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公開日:2018.5.9  更新日:2020.9.11

賭博罪とは|ゲームや麻雀で逮捕される条件・刑罰の重さ・実際の判例

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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賭博罪(とばくざい)とは、金銭や宝石などの財物を賭けてギャンブルや賭け事をした際に適用される罪です(正式名称は『賭博及び富くじに関する罪』)。

罪の意識は低いかもしれませんが、仲間内で金銭を賭けた麻雀をした場合でも形式上は賭博罪に該当します。

この記事では

  1. 賭博罪の構成要件
  2. 賭博罪に該当する行為
  3. 賭博罪の罰則
  4. 逮捕された後の流れ

などについてご紹介します。

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賭博罪の構成要件

賭博罪を構成する2つの要件についてお伝えします。

財物の所持権を争うこと

財物(ざいぶつ)とは金銭以外にも土地や車などの資産のこと。勝者が財物を得て、敗者が財物を失うことが賭博罪の構成要件の1つです。

また、カジノや賭博場の場合、店主は賭博の場所を提供しているだけで、店主自身が財物の所有権を争っているわけではないので賭博罪にならないように思えます。

ですが、この場合は後述する常習賭博罪や賭博場開帳図利罪などが認められる場合があります。

“一時的娯楽を供するもの”以外を賭けること

一時的娯楽を供するもの以外を賭けることが賭博罪の2つ目の要件です。例えば、金品やブランドバッグ、トレーディングカードゲームなど、“長期間にわたって価値のあるもの”を賭けた場合は賭博罪にあたります。

しかし、食べ物や飲み物など“一時の娯楽を供するもの”は賭博の対象になりません

賭博をすれば金額に関係なく賭博罪に該当する

仲間内での賭け事であれば、逮捕される可能性は極めて低いでしょう。なぜなら、賭けに参加した人の誰かが通報しない限り仲間内での賭博は発覚しないからです。仮に通報をしたとしても、仲間内での賭博は証拠が残りにくいので、逮捕に至る現実的な可能性は低いかもしれません。

しかし、金額の大小は賭博罪の構成要件とは関係がありません。賭けたお金が1円であろうと100万円であろうと、賭博罪に該当します。

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賭博罪に該当する行為・しない行為

賭博罪に該当する行為としない行為について具体例を挙げてご紹介します。

賭博罪に該当する行為

賭博罪の構成要件」でお伝えしたように、財物の所有権を争い、かつ一時的娯楽を供するもの以外を賭ける場合には賭博罪に該当する可能性があります。例としては以下のようなものがあります。

  • 賭け麻雀
  • 野球賭博
  • 賭け花札 など

賭博罪に該当しない行為

以下の行為はそれぞれ法律にのっとり、所轄する省庁の承認を得た上で運営されているため、違法性はありません。

賭博罪に該当しない行為

根拠となる法律

宝くじ

当せん金付証票法

競馬

競馬法

パチンコ

オートレース

小型自動車競走法

懸賞金

不当景品類及び不当表示防止法

競輪

自転車競技法

競艇

モーターボート競走法

お年玉付郵便はがき

お年玉付郵便葉書等に関する法律

パチンコは風営法の禁止規定を避けているため違法性を逃れており、警察も黙認しています。

(遊技場営業者の禁止行為)

第二十三条 第二条第一項第四号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。

一 現金又は有価証券を賞品として提供すること。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第23条第1項

風営法では第23条第1項にあるとおり、いかなる場合も現金と有価証券を景品として提供することを禁止しています。そしてパチンコ店で提供しているのは特殊景品といわれる物です。

実際、特殊景品は景品交換所に持っていくと現金に交換できます。しかし、パチンコ店では直接現金や有価証券を景品にしているわけではないので、パチンコ店に違法性は認められないということです。

賭博罪の種類とその罰則

賭博罪の種類とその罰則についてご紹介します。

単純賭博罪|50万円の罰金または科料

回数に関係なく賭博行為をした時点で単純賭博罪に該当します。以下のような悪質な賭博に対しては、比較的重い処罰が下る可能性があります。

  • 暴力団が開帳した賭博
  • 賭博の主犯になった場合
  • 金銭欲による賭博
  • 反省をしていない場合
  • 証拠の隠ぺいや口裏合わせを行う場合

ただし犯罪行為の内容が比較的軽微な場合は、逮捕されても身柄拘束は長引かず、罰金を支払って刑事事件が終了する場合もあります。

賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

引用元:刑法第185条|法務省

常習賭博罪|3年以下の懲役

常習的に賭博行為をした場合は常習賭博罪に問われます。常習的に行っているという性質上、単純賭博罪よりも悪質性が高く、より重い罰則が設定されています。

常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する

引用元:刑法第186条|法務省

賭博開帳図利罪|3年以上5年以下の懲役

賭博場を開き、人を集めて賭博の利益を図った場合は賭博開帳図利罪が適用されます。

賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

引用元:刑法第186条2項|法務省

組織犯罪処罰法|5年以下の懲役

組織犯罪に対する刑罰を加重する法律です。バカラ賭博を行い組織犯罪処罰法で加重された判例もあり、こちらは「■賭博罪で逮捕された裁判例」にて後述します。

常習的に複数名で賭博を行うこと賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

引用元:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律

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賭博罪が発覚し、逮捕されるまでの経緯

仲間内での賭博の場合、次の理由により逮捕される可能性は極めて低いでしょう。

  • 通報する人がいない
  • 証拠が残らない

組織的かつ常習的に行われている賭博に関しては、以前から賭博場をマークしていた警察が賭博の現場を押さえることで被疑者を現行犯逮捕します。

組織的・常習的に行われる賭博で現行犯逮捕された場合、運営者だけでなく客も賭博容疑で逮捕される場合があります。

賭博罪で逮捕された後の流れ

賭博罪で逮捕された後の流れについてお伝えします。

警察からの取調べ

逮捕されるとまずは警察からの取調べを受けることになります。警察は逮捕後48時間以内に検察に事件と身柄を送致する必要があります。

取調べの主な内容

取調べにおける警察の主な目的は事件の情報を被疑者から聞き出すことです。そのため、警察からの取調べでは事件に関するさまざまな質問が被疑者へ投げかけられます。

取調べを受ける際の注意点

取調べでは、供述調書(被疑者の言い分を記録するもの)を取られます。このとき、警察官が記録した内容が正しいことを認める証拠としてサインを求められますが、事実と異なる記述があった場合は絶対にサインをしてはいけません。

起訴されて裁判になった場合は供述調書が証拠として使われるため、事実と異なる内容であったとしても、一度認めてしまっている以上、立場が悪くなってしまいます。

このように取調べを受ける際は注意しなければいけないポイントがありますが、取調べに対してどう受け答えするべきか、判断がつかない人も多いでしょう。

どう受け答えすべきか知りたい場合は、初回のみ無料で相談できる当番弁護士制度を利用できます。被疑者の家族が当番弁護士制度を利用する際は、逮捕された地域にある弁護士会に連絡を入れましょう。

当番弁護士制度に関しては、『無料で簡単に呼べる当番弁護士は逮捕で困った被疑者の味方』でご紹介しています。

検察からの取調べ

検察は事件の送致を受けた場合24時間以内に被疑者の身柄をさらに拘束すべきか否かを判断するため、取調べを行います。

  • 重大な犯罪(殺人など)を犯した
  • 逃亡の可能性がある(住所不定など)

このような場合は、より入念な捜査をするために勾留の必要があると判断されるのが通常でしょう。

勾留期間|原則10日間・最大20日間

検察に勾留が必要だと判断された場合は裁判所に勾留が請求され、これを裁判所が認めれば勾留されます。勾留期間は原則10日間ですが、その後延長措置が認められた場合さらに最大10日間延長されます。この間に検察官は被疑者を起訴するか不起訴にするか判断します。

起訴or不起訴|逮捕されてから23日以内

不起訴と判断された場合は釈放となります。しかし、起訴されると刑事裁判第一審へ進み、統計上は99.9%有罪判決となります。

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賭博罪で逮捕された裁判例

2016年7月20日大阪地裁の判決

被告人が賭博罪等に関わる以下の行為をはたらいた事案です。

  • 賭客としての野球賭博行為
  • 賭金の集金行為や配当分配行為
  • 他人が賭博場を開帳することの助長行為

そして以下のことを鑑みて、量刑判断がなされました。

  • 被告人が反省をしていること
  • 前科がないこと
  • 若年であること

刑罰:懲役10ヶ月および罰金30万円

その罰金を完納できないときは、5,000円/1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。

罰条

2015年10月28日福岡地裁の判決

知人を賭博行為へと仲介したことがきっかけで罪に問われた事案です。結果的にその知人が賭金100万円を超える悪質な賭博行為をはたらいたことによって、被告人の仲介の重大性が増したと判断されました。

この事案では以下のことを鑑みて量刑判断がなされました。

  • 被告人は賭博行為をしておらず、助長行為にとどまったこと
  • 仲介した知人の賭博への関係性は素直に認めたこと
  • 自分の賭博歴についておおむね事実を述べたこと
  • 今後賭博に関わらないことを誓約したこと
  • 反省の態度を示していること
  • 被告人には前科がないこと

刑罰:被告人は懲役6ヶ月

裁判が確定した日から2年間その刑の執行を猶予する。

罰条

<参考>

事件番号 平26(わ)1632号

事件名 賭博開張図利幇助(訴因変更後はこれに加えて常習賭博幇助)被告事件

裁判結果 有罪 文献番号 2015WLJPCA10286008

2005年1月20日大阪高裁の判決

バカラと呼ばれるトランプゲームで賭博罪等にあたる以下の行為をはたらいていたため店が罪に問われた事案です。

罪名

該当行為

常習賭博

バカラを用いて常習的に賭客と共に賭博行為をはたらいていたこと

賭博場開張図利

賭客を集め、店で賭博場を開張していたこと

刑罰

  • 被告人A:懲役2年2ヶ月
  • 被告人B:懲役1年8ヶ月
  • 被告人両名に対し、原審における未決勾留日数中各10日をそれぞれの刑に導入する。

被告人Aから大阪地方検察庁で保管中の現金835万2,987円を没収し、金1億4,502万9,402円を追徴する。

罰条

<参考>

事件番号 平16(う)510号

事件名 各賭博開張図利(変更後の訴因 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)被告事件

裁判結果 破棄自判 上訴等 確定 文献番号 2005WLJPCA01200013

まとめ

この記事では賭博罪に関する以下のことなどについてお伝えしました。

  1. 賭博罪の構成要件
  2. 賭博罪に該当する行為
  3. 賭博罪の罰則
  4. 賭博罪で逮捕された後の流れ

仲間内での賭博では、よほど悪質でない限り逮捕される可能性は低いでしょう。ただ、組織的かつ常習的に行われる賭博に関する罪は重く、マークしていた警察ががさ入れをして現行犯で逮捕される可能性があります。

客として賭場で遊んでいた場合でも逮捕される可能性があるので、悪質な賭博には巻き込まれないようにすることが大切です。

出典元一覧

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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