2ch(現在は5chに変更、以下2ch)への書き込みが原因で逮捕された場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。もし逮捕されてしまった場合、家宅捜索でパソコンを押収され、中身を確認されるのが通常です。
また、長期の身体拘束を受けた場合員は、職を失う可能性があります。さらに、事案によっては実名報道されてしまうなどもあり得ます。
この記事では、2chへの書き込みで逮捕されてしまった場合の対処法から、弁護士の弁護活動、問われる罪、逮捕事例などをご紹介します。
2chへの書き込みで逮捕された場合の対処法
ここでは、2chへの書き込みで逮捕された場合の対処法をご紹介します。
弁護士に相談する
逮捕されてしまった場合、弁護士に相談するのが得策です。逮捕された場合、以下のことが考えられます。
- 家宅捜索でパソコンを押収され、中身を確認される
- 10~20日勾留される可能性がある
- 仕事を解雇される可能性がある
- 実名報道される可能性がある
- 起訴されて有罪判決が下される可能性がある
弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 捜査対応について法的な助言してくれる
- 適切な弁護活動で早期に身柄解放される可能性がある
- 被害者との示談交渉を依頼できる
『刑事事件弁護士ナビ』は、数ある弁護士の中から、刑事事件を担当した実績のある弁護士を掲載しています。
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被害者と示談する
もし、逮捕されてしまった場合は、被害者との示談をおすすめします。被害者との示談成立は、当事者間では事件が解決したものと評価され、その後の刑事処分に有利に働く可能性があるからです。
ただし、被害者が示談に応じてくれないといったこともあり得ます。弁護士に依頼することで、上手に交渉し、示談が成立する可能性を高めることができるかもしれません。
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2chの書き込みで逮捕された場合問われる罪
2chに書き込んだ場合に問われる罪はこちらです。
名誉毀損罪
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3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金
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侮辱罪
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拘留または科料(1,000円以上9,999円以下の罰金)
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著作権法違反
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5年以下の懲役または500万円以下の罰金など違法行為によって異なる
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脅迫罪
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2年以下の懲役または30万円以下の罰金
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業務妨害罪
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3年以下の懲役または50万円以下の罰金
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例えば、以下のような書き込みをした場合、名誉棄損や侮辱罪に問われる可能性があります。
- 相手の社会的評価を低下させるような内容
- 相手を侮辱した書き込み
他人の著作物や、販売されている本の内容をアップロードすれば、著作権法違反に該当するでしょう。
相手に対して殺害予告をすれば脅迫罪、お店などに対して爆破予告などを行い、業務に支障が生じれば業務妨害罪が成立することも考えられます。
2chに書き込んで逮捕されるケース
2chへの書き込みで逮捕された実例は多く存在しますので、実際に逮捕される可能性があることはご存知でしょう。例えば、以下のような場合、犯罪として立件され、逮捕される可能性もあります。
- 犯罪要件を満たしている
- 被害者から被害届や訴えがある
- 悪質である、影響が大きい
詳しく解説します。
犯罪や逮捕の要件を満たしている
犯罪の成立には構成要件を、逮捕には逮捕要件をそれぞれ満たす必要があります。
犯罪の構成要件とは?
例えば名誉毀損罪の場合、『公然』と『事実を摘示』して相手の名誉を毀損するという条件を満たせば、名誉毀損罪が成立することになります。
この『公然』は、不特定または多数が認識可能な状態、『事実を摘示』は相手の社会的評価を低下させる具体的な内容を示すことです。
つまり、不特定または多数が認識可能な場所で、「〇〇は不倫をしている」などと摘示すれば、事実か否かを問わず、相手の社会的評価を低下させたとして名誉毀損罪が成立します。
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また、別の事例で、例えば『〇月〇日、〇時に〇〇を爆破する、〇〇学校の生徒を刺す』と書き込むことで学校業務に支障を生じさせれば、業務妨害罪が成立します。
被害者から被害届や訴えがある
犯罪が親告罪の場合、被害者が告訴することで犯罪として立件されます。例えば、著作権法違反・名誉毀損罪・侮辱罪などが親告罪に該当します。
【関連記事】親告罪の仕組みと該当の罪一覧|親告罪では示談が有効
悪質である・影響が大きい
犯罪の要件を満たし、かつ、悪質である、影響が大きい場合、逮捕されることが考えられます。
書き込みが原因で逮捕された事例
ここでは書き込みが原因で逮捕された事例をご紹介します。
人気声優の殺害予告で逮捕
人気声優に対し殺害予告をしたとして、高等専門学生の男性が、威力業務妨害罪で逮捕されました。男性はスマホから2chに、『絶対ぶっ殺す』と書き込んだとされています。
また、男性はこのほかにも、同声優に対し20回ほど中傷したと供述しているそうです。
【参考】ハフポスト|声優・上坂すみれさんを「2ちゃんねる」上で殺害予告容疑 山形の高専生を逮捕
2chに「小女子焼き殺す」と書込み逮捕
実在する学校名で「小女子を焼き殺す」と書き込んだ男性が逮捕されました。男性は「小女子はこうなごと読む小魚の意味で、殺害予告には当たらない」と否認していたそうです。
2008年の事件ですが、その後も同様の予告をした別の男性が逮捕されています。
【参考】ITmedia NEWS|「本当に逮捕されるか実験です」――2chでまた「小女子焼き殺す」予告
まとめ
まとめますと、2chに書き込んだ内容が以下に当てはまる場合、逮捕される可能性が考えられます。
- 書き込んだ内容が悪質である
- 実害が出ている
- 被害者が被害届を出すなど訴えている
- 影響がある
警察は捜査を行い、発信者を特定した上で、逮捕を行うでしょう。そのため、数ヶ月後「忘れた頃に警察が訪ねてきた…」なんてケースもあるでしょう。
場合によっては、そのまま起訴されて有罪となり罰金刑が科せられる、前科がつくといったこともあり得ます。また、名誉毀損などは刑事罰だけではなく、相手から損害賠償請求されるリスクもあります。
このように、不穏当な書き込みは、さまざまな法的責任を追及される原因となりえます。もし、不安があるようであれば、今後は軽い気持ちで書き込まないことが一番です。
逮捕されてしまった場合は、警察にお願いして『当番弁護士』を呼んでもらいましょう。
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