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公開日:2018.12.14  更新日:2021.6.24

刑事事件の示談を弁護士に依頼するメリット|選び方や費用相場も解説

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
上田孝明 弁護士
監修記事
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被害者がいる犯罪で、最も重要な刑事弁護活動の一つが、被害者との示談交渉です。

このような犯罪では、被害者との示談が成立することが被疑者・被告人に有利な事情として考慮されます。

その結果、次のようなことが期待できます

  1. 示談成立を理由に起訴されなかった
  2. 起訴がされても執行猶予判決により実刑が回避された
  3. 実刑となっても相対的に刑が軽減された

しかし刑事事件の場合、示談交渉を弁護士の力を借りずに行うのは困難です。そのため、実際はほとんど全ての事案で示談交渉は弁護士を介して行われているといっても過言ではないでしょう。

この記事では、次の3点について解説します。

  1. 弁護士に示談を依頼するメリットと個人で行うリスク
  2. 示談の基礎知識や弁護士に示談を依頼した後の流れ
  3. 示談を弁護士に依頼した時の費用や選び方
示談を弁護士に依頼した方が良い場合とは?

次に当てはまる場合は、弁護士に示談を依頼するべきと言えます。

  • 本人が逮捕されている
  • 在宅事件になっている
  • 被害者との示談交渉ができない・もめている
  • 法外な示談金を請求されている

加害者という立場上、示談交渉では不利な立場に立たざるを得ません。

特に、逮捕されている場合は、23日以内に和解できなければ、起訴され有罪となり、前科がつく可能性が高まります。

当サイトでは、示談交渉が得意な弁護士を掲載しています。示談交渉で悩みがある方は、一度ご相談ください

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示談を弁護士に依頼するメリット

示談を弁護士に依頼するメリット

示談交渉を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  1. 被害者の連絡先を知ることができる
  2. 被害者が示談交渉に応じてくれる可能性が高まる
  3. 適正な示談金額がわかる

弁護士に示談交渉を依頼するメリットと、なぜ個人での示談交渉は困難なのかを解説します。

1:被害者の連絡先を知ることができる

示談交渉を開始するためには、当然被害者の連絡先等の情報を入手する必要があります。しかし、被害者の情報は秘匿性の高い情報であり、捜査機関が被害者に無断でこれを開示することはありません。

 

特に加害者に対しては、捜査機関が被害者の情報を詳らかにすることはまずありません。弁護士には、法律上守秘義務を負う者としての責務がありますので、示談交渉のため必要ということであれば、捜査機関は被害者の了解を取り付けて、被害者の情報を開示してくれます。

 

このように、弁護士の力を借りなければ、被害者と連絡を取ることすら叶わないまま、示談不成立ということになりかねません。

2:被害者が示談交渉に応じてくれる可能性が高まる

犯罪の被害者は、当然ですが、加害者側に対し多かれ少なかれ処罰感情を抱いています。

被害者

加害者の刑事処分が軽くなる可能性のある示談交渉など応じたくない

事件を早く忘れたいから、関わりたくない

被害者であれば、上記のような気持ちを持ってしまうのは当然でしょう。そのため、被害者は多くの場合、加害者や加害者の家族との接触を嫌がります。

 

弁護士であれば、その社会的信用性から、被害者も前向きに話を聞いてくれる可能性が高まります。結果、加害者やその関係者では難しい示談交渉も、弁護士を通じて行うことで進展することもあります。

3:経験から適正な示談金額がわかる

刑事事件について経験の深い弁護士であれば、示談交渉の術や事案に応じた適正な示談金額を心得ているものです。弁護士に依頼することで、個人で直接交渉を行った場合の以下のようなリスクがなくなります。

適正な示談金額がわからない

被害者から高額な示談金を請求されてしまった

示談条件や示談金で揉めて、起訴までに示談が成立しなかった

弁護士は、その経験から示談金額についてある程度の相場観があります。したがって、弁護士を通じて協議・交渉をすることで、加害者・被害者双方にとって納得のいく解決を導くことができるかもしれません。

示談交渉を個人で行うリスク

示談交渉を個人で行うリスク

加害者が、弁護士を介すことなく被害者と示談交渉すること自体は法律違反ではありません。しかし、このような直接交渉には以下のような問題がつきまといます。

  •  
  • 被害者の連絡先を知ることができない
  • 被害者が加害者側と関わりたくないと言っている
  • 被害者にいくらの示談金を提示すべきかがわからない
  • 被害者から提示された高額な示談金を受諾すべきかどうかがわからない
  • 示談書を作成したいが何を記載すればよいか分からない

 

示談が成立した場合、通常は、合意内容を明記した示談書を作成します。

 

しかし、示談書の内容が不明瞭であったり、多義的であったりすると、後々トラブルになる可能性もあります。被害者側から「そのようなつもりではなかった」と示談を反故にされることもあり得ます。

 

個人で示談交渉を行うことにはさまざまなリスクがつきまといますので、まずは弁護士に相談することを強くおすすめします。

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示談の基礎知識|示談を行う理由や弁護士が行う示談の流れ

示談の基礎知識|示談を行う理由や弁護士が行う示談の流れ

示談には弁護士の力が必要不可欠だということはお分かりいただいたかと思いますが、そもそもなぜ示談をする必要があるのでしょうか。こちらでは、そもそも示談を行う理由や弁護士に示談を依頼した時の流れなどをお伝えしていきたいと思います。

刑事事件の示談とは?示談のメリット・デメリット

示談とは、加害者と被害者が話し合いでトラブルを解決することを言います。示談には、加害者・被害者双方に以下のようなメリット・デメリットがあります。

加害者

メリット

加害者の刑事処分に対して、加害者に有利な事情として考慮される

被害者との間の民事上の問題も一括して解決できる

デメリット

示談にあたって示談金の支払いなど一定の義務を負う

被害者

メリット

法的手続きを履践することなく被害に対しての補償を受けることができる

交渉次第で納得のいく補償を受けることができる

事件の早期解決により刑事手続きに巻き込まれることを回避できる

デメリット

被害者の刑事処分が軽くなる可能性がある

上記の通り、被害者との間で示談が成立した場合、加害者に有利な事情として考慮されます。結果、刑事手続きにおいて以下のような影響が考えられます。 

 

  • 逮捕されない可能性が高まる
  • 起訴されない可能性が高まる
  • 執行猶予がつく可能性が高まる
  • 実刑でも量刑が軽くなる可能性が高まる

 

このように、示談が加害者に有利に働く理由は、示談の成立が当事者間でトラブルが解決したとして評価され、あえて刑事処分を科す必要性が減退するためです。被害者にとっても、示談金による金銭的補償により、刑事事件により被った損害(たとえば、怪我をした場合の治療費、物が壊れた場合の修理費等)を、法的手続きを履践することなく補填してもらえるメリットがあります。

示談で弁護士に依頼するタイミング

示談の成立には、一定程度時間が必要です。示談の成否が刑事処分に影響する可能性がある以上、可能な限り早い段階から示談交渉を開始することが望ましいと言えそうです。

状況

示談のタイミング

逮捕された場合

逮捕後速やかに

在宅事件(※)

特に時間的制限はないものの、事件として立件されてから速やかに

※在宅事件では逮捕される身柄事件のように起訴までの時間制限という問題はありません。

 

もっとも、示談交渉は被害者の感情や状態にも配慮が必要ですので、加害者側の都合のみで示談を急かすようなことは避けるべきです。弁護人が付いている場合は、被害者に配慮しつつ、迅速な処理を行ってもらうようお願いしましょう。

関連記事:示談交渉の流れやタイミングは?

弁護士に示談を依頼した後の流れ

示談交渉のおおまかな流れはこちらです。

  1. 弁護士が、捜査機関(警察・検察)に示談の意向を伝える
  2. 捜査機関が被害者に連絡する
  3. 被害者が了承すれば、捜査機関から弁護士に被害者の連絡先を伝える
  4. 弁護士が被害者に直接連絡を取って示談交渉を開始する
  5. 示談条件で合意が成立すれば、示談書を作成する
  6. 示談条件に従い、示談金の支払いなどの義務を履行する

示談の経過は概ね上記のとおりですが、実際の示談成立までの流れ・時間は事件の性質や被害者の対応によりケースバイケースです。

 

なお、示談の成立とは5の示談条件の合意を意味します。6の示談条件の履行はこれがあれば望ましいですが、履行が未了であっても示談成立を被疑者・被告人に有利に斟酌することはあり得ます。

関連記事:刑事事件の示談の流れと交渉するタイミングを解説

示談で作成する示談書の内容

示談で作成する示談書の内容

示談について合意が成立した場合、実務的には、示談書を作成するのが通例です。これは、合意された示談条件を明確にすることで、示談が成立した証拠として利用したり、後日認識の相違などからトラブルになったりすることを防止するためです。

 

示談書に何をどのように記載するかのルールはありませんが、事件の内容、被害の内容、示談金の金額・支払方法・支払時期などを記載するのが一般的です。これに加えて、清算条項・宥恕(ゆうじょ)条項などを盛り込むのが通常です。

項目

説明

清算条項

示談によって当事者間では事件が解決したこと、示談書に記載されたもの以外、加害者・被害者間に権利・義務関係がないことを確認するもの

宥恕条項

示談によって被害者は加害者を許したと確認するもの

※示談書に清算条項を設けた場合、被害者は示談成立後、加害者に対して示談金に追加して損害賠償請求をすることができなくなります。

 

示談書の作成方法に決まったルールはなく、一定のルールに沿わなければ法的に無効となるということはありませんので、弁護士でなくても作成はできます。しかし、示談成立後のトラブルを回避する意味でも、刑事事件の経験がある弁護士に依頼して的確な示談書を作成してもらうことを強くおすすめします。

関連記事:示談書にはどんなことを明記するの?

示談金に含まれるものと相場

示談金は、被害者が刑事事件で被った損害(財産的な損害及び精神的苦痛に対する損害)を補償するものです。このような損害は、事件に応じて大きく変動しますので、示談金も一律でこの金額といった相場は特にありません。

 

たとえば、傷害事件で被害者がケガを負った場合の入院通院費、休業損害、通院慰謝料などは怪我の程度に応じて異なるのはわかりやすいと思います。また、窃盗事件でも被害者から盗んだ物の価値は事件によって異なることもわかりやすいでしょう。

 

もっとも、被害者に財産的な損害が生じておらず、精神的苦痛に対してのみの補償(慰謝料)ということであれば、ある程度目安となる金額はあります。しかし、こちらもやはり事案によって異なることは十分あり得ますので、適正な示談金については弁護士に相談してください。

罪名

示談金相場

暴行罪

5~30万円

傷害罪

10~50万円

窃盗罪

10~20万円

詐欺罪

10~20万円

横領罪

10~20万円

恐喝罪

10~20万円

強盗罪

10~100万円

強制性交罪

50~300万円

痴漢(迷惑防止法令違反)

10~30万円

関連記事:【刑事事件】事件別の示談金相場一覧と示談交渉のポイント

示談交渉を弁護士に依頼した場合の費用の相場

示談を弁護士に依頼するとなれば、上記の示談金に加えて弁護士への依頼料金が必要になります。示談で弁護士に依頼した場合の費用の相場は以下のとおりです(あくまで私選弁護の場合であり、国選弁護の場合、費用はかかりません)。

依頼内容

費用相場

示談交渉のみ

着手金・報酬金だけで20~40万円

示談交渉も含めた刑事弁護

着手金・報酬金だけで60~80万円

刑事事件での弁護士費用総額の内訳

刑事事件の場合、在宅であればともかく、身柄事件であれば示談だけを私選弁護人に依頼することはほとんどありません。身柄事件の場合は、刑事事件全体を依頼しつつ、示談もその範囲にあるものとして対応してもらうということになります。

 

なお、刑事事件で弁護士に私選弁護を依頼した場合、ケース・バイ・ケースではありますが、総額60~100万円程度の費用がかかることも珍しいことではありません。それぞれの内訳をまとめると、以下のようになります。

費目

内訳

相談料

無料~5,000円/30分

着手金

20万円~

報酬金

20万円~

接見費用

1~3万円/1回

交通費などの実費

発生した分

日当

1~2万円/1日

ただ、こちらでご紹介している弁護士費用はあくまでも相場です。結局は契約次第ですので、具体的には直接弁護士事務所に確認してください。

 

事務所によっては、相談料や着手金が無料で弁護士費用が安価な所もあります。弁護士費用について、詳しくは関連記事も参考にしてみてください。

【関連記事】

刑事事件加害者の示談交渉、弁護士費用の相場は?費用を抑える方法は?

刑事事件の私選弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法

 

相談したからといって依頼義務は生じませんので、無料相談を活用して、あなたに合った弁護士を見つけてくださいね。

示談で依頼する弁護士の選び方

示談で依頼する弁護士の選び方

刑事事件で示談交渉を弁護士に依頼するメリットはおわかりいただけたかと思います。では、実際にどんな弁護士に依頼すべきなのでしょうか。

 

示談や刑事弁護で弁護士を選ぶ際に、重視したいのは、『実績』『スピード』『相性のよさ』です。以下で詳しく解説します。

実績とスピードが重要

最も重視したいのは、刑事事件を扱った実績があるかどうかです。ひとえに弁護士といっても、得意分野はさまざまです。

 

ベテランだからと依頼しても、民事事件しか扱ったことのない弁護士の場合もあるでしょう。民事事件と刑事事件では業務の内容や処理の仕方が全く異なります。

 

また、刑事事件は、身柄事件であれば起訴されるまでに限られた時間しかないため、素早い対応が求められます。刑事事件について経験の深い弁護士であれば、刑事事件を熟知していますので、適宜的確な刑事弁護が期待できそうです。

 

弁護人を選任する場合は、刑事弁護をどの程度取り扱っているのかをよく確認しましょう。

相性のよさも不可欠

相性がよいとあなたが感じることも、重要な判断材料の1つです。いくらベテランで腕がいい弁護士であっても、あなたの話を聞かなかったり、連絡が全くなくて不安にさせられたり、あなたが望んだ形とは違う弁護活動を行う弁護士だったら依頼したいでしょうか。

 

実績や素早い対応をしてくれることも重要ですが、弁護士と顔を合わせて相談をして、あなたが「信頼できる」「任せられる」と感じられる弁護士を選びましょう。

関連記事:刑事事件の弁護士選びで失敗しない4つのポイント|土日・夜間相談OK

刑事事件の示談交渉を依頼できる弁護士一覧

最後に、当サイトでは刑事事件が得意な弁護士を掲載しており、お住まいの地域から弁護士を検索・比較できます。各弁護士のページは弊社編集部が作成しているので、弁護士を選ぶ際の参考にしてください。

 

無料で相談を受けてくれる弁護士事務所も多いので、まずは気軽に相談からされてみてはいかがでしょうか。

まとめ

刑事事件は極めて特殊であるため、弁護人の力を借りずに適切に処理することは困難です。刑事事件に巻き込まれた場合、弁護士の力を借りることは必須でしょう。

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この記事の監修者を見るChevron circle down ffd739
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この記事の監修者
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
上田孝明 弁護士 (東京弁護士会)
依頼者を第一に考え、適切な手続と結果にする為の刑事弁護に注力。厳しい立場に置かれているクライアントの力になり、不当な取り調べや失職などの不利益から守るために、逮捕前から裁判終了まで幅広く対応している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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