強姦罪の定義と罪の重さ|強姦罪の問題点と今後の見通し

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強姦罪の定義と罪の重さ|強姦罪の問題点と今後の見通し

Kusa

強姦罪(ごうかんざい)とは、男性が女性を暴行・脅迫などを用いて姦淫することで成立する犯罪で、英語では“rapeレイプ”と言います。強姦罪の刑罰は3年以上の有期懲役と非常に重い罰則が用意されています。

強姦罪は刑法で以下のように定義されています。

刑法第177条
暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫(かんいん)した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。


犯罪の中でも非常に重いとされている強姦罪ですが、今回はそのような強姦罪の定義と罪の重さ、また、強姦罪で問題とされている箇所と今後の見通しについて解説していきます。

 

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【目次】
強姦罪の構成要件
強姦罪の特徴と問題点
強姦罪の種類と量刑・逮捕後の傾向
強姦罪は今後変わる見通し
強姦罪に関わってしまった場合の対処法
まとめ
 

強姦罪の構成要件

強姦罪の主観的な構成要件(犯罪が成立する要素)として、「姦淫」を目的として、暴行・脅迫を開始した時点で強姦罪は実行に着手したとみなされ、男性性器の一部でも女性性器に挿入することで、既遂とみなされてしまいます。暴行・脅迫の基準としては、「抵抗が著しく困難」なら暴行・脅迫としてみなされます。
 

客体は女性

日本の刑法では、「強姦罪」にあたるのは、男性のみです。 なぜなら、客体(対象とするもの)が女性と限定されており、 仮に、男性が女性に性交を強要されたとしても強姦罪は成立せず、強制わいせつ罪・強要罪になります。 しかし、女性も男性を通じて他の女性の性的自由という法益を侵害できる ので、女性が男性と協力して強姦に加担すれば、 刑法65条1項の「強姦罪の共同正犯」 として、女性も強姦罪として成立します。
 

姦淫に暴行・脅迫を用いていること

強姦罪の構成要件は、上記のように「暴行・脅迫を用いて」とあります。ここでいう暴行は、被害者を押さえつけたり、縛りつけたり、殴って脅したりすることで、相手からの抵抗を奪うことです。
 
脅迫は、「おとなしくしていないと殴るぞ」「あの事をみんなにバラすぞ」などと言葉で脅したり、刃物などの凶器を見せたり、殴るそぶりを見せて被害者を脅すことです。
 
参考:「暴行罪とは
   :「脅迫罪の成立要件
 

暴行や脅迫を用いらない場合も強姦罪になるケースもある

一方で、暴行や脅迫を利用していない場合でも強姦罪が成立することがあります。例えば、被害者が酔っぱらっていて酩酊状態の時に姦淫したり、薬などで眠らせて姦淫をすることです。
 
このような場合、暴行や脅迫は利用していないと言えますが、準強姦罪として構成要件に当てはまります。後述しますが、準強姦罪での刑罰も強姦罪と同じです。
 

強姦罪の未遂でも刑罰は同じ

更に、強姦が未遂になった場合、この場合も強姦未遂として処罰の対象になります。例えば、強姦しようと女性を押さえつけたけど、女性が悲鳴を上げて、助けが来たので加害者が逃げ出したような場合です。
 
上記のように、定義では「姦淫=男性器の一部を女性器に挿入する」と、ありますが、この姦淫が無くても、姦淫目的で暴行や脅迫を用いた時点で実行に着手したとして強姦未遂罪になります。
 

被害者が13歳未満の場合、同意の上でも罪が成立する

上記でも少し触れましたが、被害者が13歳未満だった場合、仮に相手の同意があったとしても、姦淫した時点で強姦罪となります。特に18歳未満の児童に対しての性行為は「児童買春」の問題も多く、様々な罪が考えられます。
 
参考:「児童買春になるケース
 

強姦罪は親告罪

このように非常に重い強姦罪ですが、強姦罪は親告罪になっています。親告罪とは、被害者が捜査機関に対して加害者の告訴を望んでいなければ犯罪として成立しないことを言います。
 
強姦罪が親告罪になっている理由として「被害者のプライバシー保護のためにある。」と言われています。後述しますが、強姦罪では捜査や裁判によるセカンドレイプ問題などがあります。そのために親告罪が設けられていますが、その親告罪があるゆえに被害者の泣き寝入りなどの別の問題も生じてしまっています。
 
参考:「親告罪の仕組みと該当の罪一覧
 

強姦罪の特徴と問題点

強姦罪の特徴は、痴漢と同様、証拠が証明しづらいことから、「冤罪」になりやすいことです。 強姦罪で最も論点になりやすいのは相手の同意があったかなかったのかという点と暴行や脅迫があったかなかったのかです。 当初は合意の上での性交渉であったのに、男女間の仲がもつれて女性が告訴をしたり、悪質な女性が示談金目当てに告訴をするというケースがあります。
 

親告罪による被害者の泣き寝入り

上記でお伝えした親告罪により、被害者が泣き寝入りしてしまうという問題も強姦罪では多くあります。強姦の被害者は、強姦されたことにより心に大きな恐怖心が残っています。被害を告訴することにより
                   
・復讐されるのではないか
・周りの人に知られるのではないか
・もうあのことは思い出したくない

 
と言うような心情で強姦被害を誰にも伝える事が出来ないのです。さらに、強姦は人目に付かない所で行われるのが通常ですので、証拠や証人も残りにくいと言えます。
 

取り調べ・裁判によるセカンドレイプ問題

更に、被害者が告訴をしたからと言っても別の問題が生じます。捜査や裁判によるセカンドレイプ問題です。セカンドレイプとは、強姦・性犯罪の被害者がその後の取り調べや裁判で、知らない大勢の人物を前にして、あまり話したくない性の内容についての証言を求められることです。
 
被害者の方は、もちろんそのような強姦の内容は思い出したくないでしょうし、見知らぬ大勢の人の前で、性的な証言などしたくもないでしょう。
 

報道によるセカンドレイプ

また、ニュースとして大々的に取り上げられた、高畑裕太の強姦致傷容疑ですが、加害者が有名な俳優と言うこともあり、被害者女性の詳細がかなり鮮明にニュースでも取り上げられました。
 
「○○ホテル勤務の40代女性」と報道されると、その女性の知人であれば、ある程度察しも付いてしまうのではないでしょうか。さらには、本当か出まかせかは分かりませんが、被害者女性のSNSの写真までも出回っている現状です。
 
「加害者は絶対に許せない」と思う反面、「訴えてみんなに知られたらどうしよう」と、このようなセカンドレイプなどを恐れ泣き寝入りしてしまう人も多いことが問題です。
 

強姦罪は顔見知りからの犯罪も多い

反対に加害者がトラブルに見舞われるケースもあります。性犯罪はデリケートな問題でもあるので、捜査も慎重に行われます。一方で、証拠も残りにくいと言われています。「夜道で見知らぬ男に襲われて」と言うような、見知らぬ人物からの強姦であれば、言語道断で罰則を受けるべきですが、問題は当事者同士が知り合いだった場合です。
 
実は強姦罪をはじめとする性犯罪は顔見知りからの犯罪も多いと言えます。男性からしてみれば「同意の上だった」と認識していたのに、女性からしてみれば「酔っぱらっているうちに襲われた」と言うような、意見の相違が度々問題になっています。
 
参考:「性犯罪「顔見知り」3割
 

証拠がないことによる冤罪

また、上記のように強姦罪は親告罪になっており、証拠が少ないのも特徴です。また、世間の風潮からしても、「被害者の方がかわいそう」という認識があります。通常の強姦であればその通りなのですが、そのことを良いように被害者のフリ(例えば同意の上だったのに襲われたなどと告訴)をして示談金目的や逆恨みなどによる冤罪がある事も事実です。
 
このような男女トラブルは、民事問題でもよくある出来事ですが、相手が告訴をしてくると、性犯罪として、一気に刑事事件にまで発展してしまいます。強姦罪の罰則は以下のように非常に重くなっていますので、早めの弁護活動が必要です。
 

強姦罪の種類と量刑・逮捕後の傾向

「強姦罪は非常に重い」と度々申していますが、実際に刑法で強姦罪はどれほどの罰則が設けられているのでしょうか。こちらでは、強姦罪の刑罰の重さと逮捕後の傾向についてまとめました。
 

強姦罪【3年以上の有期懲役】

ご説明の通り、強姦罪での罰則は3年以上の有期懲役になります。有期懲役とは、最大20年間。他の犯罪を併せて行うと最大30年になります。
 

強姦未遂罪【3年以上の有期懲役】

上記でお伝えしましたが、強姦未遂も罰則があります。強姦未遂罪も強姦罪との罰則と同じです。
 

準強姦罪【3年以上の有期懲役】

暴行や脅迫を用いらない準強姦罪も同じ罰則が用意されています。
                      

集団強姦罪【4年以上の有期懲役】

集団強姦罪とは、加害者が2名以上で被害者を強姦する罪です。刑罰は4年以上になり、通常の強姦罪よりも重い罪になります。
 

強姦致死傷罪【無期/5年以上の有期懲役】

強姦致死傷罪は、強姦の末被害者をケガさせたり死亡させた場合の罪になります。罰則は5年以上の有期懲役で、被害者を死亡させるなどの場合は、無期懲役もある非常に重いものです。
 

強制わいせつ罪【6カ月以上10年以下の懲役】

強姦罪と類似の強制わいせつ罪は、6カ月以上10年以下の懲役になっています。姦淫目的が無かった場合や被害者が男性・男児の場合は強制わいせつ罪になってきます。
 
参考:「強制わいせつ罪で逮捕された後の流れと早期解決の為の対処法
 

強姦罪で逮捕されると起訴される可能性が高い

強姦罪で逮捕されると、その後刑事手続きが進められていきますが、強姦罪では非常に起訴率が高いと言われています。ご説明のように強姦罪は罪も重く、被害者からの告訴(訴えたいという気持ち)が最優先にされます。
 
ですので、強姦罪では被害者との示談などにより告訴を取り下げてもらわなければ、起訴されその後、刑事裁判に進んでいく可能性が非常に高いのです。刑事事件の流れについては以下のコラムをご覧ください。
 
参考:「刑事事件の流れ
 

強姦罪では原則的に実刑判決になる

刑事裁判にまで進んでいくと、有罪率は99.9%と言われており、さらに強姦罪では原則的に執行猶予が付かない実刑判決を受けます。上記で強姦罪の罰則は3年以上になっていますので、強姦罪で有罪判決を受けると3年以上刑務所で過ごさなくてはならないということです。
 
強姦罪に執行猶予が付かない理由としては、強姦罪の罪が重いことで執行猶予をもらえる要件に当てはまらないことが言えます。強姦罪での弁護活動は、起訴されるまでに早い対応をしなくてはなりません。
 
参考:「執行猶予の仕組みを分かりやすく解説
 

強姦罪は保釈できない

また、強姦罪では起訴後の保釈も認められないことがほとんどです。理由は執行猶予と同じく、強姦罪の罪が重いからです。繰り返しますが、起訴されるまでの弁護活動が重要です。
 
参考:「保釈の条件と申請からの保釈金を納めて解放されるまでの流れ
 


強姦罪は非常に重い罪です。もしも強姦罪で逮捕されたら弁護士に相談するようにしましょう。迅速な対応が、強姦で逮捕された被疑者の将来を左右します。
 

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強姦罪は今後変わる見通し

このように様々な問題がある強姦罪ですが、それを受けて今後強姦罪の定義が大きく変わる可能性が大きいと言われています。結論から言いますと、加害者をもっと厳しく取り締まろうという流れです。最短で2016年の秋ごろには刑法が変更になる可能性もあります。変更が検討されている内容は以下の通りです。
 

親告罪ではなくなる

上記のように、強姦罪では親告罪による被害者の泣き寝入り問題も多いとされています。それを無くしていくためにも強姦罪をはじめとした性犯罪では親告罪を無くそうという流れがあります。親告罪がなくなると、示談による強姦罪の不起訴獲得の弁護活動も難しくなってきます。
 

法定刑が長くなる

更に強姦罪と強姦致死傷罪の法定刑の最低ラインを高くしようという検討もされています。上記のように「強姦罪:3年以上の有期懲役」「強姦致死傷罪:無期/5年以上の有期懲役」となっていますが、これが
 
「強姦罪:5年以上の有期懲役」「強姦致死傷罪:無期/6年以上の有期懲役」に変更される可能性があります。
 

被害者が男性でも強姦罪の対象に

強姦罪の被害者は女性のみで、定義でも男性器の一部を女性器に挿入とありますが、この定義が変わり、男性も被害者になってくることも今後検討されています。それまでは、姦淫は男女間での性行為しか成立しないとなっていましたが、男性に対する性交疑似行為も強姦罪の定義に含まれていくように検討されています。
 

性交類似行為も強姦罪の対象に

上記のように、男女間の姦淫が強姦の定義でしたが、今後は性交疑似行為も強姦罪の処罰の対象になってくることが考えられます。
 

「強姦罪」の罪名が変わる

上記の男性が被害者になることに付随して、「強姦罪」の罪名変更も検討されています。本来、“強姦”の意味は、強要して婦女に対して性行為をすることを指しますので、被害者に男性も含まれてくるとなると、その罪名も変わってくることも十分にあり得るでしょう。
 
参考:「強姦罪「5年以上」、男性も被害者に ‐朝日新聞
 

強姦罪に関わってしまった場合の対処法

このように強姦罪は様々な問題もありますし、罰則も重く、被害者・加害者共に慎重に対応しなければならないでしょう。根本的には強姦加害者が悪いことは重々承知ですが、中には上記のように強姦で冤罪になってしまう加害者もゼロとは言えません。こちらでは、被害者・加害者両方の対処法をお伝えします。
 

被害者の場合

被害者の場合、セカンドレイプ問題や周りに知られたくないという心情から、泣き寝入りしてしまうケースも考えられるでしょう。知人にはもちろん知られたくないし、警察などに行っても男性ばかりが多いイメージが強いのであまり相談したくはないでしょう。
 

専門の相談窓口があるので相談してください

しかし、まずは強姦にあったことを誰かに相談してください。上記のように周りに知られたくないでしょうから、公的にも性被害の相談を受けている相談窓口を利用してください。匿名で相談できる窓口もありますので、以下のサイトを参考にしてください。
 
性暴力被害者支援ワンストップセンター一覧」性暴力被害者支援情報サイト ぱーぷるラボ
性暴力被害者についての相談窓口リスト」しなやかに、オンナを生きよう ウートピ
 

加害者の方

ここでいう加害者とは、「同意の上だった」つもりなのに相手から強姦罪と訴えられたような場合です。上記で伝えたような暴行や脅迫を用いた弁解の余地のない強姦罪はきちんと反省し、罰則をきちんと受けるべきです。
 

弁護士に相談すること

お伝えの通り、強姦罪の罰則は非常に重いものとなっています。加害者が冤罪だと思っていても、そのまま加害者が何も手を打たなければ、起訴されて実刑判決を受けてしまう可能性は高いでしょう。
 
もしもそのような状況の方は、必ずすぐに弁護士に相談するようにして下さい。弁護士に相談・依頼する重要性は、以下のコラムに詳しく記載していますので、ぜひ目を通していただければと思います。
 
参考;「強姦罪で逮捕された場合の罪の重さ|逮捕後の流れと弁護活動
 


【厳選刑事事件弁護士ナビ】では、逮捕された方の味方になってくれる刑事事件に強い弁護士を多く掲載しています。どの弁護士も親身に相談に乗ってくれますので、以下のリンクから弁護士を探して相談してみて下さい。
 

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まとめ

いかがでしょうか。強姦罪は非常に重い罪です。また、性犯罪と言うことで、非常に定義が曖昧な部分がありますが、今後強姦罪の罰則は重くなっていく見込みです。被害者の方も、冤罪等で強姦罪を疑われた加害者の方も、一人で悩まず適した相談先に相談してみて下さい。
 

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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