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拘置所での生活中はスマホ・携帯電話を使えない!外部との連絡方法についても解説

笠井 勝紀
監修記事
拘置所での生活中はスマホ・携帯電話を使えない!外部との連絡方法についても解説

これから拘置所での生活が控えている方々にとって、不安や疑問は尽きないでしょう。

とくに、外部との連絡はとれるのか、スマートフォンや携帯電話はどう扱われるのか、という点を心配する方は少なくありません。

本記事では拘置所でのスマートフォンや携帯電話の取り扱いについて詳しく解説します。

没収されたり預けられたりしたスマートフォンや携帯電話は戻ってくるのか、どのように外部と連絡を取ればよいのかなどについても説明するので、ぜひ参考にしてください。

拘置所での生活に備えて、必要な情報を把握しておきましょう。

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拘置所の生活にスマホや携帯電話は持ち込めない!

拘置所とは、法務省が管轄する刑事施設のひとつで、刑事事件の被疑者や被告人として刑罰の確定を待つ未決拘禁者や、すでに死刑の言い渡しを受けた死刑囚を収容する場所です。

全国に8つの拘置所と100近くの拘置支所があります。

刑事事件の容疑がかかり、逮捕や勾留がなされる際には、基本的にまず留置場で身柄を拘束されます。

留置場で身柄を拘束される際には、身体検査と所持品検査がおこなわれます。

所持しているスマートフォンや携帯電話はこれらが証拠品の場合には押収や没収され、そうではない場合には警察が管理する管理ボックスに預けることになるため、留置場内には持ち込めません。

また、起訴となった場合には留置場での身柄拘束が終わり、拘置所へ移送されるのが一般的ですが、実際には留置場でそのまま拘束が続くことも少なくありません。

拘置所やその支所が全国に100ヵ所程度しかないことから、被疑者を収容しきれないためです。

拘置所でも後述するとおり、留置場と同様の取り扱い(領置品倉庫での保管)となります。

いずれにせよ、留置場にも拘置所にも、私物は持ち込めません。

たとえ取調べ等がない時間であっても留置場や拘置所にいる間はスマートフォンを使うことはできません。

拘置所で生活している間のスマホ・携帯電話の取り扱い

拘置所で生活している間、スマートフォンや携帯電話はどのように取り扱われるのでしょうか。

以下で詳しく解説します。

スマホが犯罪に関係する場合|押収・没収される

スマートフォンが犯罪に関係している場合は、押収され、場合によっては没収されます。

押収は、証拠になりそうなものを警察が所有者から引き取り、警察の管理下に移す手続きで、捜査の一環としておこなわれます。

押収されたものは警察に持っていかれて自分の手元からはなくなりますが、この時点ではまだ所有権は自分にあります。

そのため、判決において没収とならない限り、押収物は返ってきます。

没収は、所有者から所有権をはく奪して国のものにする刑罰です。

そのため、判決で没収が決まればスマホが手元に戻ってくることはありません。

没収となる可能性があるのは、捜査のなかで押収されたものだけです。

そのため、押収されていないものについて、判決でいきなり没収が言い渡されることはないと考えてよいでしょう。

スマホが犯罪に関係しない場合|ほかの私物と一緒に保管される

スマートフォンなどの私物は、逮捕されて留置場に入るタイミングで全て警察に預けなければなりません。

預けたものは基本的に、留置場内にある管理ボックスや拘置所内の領置品倉庫で保管されます。

たとえば東京拘置所の場合、確定死刑囚であれば室内に約120リットル分の私物を持ち込むことが可能です。

さらに、許可されたものであれば領置品倉庫に預けることもでき、物流倉庫のように係員がコンピューターに被収容者のデータを入力すればベルトコンベアで出し入れできるようになっています。

スマートフォンの場合、それ自体が事件に関係していて証拠となる際には、証拠品として押収されます。

証拠品とはならず、ただ押収されただけであれば、釈放時にほかの私物と一緒に返されることとなります。

拘置所に入所してからスマホ・携帯電話を返還してもらうための方法

拘置所に入所したあと、スマートフォンや携帯電話を返してもらうにはどうすればよいのでしょうか。

主な方法として、以下2つを紹介します。

1.釈放されるまで待つ

取り上げられたスマートフォンや携帯電話が証拠品として押収されたわけでない場合、釈放されるときに私物と一緒に返還されます。

保管中は電源を切られているため、バッテリーが残っているケースが多いようです。

しかし、長期間保管されており支払いが滞っていた場合などには、通信会社から解約されてしまっていることがあります。

また、スマートフォンや携帯電話が犯罪の証拠品であるとして任意提出を求められ、所有権放棄の書面にサインしてしまっている場合は釈放後も返還されません。

確実に犯罪の証拠品であれば判決で没収となる可能性もありますが、没収とならなかった場合は、所有権放棄しなければ手元に戻ってきます。

所有権放棄の書面にサインするようを求められたら、まずは弁護士に相談するなど簡単にサインしないようにしましょう。

2.宅下げをしてもらう

宅下げをしてもらうことによって、取り戻す方法もあります。

宅下げとは、留置場に入るときに警察に預けた被疑者の私物を、接見に来た外部の第三者が引き取ることです。

逮捕されてから、勾留となるかどうかが決定するまでの72時間は、家族であっても接見禁止となり弁護士しか面会ができません。

そのため、例えばスマートフォン等に連絡先が入っているが記憶はしておらずスマートフォン等を参照するために取り戻したいときなどは、早めに弁護士に依頼しましょう。

弁護士がスマートフォンを宅下げにより引き取り、面会の際に自身の同意のもとで連絡先を参照する等の方法で家族や会社などに連絡できます。

ただし、弁護士から本人にスマートフォンを差し入れなどで渡すことはできません。

拘束されている本人が留置場や拘置所へ持ち込めるものが限定されており、スマートフォンは含まれないからです。

なお、法律上、被疑者の私物を宅下げすることは認められていますが、制限される場合があります。

宅下げが制限されるのは、次の3つの場合です。

  • 留置施設の規律や秩序を害するおそれがある
  • 刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されないものである
  • 受刑者の改善更生に支障を生ずる

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スマホ・携帯電話がない拘置所での生活中に外部と連絡をとる方法

拘置所内でスマートフォンや携帯電話が使えないことは充分に理解できたと思います。

それではスマートフォンや携帯電話がない拘置所での生活中、どのように外部と連絡をとればよいのでしょうか。

ここでは、3つの方法を紹介します。

1.弁護士を通じて連絡をとる

逮捕された被疑者は、弁護士に依頼する権利を有します。

弁護士に依頼したい場合は、担当官に申し出ましょう。

弁護士の知り合いがいれば名指しで指定できるほか、当番弁護士制度を利用することも可能です。

当番弁護士とは、刑事事件で逮捕された被疑者のために待機している弁護士のことで、弁護士会がそのとき当番として待機している弁護士を派遣してくれます。

当番弁護士は、1回目の接見を無料でおこない、被疑者の相談に応じてくれます。

指定の弁護士がいない場合は「当番弁護士を呼んでください」と伝えましょう。

弁護士を通じて外部との連絡が取れるようになります。

2.家族に面会に来てもらう

通常、勾留が決定したあとは、弁護士以外の一般の方とも面会できるようになります。

接見禁止の条件が付されていなければ、拘置所にいる間、家族・友人・恋人・知人など誰でも面会や差し入れが可能です。

弁護士から、家族などに連絡をしてもらい、面会に来てもらいましょう。

拘置所での面会は、原則として平日のみです。

留置場とは異なり、たとえ弁護士であっても平日しか接見できません。

面会受付時間は各拘置所によって異なります。

朝8時30分ごろから夕方16時00分ごろに設定されているところが多いでしょう。

また、被疑者や被告人の取り調べ中は面会ができません。

そのため、面会前に確認連絡をするのがよいでしょう。

3.手紙でやり取りをする

拘置所では、手紙でのやり取りが可能です。

ただし、刑務官が中身をチェックするため、内容には注意しましょう。

事件に関することが書かれていたり、暗号のようなものが書かれていたりすると、事前のチェックに引っかかってしまいます。

送れる手紙の通数は、弁護士宛の場合は制限がありません。

それ以外は、各拘置所によって異なりますが、1日につき1通まで、便箋7枚まで程度です。

なお、拘束されている本人から手紙を出したい場合、拘置所で切手・封筒・便箋を買う現金が必要です。

そのため、弁護士や家族に依頼して、現金または切手・封筒・便箋を差し入れしてもらうのがよいでしょう。

拘置所での生活とスマホに関するよくある質問

ここからは、拘置所での生活とスマートフォンに関するよくある質問について紹介し、答えていきます。

Q.捜査機関にスマホを勝手に解約されることはあるか?

スマートフォンが取り上げられたら、勝手に解約されてしまうのではないかと不安を抱く方は少なくありません。

しかし、逮捕や勾留をされたからといって、取り上げられたスマートフォンや携帯電話が解約されることはありません。

安心してください。

すでに紹介したように、釈放や宅下げによって、同じスマートフォンや携帯電話を使うことができます。

ただし、長期間の身柄拘束によって利用料金が支払われない状態が続いた場合、通信事業者から解約されるケースがあります。

この場合でも、解約までの間に発生していた基本利用料金などは、支払わなければなりません。

そのため、身柄拘束が長く続きそうな場合は弁護士や家族に依頼して、自らスマートフォンや携帯電話の解約をしたほうがよいでしょう。

なお、特殊詐欺事件などで携帯電話不正利用防止法に違反する事件を起こした場合であれば、強制的に解約されるケースがあります。

Q.捜査官が勝手にスマホの中身を見る可能性はあるか?

スマートフォンや携帯電話が犯罪内容に関わっていると疑われる場合、捜査官から中身をチェックさせるよう求められるでしょう。

共犯者との電話やメールの履歴、盗撮した動画や画像などは重要な証拠となるからです。

なお、捜査官が被疑者のスマートフォンのパスコードを強制的に申告させたり、指紋認証解除を強要したりすることは、違法捜査にあたるおそれがあります。

ただし、捜査官が裁判所で令状を発行してもらい、強制的に顔認証や指紋認証をさせてロックを解除することもあります。

スマートフォンや携帯電話が犯罪内容に関わっているケースでは、令状が発行される可能性が高くなるため、あらかじめ素直にパスコードを伝えるほうがよいかもしれません。

他方、私物として保管されているスマートフォンや携帯電話であれば、捜査官が勝手に見ることはプライバシーの侵害になるため、中身を閲覧されることはありません。

さいごに|捜査機関に逮捕されたら拘置所へ行く前に弁護士に相談を!

拘置所での生活中はスマートフォンや携帯電話の持ち込みができず、外部との連絡手段は限られます。

スマートフォンや携帯電話は、逮捕時に押収され、証拠品として取り扱われることもあります。

一時的に保管されている場合は釈放時に返還されますが、拘置所にいる間に外部との連絡が取れないのは大変なことでしょう。

まずは弁護士を通じた連絡をおこない、手紙のやり取りや面会によってコミュニケーションを取ることができます。

そのため、拘置所へ行く前に弁護士に相談することをおすすめします。

在宅事件になった場合など身柄拘束までに時間がある場合は、ポータルサイト「ベンナビ刑事事件」で弁護士を探すことをおすすめします。

「ベンナビ刑事事件」には、加害者弁護を得意とする法律事務所が多数登録しています。

電話相談や休日相談に応じている法律事務所を指定して探すこともできるので、ぜひ活用してください。

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笠井 勝紀 (愛知県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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