性風俗店の利用に関しては、トラブルに発展する事例も少なくありません。
たとえば、盗撮や本番強要といった違反行為をして責任を問われたり、なかには店舗側から恐喝まがいの金銭要求を受けたりすることもあります。
風俗トラブルを起こしてしまった場合、速やかに外部に相談することで逮捕や慰謝料請求などのリスクを回避できる可能性があります。
風俗トラブルの相談先は複数あり、それぞれ対応内容が異なるため、本記事で各相談先の特徴や選び方などを押さえておきましょう。
本記事では、風俗トラブルの相談先や弁護士に相談すべきケース、弁護士に相談するメリットや弁護士の選び方、相談してから問題解決するまでの流れなどを解説します。
風俗トラブルを家族・職場にバレたくない方へ
風俗トラブルでは、状況によっては以下のような罰則を受ける可能性があります。
- 撮影罪:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑
- 不同意わいせつ罪:6ヵ月以上10年以下の拘禁刑
- 不同意性交等罪:5年以上の有期拘禁刑 など
風俗トラブルを起こしてしまったら、まずは弁護士に相談しましょう。
弁護士なら、違法性があるかどうか法的視点から判断してくれて、依頼者の代理人となって風俗店との交渉を進めてくれます。
依頼後は風俗店からの連絡がストップし、法律知識や交渉ノウハウを活かして対応してもらうことで適切な金額での示談成立や逮捕の回避などが望めます。
当サイト「ベンナビ刑事事件」では、風俗トラブルなどの加害者弁護が得意な全国の弁護士を掲載しています。
お住まいの地域から対応可能な弁護士をすぐに探せますので、まずは一度ご相談ください。
風俗トラブルの相談先は3つある
風俗トラブルの主な相談先としては、弁護士・警察・消費生活センターなどがあります。
それぞれ対応内容は異なり、相談先選びで失敗しないためにも各相談先の特徴を押さえておきましょう。
ここでは、風俗トラブルを相談できる各窓口の特徴や対応内容について解説します。
1.弁護士|加害者として逮捕や慰謝料請求のリスクを回避したい方
風俗トラブルを起こしてしまった際は、基本的に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、民事事件と刑事事件のどちらにも対応しているのが大きな特徴です。
風俗トラブルでは、風俗店との示談交渉などの民事事件としての側面もありますが、捜査機関による逮捕などの刑事事件としての側面もあります。
弁護士なら、依頼者の代理人として風俗店と示談交渉してくれたり、逮捕の回避や早期釈放に向けて捜査機関に働きかけたりなど、手厚いサポートが望めます。
特に「加害者として警察に逮捕されないか心配」「風俗店から金銭を請求されている」「周囲に知られずに問題解決したい」というような場合は、まずは弁護士に相談しましょう。
2.警察|被害者として問題解決のアドバイスやサポートがほしい方
風俗トラブルでは、警察に相談するという選択肢もあります。
警察では、トラブル被害者の不安を解消するために「#9110」番という警察相談専用電話を設置しています。
#9110番に電話をかければ、風俗トラブルの解決に向けたアドバイスが望めるほか、風俗店に対する指導・警告・検挙などの対応を取ってくれることもあります。
特に「暴力や脅迫などの被害に遭っていて緊急性が高い」「風俗店からいわれのない請求を受けている」というような場合は、警察への相談も検討しましょう。
#9110の受付時間や相談方法などについて、詳しくは「警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ」をご確認ください。
3.消費生活センター|被害者として一般的なアドバイスがほしい方
風俗トラブルについては、消費生活センターでも相談を受け付けています。
消費生活センターとは、消費生活のトラブルで悩んでいる消費者の不安を解消するために設置されている相談窓口のことです。
各都道府県に設置されており、専門の相談員が今後の対応をアドバイスしてくれたり、相談内容によっては別の相談機関を紹介してくれたりすることもあります。
特に「風俗店でぼったくりの被害に遭った」「とにかく一度話を聞いてもらいたい」というような場合は、消費生活センターに相談するのもよいでしょう。
消費生活センターの連絡先や相談方法などについて、詳しくは「全国の消費生活センター等」をご確認ください。
風俗トラブルで今すぐ弁護士に相談すべき5つのケース
もしあなたが以下のような状況に置かれているのであれば、なるべく速やかに弁護士に相談することをおすすめします。
- 風俗店で盗撮した場合
- 風俗店で本番行為を強要した場合
- 風俗店でサービス外の行為を強要した場合
- 風俗店で18歳未満の従業員によるサービスを受けた場合
- 風俗店から高額な示談金や慰謝料を請求されている場合
風俗トラブルでは、拘禁刑や罰金刑などの刑事罰が科されるおそれがあり、できるだけ不利な立場を回避するためには弁護士のサポートが必要不可欠です。
ここでは、風俗トラブルで弁護士に相談すべきケースについて解説します。
1.風俗店で盗撮した場合
風俗店で盗撮した場合、撮影罪が成立する可能性があります。
撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑」です(性的姿態撮影等処罰法第2条)。
かつては各都道府県が定める迷惑防止条例だけで取り締まりがおこなわれていましたが、2023年に撮影罪が新設されたことで盗撮行為は厳罰化されています。
多くの風俗店ではサービス中の撮影が禁止されており、盗撮行為が発覚すると慰謝料を請求されたり、警察に被害届が出されて逮捕されたりするおそれがあります。
風俗店で盗撮してしまった場合は、速やかに弁護士に相談して今後の対応をアドバイスしてもらい、示談交渉などの弁護活動を進めてもらいましょう。
2.風俗店で本番行為を強要した場合
風俗店でいわゆる本番行為を強要した場合には不同意性交等罪、犯行時にけがを負わせた場合は不同意性交等致傷罪が成立する可能性があります。
不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑(刑法第177条)」、不同意性交等致傷罪の法定刑は「無期または6年以上の拘禁刑(刑法第181条2項)」です。
風俗店では、客と従業員による性交は禁止されています(売春防止法第2条、第3条)。
盗撮と同様に、本番行為を強要すると慰謝料を請求されたり、警察に通報されて逮捕されたりするおそれがあります。
風俗店で本番行為を強要してしまった場合も、速やかに弁護士に相談してアドバイスやサポートを受けましょう。
3.風俗店でサービス外の行為を強要した場合
風俗店でサービス外の行為を強要した場合は強要罪、サービス外のわいせつな行為を強要した場合は不同意わいせつ罪が成立する可能性があります。
強要罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑(刑法第223条)」、不同意わいせつ罪の法定刑は「6ヵ月以上10年以下の拘禁刑(刑法第176条)」です。
風俗店では料金に応じたサービスを提供しており、予定外のサービスを強要すると慰謝料請求や逮捕などのリスクがあります。
盗撮や本番行為と同様に、サービス外の行為を強要した場合も、速やかに弁護士に相談してアドバイスやサポートを受けましょう。
4.風俗店で18歳未満の従業員によるサービスを受けた場合
風俗店で従業員が18歳未満と知りながらサービスを受けた場合、児童買春罪が成立する可能性があります。
児童買春罪の法定刑は「5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑(児童買春・児童ポルノ禁止法第4条)」です。
風俗店側は年齢確認を適切に済ませたうえで雇用していますが、なかには< >確認が疎かだったり本人が年齢を偽ったりすることもあります。
基本的に18歳未満であることを知らなければ罪に問われることはありませんが、サービス後に未成年であることを伝えてきて脅してくるような悪質なケースもあります。
未成年者とのトラブルに適切に対処するには法律知識が必要となるため、速やかに弁護士に相談してアドバイスやサポートを受けましょう。
5.風俗店から高額な示談金や慰謝料を請求されている場合
風俗トラブルを起こしてしまうと、風俗店側から高額な示談金や慰謝料の請求を受けるおそれもあります。
なかには「○○万円を持ってこないと、今すぐ自宅に電話をかけて家族に知らせるぞ」などの脅しを受けたりすることもあります。
弁護士なら請求額が妥当かどうか判断してくれて、風俗店側の主張に対して適切な金額を提示して反論してもらうことも可能です。
恐喝や脅迫を受けている場合は、風俗店に対して指摘してくれて不当な請求を回避できる可能性もあり、風俗店からの請求に悩んでいる場合も弁護士への相談がおすすめです。
風俗トラブルを弁護士に相談・依頼する4つのメリット
風俗トラブルでは、個人で対応しようとしても弱みにつけこまれてしまうおそれがあるため、なるべく早い段階で弁護士にサポートを求めましょう。
ここでは、風俗トラブルを弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。
1.風俗店からの脅しや金銭要求がストップする
弁護士に依頼すると、風俗店からの金銭要求などの連絡窓口は加害者本人ではなく弁護士になります。
高圧的な態度での電話や「話し合いをするから事務所に来てくれ」などといった要求も全て弁護士が対応することになるため、精神的負担を大きく軽減できます。
2.風俗店との示談交渉が成立しやすい
弁護士に依頼すれば、示談交渉によって穏便な形で解決できる可能性が高まります。
風俗店側が「こちらは被害者側だ」などと主張していても、実際のところは犯罪を立証する確かな証拠を持ち合わせていないというケースも多くあります。
風俗店から「刑事事件にするぞ」などと脅されても、実際に警察に届け出ると犯罪になるような状況ではないというような事例も珍しくありません。
弁護士が介入して風俗店側の主張の法的な弱点を突けば、多くの風俗店は示談での解決に話を転換してきます。
不当な請求も回避でき、金銭的負担も大幅に軽減できる可能性があります。
3.職場や家族に知られずに済む可能性がある
風俗トラブルに巻き込まれた方の中には「勤務先や家族にバレないだろうか?」と不安になっている方も多いでしょう。
風俗店によっては「慰謝料を支払わないと職場や家族に連絡するぞ」などと脅してくるケースもあります。
職場や家族に対する不当な連絡は、状況によっては恐喝罪や名誉毀損罪などの犯罪に該当する可能性があります。
弁護士に依頼した場合、風俗店に対して警告してもらうことで不当な連絡の回避が望めます。
4.警察沙汰や事件化の回避が望める
弁護士に依頼すれば、警察沙汰や事件化を回避できる可能性も高まります。
風俗店との示談交渉が成立した場合、合意内容をまとめた示談書を作成するのが一般的です。
弁護士なら示談書の作成も依頼でき、「示談金を支払う対価として警察には届け出をしない」「警察への被害届や告訴は取り下げる」などの条項を盛り込んでもらうことで、捜査を受けたり刑罰が科せられたりせずに済む可能性があります。
風俗店が警察に届け出をしていても、示談が成立していれば逮捕・勾留・起訴などのリスクは低くなります。
風俗トラブルを弁護士に相談して解決するまでの流れ
風俗トラブルを弁護士に相談した場合、解決するまでの基本的な流れは以下のとおりです。
- 弁護士を探して相談予約する
- 弁護士による事実確認がおこなわれる
- 弁護士が風俗店に対して通知・警告する
- 弁護士と風俗店で示談交渉をおこなう
- 示談が成立して示談書を作成する
ここでは、それぞれの手続きの流れについて解説します。
1.弁護士を探して相談予約する
まずは、弁護士を探して法律相談を予約しましょう。
弁護士の探し方がわからない方には、当サイト「ベンナビ刑事事件」がおすすめです。
ベンナビ刑事事件では、風俗トラブルなどの加害者弁護が得意な全国の弁護士を掲載しています。
相談内容や地域を選ぶだけで対応可能な弁護士を一括検索でき、弁護士探しが初めての方でも条件に合った相談先がスムーズに見つかります。
条件に合った弁護士が見つかったら、電話やメールで相談したい旨を伝えましょう。
2.弁護士による事実確認がおこなわれる
弁護士との法律相談では、風俗トラブルについて事実確認がおこなわれます。
「すでに金銭は支払ったのか」「その場に警察が来たのか」など、たとえあなたにとって不利な事実があっても弁護士には包み隠さず全て話しましょう。
なお、原則として法律相談は面談形式でおこなわれますが、法律事務所によっては電話相談やオンライン相談に対応しているところもあります。
3.弁護士が風俗店に対して通知・警告する
弁護士との相談後、問題解決を依頼する場合は着手金を支払って契約を結びます。
正式に依頼を受けた弁護士は、風俗店に対して依頼を受けた旨や、本人・勤務先・家族などへの連絡を禁止する旨などを通知・警告します。
弁護士が通知・警告することで、依頼者に対する直接の連絡や請求などがストップします。
4.弁護士と風俗店で示談交渉をおこなう
風俗店への通知・警告後は示談交渉に移り、弁護士は風俗店に対してトラブルの内容に応じて適切な額の示談金を提示します。
依頼者側にも非があれば認めつつ、風俗店側にも非がある場合や主張内容が不当な場合は的確に指摘するなどして、適切な示談金額での決着を目指します。
なお、すでに不当な金銭要求を受けて支払いに応じている場合は、全額または一部の返金を求めることも可能です。
5.示談が成立して示談書を作成する
風俗店との示談交渉がまとまれば、示談書を交わしたのち示談金を支払って終了となります。
示談書には、被害届・告訴の取り下げや、事件内容を口外しないよう約束する条項を盛り込むなどして、和解後のトラブルを防ぎます。
風俗トラブルを相談する弁護士の選び方4選
風俗トラブルで弁護士を選ぶ際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 風俗トラブル・性犯罪事件の解決実績は豊富か
- 対応はスピーディか
- 料金体系がわかりやすいか
- 人柄や相性が合うか
1.風俗トラブル・性犯罪事件の解決実績は豊富か
弁護士に相談する際は、これまで多くの風俗トラブル・性犯罪事件を解決してきた実績をもつ弁護士を選びましょう。
風俗トラブル・性犯罪事件の解決実績が豊富な弁護士であれば、事案の特性を理解して最適な弁護戦略を立ててくれて、早期釈放や減刑獲得に向けて尽力してくれます。
なお、風俗店からの不当な要求や脅迫を受けて困っている場合は、不当要求に関する対応実績が豊富かどうかも判断基準となります。
2.対応はスピーディか
弁護士を選ぶ際は、対応がスピーディかどうかも判断基準のひとつとなります。
特に風俗トラブルでは、通常の刑事事件や民事トラブルに比べてスピーディな対応が求められます。
対応が遅れてしまうと、風俗店が警察に被害届・告訴状を提出して捜査が始まってしまったり、場合によっては勤務先や家族などに知られてしまうおそれもあります。
「問い合わせに対してすぐ面談を設定してくれる」「依頼が決まったらただちに風俗店へ連絡して示談交渉を進めてくれる」など、迅速な対応を心がけている弁護士を選びましょう。
3.料金体系がわかりやすいか
弁護士に風俗トラブルの解決を依頼する場合、着手金や報酬金などの弁護士費用がかかります。
弁護士費用は自由化されており、法律事務所によって料金体系は異なります。
風俗トラブルが解決できても、予想以上の弁護士費用がかかって支払いに苦しむようでは本当の解決とはいえません。
「相談時におおよその費用総額を示してくれる」「着手金や報酬金などの内訳や算出方法がはっきりしている」など、料金体系が明確な弁護士を選びましょう。
4.人柄や相性が合うか
風俗トラブルの解決を依頼する場合は、弁護士の人柄や相性が合うかどうかも重要です。
的確なサポートを受けるためには、弁護士に全ての事実を伝える必要があります。
特に風俗トラブルの場合、状況によっては人に話すのが恥ずかしく感じるようなことも伝えなければいけません。
相談時に「態度が高圧的で話しにくい」「頼りなくて信頼できない」などと感じた場合は依頼は避け、「この人なら何でも打ち明けられる」というような弁護士を選びましょう。
風俗トラブルを相談・依頼した場合の弁護士費用
風俗トラブルについて弁護士に相談した場合、以下のような相談料が発生します。
| 項目 |
相場 |
| 相談料 |
30分あたり5,000円~1万円程度
(初回相談無料の法律事務所もある) |
さらに、風俗店との示談交渉などの対応を弁護士に依頼した場合、以下のような着手金・報酬金が発生します。
| 項目 |
相場 |
| 着手金 |
20万円~50万円程度 |
| 報酬金 |
20万円~50万円程度 |
着手金と報酬金を合わせると40万円~100万円程度となりますが、実際のところは交通費などの実費や接見費用などもかかって上記の範囲を超えることもあります。
弁護士費用は法律事務所や依頼状況などによっても変動するため、あくまでも上記は目安のひとつ程度に留めてください。
正確な金額が気になる方は、直接事務所にご確認ください。
さいごに|風俗トラブルを弁護士に相談するなら、ベンナビ刑事事件がおすすめ
風俗トラブルを個人で解決しようとすると困難が伴います。
場合によっては、勤務先や家族などに知られてしまったり、風俗店が警察に被害を届け出て刑事事件に発展したりするおそれもあります。
できるだけ穏便かつスムーズに風俗トラブルを解決するためには、弁護士のサポートが必要不可欠です。
弁護士なら今後の対応をアドバイスしてくれるだけでなく、風俗店とのやり取りを代行してもらうことも可能です。
もし弁護士探しで悩んでいるなら、ベンナビ刑事事件をご活用ください。
お住まいの地域やトラブル内容から対応可能な弁護士を簡単に検索でき、信頼できる弁護士にサポートしてもらいたい方にはおすすめです。