逮捕後に起こりえることは…
- 最大23日間留置所に拘束される
- 実名報道され、ネットに記事が残る場合がある
- 起訴され有罪になれば前科がつく
前科や長期にわたる身柄拘束を避けるためには、できるだけ早い段階で刑事弁護を受ける必要があります。
お住まいの地域から刑事事件が得意な弁護士を検索し、今後のことを相談してみましょう。
売春防止法(ばいしゅんぼうしほう)とは、売春やそれを助長する行為を防止・処罰するための法律です。売春や買春行為そのものに処罰はもうけられておらず、処罰対象となるのは、売春を勧誘したりあっせんしたりした人です。
なぜ売買春した人が処罰されないのか、どういった場合に売春防止法違反となるのかなど、売買春についての正しい知識を押さえておきましょう。
逮捕・在宅起訴された方へ
逮捕後に起こりえることは…
前科や長期にわたる身柄拘束を避けるためには、できるだけ早い段階で刑事弁護を受ける必要があります。
お住まいの地域から刑事事件が得意な弁護士を検索し、今後のことを相談してみましょう。
売買春を禁止している売春防止法とはどういった法律なのか、理解しましょう。
売春防止法においては、「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない」(3条)と規定されており、明確に「売春」が禁止されています。
では、法律によって禁止される「売春」とはどのような行為なのでしょうか。それについても売春防止法に規定があります。
この法律で売春とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう
引用元:売春防止法2条
売春となるには、何らかの対価を受け取る必要があります。対価をやり取りせずに性交をした場合には売春になりません。
不特定の人を相手にする必要があるので、相手が特定の人の場合には対価をもらっても売春になりません。
「性交」した場合にしか売春になりません。「性交」とは、男性器を女性器に入れることなので、肛門性交や口腔性交などの「性交類似行為」で売春防止法違反になることはありません。
巷では「ソープランド」などが摘発されずに営業していますが、これは「性交していない」のを前提としているからです。性交類似行為であれば売春防止法違反になりませんし、性交が行われているとしても確たる証拠をなかなか入手できないので、警察としても踏み込むことができないでいます。
売春防止法は、何のために作られた法律なのでしょうか。
売春防止法の第1の目的は、「善良な風俗の維持」です。売春行為が横行すると、性病なども流行りますし婚姻制度も危うくしてしまいます。
そこで、売春行為を禁止しています。
売春防止法のもう1つの目的は、「立場の弱い女性を守る」ことです。現代の感覚とは多少ずれている部分もありますが、かつて女性は生活苦などが原因で、あっせん業者などによって無理に売春をさせられるケースが多々ありました。
そのようなことが行われないよう、売春防止法がもうけられ、あっせん業者や売春宿の経営者などを処罰対象としたのです。
売春防止法では具体的にどういった行為が禁止されているのか、また、その場合どの程度の刑罰が適用されるのか、見てみましょう。
売春防止法は、何人も売春をし、相手方となってはいけないとしているので、売春と買春を禁止しています。ただし、売買春については罰則がもうけられていません。
売春そのものは処罰されませんが、売春の「勧誘」は処罰対象です。たとえば、街頭で立ちんぼをして売春婦が男性を誘う行為などです。
刑罰は、6ヶ月以内の懲役または1万円以下の罰金です。
売春の仲介やあっせん行為も処罰対象です。刑罰は、2年以下の懲役または5万円以下の罰金です。
売春宿の経営者が売春婦との間で客のあっせんや報酬のやりとりなどの契約をすることです。刑罰は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。
売春が行われると知りながら、ホテルなどの場所提供をする場合です。罰則は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金刑です。
営業として行っている場合には、7年以下の懲役または30万円以下の罰金刑が適用されます。
売春宿に売春婦を常駐させて経営管理する場合です。罰則は、10年以下の懲役または30万円以下の罰金刑となります。
売春防止法は、同法5条に違反した20歳以上の女子が当該違反について有罪となり、執行猶予付き判決を受けたときは、補導処分とすることができると規定しています。補導された女性は、「婦人補導院」に収容されて、更生のために必要な教育指導が行われます。
現在、婦人補導院は、東京に1つあるのみです。
売春防止法違反で逮捕されたら、以下のような流れで手続きが進みます。
在宅事件となった場合には、身柄を拘束されずに刑事処分を受けることになります。在宅事件でも起訴されて有罪となれば、前科がつきますし、仮に実刑となり刑が確定すれば、その時点で身柄を拘束され刑務所に送られます。
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売春防止法違反事件については、以下のような判例があります。
売春婦を雇って業として売春を行わせていた会社と代表者が逮捕され、処罰された事案です。問題となったのは、「売春の契約」と「場所提供」です。
代表者は、懲役2年6ヶ月(執行猶予3年)と罰金30万円、会社は罰金30万円の刑罰に処されました。また、会社からは現金75万円ほどが没収されるとともに、会社及び代表者には4,225万2,753円の追徴金が課されました。
事件番号 平成25(わ)24 事件名 売春防止法違反 裁判年月日 平成25年9月4日 裁判所名・部 岐阜地方裁判所 刑事部 |
被告人が17歳の児童に売春行為をさせていたケースです。被告人は児童と売春契約をしていたことと、売春をあっせんしていたことによって売春防止法違反となりました。
また、被害者が17歳の児童であったことから、児童福祉法違反や児童買春防止法も問題となりました。
裁判所は、客(買春者)が児童を18歳未満と思っていなかったことから、児童買春防止法違反は否定しましたが、その他の犯罪成立を認め、被告人に対し、懲役1年2ヶ月、未決勾留日数40日を算入するという実刑判決を言い渡しました。
事件番号 平成15(う)103 事件名 児童福祉法違反,売春防止法違反,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件 裁判年月日 平成15年5月19日 裁判所名・部 東京高等裁判所 第1刑事部 |
被告人が女性を管理下において売春をさせていた「管理売春」の事案です。被告人らは「管理支配がない」などとして管理売春を否定しましたが、裁判所は、被告人が被害者らに無断外出を禁止していたことや、罰金制度を作って売春を行わせていたことなどを重視して「管理支配」を認めました。
被告人には懲役1年、罰金30万円の実刑判決が言い渡されています。
事件番号 昭和53(う)393 事件名 売春防止法違反被告事件 裁判年月日 昭和53年12月7日 裁判所名・部 福岡高等裁判所 第一刑事部 |
この事件は、ホストクラブのツケ代として、40代女性に1年2ヶ月もの期間に渡って売春をさせたものです。期間中、被疑者は2,200回にも渡り女性に売春をさせ、稼いだ金額約2,900万円のほとんどを徴収しました。
被害者女性は、どの程度ツケが溜まっているのかも教えてもらえず、ある時突然に「ツケが払えないなら売春しろ」と言われていたようです。大阪府警は、売春を迫った男性だけではなく、売春を斡旋した知人の男女も同時に逮捕しています。
参考:客に売春させた容疑でホストクラブ経営者ら3人逮捕 大阪府警 代金支払いに - 毎日新聞
もしも売春防止法で逮捕されてしまったら、以下のように対応しましょう。
まず、弁護士に接見を依頼することが重要です。売春防止法にはいくつかの犯罪類型があるので、具体的にどの罪で逮捕されたのか、また今後の見通しなど確認する必要があります。
逮捕されると一人では何もできないので、一刻も早く弁護士を呼びましょう。
売春防止法違反で逮捕されたときには、売春婦たちへの「管理支配性」や「業として行っていたかどうか」「性交をさせていたかどうか」など、いろいろな論点が発生するものです。有利な認定を受けるには、刑事事件を得意とする弁護士に刑事弁護を依頼して対応策を検討し、アドバイスに従って対応を進めていきましょう。
売春防止法で逮捕・起訴されると、初犯でも実刑判決が出る可能性があります。なるべく処分を軽くして不利益を小さくするには、逮捕当初の段階から弁護士に依頼して適切な対応をとっていくべきです。
売春のあっせんや売春宿の経営などの売春防止法違反の行為は決して行うべきではありませんが、もしも逮捕されたらすぐに弁護士に相談して適切なアドバイスを求めましょう。刑事事件の対応は、一分一秒を争います。まずは、刑事弁護や性犯罪を得意とする弁護士を探して相談しましょう。
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