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公開日:2019.5.9  更新日:2020.10.1

強制わいせつ罪で逮捕されてしまう行為|逮捕時の対処法や流れを解説

当社在籍弁護士
監修記事
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強制わいせつ罪は、数多くの刑法犯のなかでも「逮捕されやすい犯罪」です。

令和元年版の犯罪白書によると、検察庁に送致された強制わいせつ事件のうち、身柄拘束を伴う事件の割合は58.6%でした。

全刑法犯の約70%を占める窃盗罪の身柄率が30.6%であることと比較すると、逮捕されやすい犯罪類型といえるでしょう。

とはいえ、わいせつな行為をはたらいたからといって、必ず逮捕されたり、刑罰が科されたりするわけではありません

強制わいせつ罪が成立する要件や事件後の対策によっては、逮捕されなかったり、逮捕されても刑罰を回避できたりする可能性があります。

本コラムでは、強制わいせつ罪で逮捕されてしまう行為に注目しながら、逮捕後の流れや逮捕されてしまった場合の対処法を解説していきます。

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強制わいせつ罪で逮捕され得る行為とは

強制わいせつ罪は、刑法第176条に規定されている犯罪です。

13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6ヶ月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

刑法第百七十六条 強制わいせつ

整理すると、次の2つの行為がある場合に適用されると考えられます。

  • 13歳上の者に暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をした
  • 13歳未満の者にわいせつな行為をした

ここでいう「わいせつな行為」とは、性交等に至らない範囲で、普通人の性的羞恥心を害する行為が該当します。

具体的には、次のような行為が強制わいせつ罪における「わいせつな行為」となるでしょう。

  • 衣服の中に手を差し込んで身体に触れる
  • 衣服の上から陰部を触る
  • 長時間にわたって身体を触り続ける
  • むりやりにキスをする
  • 衣服を脱がせる

強制わいせつ罪における暴行又は脅迫とは

強制わいせつ罪は「暴行または脅迫」を用いることが要件とされています。

ここでいう暴行・脅迫とは「被害者の抵抗を著しく困難にする程度」であれば足りるとされており、殴る・蹴るといった具体的な暴力や「殺すぞ」といった直接的な脅迫文言のみに限定しません。

たとえば以下のような場合、暴行または脅迫を用いていると考えられるでしょう。

  • 大声を出して助けを呼ぶこともできない満員電車のなかで執拗にわいせつ行為を繰り返す
  • 著しい体格差があり抵抗できないと感じさせつつ、執拗にわいせつ行為を繰り返す

上記の場合、わいせつ行為そのものが、強制わいせつ罪における「暴行」と考えられます。

被害者・加害者の性別は問わない

刑法第176条の規定をみると、被害者となるのは「13歳以上の者」または「13歳未満の者」となっています。

わいせつ行為といえば、加害者は男性、被害者は女性というイメージがありますが、刑法の規定では被害者・加害者を『者』としており、性別を限定していません

加害者が女性、被害者が男性という強制わいせつ事件も現実に発生しており、同性間の強制わいせつ罪が成立することもあります。

13歳未満の場合は暴行・脅迫がなくても適用され得る

被害者が13歳以上の者であれば「暴行または脅迫」という要件がありますが、13歳未満の場合はこの要件が設けられていません。

つまり、13歳未満の者に対しては、暴行・脅迫がなく、たとえ双方に合意があった場合でも強制わいせつ罪が成立します。

これは、13歳未満の者では性的な理解が備わっていないため、同意能力が有効ではないからです。

ただし年齢による区別は、加害者において被害者の年齢を認識している必要があります。

被害者が「17歳だ」と偽ってこれを信じていた場合は、176条後段の強制わいせつについての故意はなく、原則として同罪は成立しないことになります(もっとも、暴行・脅迫を用いて強制的にわいせつ行為を行えば、176条前段による強制わいせつ罪が成立しうるでしょう。)。

参考:強制わいせつ罪で逮捕|罰則や類似の罪・早期解決の為の対処法とは

強制わいせつ罪で逮捕された場合の対処法

強制わいせつ罪の加害者として逮捕されてしまった場合は、ただちに弁護士に相談しましょう。

弁護士による面会で取調べへの助言を得て対策を講じるほか、不起訴処分を目指すなら被害者との示談交渉を進めていく必要があります。

なるべく早急に弁護士への相談を検討する

弁護士は法律の専門家です。強制わいせつ罪が成立する要件も熟知しているので、実際に強制わいせつ事件として成立するのかを詳しく分析できます。

わいせつ行為の状況などを詳しく分析すれば、強制わいせつ罪よりも刑罰が軽い迷惑防止条例が適用されるべき事案であると主張できるケースもあるでしょう。

弁護士に面会してもらい取調べの助言を得る

逮捕されてしまうと、送致までの48時間は警察の持ち時間として取調べがおこなわれます。

逮捕直後の取調べは、犯行からの記憶が新しい段階での供述として重視されるので、不用意な発言は控えたいところです。

また逮捕されてしまったことに動揺して事実と異なる供述をしてしまったり、厳しい取り調べに耐えかねて警察官の誘導に負けてしまったりするおそれもあります。

早い段階で弁護士と面会し、取調べに際してのアドバイスを受けましょう。また勾留が決定するまでの72時間の面会は、家族であっても認められません。

この期間に面会が許されるのは弁護士だけなので、弁護士を派遣して必要なアドバイスをもらうのが賢明です。

不起訴を目指す場合は被害者との示談交渉を行う

平成30年中の強制わいせつ事件の起訴率は34.4%で、60%以上の事件は不起訴処分が下されています。

不起訴となれば刑事裁判が開かれないため、刑罰を科せられることがなければ前科がつくこともありません。

検察官が不起訴処分を下すにあたって重視するひとつの材料が「被害者との示談が成立しているか」という点です。

被害者との示談が成立している場合は、被害者が「加害者を許した」と評価されるため、不起訴処分が下される可能性が高まります。

強制わいせつ事件の被害者は、加害者やその家族との接触を強く嫌う傾向があります。

示談交渉は公正中立な立場である弁護士にすべて任せるべきでしょう。

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強制わいせつ罪で逮捕された後の流れ

強制わいせつ罪で逮捕されてしまうと、逮捕から最長で23日間におよぶ身柄拘束を受けるおそれがあります。

検察官が起訴・不起訴の判断を下すまでのタイムリミットは最長で23日間なので、できるだけ素早く解決策を講じるべきです。

現行犯逮捕もしくは後日逮捕

強制わいせつ事件の身柄率は58.6%という高い数字なので、事件を起こしてしまえば逮捕されるおそれは高いでしょう。

警察による逮捕は、大きく分ければ『現行犯逮捕』と『後日逮捕』に分けられます。

現行犯逮捕の場合

犯行のその場で身柄を確保された場合は『現行犯逮捕』としての扱いを受けます。

犯罪が発生したその場で身柄が確保されるという特性から、犯人の取り違えが起きるおそれが低いため、警察官だけではなく一般人にも逮捕権が認められています。

逃げようとしたところ被害者本人に腕をつかまれた、周囲の目撃者に取り押さえられたといったケースでは、その時点で「現行犯逮捕された」とみなされるのです。

後日逮捕の場合

被害が発生したあとで被害者が被害届・告訴をすることで捜査がはじまり、裁判所から逮捕状の発付を受けて逮捕する方法です。

犯行の後日に逮捕されることから『後日逮捕』と呼ばれますが、正しくは『通常逮捕』といいます。

警察官が逮捕状をもって自宅などに訪ねてくるので、いつ逮捕されるのかもわかりません。犯行の翌日に逮捕されることがあれば、数か月、数年経ってから逮捕されることもあります。

また、警察官から「まずは事情を聞かせてほしい」と任意で呼び出されたうえで、容疑が固まればすぐに逮捕状が請求されて逮捕されるというケースもめずらしくありません。

最長23日間の留置・勾留が続く

警察に逮捕されると、まず48時間は警察署の留置場に身柄をおかれて取調べがおこなわれます。

逮捕から48時間以内に検察庁へと送致され、検察官は24時間以内に起訴・不起訴を判断します。

ただし、この段階では取調べが尽くされていないので、検察官も起訴・不起訴の判断ができません。

そこで検察官は、裁判官に対して『勾留』を請求し、身柄拘束の延長を求めます。

これが認められると、原則10日間、延長を含めて最長20日間まで身柄拘束が延長されます。

つまり、刑事事件を起こして逮捕された場合の身柄拘束の期間は次のとおりです。

  • 警察段階…逮捕から48時間(2日間)
  • 検察官段階…送致から24時間(1日間)
  • 勾留段階…延長を含めて最長20日間

これを合計すると、逮捕から起訴・不起訴までの身柄拘束の期間は最長で23日間に及びます。

23日もの間、社会から隔離されてしまい会社への出勤や学校への通学がかなわなくなるのだから、社会的な影響は非常に大きなものになるでしょう。

検察が起訴・不起訴の判断を行う

裁判官が認めた勾留の期限までに、検察官が起訴・不起訴を決定します。

証拠が出揃い、確実に有罪に持ち込める状態で「刑罰を問うべき」と判断されれば、裁判所に起訴されます。

わが国の司法制度では、検察官が起訴した事件の有罪率は99%を超えているので、非常に高い確率で有罪判決が下され、刑罰に処されてしまうでしょう。

また、刑事裁判が開かれている間は、保釈が認められない限り被告人としての勾留が続きます。

刑事裁判はおおむね1ヶ月に一度のペースで開かれるうえに、通常は2~3回程度の審理を要するため、スムーズに結審を迎えたとしてもさらに3ヶ月ほどの身柄拘束が続くことも覚悟しなくてはなりません。

一方で、証拠が不十分である、証拠は十分にあるが示談が成立しているなどの事情から「罪を問う必要はない」と判断されれば、不起訴処分が下されます。

不起訴処分となれば、刑事裁判は開かれないまま即日で釈放されて、すぐに社会復帰が可能です。

刑事事件を起こしてしまった場合の手続きの流れや各段階におけるタイムリミットについては、別の記事でもさらに詳しく解説しています。

刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応

まとめ

厳罰化の声が高まり刑法が改正されるなど、性犯罪をとりまく社会の目はどんどん厳しくなっています

とはいえ、逮捕されたとしても適切な対策を講じれば厳しい刑罰を回避できる可能性があることは無視できません。

強制わいせつ罪で逮捕されてしまったら、弁護士に相談して刑事弁護を依頼しましょう。

早期釈放や不起訴処分の獲得を目指すには、法律の専門家である弁護士のサポートが必須です。

刑事事件の弁護活動は「スピードが命」なので、強制わいせつ事件などの性犯罪について弁護実績が豊富な弁護士を探してただちに相談することをおすすめします。

参考:【加害者向け】性犯罪事件が得意な弁護士一覧|早期解決のポイントを解説

この記事の監修者を見るChevron circle down ffd739
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この記事の監修者
当社在籍弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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