刑事事件の流れ|事件発生から判決確定までの流れを徹底解説
犯罪を起こした疑いをかけられ、捜査の対象になった場合、刑事手続きはスピーディに進行します。
早期に刑事手続きから解放されるためには、刑事事件の流れを踏まえて、初動の段階から迅速な対応をとることが肝心です。
今回は、刑事事件の発生から判決確定に至るまでの流れを、詳しく解説します。
刑事事件が発生すると警察はどう動く?事件発生後の捜査活動
捜査機関が刑事事件の発生を認識した場合、まず警察による捜査がおこなわれます。
警察が事情聴取や現場検証などをおこなって被疑者を特定する
現行犯逮捕の場合を除いて、犯人が誰だかわからない状態から、捜査がスタートします。
警察は被害者や目撃者への事情聴取や、事件現場の検証などをおこない、犯人と疑われる人(被疑者)を絞り込んでいきます。
被疑者特定後は逮捕状が発行されて逮捕される
警察が被疑者を逮捕するには、「罪を犯したと疑うに足る相当な理由」(刑事訴訟法199条1項)、すなわち一定以上の確度がある嫌疑が必要です。
警察がある程度の証拠を確保し、被疑者が犯人であることの目星がついた段階で、警察は裁判官に対して逮捕令状の発行を求めます。
裁判官は、被疑者について「罪を犯したと疑うに足る相当な理由」が存在すると認めた場合、逮捕令状を発行します。
逮捕令状を得た警察は、被疑者を逮捕して身柄を拘束することが可能となります。
逮捕は、警察が被疑者を待ち伏せる、被疑者の自宅に踏み込むなどの方法により実行されます。
身柄を拘束せずに捜査が進められることもある
被疑者が罪を犯したことが確実であっても、必ず逮捕が実行されるとは限りません。
裁判官は、明らかに逮捕の必要がないと認める場合には、逮捕令状の請求を却下します(刑事訴訟規則143条の3)。
特に、被疑者に逃亡および罪証隠滅のおそれがない場合には、逮捕の必要性が否定されます。
また、警察が独自に「逮捕の必要性なし」と判断して、逮捕令状の請求をおこなわないケースもあります。
逮捕がおこなわれないケースでは、被疑者在宅のまま捜査が進められます。
逮捕から送検までは最大48時間!逮捕後~送検までの流れ
被疑者が逮捕された場合、警察での取調べなどがおこなわれた後、検察官送致(送検)するかどうかを警察が判断します。
留置施設や拘置所に留置されて取調べがおこなわれる
逮捕された被疑者は、警察署内の留置場や、法務省所管の拘置所に身柄を留置されます。
逮捕期間中は、被疑者に対する取調べを中心として、警察による捜査が引き続きおこなわれます。
取調べの際には、被疑者には黙秘権が認められています。
したがって、被疑者は自分の知っていることや感じたことを話しても良いですし、終始沈黙しても構いません。
取調べで聴き取られた内容は、刑事裁判における証拠となるため、軽率な発言は控えるように努めましょう。
逮捕から送検までは最大48時間|送検するかどうかは警察が判断する
警察は、被疑者が逮捕された時点から48時間以内に、事件を検察官送致(送検)するかどうかを判断します。
身柄拘束は被疑者にとって重大な不利益処分なので、逮捕には厳しい時間制限が設けられているのです。
警察は、捜査した事件は検察官送致(送検)しなければならないのが原則です(刑事訴訟法246条)。
ただし犯罪事実が極めて軽微で、かつ地方検察庁が定める基準によって送検不要とされている事件については、検察官送致(送検)がおこなわれないこともあります。
これを「微罪処分」と言います(犯罪捜査規範198条)。
検察官送致(送検)するか、それとも微罪処分とするかは、地方検察庁の定める基準に従って警察が判断します。
なお、告訴または告発がおこなわれた事件については、送検義務があるため微罪処分が認められません(刑事訴訟法242条)。
逮捕期間中は面会ができない(弁護士を除く)
家族や友人が被疑者に面会できるのは、逮捕の次のステップである「勾留」に移行した後となるのが一般的です。
ただし、弁護人(+弁護人となろうとする者)には「接見交通権」が認められており(刑事訴訟法39条1項)、逮捕期間中であっても被疑者と面会できます。
そのため、逮捕期間中に被疑者とやり取りをしたい場合には、弁護士に依頼してください。
送検されたらさらに勾留される?送検後~起訴・不起訴決定までの流れ
警察から事件が検察官送致(送検)された場合、勾留を経て起訴・不起訴の判断へと進みます。
検察官が勾留が必要かどうか判断する
逮捕は、最長でも72時間しか身柄拘束が認められません(刑事訴訟法205条2項)。
これに対して、(起訴前)「勾留」が認められれば、身柄拘束の期間を延長できます。
検察官は、被疑者の身柄を拘束しての捜査がさらに必要であると判断した場合には、裁判官に対して勾留請求をおこないます。
勾留請求が認められるのは、以下のいずれかに該当する場合です(刑事訴訟法207条1項、60条1項)。
- 被疑者が定まった住居を有しないとき
- 被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
- 被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき
勾留後も引き続き捜査・取調べがおこなわれる
勾留請求が認められた場合、被疑者は引き続き留置場や拘置所で身柄を拘束されます。
勾留中は、警察・検察による捜査が引き続き進められ、その一環として被疑者への取調べもおこなわれます。
接見(面会)に訪れる弁護士と相談して、方針を立てて取調べに臨みましょう。
勾留期間は最大20日間まで延長される
起訴前勾留の期間は、当初は10日以内とされています(刑事訴訟法208条1項)。
ただし、やむを得ない事由がある場合には、1回限り最大10日間の延長が認められています(同条2項)。
したがって、起訴前勾留の期間は、最長20日間です。
事案によっては、起訴前勾留の期間がさらに短くなることもあり得ます。
そのため、不起訴に向けた弁護活動をおこなう際には、迅速に対応しなければなりません。
勾留期間中に、検察官が今後の処分について判断する
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、被疑者を起訴するかどうか判断しなければなりません。
この段階で検察官がおこなう処分には、以下の3種類があります。
①公判請求(起訴)
被疑者を刑事裁判(公判手続き)にかけることを決定する処分です。
➁略式命令請求
刑事裁判(公判手続き)を経ずに、被疑者に対して刑罰を科すことを請求する処分です。
100万円以下の罰金または科料を科す場合に限られ(刑事訴訟法461条)、さらに被疑者が異議を述べないことが条件となります。
③不起訴処分
被疑者を刑事裁判(公判手続き)にかけることなく、刑罰も科さずに刑事手続きを終了させる処分です。
被疑者が犯人であることを立証できる状態に至らなかった「嫌疑なし」「嫌疑不十分」と、被疑者が犯人であることは確実なものの、罪の重さや情状などを考慮して起訴を控える「起訴猶予」に分かれます。
起訴された場合の公判手続きの流れと判決が出るまでの期間
被疑者が検察官によって起訴された場合、それ以降は「被告人」と呼ばれるようになり、刑事裁判(公判手続き)にかけられます。
起訴後は刑事裁判(公判手続き)が開かれる
刑事裁判(公判手続き)では、被告人が犯人であること、および犯罪事実を検察官が立証します。
被告人の方針としては、罪を犯した事実そのものを争うか、良い情状をアピールして寛大な処分を求めるかの2通りが考えられます。
弁護士と相談して方針を決定し、刑事裁判(公判手続き)に臨みましょう。
刑事裁判が終わるまで勾留が続くこともある
被疑者(被告人)が勾留された状態で起訴された場合、自動的に「起訴後勾留」へと切り替わります。
起訴後勾留の期間は当初2ヵ月ですが、継続の必要がある場合には、1ヵ月ごとに更新が可能となっています(刑事訴訟法60条2項)。
場合によっては、刑事裁判(公判手続き)が終わるまで、起訴後勾留が続くこともあるので注意が必要です。
起訴後勾留については保釈を求めることが可能
起訴前勾留とは異なり、起訴後勾留では「保釈」を認められることがあります(刑事訴訟法89条、90条)。
「保釈」とは、保釈保証金を預けることと引き換えに、被告人の身柄を暫定的に解放する処分です。
保釈保証金の金額は、被告人の経済状況を考慮して、「これだけ預けさせておけば逃亡を防止できる」と思われる金額が設定されます。
平均的には150万円から200万円程度、収入や資産が多い場合にはさらに高額となります。
保釈保証金は、家族などに用意してもらうのが一般的です。
もし家族を頼れない場合には、日本保釈支援協会の立替サービスを利用することもできます。
参考サイト:保釈保証金立替システム|一般社団法人日本保釈支援協会
刑事裁判における判決の内容と刑罰の種類
刑事裁判における判決には、「実刑判決」「執行猶予付き有罪判決」「無罪判決」の3種類があります。
<判決の内容>
①実刑判決
公判手続きの終了後、実際に刑を執行する旨の判決です。
②執行猶予付き有罪判決
有罪ではあるものの、再犯等がないことを条件として、一定期間刑の執行を猶予する旨の判決です。
執行猶予が付くのは、3年以下の懲役刑もしくは禁錮刑、または50万円以下の罰金刑に限られます(刑事訴訟法25条1項)。
無罪判決:検察官による犯罪立証が成功しなかったため、被告人を無罪とし、刑罰を科さない旨の判決です。
※実刑判決と執行猶予付き有罪判決を組み合わせた「一部執行猶予」も認められることがあります(刑事訴訟法27条の2)。
刑罰には、重い順に以下の6種類が存在します。
<刑罰の種類>
①死刑
被告人を絞首刑によって死に至らしめる刑罰です。
②懲役
被告人を刑務所に収容して身柄を拘束し、刑務作業を義務付ける刑罰です。
③禁錮
被告人を刑務所に収容して身柄を拘束する刑罰です。
懲役刑とは異なり、刑務作業をおこなうかどうかは任意となります。
④罰金
被告人に金銭の納付を命ずる刑罰です。
⑤拘留
被告人の身柄を刑事施設に拘置する刑罰です。
1日以上30日未満と、期間がかなり短くなっています。
⑥科料
被告人に金銭の納付を命ずる刑罰です。
罰金とは異なり、1,000円以上1万円未満と低額になっています。
判決内容に納得いかない場合は上級裁判所で争うことが可能
刑事裁判(公判手続き)で裁判官が言い渡した判決に対しては、被告人に控訴・上告が認められています。
控訴審は高等裁判所、上告審は最高裁判所でおこなわれます。
最大3回の審理を経て、被告人の有罪・無罪および量刑が確定したら、刑事手続きは終了となります。
刑事事件は意外に身近なもの
刑事事件で逮捕・起訴されるのは、凶悪犯だけで、自分には関係がないことだと感じて、具体的なイメージが湧かない人も多いでしょう。
しかし2020年の犯罪白書によれば、同年に発生した刑事事件の発生件数は約91万件で、そのうち殺人・強盗・放火・強制性交などの凶悪犯は、約4,500件で全体の0.5%に過ぎません。
一方で、全体の30%以上の約30万件は、交通違反・交通事故に関わるものが占めています。刑事処分の対象となる交通違反は、人身事故を起こした場合や、酒気帯び運転、一定以上の速度超過など、車を運転する人にとっては身近なものばかりです。また、刑事事件となった交通違反の中には、件数は少ないものの、自転車によるものも含まれています。
刑事事件の被疑者、被告人になる可能性は、誰にでもあると言っても過言ではないでしょう。
少年が刑事事件を起こした場合の流れ
少年が刑事事件を起こした場合は、成人とは違った流れで処分が決定されます。
成人が刑事事件を起こした場合は「刑事訴訟法」に基づき逮捕・検察による起訴・刑事裁判などがおこなわれ、罪を償うために刑罰が科されます。
一方、少年が刑事事件を起こした場合は「少年法」に基づき、家庭裁判所が少年審判を行って保護処分を決定するのが原則です(一部の悪質な犯罪については「逆送致」がおこなわれ、成人と同様の手続きで裁かれる場合もあります)。
「少年法」は、少年の健全な育成と非行少年の矯正を目的としています。そのため成人と同じような罰金・懲役といった刑罰を与えるのではなく、保護観察や少年院での矯正教育など指導的な保護処分をおこなうことで、少年の更生や社会復帰を促すのが原則とされています。「少年法」が適用されるのは、20歳未満の者です(少年法第2条)。
なお2022年4月に改正民法により成人年齢が18歳に引き下げられましたが、18・19歳も「特定少年」として引き続き少年法が適用されます。ただし、状況によって17歳以下の者とは異なる取り扱いがされます。(参考:少年法が変わります!|法務省)
少年の刑事事件の逮捕~送検までの流れ
少年が刑事事件を起こした場合、逮捕されることがあるかどうかは年齢によります。
・14歳以上…逮捕されることがある
・14歳未満…逮捕されない
「刑法」では14歳以上の人にのみ刑事責任能力を認めています。そのため14歳以上の少年が刑事事件を起こした場合、逮捕されることがあり得るのです。
一方14歳未満の場合は刑事責任能力が問われないため、逮捕も送検もされません。ただし、行為の内容によっては、少年法に基づく少年審判の対象となる場合があります。
少年は家庭裁判所に送致される|検察官送致(送検)は例外
逮捕後の手続きの流れは、成人と少年の間で大きく異なります。
成人の場合、逮捕・送検後に検察が勾留請求を行い、裁判官が認めれば、10日間(延長により最大20日間)勾留によって身柄が拘束されます。また検察が起訴・不起訴を決定し、起訴されれば有罪・無罪や量刑を判断するための刑事裁判が始まります。
これに対して少年の場合、必ず家庭裁判所へ送致する「全件送致主義」が取られています(少年法41条、42条)。家庭裁判所から検察官に対して事件が逆送致されるのは、重大な犯罪などの例外的な場合のみです(少年法20条)。
少年鑑別所で観護措置がおこなわれることがある
少年の場合、勾留期間中に、少年鑑別所における観護措置が取られることがあります(少年法17条1項2号)。少年鑑別所では、専門スタッフによる面談・心理テスト・行動観察などがおこなわれ、少年が事件をおこした原因や環境が分析されます。観護措置の期間は原則2週間まで、最大でも8週間までです。観護措置の結果は、少年に対する保護処分を決定する際の参考資料となります。
なお実務上、成人であれば勾留請求をおこなうべき事案であっても、少年の場合は勾留に代わる観護措置(少年法43条1項)を請求するのが原則的な取り扱いです。
家庭裁判所が少年審判に付すかどうかを判断する
成人の場合は検察が起訴・不起訴を決定し、起訴された場合は刑事裁判で有罪・無罪および量刑を判断します。
少年の場合、検察が起訴・不起訴を決定するのは、家庭裁判所から逆送致が行われた場合のみです。逆送致がなされないケースでは、家庭裁判所が少年審判をおこない、少年に対する保護処分の要否を判断します。
少年に対する処分の決定
警察・検察の捜査や、少年鑑別所での観護措置の結果などをもとに、家庭裁判所は以下のいずれかの処分を決定します。
・不処分
・保護観察…保護観察官や保護司による生活指導
・更生施設への送致…児童自立支援施設での更生生活や、少年院での矯正教育
・検察官への逆送致…成人と同様の刑事裁判によって有罪・無罪と量刑を判断
|
逮捕 |
勾留 |
処分決定 |
裁判 |
最終処分 |
20歳以上の成人 |
あり |
あり |
検察官 (起訴or不起訴) |
刑事裁判 |
刑罰(懲役・禁錮・罰金など) |
14歳以上20歳未満の少年 |
あり |
勾留に代わる観護措置が原則 |
家庭裁判所 (不処分or保護処分or逆送致) |
少年審判 |
保護処分or刑罰 |
14歳未満の少年 |
なし |
なし |
― |
― |
― |
少年が刑事事件を起こした場合、前科はつく?
少年法にもとづく保護処分は、前科の対象になりません。
しかし原則逆送対象事件(※)に該当する場合や、その他の刑事処分が相当である重大な罪を犯した場合には、家庭裁判所から検察官に事件が送り返されます。(=逆送)
※原則逆送対象事件とは
・16歳以上の少年による、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪(殺人罪、傷害致死罪など)の事件
・18歳以上の少年による、死刑、無期又は短期(法定刑の下限)1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件(2022年4月施行の改正少年法より追加)
逆送された結果、検察官により起訴され、刑事裁判で有罪判決が確定すると、少年であっても前科がつきます。
少年が刑事事件を起こした場合、ニュースに名前は出る?
事件を起こした少年の氏名・年齢・住所・容姿の特徴など、少年が事件に関わったことを特定できるようなプライバシー情報は、少年法61条によって報道が禁止されています。
※引用
「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」(参考:少年法61条)
しかし近年は、インターネット掲示板やSNS上での匿名書き込みで、少年犯罪の犯人特定がおこなわれることがあります。少年個人を特定する個人情報のインターネットへの書き込みは、名誉毀損罪やプライバシー権侵害に当たる可能性があります。
デジタルタトゥーという言葉があるように、一度インターネット上で拡散されてしまった情報は、容易に消すことができないのが現状です。
18歳・19歳の「特定少年」は実名報道が可能に
2022年4月の改正少年法施行により、少年法の対象となる20歳未満の少年の中でも18・19歳の少年は「特定少年」と位置づけられ、実名報道が解禁されました。最高検察庁も、全国検察庁への通知の中で「犯罪が重大で、地域社会に与える影響も深刻な事案は、立ち直りを考慮しても、社会の正当な関心に応える観点から氏名の公表を検討すべきだ」との考え方を示しています。
不起訴処分や執行猶予を獲得するためにできる5つのこと
罪を犯したことが事実だとしても、不起訴処分や執行猶予付き判決により、刑事手続きから早期に解放される道は残されています。
できる限り以下の対応をおこない、刑事手続きからの早期解放を目指しましょう。
1.犯人が特定される前に自首をする
犯罪が捜査機関に発覚する前に自首をした場合、刑が減軽される可能性があります(刑法42条)。
またそれ以前に、自首をしたという事実そのものが深い反省を窺わせるため、罪状が軽ければ不起訴処分になる可能性が高いです。
刑事手続きからの早期解放を目指すなら、捜査機関によって逮捕される前に自首をご検討ください。
2.反省文を作成して謝罪の姿勢を示す
不起訴処分や執行猶予付き判決を得るためには、犯罪について真摯な謝罪をおこない、更生への意欲を見せることが大切です。
自分の犯した罪を真摯に反省し、被害者に対する謝罪の気持ちを文章に書き綴ることで、検察官や裁判官にも反省の態度を理解してもらえる可能性があります。
3.被害者との示談・損害賠償をおこなう
被害者との示談が成立すれば、不起訴処分や執行猶予付き判決の可能性が高まります。
示談によって被害者の処罰感情が緩和され、かつ被害弁償がおこなわれたことが、被疑者(被告人)にとって有利な情状と評価されるからです。
ただし被害者は、犯人と直接話し合うことを嫌がる傾向にあります。
また、逮捕・勾留によって身柄を拘束されている場合には、被疑者(被告人)が自分で示談交渉をおこなうことはできません。
そのため、被害者との示談交渉は、弁護士にご依頼いただくことをおすすめいたします。
4.再犯防止に向けた具体策を提示する
犯罪からの更生を目指すに当たって、具体的にどのような取り組みをおこなうのかを示すことができれば、検察官や裁判官に対して更生の見込みをアピールすることに繋がります。
たとえば、下記のようなポイントを、反省文などの中で明確に整理しておきましょう。
- どのような仕事をして生活していくのか
- 犯罪に繋がるような友人関係を断ち切るために、どのような行動をとるのか
- 更生に向けて、誰のサポートを期待できるのか
5.弁護士に弁護活動を依頼する
不起訴処分や執行猶予付き判決を目指すに当たっては、弁護士のサポートが大きな鍵になります。
自首をする際に警察署まで同行してくれる
もし警察への自首を検討している場合には、弁護士に同行を依頼することもできます。
弁護士にご依頼いただければ、スムーズに自首をおこなうことができるほか、その後の取調べに関するアドバイスも受けられます。
逮捕直後から面会できる
弁護士には接見交通権(刑事訴訟法39条1項)が認められているため、家族や友人が面会できない逮捕期間中にも、被疑者と面会することが可能です。
弁護士は、被疑者を刑事手続きから早期に解放するために尽力いたします。
また、被疑者と家族の連絡役として伝言や差し入れなどをおこない、被疑者が安心できるようにサポートいたします。
勾留阻止に向けた弁護活動をしてくれる
検察官による勾留請求が認められた場合には、「準抗告」(刑事訴訟法429条1項)による異議申立てをおこなうことができます。
弁護士は、準抗告の申立てに向けて迅速に対応し、被疑者の1日も早い身柄解放を訴えます。
被害者との示談交渉を進めてくれる
被疑者(被告人)本人では難しい被害者との示談交渉も、弁護士にお任せいただくことで、妥結の可能性が高まります。
被害者感情に配慮し、誠意をもって被害者に対応しつつ、法的な相場を踏まえた適正額で示談をまとめることを目指します。
不起訴処分・執行猶予等に向けた弁護活動をしてくれる
弁護士は、被疑者(被告人)を、できる限り早期に刑事手続きから解放できるようにサポートいたします。
犯した罪の重大さなどによるものの、できれば不起訴処分、それが難しくても執行猶予付き判決を目指してタイムリーに適切な対応を講じます。
最後に|刑事事件ではスピード対応が重要
刑事事件は、逮捕されてから起訴に至るまでの手続きが、非常に早く進行するのが大きな特徴です。
この期間に充実した弁護活動を展開できれば、被疑者が不起訴処分となる可能性が高まります。
1日も早い刑事手続きからの解放を目指すためには、弁護士によるサポートが大いに役立ちます。
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