逮捕者との面会ガイド|時間や回数の制限・差し入れの可否について
家族が突然逮捕されてしまったとき、いつ、どのようにすれば面会できるかご存知でしょうか?
実は逮捕後3日間は家族でも面会することはできません。逮捕後に勾留された場合は面会できることが多いものの、面会する際は勾留場所(警察署)の面会ルールに従う必要があります。
この記事では、逮捕・勾留後の被疑者と面会する際に押さえておきたい知識を解説します。
逮捕された人と面会する際の5つの制限
逮捕後の被疑者との面会は、弁護士以外は許されていません。他方、逮捕後に勾留された被疑者とは、接見禁止処分が付されていなければ一般人でも面会可能です。
しかし一般人による面会には、通常、警察署の面会ルールとして以下のような制限があります。
なお具体的な制限は勾留場所毎に異なるため、詳しくは個別に確認してください。
- 面会日時の制限
- 面会時間の制限
- 面会回数の制限
- 警察官の立ち合いがつく
- 面会が禁止されることもある
面会日時の制限
まず面会時間が限られます。警察署によっても異なりますが、平日の9:00~11:00、13:00~16:00までというケースが多いようです。土日祝や夜間、早朝は会えません。
面会時間の制限
1回の面会時間も制限されます。警察署によっても異なりますが、おおよそ1回につき10~20分程度です。時間がいっぱいになると、面会を制止されて終了されてしまいます。
面会回数の制限
面会の回数にも制限があります。基本的に1日1回までであり、平日にしか面会が認められないので1週間に5回が限度となります。
しかも1回について話せるのが10~20分程度であるため、毎日通ったとしても綿密なコミュニケーションをとることは困難でしょう。
警察官の立ち合いがつく
一般人による面会には、必ず警察官が立ち会います。自由に話せる雰囲気ではありません。
面会が禁止されることもある
被疑者が勾留されるにあたり接見禁止の処分を受ければ、家族ですら面会することはできません。
接近禁止とは、弁護人以外の物との面会や手紙のやり取りなどを一切禁止する処分のことです。
多くの場合、共犯事件や否認事件などの証拠隠滅のおそれが高いケースで下されます。
実際に被疑者との面会が可能かどうかは、あらかじめ留置先の警察署に連絡して確認しておきましょう。
逮捕者との面会における差し入れについて
被疑者への差し入れについても、一般的にできるものとできないものがあります。ここでは以下のポイントを解説します。
- 逮捕されている人に差し入れできるもの
- 何を差し入れたらいいかわからない人はこれを持っていこう
- 差し入れをする際に持参するべきもの
逮捕されている人に差し入れできるもの
差し入れが可能なのは、以下のようなものです。
- シャツ・ズボン・下着などの衣類
- 本・雑誌・漫画
- 写真
- 手紙
- 現金
衣類については「ひもやジッパーのついたものが不可」などの制限があるので、事前に警察に確認しておく必要があります。
なお手紙・写真・本などは、接見禁止処分が付されている場合は差し入れできません。
一方、以下のようなものは一般的に差し入れできません。
- タオル
- シャンプー・リンス・歯磨き粉など
- ハサミなどの危険物
- タバコ
- ゲーム機
- 食品
現実には差し入れができないものの方が多いため、差し入れしたいときには警察に問い合わせてから持っていくのが良いでしょう。
何を差し入れたらいいかわからない人はこれを持っていこう
初めて面会する際など、何を差し入れたら良いかわからないときには、以下のものを持っていきましょう。
現金
留置場内では自分で日用品などを買わなければならないため、お金が必要になります。3万円程度の現金を入れてあげるのが良いでしょう。
下着
下着も足りなくなることが多いため、持っていきましょう。
夏なら涼しい服(Tシャツなど)、冬なら上着などの暖かい服
夏や冬に逮捕された際、留置場内では空調が不十分なことがあります。それぞれの季節に適した服を持っていきましょう。
本や雑誌
もし本人の好きな本や雑誌があれば、時間つぶしや気分転換のために持っていってあげましょう。
手紙
留置場では会話できる時間が限られているため、伝えたいことをあらかじめ手紙に書いて持っていくことをおすすめします。
差し入れをする際に持参するべきもの
差し入れをする際は身分証明書の提示を求められるほか、所定の書類への記入が必要です。
運転免許証や保険証などの身分証明書や、印鑑(認印でも可)も持参しましょう。
逮捕された人との面会で注意したいポイント
家族が逮捕されて面会する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 逮捕~勾留までは面会できない
- 面会に行く前に警察に電話をしておく
- 面会時に確認したい事柄を考えておく
逮捕~勾留までは面会できない
家族が逮捕されたら「すぐにでも会いたい」と思うのが当然です。しかし逮捕された被疑者とは、弁護人または弁護人になろうとする者以外は面会できません。
家族などの弁護人以外の者が会えるようになるのは、被疑者が勾留されたときからです。
面会に行く前に警察に電話をしておく
被疑者の身柄拘束手続が「逮捕」から「勾留」に切り替われば、面会が可能となります。
しかし面会には色々と制限がありますので、必ず事前に警察に電話を入れて、面会の可否・面会可能時間・差し入れの可否などを確認しましょう。
面会時に確認したい事柄を考えておく
弁護人などによる面会時間には制限がありませんが、家族などの一般人による面会時間は10~20分程度と大幅に制限されています。
そのため、本人と話したい事柄や聞きたい事柄をしっかりと決めておかなければ、いざ面会しても十分な情報共有ができずに終わってしまうこともあるでしょう。
面会に行く際は、どのような話をするのか、何を聞くのかなどを事前に検討してまとめておくことをおすすめします。
逮捕者との面会を弁護士に依頼するメリット
一般人と被疑者との面会では制約が大きいため、実際には弁護士に依頼して情報共有を図る方が効果的です。
以下の通り、弁護士に依頼するメリットはさまざまあり、ここでは各メリットについて解説します。
面会(接見)禁止のときでも面会できる
事件の内容や性質によっては、裁判官が勾留を決定する際に接見禁止処分をつけることがあります。この場合、弁護人以外の者(家族を含む)は一切面会できなくなるのが通常です。
このような処分が付された場合、逮捕から勾留に切り替わっても家族は本人と会えません。
弁護士であれば、このような接見禁止処分がついていても、特段の制限なく本人と面会して情報共有を図ることができます。
面会で時間制限を受けない
家族が本人と面会する場合には10~20分程度の時間制限があるため、満足にコミュニケーションをとれないことも珍しくありません。
弁護士であれば、時間制限なく何時間でも本人と話せます。
捜査官による立ち会いがない
家族が面会するときには捜査官の立ち会いがあるため、お互いに自由に話すことが難しいかもしれません。
一方、弁護士に依頼した場合、捜査官は立ち会いません。話した内容についての秘密も守られるので、本人も安心して本心から話ができるでしょう。
早期釈放を目指せる
被疑者の身柄拘束により、被疑者家族は実生活に影響が出るようなことも十分あります。被疑者家族としては「一刻も早く身柄を解放して欲しい」と願うのは自然なことでしょう。
そこで、弁護士による早期解決に向けた情報共有やアドバイスを受けたり、被害者との示談を進めてもらったりなどの的確な弁護活動を受けることによって、早期の身柄解放を実現できる可能性があります。
また、早期に的確な弁護活動をすることで、最終的に起訴されず、前科を回避することもできるかもしれません。
まとめ
家族が逮捕されたら、どのような方でもパニックになってしまうものです。まずは慌てず、弁護士との相談を検討しましょう。
弁護士に早期に依頼すれば、逮捕直後から本人と面会して必要な情報共有を行ってもらえます。
そして早期の弁護活動により、早期釈放や不起訴処分を獲得できる可能性もありますので、心強い味方となるでしょう。
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