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援助交際で逮捕される可能性は?問われる罪や刑罰・発覚のきっかけを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
援助交際で逮捕される可能性は?問われる罪や刑罰・発覚のきっかけを解説

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援助交際(えんじょこうさい)とは、女性が性行為などを行う代わりに金銭を受け取る、言わば買春のことを言います。18歳未満の女性が援助交際を行っていることが多く、児童買春問題として取り上げられています。
 
略称として、「援交(えんこう)や、隠語で「円光(えんこう)「ウリ(売り)などとも呼ばれており、インターネット上でもこのような援助交際に関する言葉で検索すると、出会い系サイトや援助交際を募集しているようなサイトが見られるのも事実です。
 
しかし、18歳未満の児童に対する性に関しては様々な取り締まりがあり、逮捕される可能性も十分に考えられます。今回は、「援助交際をしてしまった場合どのような罪に問われるのか?」「援助交際で逮捕された場合どのような流れで刑事手続きが行われていくのか?」といった援助交際と刑事事件と絡めたご説明をしていきます。

援助交際をした心当たりがある方へ

援助交際は5年以下の懲役や、300万円以下の罰金が設けられた児童買春罪などに該当する性犯罪です。たとえ相手側に年齢を偽られても、本当に援助したい気持ちで行っても、世間一般的には好印象と言えないでしょう。

しかしそんなあなたに寄り添ってくれるのが弁護士です。弁護士はあなたが望むであろう以下のことを実現するため、被害者と示談交渉などを行ってくれます。

  1. 罪の減刑
  2. 前科の回避・早期釈放
  3. 勤務先に知られた際の雇用継続交渉

早期の釈放や前科を回避して社会復帰を目指すなら、弁護士の存在は必要不可欠です。人生をやり直したい方は一度、弁護士へ相談してみましょう。

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援助交際は18歳未満の児童が行っていることが多い

ご説明の通り、援助交際とは金銭を受け取る代わりに、女性が性行為などを行うことです。大半の方はイメージを持っている通りかもしれませんが、援助交際は18歳未満の児童が行っていることで問題化しています。

携帯電話の普及を元に援助交際が問題化

1990年代の後半には携帯電話が普及し始めて、援助交際に拍車がかかり始めました。今まで接点の無かった成人以上の男性と連絡を取ることが可能になり、さらには、出会い系サイトなども登場し、援助交際が問題となっていきます。

引用:「なくそう、子供の性被害。」|統計データ

2012年(平成24年)から2018年まで検挙数は増えており、2019年の被害児童数も2012年の2倍以上となっています。要因としてSNSの普及が考えられ、SNS上での被害児童数は2013年から毎年増え続けています。

またTwitterの認知率は2012年に98.7%となり、SNSは幅広い年代に普及しています。

参考:「2012年年末SNS調査:3大SNSの認知率は95%超--2013年はLINE、comm注目」

相手が18歳未満になると犯罪が考えられる

この援助交際ですが、相手が18歳未満だから問題になるのです。18歳以上の援助交際は、言い方は悪いですが、自由恋愛と区別することが難しいのです。例えば、金銭授与の代わりに性行為を行なったことを、犯罪として摘発していたら、彼女にプレゼントするようなことも金銭授与と考えられ、買春とも捉えられます。
 
一応、「売春防止法」というものがありますが、これは、女性が強制的に売春をさせられることを防ぐ為の法律で、18歳以上の相手と援助交際を行っても、処罰の対象になりません。
 
援助交際を行う相手が18歳未満だった場合に、様々な罪に問われてくることになります。援助交際を行うことで考えられる罪については「援助交際で問われる可能性がある罪と刑罰」でご説明します。
 

「18歳未満と知らなかった」は通用するのか

18歳未満の児童に対する性行為などについては、度々「18歳未満とは知らなかった」という弁解がされます。知らなかったということは、故意無く援助交際に及んだということなので、刑事責任に問われないことも考えられます。

しかし、仮に相手が自ら18歳以上と言っていても、それまでの状況で18歳未満と判断できるようであれば、故意がなかったとは言い切れません。例えば、相手が高校の制服を着ていたような場合、客観的に考えても18歳未満と考えられるので、そのような弁解は通用しないでしょう。

援助交際で問われる可能性がある罪と刑罰

それでは、実際に援助交際を行ってしまうと、どのような罪に問われてくるのでしょうか。繰り返しますが、援助交際で罪に問われるケースは相手が18歳未満の場合です。

児童買春罪【5年以下の懲役/300万円以下の罰金】

18歳未満の児童と援助交際を行った場合、一番に考えられるのが、「児童買春罪」になります。罰則は5年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金と非常に重く、逮捕され実刑判決を受けることも十分に考えられます。

児童ポルノ製造罪【5年以下の懲役/300万円以下の罰金】

18歳未満の児童のわいせつな画像を撮影した場合、児童ポルノ製造罪に問われることがあります。援助交際の様子を撮影することももちろんですが、例えば、出会い系サイトなどで児童に対して、裸の写真などのわいせつな画像を要求しても、児童ポルノ製造罪が考えられます。
 
児童ポルノ製造罪の刑罰も5年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となっています。

強制わいせつ・強制性交等罪【強制わいせつ:6カ月以上10年以下の懲役/強制性交等罪:3年以上20年以下の懲役】

仮に援助交際の相手が13歳未満だった場合、援助交際によって相手の同意があったとしても、強制わいせつ罪や強制性交等罪が成立することになります。相手との性行為があれば強制性交等罪、性行為まで及ばないわいせつ行為があれば強制わいせつ罪となります。

また、2017年7月13日から援助交際相手の性別が不問となり、男児であっても罪に問われることになります。

強制性交等罪は3年以上20年以下、強制わいせつ罪は6カ月以上10年以下の懲役刑とどちらも非常に重い刑罰が用意されています。

出会い系サイト規制法違反【100万円以下の罰金】

援助交際が問題視されてから、後の2003年に出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)が公布されました。これを簡単に説明すると、出会い系サイトなどで児童に対し援助交際を目的とするような書き込みをすると違反になります。

この出会い系サイト規制法は、書き込みをした時点で罪になります。その後、実際に児童に会ってわいせつ行為などをしなくても処罰の対象です。刑罰は100万円以下の罰金となっています。

援助交際で逮捕されるのは援助する側

援助交際で逮捕されるのは、援助する成人が対象になります。援助交際は、児童のほうから募集などされることも多いのですが、結果的に逮捕されるのは、援助交際に応じた成人のほうです。今のところ、援助された側に対する罰則はありません。

援助交際が発覚する経緯

それでは、実際にどのような経緯で援助交際が発覚してしまうのでしょうか。自分と相手との間で秘密裏に援助交際を行ったつもりでも、以下のようにして援助交際が発覚し、逮捕されることが考えられます。

児童の補導や親からの通報

援助交際発覚の経緯として多いものに、児童側からの発覚が考えられます。援助交際をしている児童は、一回の援助交際だけではなく、何度も援助交際をすることになります。何度もしているうちに詰めが甘くなるのです。

ポロッと友達に話してしまったり、高級なブランド品ばかり買いそろえるようになったり、そのような経緯で両親などの周囲の人が「おかしい」と感じ、児童の援助交際が発覚します。警察の調べにより過去の援助交際も暴かれ、芋ずる式で逮捕されることが考えられます。

サイバーパトロールによる発覚

インターネット上の違法なやり取りなどを巡回して探す、サイバーパトロールによって援助交際が発覚することも考えられます。特に援助交際は問題視されている内容ですので、出会い系サイトなどで援助交際を募集するような書き込みを行うとすぐに目をつけられてしまうでしょう。
 
また、ご説明のように出会い系サイト規制法では、援助交際を行うような書き込みをしただけでも処罰の対象になります。

児童買春罪の時効は5年

援助交際で最も考えられる児童買春罪ですが、児童買春罪の時効は5となっています。ご説明のように援助交際は、思わぬきっかけで事件が発覚することも多いのです。援助交際を行ってしまったのであれば、いつ発覚するのか分からず怯えて暮らさなくてはならないでしょう。

援助交際では逮捕される可能性も高い

更に、児童買春罪は懲役刑も用意されている比較的重い罪です。突然逮捕されてしまうことも十分に考えられます。想像してみて下さい。「突然の逮捕で、家庭や職場と数日間連絡が取れなくなったら。」「援助交際をしていたことを家族や職場に知られてしまったら。」
 
援助交際で逮捕されたら、その後の生活環境に大きな悪影響を及ぼすことが十分に考えられるでしょう。援助交際をまだしていない人はもちろんするべきではありませんし、もし、過去に援助交際をしたことがある人は、自首することも考えてください。

援助交際で逮捕された後の流れと傾向

それでは、こちらでは実際に援助交際で逮捕されてしまった場合の逮捕後の流れとその後の傾向についてご説明します。

逮捕は突然

このように援助交際での逮捕は突然です。突然の逮捕によって、家庭や職場に何らかの悪影響を及ぼすことも十分に考えられるでしょう。

逮捕後72時間は面会できない

更に、逮捕後72時間は証拠隠滅や共犯者などの逃亡を防ぐ為に、例え家族であっても面会することが禁止されています。逮捕後数日は「連絡が取れなくなった」「行方不明になった」などとそもそも逮捕の事実が伝わらず、ひと騒ぎすることも考えられます。
 
逮捕された本人は事情を話すこともできませんし、残された家族や職場の人は事情を聴こうにも連絡手段が絶たれています。

最大23日まで勾留が長引くこともある

余罪が考えられる場合や、被疑者が罪を認めていないような場合、身柄を拘束し続けられることも考えられます。このことを勾留と言い、勾留は逮捕後最大23日に及ぶこともあります。

23日も会社や家庭に復帰できないとなると、会社からの解雇や家庭崩壊などの最悪のケースも考えられます。特に、家庭をお持ちの方は、性に対する犯罪になりますので、離婚と言った最悪の状態になることも十分に考えられるでしょう。

初犯は略式命令での罰金刑が多い

一方で、初犯での児童買春罪は、略式命令での罰金刑が多いとされています。これは、どういうことかと言うと、逮捕されても数日で身柄を解放され、その後書類による罰金支払いの命令が出され、その罰金を納めれば終了と言った形です。

身柄拘束が短くなる分、社会生活での影響も少なくなると考えられますが、罰金刑としての有罪判決は受けていることになりますので、前科が付くことになり、もちろん指定された期日までに罰金を納める必要性があります。

援助交際で逮捕された場合の対処法

いかがでしょうか。「たいしたことない」と、思っていたかもしれない援助交際でも、逮捕されてしまうと、様々な悪影響を及ぼすことが考えられます。これらの悪い事態になってしまわないように早い段階での対処が重要になります。
 
こちらでは、援助交際を行ってしまった際・逮捕されてしまった際の対処法を解説していきます。もしも、援助交際に関係してしまったような方は、少しでも早く以下の方法を取ることを頭に入れておきましょう。

自首する

「援助交際はしたのだけどまだ逮捕されていない」と言う方は、自首することも考えてください。ご説明のように援助交際での逮捕は突然行われることになります。突然の逮捕で家族や会社に迷惑をかけたり、何年何カ月も逮捕に怯え続けるなら、自首したほうが良いとも考えます。
 
自首することにより、捜査機関も「反省している・逃亡の恐れがない」と判断され、短期間で身柄を解放されることも考えられます。
 
しかし、証拠が不十分な状態で自首を行うと、結果的に捜査が長引いたり、その場では相手にされず、後日逮捕されるようなことも考えられます。自首に対するアドバイスや、その後逮捕された場合の対処法もアドバイスしてくれる弁護士もいます。まずは弁護士に相談するようにしてみましょう。
 

きちんと反省する

援助交際では「18歳未満とは知らなかった」「相手から誘ってきた」などと、言い訳をしてしまいがちな内容でもあります。しかし、反省をせずに言い訳をすればするほど勾留期間が長引くと考えてください。
 
相手が18歳未満と認識があって、今回説明した罪に当てはまるようでしたら、きちんと反省するようにしてください。ご説明のように、児童買春罪では、初犯の場合略式命令での罰金刑が多く、勾留期間が長引くことも考えにくいと言えます。
 
とはいえ、突然の逮捕で不安な方も多く、その不安からついつい言い訳めいた供述をしてしまう人もいます。刑事事件では逮捕後1度なら無料で弁護士を呼べる「当番弁護士制度」というものもありますので、まずは無料で弁護士に相談するようにしてみましょう。

示談をする

刑事事件を穏便に解決する方法の一つに「被害者との示談交渉」というものがあります。簡単に言えば、被害者に示談金を支払い謝罪することです。示談交渉が上手くいけば、反省しているものとみなされその後の刑事手続きにも良い影響が出てきます。
 
ただ、援助交際で逮捕される場合、相手が18歳未満の未成年になります。未成年との直接示談はできませんので、児童の保護者と行うことになります。援助交際の当事者同士が直接示談をして穏便に解決するとは非常に考えにくいものがあります。
 
援助交際で逮捕された際に示談を行う場合、弁護士に示談の間に入ってもらうことを考えてください。弁護士は交渉力もありますし、当事者同士の感情的なぶつかり合いも緩和できるでしょう。

無罪を主張する場合

援助交際では、「相手が18歳未満だとは知らなかった」と言った弁解が度々されます。確かに、相手が18歳未満と本当に知らなかった場合、処罰されないこともあります。ただ、捜査機関は児童買春を行ったと考えて被疑者を逮捕しているので、そこから挽回していくには相当な労力が伴います。
 
特に言えることは、容疑を否認することにより勾留期間が長引くことです。容疑を否認する場合は、これらの捜査に対して悪影響が出てくることを肝に銘じておいてください。「相手が18歳以上と言っていたけど逮捕された」ような方は、否認するかどうかから考える必要があります。
 
状況や本人の希望によって取るべき最善の方法も変わってくるでしょうから、まずは弁護士に相談してみて今後の戦略を練ることをおすすめします。

まとめ

いかがでしょうか。援助交際は、ある意味需要と供給が成り立っていて、犯罪の意識が薄いかもしれません。しかし、児童に対する買春行為はれっきとした犯罪行為で、罪に対する刑罰も用意されています。
 
本人に罪の意識が薄くても、援助交際で逮捕されてしまったら、その後の人生をも崩壊しかねません。もしも、「援助交際に関わってしまった」「知人が援助交際で逮捕された」といったような方は、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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