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売春(ばいしゅん)とは、金銭などの報酬を受け取って、不特定の相手と性交することを指します。売春は売春防止法で禁止されていますが、売春者に対する罰則は設けられていません。
また、売春は摘発の際に犯罪行為が現認される以外で、これを立件・立証することは困難です。
そのため、違法な売春行為を行っている風俗店であっても、発覚しないまま営業を続けているケースもあるようです。
この記事では、売春防止法の詳細や、風俗の違法性などについて解説します。
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売春の基本概要
まずは売春とは何なのかについて解説します。
法律上の定義
売春は売春防止法第2条にて、以下のように定義されています。
(定義)
第二条 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。
引用元:売春防止法第2条
売春防止法では、売春を不特定の相手方と性交することと定義しています。そのため、妻や交際相手など、特定の関係性を有する相手と金銭と引き換えに性交しても、ただちに売春には該当しないという評価はあり得ます。ですが、このような特定の関係がない場合には、対価を受けて性交する行為は売春行為とされるのが通常です。
売春と買春の違い
売春と似たものに、買春があります。本来の読み方は『ばいしゅん』ですが、混同を避けるため『かいしゅん』と呼ばれることもあります。
買春は売春の買う側、つまり金銭などの代償を支払って不特定の相手と性交することを指します。売春が『性的サービスを提供する側』であるのに対し、買春は『性的サービスが提供される側』を意味します。
世界の売春事情|職業として成り立つ国もある
日本以外の国では、日本と同じく売春が禁止されている国や、職業の1つとして売春が認められている国もあります。
中国:違法
中国では、結婚前の性交はタブーと考えられており、売春に関する一切の行為は治安管理処罰法で禁止されています。もし違反した場合は次のような罰則が科せられます。
しかし中国人大学生の約7割が結婚前性交を容認しているという調査結果もでてきているので、慣習は変わりつつあります。
【参考】
「結婚前の性交渉容認」は約7割 中国のイマドキ大学生の性事情
第 66 条 売買春を行った場合、10 日以上 15 日以下の拘留に処し、5000 元以下の罰金
を併科することができる。情状が比較的軽い場合、5 日以下の拘留または 500 元以下の罰
金に処することができる。
公共の場所で、売買春のための客引きを行った場合、5 日以下の拘留または 500 元以下
の罰金に処する。
引用元:中華人民共和国治安管理処罰法第66条
韓国:違法
韓国では、売春について風紀を乱し、人間の尊厳を損なう行為と考えられており、売春に関する一切の行為は性売買特別法で禁止されています。もし違反した場合は、1年以下の懲役または300万ウォン(約33万円)以下の罰金が科せられます。
【参考】
「売春を罰するな」韓国で売春処罰違憲論争 女性元警察署長も「限定的容認すべし」|産経ニュース
アメリカ:ネバダ州以外では違法
アメリカでは、生殖を伴わない性交は罪悪と考えられており、ネバダ州を除いて売春は禁止されています。また、ネバダ州では、『売春を合法化することで性病や薬物問題などの未然防止につながる』として、ライセンス制度を設けた上で売春宿・売春婦が管理されています。
オランダ:合法
オランダでは、売春婦も働く女性の1人という考えのもと、16歳以上の売春が合法化されています。非合法組織からの社会的保護が大きな狙いとしてあり、年金・保険などの保障対象にもなっています。
しかし、若者を中心に売春禁止を訴える運動も盛んに行われており、約4万件の署名が集まっています。現在、売春が合法の国でも今後様々な議論が行われていくでしょう。
【参考】
オランダで「売春博物館」が設立された“理由”…売春合法化の国、「売春婦も働く女性の1人」|産経WEST
オランダで売春禁止の請願書、4万人が署名 性産業従事者は反対も
ドイツ:合法
ドイツでは、売春婦の社会的な保護を狙いとして、21歳以上の売春が合法化されています。オランダ同様に、年金・保険などの保障対象となっており、職業の1つとして認められています。
しかし、新型コロナウイルス流行によりケルンのあるノルトライン=ヴェストファーレン州では売春を法律で禁止しました。(2020年12月現在)
【参考】
ドイツ、売春婦保護強化で客にコンドーム義務化へ|AFP BB NEWS
欧州最大規模のドイツ売春施設、破産申請 新型ウイルス規制が影響
『売春の温床』とされるJKビジネスも出現
女子高生による接客サービス、いわゆるJKビジネスなども出現しています。JKビジネスとは、女子高生がお客に対し、金銭と引き換えにハグや添い寝などのサービスを提供する商売のことで、中には性的サービスが提供されるようなところも存在し、『売春の温床』と呼ばれることもあります。
売春を取り締まる法律と逮捕されるケース
売春は、売春防止法によって次のように禁止されています。この法律は、性道徳を乱すものの排除や善良な風俗の維持、売春者の保護などを目的として策定されました。
(売春の禁止)
第三条 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。
引用元:売春防止法
売春防止法
売春防止法では、『勧誘』、『周旋』、『場所の提供』など、売春者をサポートするような行為について罰則が設けられています。ですが、売春者に対して、売春行為そのものを取り締まる罰則は設けられていません。
(勧誘等)
第五条 売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
引用元:売春防止法第5条
(周旋等)
第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
引用元:売春防止法第6条
(場所の提供)
第十一条 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
引用元:売春防止法第11条
売春者に対する罰則が設けられていない理由
売春防止法は、あくまでも売春者は保護の対象という考えのもと存在する法律です。そのため、売春者に対する罰則は設けられていません。したがって、売春行為をしただけでは逮捕されたり、刑事裁判にかけられたりするということはありません。
売春で刑事処分を受けるケース
売春について、刑事処分の対象となる行為は売春防止法で明確に規定されています。
例えば、売春のあっせん行為や売春場所を提供する行為は、罰則適用の対象となる行為です。
売春の立証
売春を立証するためには、性交の事実、金銭授受の事実、金銭授受が性交の対価である事実がいずれも証明される必要があります。そのため、売春は捜査機関による摘発がない場合には、立証の困難性から刑事事件として立件されることは少ないといえます。しかし、これらの事項は摘発により現認されれば立証は容易ですので、摘発を受けた店舗側は、刑事的な処分を免れるのは困難な場合が多いでしょう。
売春についての事例
この項目では、売春に関する事例についてご紹介します。
2017年9月19日福島地裁の判決
被告人が営業していた風俗店が、風営法や売春防止法などに違反するとして逮捕された事件です。裁判所は被告人に対し、懲役2年と罰金100万円との判決を下しました。
参考:福島地裁 平成29年9月19日 (WestlawJAPAN 文献番号 2017WLJPCA09196005)
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2017年8月17日山形地裁の判決
2016年9月に山形県のホテルにて、被告人が未成年の女性に金銭を渡して性交した事件です。裁判所は被告人に対し、罰金50万円との判決を下しました。
参考:山形地裁 平成29年8月17日 (WestlawJAPAN 文献番号 2017WLJPCA08176002)
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2016年6月10日秋田地裁の判決
2015年11月に東京都豊島区の路上にて、売春をあっせんする目的で客引きしたとして女性が逮捕された事件です。別件で詐欺などの疑いもあり、裁判所は被告人に対し、懲役3年との判決を下しました。
参考:秋田地裁 平成28年6月10日 (WestlawJAPAN 文献番号 2016WLJPCA061060148)
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風俗は売春行為?ヘルス・デリヘルと売春の境界線
ファッションヘルス・デリバリーヘルス・ソープランドなどの風俗については、グレーな立ち位置のもと営業しているのが現状のようです。風俗では、従業員が客に対して性的なサービスを提供しているものの、店舗側は『違法行為にあたらない程度のサービスを提供している』というスタンスがとられているようです。
また、風俗の違法性については、『性交(挿入行為)があるかないか』という点が大きなポイントとなります。
ファッションヘルス(ヘルス)
ファッションヘルスとは、店舗内で従業員が客に性的サービスを提供する風俗です。サービス内容に性交(挿入行為)は含まれておらず、基本的に違法性はないものとされています。
デリバリーヘルス(デリヘル)
デリバリーヘルスも、ファッションヘルスとサービス内容は同じですが、場所が異なります。ファッションヘルスが店舗内であるのに対し、デリバリーヘルスはホテルや客の自宅などで行われます。ファッションヘルス同様、基本的に違法性はないものとされています。
ソープランド(ソープ)
ソープランドは、個室付き浴場で従業員が客の入浴を補助する風俗です。店舗側は『客が入浴した』という事実については認識していますが、それ以外の行為については一切認識していない、というスタンスがとられています。
店舗が摘発された場合に客は逮捕される?
もし、ご自身が風俗を利用した際に店舗が摘発された場合は、参考人として調書を求められることが多いようです。『従業員が未成年であると知りながら性交した』というケースであれば例外ですが、基本的に客側が逮捕されることはないようです。
『風俗は自由恋愛』に関する最高裁の意見
風俗で従業員と客が性交した場合、店舗側は「従業員と客が自由恋愛のすえ勝手に性交しただけで、こちら側は一切知らない」というスタンスがとられることが多いようですが、これについては過去、最高裁で否定されています。
宮崎県市内にて、被告人が売春を行う場所を用意・提供したとして逮捕された事件です。被告人は建物内での売春行為について、店員と客との自由恋愛を理由に「性交の有無は認識していない」と発言しました。裁判所は、「建物内で金銭と引き換えに性交が行われていたことは明らか。自由恋愛を理由に性交について認識していないという理由も無理がある」と判断しています。
参考元:最高裁第二小法廷 昭和61年10月1日(WestlawJAPAN 文献番号1986WLJPCA10011050)
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まとめ
売春は、あくまでも売春者を保護する法律であり、売春者に対して売春行為そのものを罰する法律ではありません。基本的に、風俗は違法性がないものとして営業していますが、実際のところは、グレーな立ち位置のもと営業している店舗も存在します。
利用客が逮捕されるようなことはないものの、怪しげな店には近づかない方がよいでしょう。
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