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【刑事事件】弁護士費用が払えない場合の選択肢2つを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
【刑事事件】弁護士費用が払えない場合の選択肢2つを解説

刑事事件の弁護士費用は、決して安くはありません。

「そんな多額なお金、払えない」と思った人も少なくないでしょう。

しかし、今すぐ弁護士費用が用意できない方でも、弁護士を利用できる方法が2つあります。

  • 国選弁護人を利用する
  • 私選弁護人を分割払いで利用する

本記事では、国選弁護士と私選弁護士のメリットとデメリットについて解説します。

弁護士への依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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国選弁護人を利用する方法

国選弁護人の概要と、メリットとデメリットをお伝えします。

メリット
  • 費用がかからない
  • 私選弁護人と同じ弁護活動
デメリット
  • 対応が遅れがち
  • 自由に選べず、別の国選に変更できない
  • 実力やサポートの質に差がある

国選弁護人とは

国選弁護人とは、国が選任してくれる弁護士のことで、費用も国の負担となります。

私選弁護人を選任できない被疑者や被告人でも弁護活動を受けられるようにするための制度なので、どうしてもお金が払えない場合は、国選弁護人に依頼することになります。

国選弁護人を利用するメリット

費用がかからない

国選弁護人を利用する最大のメリットは費用がかからない点です。

私選弁護人に依頼すると、接見費用や着手金、成功報酬で最終的に数十万円の弁護士費用が発生します。

弁護士費用の工面が難しい人にとっては、ありがたい制度ではないでしょうか。

私選弁護人と同じ弁護活動ができる

国選弁護人の弁護内容に制限などはなく、私選弁護人と同じ弁護活動ができます

私選弁護人と同じ内容の弁護活動を無料で受けられる点もメリットといえるでしょう。

国選弁護人を利用するデメリット

対応が遅れがち

国選弁護人は逮捕後3日程度経過しないと(勾留後でないと)選任されません

なぜ対応が遅れるのか理解するためには、逮捕後の流れを知っておく必要があります。

刑事事件の流れ

国選弁護人(被疑者国選)は勾留後でないと選任されません。

そのため、逮捕から勾留されるまでは被疑者は、取り調べへの対応について国選弁護人のサポートを受けることはできません。

自由に選べず、別の国選弁護人に変更することもできない

国選弁護人は国が選任するため、どんな弁護士がつくかわかりません。

また、選任された国選弁護人に不満があったとしても、別の国選弁護人に変更することはできません

この場合は、私選弁護人に切り替えることになるでしょう。

実力やサポートの質に差がある

必ずしも刑事事件の解決実績がある弁護士がつくわけではないので、実力やサポートのきめ細かさに差が出てきます。

実際に、相談者の中には国選弁護人が信頼できず、私選弁護人への切り替えをされる方もいらっしゃいます。

とはいえ、上記はあくまで国選弁護人に不満があった場合の話です。

私選弁護人でもこちらが満足の行くサービスを受けられないことがありえます。

国選弁護人に依頼するには?

「国選弁護人に依頼するにはどうしたらよいですか?」という方もいらっしゃいますが、ご家族から国選弁護人に依頼することはできません。

被疑者が、勾留決定以降のどこかのタイミング(通常は勾留質問時)に国選弁護人選任を希望すると、国選弁護人が選任されます。

私選弁護人を分割払いで利用する

弁護士費用の工面が難しいと感じるかもしれませんが、私選弁護人にはさまざまなメリットがあります。

メリット
  • 逮捕を回避できる場合がある
  • 早期釈放を目指しやすい
  • 早期に不起訴を得やすい
  • 実績がある弁護士を選べる
デメリット
  • 分割払い可能だが、無料になるわけではない

私選弁護人とは

被疑者や被告人、その家族が自ら選任する弁護人のことを、私選弁護人といいます。

国選弁護人のように無料ではありませんが、弁護士によっては、分割払いに対応してくれる場合もあります。

また、すぐに費用が工面できない方は、被疑者援助制度についても知っておくとよいでしょう。

被疑者援助制度は、日弁連が法テラスに委託している事業で、国選弁護人制度でカバーしきれない被疑者に対し、弁護士費用の立て替えをしてくれます。

弁護士に相談をする際に、「分割払いはできますか?」「被疑者援助制度は利用できますか?」などと確認をしてみましょう。

私選弁護人を分割払いで利用するメリット

刑事事件の解決実績がある弁護士をいつでも選任できることで、次のようなメリットが期待できます。

逮捕を回避できる場合がある

私選弁護人は逮捕前でも依頼が可能なため、逮捕を回避できる場合があります。

  • 被害者と早急に示談交渉を行い、事件化を未然に防ぐ
  • 逮捕ではなく在宅事件扱いになるよう警察に働きかける

在宅事件になれば、とりあえず身柄拘束されずに捜査が進められます。

一度逮捕されてしまうと、弁護士に依頼して、弁護活動が奏功したとしても釈放まで数日を要する可能性があり、その間は学校や会社を休むことになります。

逮捕前に被害者へ謝罪したり、和解を目指したりするのであれば、私選弁護人を選ぶ必要があります。

早期釈放を目指しやすい

すでに被疑者が逮捕されている場合、適切な弁護活動により勾留を回避できる可能性があります。

勾留が決定された場合でも、不服申立てをすることで、これを取り消すということもあり得ます。

早期に不起訴を得やすい

被害者との示談交渉が成立し、被害を取り下げてもらうことで、不起訴を得やすくなります。

不起訴になれば、即刻身柄を開放されますし、刑事裁判にならないので前科はつきません。

国選弁護人でも被害者との示談交渉はできますが、勾留されてからでないと選任されません。

一日も早く日常生活に戻りたいのであれば、私選弁護人を選任したほうがよいでしょう。

実績がある弁護士を選べる

自分で選任できるので、刑事事件の解決実績がある弁護士を選んで依頼できます

弁護士であれば一通り法律に関する知識は持っているものの、捜査機関や被害者と交渉をしたり、被疑者に有利な情状を集めたりするには、実務経験も必要です。

また、窃盗、痴漢、薬物犯罪など、より細かな分野の経験がある弁護士に依頼することも可能です。

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私選弁護人を分割払いで利用するデメリット

分割払いであれば、すぐにお金を用意できない人も弁護士に依頼できます。

とはいえ、国選弁護人のように無料になるわけではないので、のちのち支払いをしていかなければなりません。

  • 「弁護士費用はどのくらいかかりそうか?」
  • 「分割払いであれば支払えそうか?」

など、以下記事を参考に費用に関して具体的にイメージしていただければと思います。

私選弁護人をつけるには

私選弁護人をつける際は、自身で信頼できそうな弁護士を探すことになります。

すでにお伝えしたように、依頼をするのであれば、刑事事件の解決実績がある弁護士を選ぶようにしましょう。

当サイトでは、刑事事件の解決実績がある弁護士のみを掲載しているので、お住まいの地域の弁護士を比較検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

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補足|当番弁護士と在宅事件について

刑事事件で弁護士を選任するにあたって、2つほど補足があります。

当番弁護士について

当番弁護士を知っている人もいるかもしれません。

当番弁護士は、逮捕後一度だけ無料で被疑者と接見してくれる弁護士のことです。

一度の面会であっても、取り調べへの対応や今後について相談できるため、被疑者にとってはありがたい制度です。

ただ、当番弁護士も国選弁護人同様、ご自身の意思で選べるわけではありません

加えて、2回以上利用するのであれば、私選弁護人として選任する必要があります。

したがって、釈放や不起訴を目指した弁護活動を依頼したい場合は、最初から刑事事件の解決実績がある弁護士を選び、私選弁護人として選任するのがおすすめです。

在宅事件の場合は私選弁護人を選任するしかない

国選弁護人が選任されるのは勾留以降とお伝えしましたが、在宅事件の場合は勾留がないので、国選弁護人は選任されません

在宅事件であれば、逮捕された場合よりも罪が軽いだろう」といった誤解をしている方もいますが、まったくそんなことはありません。

逮捕された場合と同様、起訴されれば前科がつきます。

在宅事件の場合、弁護士をつけるチャンスを逃し、適切な刑事弁護を受けられなかった、ということも想定できます。

在宅事件扱いになっている方が刑事弁護を受けるには、私選弁護人を選任することになるでしょう。

結局、国選弁護人と私選弁護人どっちがよいの?

ここまでで、国選弁護人と私選弁護人それぞれのメリットとデメリットをお伝えしてきました。

それぞれ一長一短があり、どちらがいいのか決められなかったかもしれません。

結局のところ、国選か私選か決める際のポイントは次の2点に尽きるでしょう。

  • 分割払いで支払えるか、支払えないか
  • 一日も早く事件を解決したいかどうか

最後に、この記事のまとめとして、国選弁護人と私選弁護人のどちらを選ぶべきか、判断の基準をお伝えします。

  1. どうしてもお金が払えない場合は国選弁護人
  2. 早期解決を目指すのであれば私選弁護人
  3. 実績がある弁護士を確実につけたければ私選弁護人

各々の状況にもよりますので、あくまで参考としてお考えください。

どうしてもお金が払えない場合は国選弁護人

分割払いでも支払いが難しい場合は、国選弁護人が選任されるのを待つことになります。

早期解決を目指すのであれば私選弁護人

釈放が早ければ、それだけ早く学校や会社に復帰できます。

身柄拘束が長引くことによる生活への悪影響を最小限にしたいのであれば、私選弁護人を選任しましょう。

刑事事件の実績がある弁護士を確実につけたければ私選弁護人

国選弁護人を選ぶ場合、実力のバラツキには目をつぶることになるでしょう。

実績がある弁護士に依頼し、よりよい結果を期待したいのであれば、私選弁護人を選任しましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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