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不退去罪(ふたいきょざい)とは、住居などから出ていくように要求を受けたにもかかわらず、退去せずにそのまま居座り続けることで罪が成立する犯罪です。
もし逮捕されると起訴されて、罰金や懲役を科せられる可能性があります。
ただ、不退去罪はあまり一般的ではないので、「どのようなときに成立するんだろう」「どの程度の刑事罰を受けるんだろう」「逮捕されたらどんな流れになるんだろう」など、疑問点がたくさんあるはずです。
そこでこの記事では、次のような点について解説します。
- 不退去罪の要件
- 不退去罪が成立した実例
- 不退去罪で逮捕された後の流れ
不退去罪について理解を深めたい人は参考にしてください。
ご家族が不退去罪で逮捕されたら弁護士に相談を
不退去罪で逮捕されると、勾留を受けると最大で23日間の身体拘束を受ける可能性があります。もし起訴されると罰金や懲役などの刑事罰を受ける可能性も否定できません。
もし、ご家族が逮捕されたらただちに弁護士に依頼してください。弁護士のサポートを受けると次のようなメリットが期待できます。
- 取調べのアドバイスを受けられ、不本意な供述調書が作成されるのを防ぐ
- 勾留を避けられ、早期の身体釈放を目指せる
- 不起訴処分・執行猶予付き判決を目指せる
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ここでは、不退去罪がどのような罪で、どのような行為が処罰の対象になるのか確認しておきましょう。
不退去罪は刑法第130条
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
引用元:刑法第130条
刑法第130条には、上記のように明記されています。このうちの前半部分は住居侵入罪。後半部分が不退去罪の記述となります。
不退去の対象となる場所
刑法130条よると、不退去罪が成立する場所は次の4つが挙げられます。
- 人の住居
- 人の看守する邸宅
- 人の看守する建造物
- 人の看守する艦船
不退去罪に該当する行為
不退去罪は「退去を命じられること」「退去に必要な時間が経過したこと」の2点が成立要件です。
退去を命じられていること
不退去罪が成立する要件の一つに、退去を命じられている必要性があります。
退去に必要な時間を経過した時点で成立
退去を命じられたからと言ってすぐに不退去罪が成立するのではなく、退去に必要な合理的な時間を経過して罪が成立します。
合理的な時間とは、荷物をまとめる時間や衣服を着用するような時間です。
不退去罪の法定刑
不退去罪の罰則は3年以下の懲役/10万円以下の罰金です。
住居侵入罪(不法侵入)との違い
不退去罪と同じく、住居権を犯す犯罪に住居侵入罪があります。
住居侵入罪と不退去罪の違いは、入ってはいけない(不法)場所に勝手に入る罪(住居侵入罪)か、入って良い場所もしくは、過失で入ってはいけない場所に入って、出ていくように要求されたのに出ていかないか(不退去罪)です。
不法に侵入し退去しなかった場合は住居侵入罪
不退去罪は、適法に、もしくは過失によって住居等に入った場合でも成立します。
一方で不法に住居等に侵入して相手から見つかり、退去の要求をされても居座った場合、住居侵入罪が成立し、不退去罪は住居侵入罪に吸収されます。
【関連記事】住居侵入罪(不法侵入)による罪の重さと逮捕後の流れ
未遂も処罰の対象
刑法では不退去罪や住居侵入罪の未遂も処罰の対象とされています。しかし、不退去罪は退去しなかった行為自体が罪成立の要件になります。
つまり、実際には不退去罪の未遂はあり得ないと言われています。
ここでは、不退去罪で逮捕される行為や実際のニュースなどを紹介します。
クレーム
不退去罪で一番考えられる行為は、クレームによるものです。
例えば、店側と揉め事になって出ていくように要求されたにもかかわらず、それでも退去しないなどが典型例でしょう。
ラーメン屋に3時間居座り不退去罪で男を逮捕
ラーメン店の対応に腹を立て、約3時間のあいだ店に居座り続けたとして会社員の男が不退去の容疑で逮捕された事例です。
餃子の次にラーメンを出すように注文したところ、ラーメンが先に出てきたとして店長と口論になり、その後約3時間にわたり男は店に居座り続けたようです。
店長の110番通報で警察が駆けつけ男は現行犯逮捕されました。
【参考】「ギョーザが先だ」3時間居座り男を逮捕
営業活動
しつこい訪問販売や布教活動などの勧誘行為、営業活動も、相手から出ていくように命じられているにも関わらず居座り続けると不退去罪が成立する可能性があります。
特に、「NHK受信料契約のしつこい訪問は不退去罪になるのか?」と、疑問に思っている方も多いのですが、明確に「帰ってくれ」と要求したにも関わらず、その後もしつこく居座るようでしたら不退去罪になり得る可能性もあります。
不退去罪で私人逮捕はできるのか?
しつこい訪問販売などに対し不退去罪で警察を呼ぶと、逃亡する恐れがあるので、私人逮捕(現行犯逮捕)はできるのか?という話も聞きますが、法律的には私人逮捕も可能ですし、警察も現行犯逮捕することができます。
しかし、不退去容疑では直ちに身体的、金銭的被害を受ける危険性も低いため、私人での逮捕はあまり良い方法だとは言えません。
私人逮捕をした側が逮捕罪の容疑をかけられる危険性もあります。
よって、退去しない人物に対する対処法としては、次の方法をとるようにしてください。
- 退去してもらうことを明確に要求する
- 不退去罪で警察を呼ぶことを知らせる
- それでも退去しなければ110番する
【関連記事】一般人も逮捕ができる私人逮捕|私人逮捕ができる条件と方法
ストーカー
ストーカーまがいな行為も不退去罪に該当する場合があります。
例えば、元交際相手の家に行き、出ていくように言われているにも関わらずそのまま居座れば不退去罪に該当する可能性があるでしょう。
なお、当該行為を繰り返していている場合、ストーカー規制法に該当する可能性もあります。
【関連記事】ストーカー行為・つきまといで逮捕されたら|ストーカー規制法とは
デモ
デモも不退去罪に可能性があります。労働問題を巡った労働者と使用者間の労働紛争が典型例です。
使用者側の業務遂行を妨害するような行為は不退去行為とみなされる可能性があるでしょう。
そのため、労働問題においてどうしても納得いかないケースでも、このような強硬姿勢を取るのはおすすめできません。
まずは、労働問題を適法に解決させていくためにも労働問題を得意とする弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば次のようなメリットがあるからです。
- あなたに代わって会社と交渉してもらえる
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もし不退去罪で逮捕されると、どのようにして刑事事件手続きが進むのでしょうか。ここで確認しておきましょう。
逮捕後警察の捜査
不退去罪で逮捕されるとまずは警察によって捜査がおこなわれます。この警察の捜査は逮捕後48時間以内と決められており、その間はたとえ家族の方でも面会することはできません。
一方で、不退去罪で初犯の容疑では微罪処分とされることも多いでしょう。微罪処分を受けると被疑者の身柄は解放されます。
【関連記事】微罪処分は逮捕後の最速の釈放|微罪処分となるための基準
検察からの捜査
警察からの捜査が済むと被疑者の身柄は警察から検察へと移されます。このことを送致と言います。
検察からの捜査は原則として24時間以内です。この24時間以内に捜査が完了しなければ、さらに身柄拘束をされることがあります。
これを勾留と呼び、期間は原則として10日間ですが、勾留延長によりさらに10日間の合計20日間身体拘束が続きます。
ただ、不退去罪ではそこまで拘束期間が長引くことも少ないと考えられます。
【関連記事】勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法
起訴・不起訴
検察からの捜査が済むと、検察によって起訴か不起訴の処分を受けることになります。起訴されると99.9%が有罪になり何かしらの処罰を受けます。
一方、不起訴は実質無罪と同意です。
刑事事件ではこの逮捕されてから起訴・不起訴の処分を受けるまでの対処が重要になります。
ただ、不退去罪で長期間拘束されたり、起訴処分を受ける可能性は低いと考えられます。理由としては、罪自体が軽微なことが多いのと、実害が出ていないケースもあるからです。
それでも、起訴される可能性が高いケースとして、被疑者に前科や前歴があったり、不退去罪に付随して他の犯罪も関連しているような悪質なケースが考えられます。
【関連記事】起訴されると99.9%の確率で有罪|不起訴処分となる3つのポイント
最後に、万が一不退去罪で逮捕されてしまった場合の対処法をご説明します。
逮捕後は無料で弁護士を呼べる
まず不退去罪に限らず、逮捕されてしまったのであれば誰でも一回だけならば無料で弁護士を呼べる制度があるということを覚えておいてください。「当番弁護士制度」と言います。
逮捕直後から接見でき、今後の流れを説明してもらえる、取り調べのアドバイスを受けられるなどがメリットです。
「逮捕されたら無料で弁護士を呼ぶ」ことは覚えておきましょう。
ただし、当番弁護士は一度しか接見できないのがデメリットです。次に紹介する示談交渉や身体拘束に向けた弁護活動などのサポートを受けるには、私選弁護士に依頼しなければなりません。
当番弁護士だけでは十分なサポートは見込めないのが一般的です。ご家族の今後を思うのであれば、できれば私選弁護士に相談すべきだとえいるでしょう。
【関連記事】当番弁護士とは?呼び方や費用など、制度の概要をわかりやすく解説
示談交渉を行う
不退去罪をはじめとした刑事事件は、被害者と示談をしておくと手続きが有利になる可能性があります。
刑事事件では、被害者の処罰感情(被疑者を罰してほしい気持ち)も、起訴・不起訴や判決の判断材料の1つになるからです。
そして、刑事事件では示談交渉を行う際、弁護士を間に挟むことが一般的です。示談金を含む示談内容の決定は、弁護士でなければ適切に判断するのが難しいからです。
示談交渉をおこなうためにも、私選弁護士に依頼するようにしてください。
身柄解放に向けた弁護活動
刑事事件の流れでも説明しましたが、逮捕され拘留されると最大で23日間も身体拘束される可能性があります。
また、起訴されればその後も被告人勾留と呼ばれる、さらなる身体拘束が続く可能性もあるでしょう。
不退去罪ではそこまで身柄拘束の必要性がない場合がありますが、万が一身体拘束を受けると社会から長期間隔離されますので、有形無形の不利益を被ることにつながります。
弁護士に依頼すれば、逮捕・勾留の段階から身柄解放に向けた弁護活動をおこなってもらえます。刑事事件はスピードが命ですから、できるだけ早く依頼するのがおすすめです。
不退去罪は刑法第130条で規定された犯罪で、「退去を命じられていること」「退去に必要な時間が経過したこと」などが要件となって成立します。
法定刑は3年以下の懲役または10万円の罰金です。
不退去罪で逮捕されるとそのまま勾留が続き、長期間の身体拘束を受ける可能性があります。もし、ご家族が逮捕されてしまったら、早期に弁護士へ依頼するのが重要です。
この記事でも紹介した通り、逮捕された直後には1度だけ当番弁護士を呼べます。ただし、当番弁護士のサポートは今後の流れの説明や取調べのアドバイスのみにとどまります。
示談交渉や身体解放などのサポートを受けるには、私選弁護士への依頼がマストだと理解してください。
ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)は、刑事トラブルに注力している弁護士を探していただけます。相談料無料・土日対応可の事務所も掲載していますので、ご家族が逮捕された人は早急に依頼するようにしましょう。
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ご家族の早期釈放・不起訴処分を目指すのであれば、早期から私選弁護士に依頼することが重要です。ただし、弁護士であればどの事務所に依頼してもよいかといえばそうとも言い切れません。
刑事事件の経験が少ない弁護士に依頼すると、適切な弁護活動が受けられず不利益につながる恐れがあるからです。刑事事件を依頼するなら、刑事事件に注力する弁護士に依頼しましょう。
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