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横領とは?定義や横領をした人の末路、横領してしまったらどうすればいいかを解説

横領とは?定義や横領をした人の末路、横領してしまったらどうすればいいかを解説

会社のお金を盗むなどの横領行為に手を染めてしまった方は、「自分はどんな罰を受けるのか」と不安を抱えていることでしょう。

会社の資金や預かっている財産を私的に使用した場合、横領罪に問われる可能性があります

その結果、懲戒解雇や損害賠償請求にとどまらず、逮捕や起訴といった重大な処分を受けるおそれもあります。

しかし、早い段階で冷静に対応すれば、刑事責任や社会的な影響を軽減できるかもしれません。

本記事では、横領罪の法律上の定義、どのような行為が横領にあたるか、横領してしまったときの具体的な対処法などを解説します。

不安を少しでも和らげるためにも、ぜひ最後まで参考にしてください。

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横領とは | 自分の手元にある他人のものを不法に自分のものにすること

刑法で規定されている横領とは、自分が占有している他人のものを不法に領得する行為をいいます。

ここでいう「占有」とは、その物を事実上、自分の支配下に置いている状態です。

また、「領得」とは、不法領得の意思を実現する一切の行為をいいます。

たとえば、勝手に第三者に贈与したり、お金を自分のために使ったりする行為が該当します。

横領とよく混同される用語(着服・窃盗・背任)との違い

横領と良く混同される用語として、以下の3つが挙げられます

  • 着服
  • 窃盗
  • 背任

それぞれの違いについて、確認しておきましょう。

横領と着服の違い | 法律用語か一般用語か

横領と着服は、どちらも他人の物を勝手に自分のものにするという点は同じです。

ただし、意味や用法に違いがあります。

横領は、刑法上の罪名です。

一方で、着服は法律用語ではない日常的な表現です。

一般的には着服をすると横領罪や窃盗罪に該当するケースが多いですが、必ずしも法律に違反するとは限りません

横領と窃盗の違い | 盗む対象がどこにあるか

横領と窃盗は、どちらも他人に金銭的損害を与える点は同じです。

ただし、盗む対象物が自分の管理下にあるかどうかが異なります。

横領は、自分が管理している他人の物を勝手に自分のものにする行為です。

一方で、窃盗は、他人が管理している物を自分のものにする行為です。

たとえば、友人から一時的に預かっている財布から現金を盗んだ場合は、自分の管理下にある財産を自分のものにしているので、横領罪が成立します。

一方で、友人の財布を勝手に盗んだ場合は、自分が管理していない他人の財産を自分のものにしているので、窃盗罪が成立します。

横領と背任の違い | 任務に背く行為か否か

横領と背任は、どちらも他人に金銭的損害を与える点は同じです。

ただし、対象となる行為に違いがあります。

横領は、他人から預かっていた物を勝手に自分のものにしてしまう行為です。

一方で、背任は、任されていた仕事や責任に反して行動し、相手に損害を与える行為です。

たとえば、会社の備品や預かったお金を自分のものとして使ってしまった場合は、横領罪が成立します。

一方で、会社の従業員が企業秘密をライバル会社に漏らしてしまい、その結果会社に損害を与えたような場合は、背任罪が成立します。

なお、同じ行為が横領罪と背任罪の両方に該当する場合があります

この場合、判例によれば、より重い横領罪だけが成立します。

横領罪の種類3つと成立要件・具体例・法定刑

刑法で定められる横領罪には以下の3類型があり、それぞれ成立要件や法定刑が異なります

  • (単純)横領罪(刑法第252条)
  • 業務上横領罪(刑法253条)
  • 遺失物等横領罪(刑法254条)

ここから、それぞれの犯罪について解説します。

単純横領罪 | 最も一般的な横領罪の種類

単純横領罪は、人から預かった物を不正に自分のものにしたときに成立する罪で、横領罪の一般的な類型です。

成立要件

具体例

法定刑

●他人の対象物を占有していること

●対象物を横領したこと

●友人から預かったお金を無断で使用した

●友人から預かったブランド品を勝手に売却した

5年以下の懲役

業務上横領罪 | 業務上占有していたものを対象とする横領罪

業務上横領罪は、業務として預かった物を不正に自分のものにしたときに成立する罪です。

業務上の地位を利用しており、信頼関係の破壊の度合いが大きいので、他類型と比較して刑罰が重くなっています。

成立要件

具体例

法定刑

● 業務性があること

委託信任関係に基づく占有があること

● 他人の対象物であること

●対象物を横領したこと

●経理部員が、会社の金庫から無断でお金を抜き取って使用した

●倉庫業者が、顧客から預かった荷物を勝手に売却した

10年以下の懲役

遺失物等横領罪 | 遺失物や漂流物などを対象とする横領罪

遺失物等横領罪とは、遺失物や漂流物など、占有を離れた他人の物を自分のものにしたときに成立する犯罪です。

他人の持ち物を直接奪うわけではなく、悪質性がやや低いため、他類型と比較して刑罰が軽くなっています。

成立要件

具体例

法定刑

●対象物が占有を離脱していること

●他人の対象物であること

●対象物を横領したこと

●道に落ちていた財布からお金を抜き取って使用した

●お店でお客さんから多く受け取ったお金を返さずに、自分のものにした

1年以下の懲役または10万円以下の罰金・科料

横領した人の末路には、さまざまなリスクが待ち受けている

横領が発覚すると、刑事処分を受けるだけでなく、社会的・経済的にも大きなダメージを受けるので、絶対に控えましょう

以下、業務上横領によって生じうる具体的なリスクを紹介するので、しっかりと確認してください。

概要

詳細

逮捕され身柄を長期間拘束される

横領が発覚すると、逮捕・勾留などの身体拘束を受ける可能性があります。

被害額が大きい場合や逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合、拘束期間が長引く傾向があります。

前科がつく

起訴されて有罪になると、前科がつく可能性が高くなります。

前科がつけば、就職や社会生活に大きな支障が出ます。

刑務所に収監される可能性がある

初犯でも悪質と判断されれば、執行猶予がつかずに実刑となり、刑務所に収監される可能性があります。

会社から懲戒解雇される

横領は重大な非違行為とみなされやすく、就業規則にもとづき懲戒解雇になる可能性があります。

退職金が出ないことが多く、再就職にも悪影響を与えます。

実名が報道される

内容によってはニュースで実名報道されることがあります。信用を失い、周囲の人物や家族にも大きな影響を与えます。

会社から損害賠償請求を受ける

横領によって会社に金銭的損失が生じた場合、加害者に対して損害賠償請求がおこなわれます。

未払いが続くと、給料や財産を差し押さえられます。

信用情報に傷がつく

損害賠償などで多額の債務を抱え、返済が滞ると、信用情報機関に事故情報として記録されることがあります。

その結果、クレジットカードやローンの審査に通らなくなることがあります。

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横領罪で逮捕された場合のおおまかな流れ

横領罪で逮捕されると、以下のような流れで刑事手続きが進みます

  1. 警察の取り調べを受け、検察へ送致される
  2. 検察が勾留(身柄拘束)を請求するか判断する
  3. 勾留され、起訴・不起訴が決定される
  4. 起訴された場合は、刑事裁判にかけられ判決が下される

ここから、それぞれの手続きについて解説します。

1.【48時間】警察の取り調べを受け、検察へ送致される

逮捕されると、まず警察署の留置場に入れられ、警察官による取り調べを受けます

その後、警察は逮捕から48時間以内に事件を検察官に送致します。

警察は、どんな事件でも検察に送致するのが原則です。

しかし、以下のような事情があるときは例外的に送致しない場合もあります。

  • 犯罪の疑いがないと判断されたとき
  • 被害が軽微のとき
  • 被害が回復しているとき
  • 示談が成立し、被害者が処罰を望んでいないとき

2.【24時間】検察が勾留(身柄拘束)を請求するか判断する

検察官は、送致された事件を調査して、容疑者を勾留する必要があるか判断します。

勾留とは、被疑者や被告人を裁判にかけたり、刑を執行したりするために身柄を拘束することです。

勾留が必要と判断した場合、検察官は逮捕から72時間以内、かつ検察官が身柄を引き受けてから24時間以内に裁判官に対して勾留請求をおこないます

3.【最大20日間】勾留され、起訴・不起訴が決定される

勾留の請求を受けた裁判官は、容疑者を裁判所に呼び出し、勾留質問という形で話を聞きます。

話を聞いたうえで、以下の条件にあてはまると、勾留が認められます。

  1. 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
  2. 勾留の理由があること(=以下の3つのいずれかの事情に該当するとき)
    ・被告人が定まった住居を有しない
    ・被告人が証拠を隠滅するおそれがある
    ・被告人が逃亡するおそれがある
  3. 勾留の必要性があること(=勾留することが相当でないと認められる事情があるか)

勾留が決定すると、原則として10日間、警察署の留置場で生活することになります。

また、必要があれば、最長10日の勾留の再延長が認められます。

勾留されている間でも弁護士との面会は可能ですが、家族などとの面会は制限されるケースがあることを覚えておきましょう。

検察官は、勾留期間中に事件を起訴するかどうか決定します

4.【約1ヵ月後】起訴された場合は、刑事裁判にかけられ判決が下される

起訴されると、約1ヵ月後に第1回の公判期日が開かれます

公判では、まず検察官と弁護人がそれぞれ主張を述べたうえで、被害者や証人が順番に証言します。

そして、検察官や弁護人が証人に質問をする流れです。

裁判所は、公判での証拠や証言などに基づき、有罪か無罪の判決を下します

事件の内容が比較的単純で、事実関係に争いがないような場合には、公判が終わったその日のうちに判決が出されることもあります。

有罪となれば、具体的な刑罰が言い渡されます。

横領をしてしまったらどうすればいい?

横領の自覚があれば、すぐに適切な対応をとることが重要です。

ここでは、横領をしてしまったときに取り組むべき主な対応を4つ紹介します。

まず横領事件の対応を得意とする弁護士に相談する

まずは、横領事件の対応を得意とする弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談することで、被害者への説明の仕方や謝罪のタイミング、示談交渉の進め方などについて、状況に応じたアドバイスがもらえます。

ひとりで対応するよりも、弁護士のアドバイスをもとに対応したほうが問題が解決しやすくなるでしょう

謝罪したうえで、被害の弁償をおこなう

横領をしてしまった場合は真摯に反省し、被害者に謝罪することが重要です。

謝罪の意を示したあとは、被害額を弁償して、示談書を作成しましょう。

返済の意思を明確に示し、できる限り誠実な姿勢で対応することで、円満解決につながりやすくなります

一括での返済が難しい場合は、分割払いを提案する

横領した金額が高額であったり、すでに借金を抱えたりしている場合には、すぐに全額を返済するのは難しいでしょう。

そんなときは、月々の分割払いを申し出てください。

返済の意思があるのであれば、被害者も応じてくれるかもしれません。

なお、被害額が非常に大きく、分割でも返済が困難なときには、状況を丁寧に説明したうえで、金額の減額をお願いするのもひとつの選択肢でしょう。

相手方と示談交渉をする

横領をしてしまった場合は、相手方と示談交渉を進めるのも有効です。

横領が発覚すると、加害者は損害賠償責任だけでなく、刑事責任も問われる可能性があります。

ただし、被害者との示談が成立していれば、損害賠償責任がある程度軽減されるだけでなく、刑事事件でも加害者に有利な事情として考慮される場合があるのです。

また、被害者が示談に納得すれば、被害申告をしない可能性もあります。

ただし、示談に応じる義務はないので、示談が成立するかは被害者の判断次第です。

交渉には、最大限の誠意をもって臨みましょう。

さいごに | 横領をしてしまったら弁護士に相談を!

本記事は、横領について種類や構成要件、刑罰、逮捕後の流れなどを詳しく解説しました。

横領が発覚すると、逮捕や勾留、起訴、公判といった厳しい刑事手続きが待っています。

さらに、有罪判決を受ければ前科がつき、社会的な信用を大きく失ってしまいます

勤務先から損害賠償請求を受けることもあり、生活や家族への影響も避けられません。

こうした不利益を少しでも軽くするためには、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが重要です。

弁護士は、捜査への対応方法や示談交渉の進め方、公判での弁護活動など、状況に応じて的確に動いてくれます。

結果として、執行猶予がついたり、不起訴になったりする可能性が高まることもあるでしょう

なお、ベンナビ刑事事件を利用すれば、横領事件を得意とする弁護士を簡単に探せます。

ひとりで悩まず、まずは信頼できる弁護士に相談しましょう

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この記事の監修者
木村 洋平 (神奈川県弁護士会)
性犯罪・ストーカー・窃盗・薬物事件に豊富な解決実績をもつ。迅速なサポートを心掛けており、即日の接見も可能。家族が逮捕されてしまった方の相談にも対応している。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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