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釣りや潮干狩りが密漁に。逮捕された場合の対処法
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釣りや潮干狩りが密漁に。逮捕された場合の対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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川や海で釣りや潮干狩りなどする方も多いのではないでしょうか。じつは、釣りや潮干狩りには法律で定められたルールがあります。気づかずに違反行為をしてしまっていた。なんてことにはなりたくないですよね。

 

また、家族や知人が密漁行為で捕まってしまって困っている方もいるかもしれません。

 

この記事では、どんな行為が密漁にあたるのか、密漁行為で逮捕されてしまった場合に、どう対処すればいいのか、密漁の事例を交え解説します。

逮捕後72時間以内の対応が、今後の運命を左右します

ご家族の早期釈放を目指すなら、まずは弁護士にご相談ください。

どんな行為が密漁になるのか

川で魚釣りをしたり、海で潮干狩りをしたりしてもルールを守っていれば、何も問題はありません。しかし、魚釣りでは禁漁区域や禁漁期間が定められています。

 

潮干狩りもできる場所、できない場所があります。また、海で見つけたウニやアワビを持って帰ろうとしたら、注意されてしまった。なんてこともあります。どうしてそのようなルールがあるのか、ご説明します。

 

釣りもルールに違反していれば捕まります

川で釣りをする場合

川で釣りをする場合に気を付けてほしいのが、禁漁期間や禁漁区域などが決まっているということです。また、川で釣りをするときは基本的に「游漁券」が必要になります。

 

このほかに注意してほしいこととして、サケは河川でとることは禁止されています

 

こうしたルールが以下の法律定められています。違反すればもちろん、罰則があります。

 

  1. 漁業法
  2. 水産資源保護法
  3. 各地域の漁業調整規則

 

海で釣りをする場合

海で釣りをすることは基本的には問題ありません。ですが、立ち入り禁止区域で釣りをした場合は漁業法、各地域の漁業調整規則、または、軽犯罪法に違反することになります。

 

定置網の付近も同様です。場所以外にも、トローリングという船を走らせて行う釣り方は、地域によって禁止されています。

 

潮干狩りも捕まる可能性があります

潮干狩りでしじみやあさりをとったことがある方も多いと思いますが、しじみやあさりを許可なくとった場合や、ルールを守らなかった場合には、法律違反に当たる可能性があります。

 

それは、しじみやあさりなどの2枚貝が第一種共同漁業権というものの対象になっているからです。そのため、許可なく、しじみやあさりなどをとると、逮捕される可能性があります。

 

あくまで、無断で取った場合やルールを守らなかった場合です。有料の潮干狩り場や、ルールに基づいて潮干狩りをする場合は問題ありません。細かいルールは地域によって変わるので、確認するようにしてください。

 

漁業権とは(共同漁業権、区画漁業権、定置漁業権について)

いままで、説明してきた中に、漁業権・漁業法という言葉が出てきたと思います。いったい漁業権や漁業法とは何なのでしょうか。

 

漁業法とは、漁場の総合的な利用による漁業の発展を目的とする法律

引用元:水産庁ホームページ

 

漁業権は「一定の水面において特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利」

引用元:水産庁ホームページ

 

漁業権は、漁業法に書かれている特定の漁業について、一定期間他の者の侵害などに対して、自らに権利があることを理由、権利侵害を止めるように訴えることができるということです。

 

漁業権には共同漁業権、区画漁業権、定置漁業権の3種類があります。

 

共同漁業権とは、地元漁民が一定の水面で、共同して漁業をする権利

区画漁業権とは、一定の場所で養殖を行える権利

定置漁業権とは、一定の場所で定置網を営む権利

 

共同漁業権が一般の方にも関わりがあります。

 

一般の人に関わりあるのは共同漁業権

共同漁業権はさらに5種類に分けることができますが、特に重要なのが、第一種共同漁業権です。

 

第一種共同漁業権とは、ウニやアワビなどの貝類や、わかめなどの藻類等の定着性の水産物をとる権利です。

 

引用元: 漁業権について 兵庫の海釣り

 

第一種共同漁業権が設定されている場所で、無断で対象の水産物をとってしまうと、漁業権の侵害になってしまいます。

 

なので、対象のものをどうしてもとりたい場合は、管理している漁協に相談しましょう。

 

密漁行為は何罪にあたるのか

先ほどまでは、どんな行為が密漁行為にあたる可能性があるのか。どんな法律で規制されているか説明してきました。

 

では、実際に密漁行為がどのような罪にあたり、どれほどの罰則を受けるのか説明したいと思います。

 

漁業権侵害

漁業法に違反した場合の罰則は、漁業法138条から146条に記載されています。

 

その中で、特に皆さんに関わりあるのがウニやアワビなどの第一種共同漁業権で、対象となっている水産物を密漁した場合です。

 

第一種共同漁業権の対象となっている水産物を密漁した場合、漁業法143条の罰則が適用され、20万円以下の罰金となります。

 

また、漁業法143条の侵害は親告罪なので、被害者の告訴が必要です。

 

漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は、二十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪は告訴がなければ公訴を提起することができない。

 

引用元:漁業法143条

 

漁業権侵害で逮捕された事例

秋田県で、漁業権がないのにアワビなどを取ったとして、秋田県漁協の漁業権を侵害した等の疑いで、会社員の男性が逮捕された事例。

 

参考記事:男鹿半島におけるあわび等不法採捕者の逮捕・送致について| 秋田海上保安庁 

 

漁業調整規則違反

漁業調整規則は、都道府県ごとに定められています。内容は漁業法と水産資源保護法に基づき、漁具・漁法、体長制限、禁止期間、禁止区域、許可が必要な漁業などについて、定めています。

 

漁業調整規則違反の事例

被告人7人が共謀の上、潜水器を使用して、ウニなどを密漁した事例。潜水機の使用と、ウニの禁止期間・禁止区域での採捕が漁業調整規則違反に問われた。

 

被告人7人のうち、密漁の前科がある3名に対しては実刑判決が下された。残りの4名は、執行猶予を言い渡した。

 

判決理由は、本件密漁が計画的な犯行であり、悪質であること。また、ウニ合計7222個など極めて多量であり、漁業関係者に与えた被害が甚大であったが、被告人が反省しているなどが考慮されているためである。

 

平成14年12月26日 函館地裁 平14(わ)261号 

文献番号 2002WLJPCA12269015

 

水産資源保護法違反

水産資源保護法とは、水産資源の保護培養を図り、漁業の発展を目的とした法律です。

 

この法律は、水産資源の保護培養を図り、且つ、その効果を将来にわたつて維持することにより、漁業の発展に寄与することを目的とする。

引用元:水産資源保護法 第1条

 

水産資源保護法では、以下の漁法での採捕を禁止しています。違反した場合は、3年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。

 

  • 爆発物を使用しての採捕を禁止
  • 有毒物を使用しての採捕を禁止

 

また、サケを河川や湖沼などの内水面で取ることを禁止しています。違反した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

 

水産資源保護法違反の事例

被告人がサケ2匹を河川で採捕した行為が、水産資源保護法違反に問われた事例です。

主文は被告人を罰金10万円の刑に処した。

判決の理由は、被告人が河川でサケをとってはならない旨の注意を受けていたにもかかわらず、河川でサケを2匹採捕した。また、弁解内容にも不合理な点があり反省が見受けられないが、他方で、サケを2匹しか採捕してないことや年齢などを考慮した結果、主文の判決となった。

平成17年10月12日 佐渡簡裁 平17(ろ)6号

文献番号 2005WLJPCA10120003

 

刑法

定置網の中の魚などを取った場合には、窃盗罪になる可能性があります。

 

窃盗罪の罰則は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

 

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法235条

 

密漁で窃盗罪に問われた事例

定置網内にいるサケが水揚げされる前であっても、定置網を仕掛けた者が事実上支配・管理しているといえるため、定置網内のサケが窃盗罪の客体にあたるとされた事例。

主文は被告人等を懲役8か月、執行猶予3年とした。

昭和34年 4月14日 札幌高裁 昭34(う)30号

文献番号 1959WLJPCA04140010

ナマコ約450キロ(約225万円相当)を密漁したとして、札幌北署と道警捜査4課は30日、道海面漁業調整規則違反(ナマコの所持)の疑いで、自称札幌市白石区東札幌1の2、暴力団員、無職芳賀学容疑者(43)ら20~43歳の男4人と17歳の少年を逮捕した。同署は5人が密漁グループの一員でナマコの回収役とみて調べている。

5人の逮捕容疑は、共謀して30日午前1時ごろ、石狩市浜益区千代志別の海岸で、道の許可を得ず密漁したナマコを所持していた疑い。

引用元:ナマコ密漁5人逮捕 道警容疑で札幌の暴力団員ら

密漁で逮捕された場合の流れ

もし密漁で逮捕されてしまったら、どのように逮捕から裁判まで進んでいくのか、ご説明したいと思います。

 

密漁で逮捕されてからの大まかな流れ

刑事事件では、上の図は、逮捕から裁判までを簡単に表したもので、どのような罪で逮捕されても同じように逮捕から裁判まで進んでいきます。

 

逮捕されてから最大48時間は警察の取調べが行われ、次に、検察庁に事件が送致され24時間以内に勾留の要否が判断されます。

 

検察官は勾留が必要と考えた場合、裁判所に勾留を請求し、裁判所がこれを認めれば10日間勾留され、なおも捜査が必要な場合、検察官は裁判所に勾留延長を請求し、裁判所が認めれば、さらに最大10日間身体拘束が続きます

 

身柄事件の場合、最初の警察・検察による捜査の3日間と勾留期間最大20日間合わせた23日間で起訴されるかどうかが決まるため、この23日間でどうするかが重要です。

 

関連記事:刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応

 

起訴ということになれば99.9%で有罪になります

なぜ23日間の勾留期間が重要かといいますと、日本の刑事事件は起訴されると99.9%で有罪となるからです。

 

そして、起訴するかどうかが決まるのは勾留期間の23日なのです。起訴されて有罪になってしまうと、これからの社会生活を送るうえで不利になることも出てくるでしょう。

 

そのため、いかにして不起訴処分を得ることができるか知っておくことが大事です。

 

軽微な犯罪であれば起訴猶予となることも

起訴猶予は不起訴処分の理由の一つです。

 

犯罪が軽微であった場合や、示談が被害者と成立しているような場合には、起訴猶予になることがあります。起訴猶予になれば、前科はつきませんが前歴はつきます。再び罪を犯してしまった場合に不利になることもあります。

 

関連記事:

不起訴と起訴の違い|不起訴処分となる3つの条件と弁護士が必要になる理由

起訴猶予とは|起訴猶予の獲得と早期釈放のためにできること

 

密漁で逮捕されたときに弁護士に依頼するメリット

不起訴処分を得るためには弁護士のサポートが重要なのですが、それ以外にも弁護士に依頼するメリットがあります。

 

示談交渉ができる

不起訴処分を得るために重要なこととして、示談交渉があります。示談が被害者の方とまとまれば、裁判官・検察官に良い印象を与え、不起訴処分や、刑の減軽につながります。

 

また、漁業権侵害で逮捕された場合に、被害者と示談をまとめることができれば、告訴を取り下げてもらえることが高いです。漁業権侵害は親告罪であるため、告訴が取り下げられれば、検察は捜査を続けられなくなります。

 

関連記事:

【刑事事件加害者の示談】示談の3つのメリットと注意点

 保釈の条件と申請方法|釈放との違いと保釈金を納めて解放される流れ

 

勾留に対する抗告・保釈請求ができる

勾留の必要がないのに勾留されたり、不当に勾留が長引いたりすることがあります。勾留される期間が長引くほど、会社などに逮捕されたことが知られる可能性が高まります。

 

弁護士に依頼することで、検察・裁判所に勾留を取り消すよう働きかけてくれます。また、起訴後も勾留は続き、起訴から第1審までだいたい2ヶ月といわれています。

 

その間も身柄が拘束され続けるのですが、保釈の申請をして保釈金を支払うことで、釈放される可能性もあるでしょう。

 

関連記事:不起訴と起訴の違い|不起訴処分となる3つの条件と弁護士が必要になる理由  

 

弁護士であれば証拠集めなどができる

もし、身に覚えのない密漁で逮捕されて勾留された場合は、無実の主張をすることになると思いますが、身柄拘束されていれば証拠集めを自分自身で行うこともできなければ、一般人が証拠集めをするにしても限界があります。

 

ですが、弁護士であれば証拠集めがしやすいですし、密漁事件になれている弁護士であれば、無実の主張に有効な証拠を集めることもできると思います。

 

弁護士費用の相場

刑事事件の弁護士費用の相場は約60万円~100万円です。

 

ですが、否認事件や自白事件によって金額が変わることも多く、弁護士事務所によってもかなり異なるでしょう。今は初回相談料無料の弁護士事務所も増えてきて、そうした事務所をうまく使うといいと思います。

 

また、無料で1度のみ利用できる「当番弁護士」という制度も活用するといいと思います。当番弁護士について詳しく知りたい方は「無料で簡単に呼べる当番弁護士は逮捕で困った被疑者の味方」をご覧ください。

 

関連記事:刑事事件の弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法

まとめ

潮干狩りや釣りもルールを守らなければ密漁になってしまいます。また、ウニやアワビなども許可なく持って帰ると、最悪逮捕されてしまうこともあります。海や川で遊ぶときは、しっかりルールを確認するようにしましょう。

 

また、知人が逮捕されてしまったなど、困った状況になってしまったら、1度弁護士に相談してみることも考えてみてください。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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