか、また逮捕後の手続きがどのように進むのかを、時系列に沿って解説します。
後日逮捕に至るまでの流れ
後日逮捕に至るまでの流れは、以下のとおりです。
1.犯罪の認知
まず警察が事件の発生を把握します。
きっかけは、被害届、目撃者による通報、職務質問、SNSでの投稿などさまざまです。
2.犯人の特定
次に警察は、防犯カメラの映像、電車のICカード履歴、スマートフォンの位置情報、インターネット上の投稿内容などをもとに、犯人の特定を進めます。
近年では技術の進歩により、個人の特定は容易になりつつあります。
3.逮捕状の発付・逮捕
犯人が特定されると、警察は逮捕の必要性を検討し、裁判所に逮捕状を請求します。
裁判所が逮捕の条件を満たしていると判断すれば、逮捕状が発付されます。
逮捕状の有効期間は、原則として発付から7日間です。
その期間内に、警察が逮捕を実行します。
逮捕の方法は、自宅への訪問や警察署への任意出頭後の逮捕など、さまざまです。
後日逮捕されたあとの流れ
後日逮捕されたあとは、警察や検察、裁判所による手続きが順番に進められます。
1.警察の取り調べと検察官送致
まず警察による取り調べを受け、48時間以内に検察庁へ送致されます。
検察官は、身柄を受け取った時点から24時間以内に、勾留を請求するか、釈放するかを判断します。
被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合は、裁判所に勾留を請求します。
これらのおそれが認められないときには勾留請求はされず、釈放されて在宅事件として捜査が進められます。
2.勾留の判断
検察官が勾留を請求した場合は、被疑者は裁判所に連行され、裁判官による「勾留質問」を受けます。
裁判官が勾留の必要性があると判断すれば、勾留が認められ、最長10日間(延長すれば最長20日間)身柄拘束が続きます。
一方で、裁判官が勾留の必要がないと判断すれば、検察官の請求が却下されます。
この場合、被疑者は釈放され、在宅事件として捜査が進められます。
3.起訴・不起訴の判断
勾留期間中には、引き続き取り調べや証拠収集が進み、検察官が起訴・不起訴の判断を下します。
起訴には2つの形式があります。
比較的軽微な事件では、書面審査のみで進む「略式起訴」となり、罰金刑が科されることが一般的です。
一方で重大事件では、「正式起訴」となり、公判が開かれて審理が進みます。
たとえば、暴行や建造物侵入などは略式起訴が選択され、傷害や脅迫などは正式起訴が選択される傾向にあります。
4.刑事裁判
正式に起訴された場合、被疑者は「被告人」として刑事裁判を受けます。
裁判では、検察官が証拠をもとに犯罪事実を立証し、弁護人と被告人が反論したり、情状を主張したりします。
そして、最終的に有罪判決が下されると、懲役・禁錮・罰金などの刑罰が科されます。
有罪によって前科がつくと、再犯時に刑が重くなる、就職活動で不利になる、社会的信用を損なうといった不利益が生じる可能性があるでしょう。
後日逮捕を回避するためにできること
まだ後日逮捕されていない段階であれば、今から取れる対策があります。
ここでは、後日逮捕を避けるために有効とされる以下3つの対応について解説します。
- 被害者がいる場合は示談を成立させる
- 警察に自首する
- 刑事事件が得意な弁護士に相談する
状況に応じて、できることから始めましょう。
被害者がいる場合は示談を成立させる
後日逮捕を避けるには、被害者との示談を成立させることが重要です。
示談が成立すると、「被害者が処罰を望んでいない」と判断され、告訴の回避や逮捕の防止につながる可能性があります。
たとえば、暴行や窃盗など被害者がいる事件では、早い段階で謝罪と賠償をおこなって示談を成立させることで、在宅事件として処理されやすくなります。
警察に自首する
後日逮捕を避けるには、自ら警察に出頭する「自首」を検討することも大切です。
法律上の「自首」とは、犯罪事実と犯人の両方が捜査機関に発覚する前に、自主的に犯罪に申告する行為を指します。
自首が成立すれば、刑罰が軽くなることが刑法で定められています。
また、自首すると「逃亡や証拠隠滅のおそれが低い」と判断されやすく、逮捕を回避できる可能性も高まるのです。
ただし、警察が犯人を特定している場合には、法律上の自首とは認められません。
それでも、自発的な出頭は前向きな対応として評価され、身柄拘束を回避しやすくなります。
刑事事件が得意な弁護士に相談する
刑事事件の経験が豊富な弁護士に早めに相談することも、逮捕回避に向けた重要な対応です。
弁護士に相談することで、以下のようなサポートを受けられます。
- 示談が成立しやすくなる
被害者がいる事件では、弁護士が示談交渉を代行することで、冷静な話し合いのもとで示談が成立しやすくなります。 - 自首すべきかどうか判断できる
自首を検討している場合、自首の必要性やタイミングについてアドバイスを受けられます。適切な判断をもとに対応すれば、逮捕の回避や刑の軽減が期待できます。 - 取り調べへの適切な対応がわかる
警察の取り調べでは、言葉の選び方や態度が誤解を生み、不利な状況を招く場合も少なくありません。弁護士から事前に取り調べでの注意点や適切な答え方を教わっておくことで、冷静かつ的確に対応でき、不用意な発言や思わぬ誤解を防げます。 - 在宅事件として対応できる可能性が高まる
本人に逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを弁護士が警察に伝えることで、逮捕を避けられる可能性が高まります。
後日逮捕についてよくある質問
ここでは、後日逮捕に関してよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
同じような疑問をお持ちの方は、ぜひここで疑問を解消してください。
後日逮捕の場合に警察はいつ来る?後日逮捕に来る時間帯は?
後日逮捕がおこなわれる日時に明確な決まりはありません。
警察は、物的証拠や関係者の証言が揃い次第、必要と判断すればいつでも逮捕に踏み切ります。
ただし、警察が後日逮捕のために自宅に訪問する時間帯として多いのは、被疑者が在宅している可能性が高い午前6時~9時ごろとされています。
ただ、早朝に不在であった場合は、日中や夜間などの別の時間帯に再度訪問するため、「この時間帯なら大丈夫」とは言い切れません。
また、「土日や祝日は警察は動かない」と考えるのも危険です。
警察の捜査や逮捕は曜日や休日に関係なくおこなわれるため、週末や連休中でも逮捕される可能性は十分あります。
後日逮捕は難しい?確率はどのくらい?
後日逮捕は決して難しくはなく、むしろ現行犯や緊急逮捕ができないケースで一般的に用いられる逮捕の方法です。
また、実際に後日逮捕される確率については一概に言えません。
通報や被害届の有無、目撃証言、防犯カメラ映像、被疑者の特定状況など、さまざまな要素が影響します。
犯行から1年後に後日逮捕される可能性はある?最長でどのくらい時間がかかる?
犯行から1年が経過していても、後日逮捕される可能性はあります。
警察や検察は、証拠が揃ったタイミングで、裁判所から発付された逮捕状にもとづき逮捕に踏み切ります。
ただし、刑事事件には「公訴時効」という制度があり、一定の期間が経過すると起訴そのものができなくなるため、逮捕も含めた刑事手続きが進められなくなります。
たとえば、窃盗罪の公訴時効は「7年」です。
つまり、事件から7年が経過するまでは、逮捕・起訴される可能性が残るということになります。
後日逮捕の場合に警察は家に来るの?職場に来る可能性は?
後日逮捕が職場で実施される可能性もゼロではありません。
ただし、職場には被疑者がいない可能性があるうえ、同僚の目がある職場での逮捕は混乱を招くため、警察はできる限り避ける傾向にあります。
そのため、実際には自宅での逮捕が優先されます。
さいごに|後日逮捕のおそれがあるなら一刻も早く弁護士に相談を!
本記事では、事件から3ヵ月が経過した場合でも後日逮捕される可能性があることについて解説しました。
後日逮捕されると、長期間にわたって身柄を拘束される可能性があり、仕事や家庭などの日常生活に大きな影響を与えかねません。
後日逮捕を回避するには、できる限り早い段階で弁護士に相談し、適切な対応を進めることが重要です。
弁護士に相談すれば、警察や検察への働きかけ、被害者との示談交渉、自首への同行などを通じて、逮捕の回避や不起訴処分を目指せます。
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